JR西日本323系電車

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JR西日本323系電車
営業運転中の323系 LS09編成 (2017年9月、大阪城公園駅)
営業運転中の323系 LS09編成
(2017年9月、大阪城公園駅
基本情報
運用者 西日本旅客鉄道
製造所 川崎重工業車両カンパニー[# 1]
近畿車輛[# 2]
製造年 2016年 -2019年
製造数 176両(2019年10月1日現在)[1]
運用開始 2016年12月24日
投入先 大阪環状線桜島線
主要諸元
編成 8両(全車0.5M電動車)一両あたり3扉
軌間 1,067 mm
電気方式 直流 1,500 V (架空電車線方式
最高運転速度 100 km/h[2]
起動加速度 2.8 km/h/s
減速度(常用) 3.9 km/h/s
減速度(非常) 3.9 km/h/s
編成定員 1,197名
車両定員 140名(クモハ323形)
139名(クモハ322形)
153名(中間車)
自重 39.7 t(Mc)
39.1 t(M'c)
37.0 t(M・M5)
36.1 t(M')
編成重量 297.2 t
全長 20,000 mm
車体長 19,500 mm
19,570 mm(先頭車両)
全幅 2,950 mm
車体幅 2,950 mm
全高 4,085 mm[# 3]
車体高 3,630 mm
3,680 mm(先頭車両)
車体 ステンレス
(前頭部のみ普通鋼
台車 軽量ボルスタレス軸梁式台車(ヨーダンパ準備)
動力台車:WDT63C
付随台車:WTR246H・WTR246I
主電動機 全閉式かご形三相誘導電動機(WMT107)
主電動機出力 220 kW以上
駆動方式 WNドライブ
歯車比 1:6.53
編成出力 220 kW×2×8 = 3,520 kW
制御方式 フルSiC-MOSFET素子VVVFインバータ静止形インバータ一体型)
制御装置 WPC16 (1C2M)
制動装置 電気指令式直通回生純電気式〕・抑速耐雪駐車ブレーキ付き)
保安装置 ATS-SW2・ATS-P3
列車防護無線装置
EB-N(デッドマン装置)TE装置
車両異常挙動検知システム
出典:交友社『鉄道ファン 2016年10月号』
脚注:
  1. ^ 2017年から納入
  2. ^ 2016年から納入
  3. ^ パンタグラフの折りたたみ時の高さ
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323系電車(323けいでんしゃ)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の直流通勤形電車である。

概要[編集]

2013年(平成25年)12月24日にJR西日本が発表した『大阪環状線改造プロジェクト』[3]の重点施策の一つである「車両新製」の一環として大阪環状線・ゆめ咲線向けに導入される新型車両。プロジェクト発表時点では具体的な車両形式に言及はされず、「安全・安心の向上」「機器の信頼性向上(安定輸送)」「情報提供の充実」「人に優しい快適な車内空間」などを重視した車両とのキーワードを示したのみであった。

2014年(平成26年)5月の一部報道では、大阪環状線の車両が国鉄から引き継いだ4ドア通勤形(103系201系)とJR移行後に新製された3ドア近郊形(221系223系225系)が混在していることから、整列乗車を促進し混雑を緩和するために、新型車両を3ドア通勤形車両として4ドア車を置き換える方向で検討を行っているとしていた[4]。なお、新型車両の導入に先立ち、2014年2月17日から21日までの朝通勤時間帯に221系・223系・225系が大阪環状線とJRゆめ咲線の線内運用に就いていた。この時点ではJR西日本からの公式見解はなかったが、2014年12月8日付けのニュースリリース[5]でドア数は3つとなることが公表された。

2016年(平成28年)度から2019年(令和元年)度にかけて8両編成21本(168両)が投入される予定であったが[5]、桜島線(JRゆめ咲線)輸送力増強に伴い8両編成22本(176両)が投入され[6]、既存の103系と201系を全て置き換えた[7]。2019年に登場したLS21編成の製造をもって、本系列の増備は完了した[8]近畿車輛川崎重工業で製造されるが、近畿車輛は2016年度から納入し、川崎重工業は2017年(平成29年)度から納入している。2016年6月24日に近畿車輛で第1編成[注 1](クモハ322-1+モハ323-2+モハ322-4+モハ322-3+モハ323-501+モハ322-2+モハ322-1+クモハ323-1)が落成し、報道陣に公開された[9][10]。第1編成が配置された吹田総合車両所森ノ宮支所[11]において、2016年12月3日に1,000名限定で一般公開が開催された[12]

2016年9月29日に「323系と大阪環状線改造プロジェクト」として、2016年度グッドデザイン賞(移動用機器・設備部門)を受賞している[13][14][注 2]

構造[編集]

JR西日本が所有する225系・227系521系3次車で採用された安全性向上のための構造を採用することにより、車内設備や旅客サービスを改善している。

なお、車両の部位においては大阪駅基準で、「前位」は京橋・鶴橋方、「後位」は弁天町・桜島方を示す。

車体[編集]

車体長は19,570/19,500mm(先頭車/中間車)、車体幅は2,950mm、20m級車体に片側3箇所の両開き扉という、通勤形でありながら近郊形と同様のドア配置としている。これは大阪環状線への将来的なホームドア導入に向けて221系・223系・225系などとドア配置を共通化させるとともに、連結面-車端出入り口寸法を先頭車・中間車で共通化させている[15][16]。材質はステンレス鋼 (SUS301, SUS304) を基本とし、運転台部分のみ高耐候性圧延鋼材 (SPA) が用いられている[17]。外板厚は、妻面が1.5mm、側面が2mm、運転台が4.5mmとなっている[18]。全電動車編成とすることによって、車両構体の共通化によるコスト削減が図られている。安全対策として、前面衝撃吸収構造の採用のほか、側面衝突やオフセット衝突対策が実施されている[16]

前頭部形状および標識灯配置は521系3次車や225系2次車、227系と同じとし、省エネ・長寿命化の観点から、前部標識灯(前照灯)およびフォグランプHIDからLEDに変更された[15]。標識灯配色はアンバーの組み合わせであり、従来車からの変化はない[15]。なお、複数編成を連結しての営業運転はないことから、先頭車間転落防止幌は設置されていない[15]。ストライプやドア横のアクセントカラーとして、103系や201系の車体色に用いられた大阪環状線伝統の朱色1号(オレンジバーミリオン)が配され、大阪環状線改造プロジェクトのロゴマークが先頭部および側面にデザインされているほか、ドアの位置や動作状況が分かるようにドア上部に大阪環状線改造プロジェクトのロゴマークにちなんだ標記とドア先端に黄色のラインを配置している。4号車は終日女性専用車両として使用されるため、ドア横に女性専用車の標記とともにアクセントカラーをピンク色としている[19]

側窓はグリーン系の熱線吸収複層合わせガラスを採用し[17]、225系と同様のレイアウトで側扉間は3枚構成、車端は1枚構成である。側扉間の3枚は、側扉側の2枚は降下窓、中央部は大型の1枚の固定窓となっている。乗務員室の前面窓は、グリーン系の電熱線入りの3次曲面で構成された熱線吸収合わせ磨きガラスとしている[20]。外部案内表示器には新たにフルカラーLED式を採用し、従来では分けられていた列車種別と行先表示を一体化させた[16]。これには任意の簡易画像表示も可能であり、例としてクリスマスツリーの表示を行なっている[21]後述)。環状運転を行う列車では、行き先は「大阪環状線」と表示し、その下に区間ごとに主要駅表示を切り替えて表示する(例:大阪駅から内回り列車は「西九条・新今宮方面」、外回り列車は「京橋・鶴橋方面」)。

主要機器[編集]

321系や225系などで採用された、1車両中に動力台車と付随台車を1台ずつ配置し運転に必要な機器類を1両にまとめて搭載する0.5Mシステムと呼ばれる考え方を基本とし、すべての車両が電動車となっている。そのため、全車両に車両制御装置[注 3]を搭載することを基本とし、クモハ323形・モハ323形には集電装置および空気圧縮機[注 4]を装備している。

221系以降の設計思想を引き継ぎ、1 - 3位側(海側)に空制部品関係を、2 - 4位側(山側)に電気部品関係を集中的に配置する。

電源・制御機器[編集]

車両制御装置は WPC16 と呼称される[17]主電動機を制御する主回路部と補機類の電源となる補助電源部(補助電源装置)が一体箱化したユニットである[16]。主回路部はSiC適用のMOSFET素子を使用した2レベル電圧形PWMインバータで、インバータ1基で2基の主電動機を制御する1C2M構成のVVVFインバータを搭載する[16][17]。これにより、力行時の消費電力量を削減するとともに、回生ブレーキ時において発生する回生電力を効率よく架線に戻すことができる。補助電源部はIGBT素子を使用した2レベル電圧形PWMインバータで三相交流 440 V、75 kVA の容量を有しており、インバータをCVCF制御し、他車の車両制御装置の補助電源部と並列運転を行うことで故障時の編成全体での冗長性を確保する設計である[17]。主回路部に採用されたSiC適用のMOSFET素子は従来のIGBT素子と比べて絶縁破壊電圧が高いため、半導体構造を小さくすることが可能であり、機器の小型化が可能となるが、IGBT素子を使用している補助電源部と一体化構造としているため、大幅な車両制御装置の小型化が図れないことや、225系などの在来車で使用されている機器との互換性を考慮して、機器箱寸法および機器構成・容量を225系と同寸法としている[20][22]

集電装置はシングルアーム型パンタグラフ WPS28E が採用され、クモハ323形・モハ323形後位寄りに加え、モハ323形0番台前位寄りにも予備パンタグラフとして搭載する[16]。バネ上昇式・空気下降式であり、大容量集電カーボンすり板、上昇検知装置および電磁カギ外し装置を備える[17]

主電動機は全閉式かご形三相誘導電動機 WMT107 が採用され、各車両に2基搭載する[22][17]。1時間定格出力は220kW以上である[17]。全閉式とすることで車内静穏化を図るとともに、非分解での軸受交換を可能とすることでメンテナンス性を向上させている[22]。主電動機を全閉式としたため、これまでの車両に存在した主電動機の冷却風取り込み口が本系列には存在しない。

空調装置は、新鮮外気導入機能を備えた集約分散式の WAU708B を屋根上に1両あたり2台搭載しており、容量は 20,000 kcal/h 以上である[17]

車両情報システムとして、227系で実績のあるデジタル転送装置を採用する[22]。国際規格に準拠した100Mbpsイーサネットを採用し、システムの標準化、高品質化、車両設計、製作の効率化を図っている[22]

車両異常挙動検知システムを装備しており、連結器脇に車両挙動監視装置を1両あたり2基、車両制御装置の脇には車両挙動表示灯箱が1両あたり2基搭載される[23]

鉄道総合技術研究所(鉄道総研)が新たに開発した空転制御システムが採用されている[24]

空気供給装置[編集]

電動空気圧縮機は、ナブテスコが原設計を担当し、JR西日本テクノスが製造した。[要出典]除湿装置と一体化した低騒音型スクリュー式(WMH3098A-WRC1600)で、クモハ323形・モハ323形0番台に搭載する[17]。編成中間に位置するモハ323形には空気圧縮機が省略、搭載準備工事にとどめられ、車両番号が原番に500を足した500番台として区別された。この措置によって通常のモハ323形0番台車両に欠番が生じており、将来500番台車両に空気圧縮機を搭載し0番台への改番がなされた場合、単純に現番号−500で容易に欠番を埋められるようになっている。

各車両には、電動空気圧縮機から供給された空気を貯蔵する元空気タンクとドアの開閉などで用いる制御空気タンクを一体化した二室空気タンクが車両中央付近に1基、常用・非常ブレーキで用いる供給空気タンクが台車近傍の山側に2基搭載されている[23]

台車[編集]

台車は、225系や321系、227系などで実績のある軸箱支持装置が軸梁式のボルスタレス台車である。将来的な速度向上を鑑み、ヨーダンパとアンチローリング装置搭載は準備工事としている[22]。奇数形式(クモハ323形・モハ323形)の場合は前位寄りに付随台車、後位寄りに電動台車を装着している。偶数形式(クモハ322形・モハ322形)の場合はその逆である。

電動台車は WDT63C と呼称され、基礎ブレーキは踏面片押しユニットブレーキである[17]。付随台車は中間車(モハ323形・モハ322形)が WTR246H 、先頭車(クモハ323形・クモハ322形)が WTR246I と呼称され、基礎ブレーキは踏面片押しユニットブレーキ+1軸2枚のディスクブレーキである[17]。加えて、WTR246I にはバネ式駐車ブレーキが備えられている[17]。一部編成のクモハ322形に搭載される WTR246I にはレール塗油器が取り付けられる[22]

運転台[編集]

運転台

運転台計器盤は計器類と表示灯を廃し、タッチパネルの液晶モニターに表示するグラスコックピット構造の計器盤設定器を運転台正面に2台と右側そで部に1台を採用する。JR西日本の在来線車両では227系についで2例目である。主幹制御器は、221系以来実績のあるブレーキとマスコンが別々の横軸ツインレバー型としている。ただし、EB-N装置搭載の関係で力行側のレバーの形状が従来の形から変更されている。

ワイパーは運転士側に予備を含めて2本、助士側に1本、貫通扉に1本の計4本を装備する。

その他装備[編集]

連結器は1編成を1車両として運用する考え方を基本としたため、中間連結部は半永久連結器を使用することを基本としている。検修の都合上、3両と5両に分割できるようにするためにモハ322形(6号車)後位およびモハ323形500番台(5号車)前位は密着連結器としている[17]。先頭車運転台寄りの連結器も密着連結器としているが、営業列車での増解結作業が存在しないことから、電気連結器自動解結装置は搭載しない。すべての連結器にばね式胴受けと元空気ダメ間引き通しを備えている[17]

保安装置は、新製当初からATS-SWおよびATS-Pのほか、EBTE装置映像音声記録装置に加えてEB-N装置が新たに搭載される[17]警笛は、AW-2、AW-5およびミュージックホーンが先頭車両床下に搭載される[23]

先頭車の運転台寄り(クモハ323形前位寄りおよびクモハ322形後位寄り)の下部にはドア誤扱い防止対策用のホーム検知センサーが取り付けられている[18]

車内[編集]

一般車(左)と女性専用車(右)の車内 一般車(左)と女性専用車(右)の車内
一般車(左)と女性専用車(右)の車内
8号車は扉脇のスペースを拡大した 8号車は扉脇のスペースを拡大した
8号車は扉脇のスペースを拡大した
扉間の座席(左)と優先座席(右) 扉間の座席(左)と優先座席(右)
扉間の座席(左)と優先座席(右)

扉間には10人掛け(3人+4人+3人に区切られる)ロングシート、車端部は3人掛けのロングシートを基本としている[22]。 また、車内チャイムを搭載しており、関空・紀州路快速と同じ旋律の車内チャイムが流れる。最も混雑が予想される8号車(大阪駅基準で天満方)であるクモハ323形は、扉間を8人掛け(4人+4人)とし、乗降扉周辺での広いスペースを確保するとともに袖仕切りの腰当を設置して混雑対策とした[22]。すべての座席幅は470mmに拡大され、立ち上がりやすさを考慮して座席高さを450mmとし、クッション性を向上させるためにSばねを採用した[16]。シートの袖仕切は、乗客の安全を確保するため大形化されており、袖仕切がある座席に座っている乗客の肩を逃がし、袖仕切付近に立っている乗客に広さを感じさせるとともに車内の奥へ誘導できる効果を持たせるため、斜めに取付けられている[20]。モケットは緑色である[15]つり革手すりは大型化され、緊急時につかまりやすく考慮されており、オレンジ色に変更されている。また、手すりの端部を曲線化することにより、乗客が手すりに衝突した時でも衝撃力が集中しないように配慮されている。優先座席には個別に肘掛けを備え、立ち上がる際の補助として使用できるように配慮した[16]。その他にも、汚れやすい部分は凸凹をなくすとともに直角に交わる部分を極力少なくすることで、清掃がしやすい工夫が図られている[20]。その他にも、試行設置として防犯カメラや各車両の天井部に空気清浄機を設置している[25]

車内照明は、汎用性のある直管型の昼白色LEDを採用して省エネルギー化の推進を図っており[16]、天井は灯具と一体化して、できるだけ影が出ないように凸凹をなくしており、光源が天井面に反射して車内を明るくできるようにしている[20]。また、女性専用車両である4号車に連結されるモハ322形は、識別のため電球色LEDを採用しており、そのほかにも客室の荷棚や車内案内ディスプレイの下部に女性専用車両の案内表示を付けることで識別化を図っている[22]

各車両3位寄りに設置された車いす・ベビーカースペース

車いす・ベビーカースペースは各車両に1か所(各車両の3位寄り、ただしクモハ322形のみ1位寄り)設置する[18][26]。車端部の貫通扉は少ない力で開く事が出来るアシストレバー付貫通扉となっている。客用ドアの室内側には黄色のラインを追加し、鴨居部には扉開閉予告灯を2灯設置している。ドアエンジンは直動空気式である WTK132 を採用し、戸締め力弱め機能、戸挟み検知機構および隙間風防止機構を備える[17]。また、客室扉の車外および車内の横には、扉が半自動時において扉を開閉させる半自動スイッチが設置されている[27]

鴨居部(左)と妻部(右)に設置された車内案内表示装置 鴨居部(左)と妻部(右)に設置された車内案内表示装置
鴨居部(左)と妻部(右)に設置された車内案内表示装置

邦人のみならず訪日外国人にとっても有用な[28]車内案内表示装置は225系と同様に液晶表示器を設置することとしたが、225系321系と比べて増設され、鴨居部に6か所(12面)と妻部に2か所(4面)の1両あたり16面搭載されている。鴨居部寸法と機器互換性の面から、液晶サイズは17インチで統一されている[18]。車内案内表示装置での広告コンテンツの更新は、従来では沿線WANによるエリア内での数ヶ所の拠点から行われていたのを、基地局の多い汎用方式(WiMAX)に変更している[27]

Wi-Fiが設置されていることを示すラベル
使用案内は英語でのみ掲示されている

日本国内でのインターネット接続環境に対する訪日外国人のニーズの高まりに対して車内にWi-Fi設備を導入している[27]。車内自動放送装置を装備しており、通常は日英2言語であるが、設定により英語のみ自動放送や、日英中韓の4言語などに設定することも可能である。

形式[編集]

クモハ323形 (Mc)
上り方制御電動車。前位寄りに運転台、3位寄りに車椅子スペースを備え、車両制御装置、蓄電池、空気圧縮機、集電装置などを搭載する。
クモハ322形 (M'c)
下り方制御電動車。1位寄りに車椅子スペース、後位寄りに運転台を備え、車両制御装置、蓄電池などを搭載する。
モハ323形 (M・M5)
中間電動車。3位寄りに車椅子スペースを備え、車両制御装置、蓄電池、空気圧縮機、集電装置などを搭載するが、500番台 (M5) は空気圧縮機を搭載しない。
モハ322形 (M')
中間電動車。3位寄りに車椅子スペースを備え、車両制御装置、蓄電池などを搭載する。
編成表
編成番号
大阪駅基準
← 京橋・鶴橋(外回り)
福島・弁天町(内回り) →

← 西九条
桜島 →
8両編成 形式 8

クモハ323
-0
(Mc)
7
 
モハ322
-0
(M')
6
 
モハ322
-0
(M')
5

モハ323
-500
(M5)
4♀
 
モハ322
-0
(M')
3
 
モハ322
-0
(M')
2
< >
モハ323
-0
(M)
1
 
クモハ322
-0
(M'c)
搭載機器 Cont, CP Cont Cont Cont Cont Cont Cont, CP Cont
車両重量(t) 39.7 36.1 36.1 36.3 36.1 36.1 37.0 39.1[注 5]
  • Cont: 車両制御装置, CP: 空気圧縮機, ♀: 女性専用車両

運用[編集]

2016年12月24日京橋駅16時09分発の内回り普通列車から営業運転を開始し[29]、翌12月25日には外回りおよび桜島線(JRゆめ咲線)の運用にも就いた[30]2017年3月4日のダイヤ改正までに7編成56両が投入され、この時点で日中6運用ある環状運転のうち5運用は本系列の担当となっていた。なお、2018年時点では103系・201系が従来担当していた大和路線直通の区間快速などの運用には入っていない (当該列車は吹田総合車両所 奈良支所の221系で運用) 。

大阪環状線の列車において本系列で運用される列車では女性専用車両の案内がなされる (何も案内がなければ、クロスシート車両の221系・223系・225系での運用となる) 。

2019年5月10日、JR西日本は大阪環状線・JRゆめ咲線の運用で所要となる22編成の投入が2019年6月8日に完了する予定であることを発表した[31]。これにより、大阪環状線・JRゆめ咲線での201系の運用が2019年6月7日に終了し、大阪環状線・JRゆめ咲線の車両が全列車3扉車に統一、ロングシート車両 (オレンジ色の車両) が全て323系に統一されることとなった。

特別編成[編集]

クリスマス仕様[編集]

営業運転開始日である2016年12月24日と25日にLS01編成がクリスマス仕様として運行したのが始まりで、正面および側面のフルカラーLED方向幕に路線記号と交互にクリスマスツリーが表示された。以降は毎年12月25日までの約1週間の期間限定で1編成がクリスマス仕様として運転されている。

ハローキティ環状線トレイン[編集]

サンリオのキャラクター「ハローキティ」とのコラボレーション企画「HELLO! LOOP PROJECT」の一環として、LS22編成が「ハローキティ 環状線トレイン」として2019年4月1日〜同年9月30日まで運行されている[35][36]

ラッピング列車[編集]

  • ラグビーワールドカップ2019PR

ラグビーワールドカップ2019大阪・花園開催推進委員会による「ラグビーワールドカップ2019PR事業」の取り組みの1つとして、本系列1編成を使用したラッピング列車2019年9月8日から同年10月末ごろまで運行されている[37]。本系列では初のラッピング列車の運転である。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 編成記号はLSとなっている。
  2. ^ 合わせて、大阪環状線改造プロジェクトについても同時受賞している。
  3. ^ 主回路用インバータ(VVVF制御装置)と補助電源用インバータ (SIV) を一体化したもの。
  4. ^ 供給能力の関係上、モハ323形500番台には空気圧縮機を搭載しない。
  5. ^ 塗油器搭載車輌は39.3 t。

出典[編集]

  1. ^ 「JR電車編成表 2019冬」 交通新聞社刊 ISBN 978-4-330-93218-7
  2. ^ データで見るJR西日本 p.122 - 西日本旅客鉄道
  3. ^ “「大阪環状線改造プロジェクト」スタート!” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2013年12月24日), https://www.westjr.co.jp/press/article/2013/12/page_4978.html 2014年6月23日閲覧。 
  4. ^ “乗車位置△・◯が一つに、JR大阪環状線3ドア車で統一へ 平成29年度着手”. MSN産経ニュースwest. (2014年5月11日). http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140511/waf14051114330014-n1.htm 2014年9月20日閲覧。 
  5. ^ a b “『大阪環状線改造プロジェクト』進行中!大阪環状線に新型車両「323系」を投入!” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2014年12月8日), http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/12/page_6517.html 2014年12月8日閲覧。 
  6. ^ “JRゆめ咲線(桜島線)の輸送力強化・混雑緩和” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2019年9月18日), https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/09/page_14937.html 2019年9月18日閲覧。 
  7. ^ 323系LS22編成が登場”. 鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース (2018年8月29日). 2019年5月15日閲覧。
  8. ^ 323系LS21編成が登場”. 鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース (2019年3月27日). 2019年5月15日閲覧。
  9. ^ “初めての大阪環状線専用新型車両「323系」ついに完成!” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2016年6月24日), http://www.westjr.co.jp/press/article/2016/06/page_8850.html 2016年6月26日閲覧。 
  10. ^ “JR西日本、大阪環状線の新型電車「323系」公開…「斜めの発想」とり入れ”. Response.. (2016年6月26日). http://response.jp/article/2016/06/26/277493.html 2016年6月26日閲覧。 
  11. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2017冬 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2016年、p.151。ISBN 9784330737164
  12. ^ “「大阪環状線改造プロジェクト」進行中!大阪環状線専用新型車両「323系」一般公開!1,000名様をご招待!参加者を募集します!” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2016年10月31日), http://www.westjr.co.jp/press/article/2016/10/page_9453.html 2019年5月15日閲覧。 
  13. ^ “「323系と大阪環状線改造プロジェクト」が2016年度グッドデザイン賞を受賞!” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2016年9月29日), http://www.westjr.co.jp/press/article/2016/09/page_9309.html 2019年5月15日閲覧。 
  14. ^ 鉄道車両 [323系と大阪環状線改造プロジェクト|受賞対象一覧] - 日本産業デザイン振興会
  15. ^ a b c d e 『レイルマガジン』通巻398号、p.75
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参考文献[編集]

レイルマガジン
鉄道ファン
  • 鍋谷武司(JR西日本鉄道本部車両部車両設計室)「323系通勤形直流電車」『鉄道ファン』第666号、交友社、2016年10月、 66 - 72頁。

外部リンク[編集]