夢洲

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座標: 北緯34度39分09秒 東経135度23分23秒 / 北緯34.652415度 東経135.389585度 / 34.652415; 135.389585

夢洲
夢洲.JPG
夢洲全景(大阪府咲洲庁舎より撮影)
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夢洲(ゆめしま)は、大阪府大阪市此花区にある人工島

概要[編集]

舞洲の南西に位置し大阪市の最西端となっており、大阪北港の一画を占める。新都心の開発を目指して、1988年に策定された「テクノポート大阪」計画の対象となった人工島3地区の一つ。

夢洲の南部に水深15 mの高規格コンテナターミナルが2つあるが、全体的には広大な空き地が広がっている。今後は、夢洲の南端地域はロジスティクスセンターと位置付けて、物流倉庫の大規模集積地化を進める予定。将来的には産業区域に変更した上で製造業の進出も想定している。さらに、夢洲はスーパー中枢港湾構想の中核施設を目指すなど、コンテナターミナルや物流基地の整備により国際物流の拠点とする予定。埋め立てが全て完了すれば、総面積は390 haになる。

2018年11月23日(日本時間同24日未明)に2025年国際博覧会の開催地が大阪に決定し、夢洲は大阪万博EXPO2025の会場となる。大阪万博の開催期間は、2025年4月13日~2025年10月13日が予定されている。万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン(英:Designing Future Society for Our Lives)」であり、約2800万人の来場を見込んでいる[1]

大阪府知事の松井一郎(当時)は、カジノを含む統合型リゾート (IR) について、夢洲を候補地として誘致活動を推進する方針を示している[2]。また、2016年6月16日には2025年万国博覧会の大阪招致構想として、それまで例示の一つだった夢洲の会場候補一本化が発表され[3][4]、万博誘致の成功を含めて、IRとの一体的な開発が行われる見込みである[5][6]

2021年2月12日、大阪市・大阪府は大阪IRの「実施方針案」を修正。新型コロナウイルスの流行や国の手続きの遅れなどを背景に、当初2025年の全面開業の時期を、2020年代後半に遅らせることになった[7]

大阪万博開催および大阪IRの開業を見越し、大阪メトロ中央線が2024年度を目標に、夢洲駅を新設し延伸予定である[8]

2022年11月9日からは、大阪万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン“Designing Future Society for Our Lives”~多様で心身ともに健康な生き方・持続可能な社会・経済システム~」と「大阪・関西らしい世界初のスマートシティ」実現を目指し、「夢洲 次世代まちづくりEXPO」が開催される[9]

歴史[編集]

施設[編集]

コンテナ荷役はエバーグリーン東京船舶が行っている。現在、7,000個台のコンテナ船が入港できる水深16mの岸壁を建設中。

交通機関[編集]

夢洲と舞洲を結ぶ夢舞大橋と、夢洲と咲洲を結ぶ夢咲トンネルがある。

公共交通機関としては、北港観光バスの「コスモドリームライン」(コスモスクエア駅 - 舞洲間)が夢洲を経由している(現在、夢舞大橋の歩行者・自転車道は閉鎖中、夢咲トンネルは歩行者・自転車通行禁止)。2015年4月1日からは夢洲内の2ヶ所のバス停に停車するようになっている[12]

大阪府と大阪市が誘致を進めるカジノを設置した統合型リゾート (IR) のアクセスとして、大阪港トランスポートシステム北港テクノポート線を活用して、Osaka Metro中央線JR桜島線京阪中之島線の3路線のいずれかを夢洲まで延伸する案が浮上している。開通後には、夢洲内の新駅と大阪駅が約30分で結ばれることになる。なお、地下鉄中央線は計画線上は夢洲地区に駅を設置することになっている[13]。このうち、地下鉄中央線から延伸するコスモスクエア駅 - 夢洲駅(仮称)間については2024年度開業目標としており[14]、万博への交通アクセスとしても機能することになる。

自然環境[編集]

埋立途中にできた池や湿地、砂礫地は多くの野鳥や昆虫の生息場所となっている。環境省のガンカモ調査では、北港南地区の名で登録され、1991年から毎年種ごとの飛来数が記録されている[15]。2019年1月には13種6193個体が記録されている。なかでもホシハジロの記録数は4862個体で、ラムサール条約の登録基準6の基準個体数3000羽を超えている[16]。また、ツクシガモは135羽と記録されており、本州での最多個体数である。

シギ・チドリ調査では、2018年の春には30種979個体、秋には37種564個体が記録されている[17]。2021年にはセイタカシギの繁殖が確認された[18]。砂礫地ではコアジサシやシロチドリが繁殖する[19]

塩生湿地があり、大阪府レッドデータリストで「絶滅」と判定されたカワツルモが再発見された[20]

こうした豊かな生物相のため、大阪府レッドリスト2014では、夢洲を生物多様性ホットスポットのAランクとしている[21]

周辺地区[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 外務省 日本国際博覧会HP= 2022年7月30日
  2. ^ カジノ候補地は「夢洲」に絞り込む意向、巨額投資に期待=松井・大阪府知事 ロイター 2014年4月14日 20:26
  3. ^ 大阪万博6兆円の効果 構想試案、夢洲で3千万人来場が目標「産経ニュース」2016年6月16日
  4. ^ 大阪万博、2025年誘致へ…「人類の健康・長寿への挑戦」テーマに基本構想「YOMIURI ONLINE」2016年6月17日
  5. ^ 大阪万博の誘致先、「夢洲」に集約 カジノと共存狙う 朝日新聞デジタル 2016年9月22日
  6. ^ 大阪万博、IR一体開発を 関経連会長「解決策発信」 時事通信 2017年1月1日
  7. ^ 大阪IR、撤退懸念で計画修正 完成時期は白紙に”. 日本経済新聞. 2021年2月13日閲覧。
  8. ^ Osaka Metro Group 2018~2024年度 中期経営計画について 2022年7月30日
  9. ^ 夢州 次世代まちづくりEXPOとは”. 大阪・関西万博 開催支援EXPO 実行委員会. 2022年7月18日閲覧。
  10. ^ a b c 大阪港埋立事業について Ⅱ-1埋立事業の進捗状況 2014年3月31日大阪市
  11. ^ a b 事業分析(経過報告) 大阪港埋立事業,2005年10月,大阪市港湾局
  12. ^ 北港観光バス公式サイト・2015年3月25日【舞洲地区】4月1日よりダイヤ変更、3系統の停留所新設します
  13. ^ 海底トンネル抜けると、そこは「カジノ」…大阪・夢洲への誘致で鉄道アクセス延伸3案判明 - 産経WEST、2015年4月18日閲覧。
  14. ^ 「Osaka Metro Group 2018~2024年度 中期経営計画」の策定について”. 大阪市高速電気軌道 (2018年7月9日). 2018年11月24日閲覧。
  15. ^ ガンカモ類の生息調査 | 生物多様性センター (環境省 自然環境局)”. www.biodic.go.jp. 2021年9月22日閲覧。
  16. ^ ラムサール条約を活用しよう●第2部●解説9付表「条約湿地選定基準6に用いる日本の水鳥個体群の1%基準値一覧」”. www.biwa.ne.jp. 2021年9月22日閲覧。
  17. ^ データファイル「シギ・チドリ類調査」 - モニタリングサイト1000”. www.biodic.go.jp. 2021年9月22日閲覧。
  18. ^ 夢洲の未来の自然環境のために|大阪自然環境保全協会”. www.nature.or.jp. 2021年9月22日閲覧。
  19. ^ 日本野鳥の会 : JP119 大阪南港(大阪南港野鳥園)(おおさかなんこう)”. 2021年9月22日閲覧。
  20. ^ What's New: <プレスリリース>2025年万博会場・夢洲において 大阪府で「絶滅」とされた水草「カワツルモ」を再発見”. www.omnh.net. 2021年9月22日閲覧。
  21. ^ 大阪府レッドリスト・大阪の生物多様性ホットスポット”. 大阪府. 2021年9月22日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]