阪神工業地帯

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阪神工業地帯(はんしんこうぎょうちたい)は、大阪府兵庫県を中心に広がる工業地帯である。京浜工業地帯中京工業地帯と比較した場合、事業所数で見た規模は最も大きく、製造品出荷額で見た規模でも第2位である。事業所数(従業員4人以上)は3万4424ヶ所、製造品出荷額は33兆7461億円である。(工業統計表、2007年)

概要[編集]

大阪湾岸にはエネルギー・鉄鋼業・石油化学工業・機械工業が、淀川沿いには電気機械工業・食品工業が、ほか、泉南地域では繊維業が、阪神地域などでは醸造業が展開している。また内陸部では、医薬・化学・機械関連の研究所が多く展開する。主な都市と事業所は主な事業所、および、主な研究所を参照。

大阪などの商業資本と大消費市場、水運を中心とした交通、淀川による用水を背景として発達した。戦前は京浜工業地帯を上回る地位で、日本最大の工業地帯であったが、出荷額で太平洋戦争直前に京浜工業地帯に抜かれ、近年は中京工業地帯を下回っている。工場の立地が19世紀末からあったため、老朽化が目立つこと、戦時体制下の産業統制、企業統合を余儀なくされたこと、繊維などの軽産業のウェイトが高かったことが主因として挙げられる。

戦後になり、堺や尼崎の臨海部などに化学・金属工業が多数立地したが、東京一極集中の傾向もあいまって、昭和30年代後半に整備されだした千葉県臨海部などに主力工場を置く企業も多かった。結果、既に立地された阪神工業地帯の工場は、他地域に比べ老朽化、小規模が目立つようになっていた。近年は、化学・医薬・機械分野の新工場設立や増設、研究機能の集約が目立っている[1]

播磨地区は工業整備特別地域に指定されていた。また、近年、関西文化学術研究都市に工業関連の研究都市がつくられ、近畿の工業の発展において重要な役割を果たすことが期待されている。

主な事業所[編集]

大阪府[編集]

兵庫県[編集]

和歌山県[編集]

主な研究所[編集]

  • 医薬
  • 機械
    • 三菱電機先端技術総合研究所、生産技術センター(尼崎市)、自動車機器開発センター(姫路市)
    • パナソニック門真拠点(門真市)
    • 川崎重工業技術研究所(明石市)
    • 三菱重工業高砂研究所 (高砂市)
  • 化学
    • バイエル尼崎ラボ(尼崎市)
    • 住化バイエル ウレタン研究所(尼崎市)
    • 住友化学精密化学品研究所、情報電子化学品研究所、有機合成研究所、生物環境科学研究所、(大阪市)、農薬化学品研究所(宝塚市
    • 堺化学中央研究所(堺市)
    • 日本触媒機能性化学品研究所、電子情報材料研究所、先端材料研究所、基礎技術研究所(吹田市)
    • 帝人大阪研究センター(茨木市)
    • 日本板硝子技術研究所(伊丹市)
    • 住友ベークライト神戸基礎研究所(神戸市)
    • P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)神戸テクニカルセンター(神戸市)
    • カネカ先端材料開発研究所、発泡樹脂技術研究所、ライフサイエンス研究所(高砂市)
    • ダイセル総合研究所(姫路市)
    • 花王和歌山研究所(和歌山市)
  • 鉄鋼・金属
    • 新日鐵住金尼崎研究開発センター(尼崎市)
    • 昭和電工アルミニウム技術センター(堺市)
    • 神戸製鋼所総合科学技術研究所(神戸市)、技術開発センター(加古川市)
    • 日本軽金属大阪センター(貝塚市
  • 素材

<参考>

  • 大阪府
    • 製造品出荷額:17兆9615億円、付加価値額:6兆3999億円、事業所数(従業員4人以上):23,553、従業員数:53万2460人
  • 兵庫県
    • 製造品出荷額:15兆7846億円、付加価値額:5兆2726億円、事業所数(従業員4人以上):10,871、従業者数:38万3164人

(工業統計表、2007年)

脚注[編集]

  1. ^ 2007年の例では、シャープの堺市への液晶パネル工場の進出、旭硝子の高砂工場の増設、パナソニック子会社によるプラズマディスプレイ工場増設、塩野義製薬の杭瀬事業所への医薬研究機能集中など。

関連項目[編集]