人工島

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人工島(じんこうとう)とは、人工的に作られたのこと。

概要[編集]

主な建設手法としては、

  • 海底から護岸となる構造物を築造し、その内側を土砂廃棄物などで埋め立てたもの。通常の港湾(岸壁)整備工事と同様の手法。
  • 陸上で作成された躯体(ケーソン)や柱(鋼管柱やコンクリート柱など)を海底の岩盤上に据え付け、その上に構造物を建設したもの。小規模なもので用いられることがある。
  • 造船所等で浮体を作成し、海底に係留しただけのもの(浮島構造、詳細は後述)。

などがある。土地造成の一環であることが多いが、大都市近郊においては廃棄物の恒久的処分が主たる目的となっている場合もある。

埋め立て構造による場合、設置位置の海底が深い位置になるほど護岸築造および埋め立てに要する建設費用が高騰すると共に、埋め立て後一定期間にわたって圧密現象による地盤沈下地震発生時の液状化現象が発生する可能性が高いことから、これらへの対策を検討する必要がある。

日本国内で比較的大規模なものでは、工業用地として1967年に埋め立て完了した東京都大田区平和島昭和島、同じく1967年まで廃棄物処分場として埋め立てられていた東京都江東区夢の島などがある。兵庫県神戸市ポートアイランド(完成当時、世界最大の人工島)や六甲アイランドは港湾設備だけではなく、住宅公共施設などの都市設備も整備し「海上都市」として作られた。騒音などが問題となりやすい国際空港の解決策として大型航空機が着陸可能な人工島を造成する事が試みられるようになり、第二次大戦後に海上に造成された人工島利用国際空港としては、イギリス資本により構築された香港国際空港などが知られており、香港のような地理的な制約がある都市国家中東地域において、新規に国際空港を開設する場合は海上に人工島を造成する事が多くなっている。日本国内で実現したもので代表的な海上空港として大阪府泉佐野市関西国際空港(1994年開港)を初めとして、2005年に開催された愛知万博に合わせて開港した愛知県常滑市沖の中部国際空港(同県小牧市名古屋飛行場(旧名古屋空港から国際線が移転)、さらに福岡県北九州市沖の北九州空港(福岡都市圏内での福岡空港とのダブルエアポート制)などもある。海上空港の利点としては住宅街への騒音問題が介在しやすい陸上の大規模空港と比べて、国際線運航を行う大型航空機が24時間離発着可能である点や事故発生時の2次災害リスク軽減などが知られている。その他資源開発などの点では、小規模なものでは石油ガスなどの採掘プラットフォームや橋脚などの土台なども一種の人工島といえる。例えば東京湾アクアラインのために作られた木更津人工島(海ほたるパーキングエリア)などがある。

人工島の派生[編集]

浮島[編集]

水底に接していない島を浮島と呼び、天然でも湖沼の一部に浮島が見られる。例えば秋田県鹿角市作沢沼にはミズゴケ類からできた直径数mの浮島が見られる。チチカカ湖には人の居住する巨大な浮島がある(トトラという水草で修繕しているので、半人工と言える)。浮島は人工島としても有望視されている。1975年から翌年にかけて開催された沖縄国際海洋博覧会でメイン会場となった100m四方のアクアポリスはその一例である。このような巨大な浮体構造物をメガフロートと呼ぶ。1995年からは横須賀沖で1000m×120mという最大規模のメガフロート実験が行われた。また現在世界各地で浮体式洋上風力発電の試験が進められ、ロシアなどでは浮体原子力発電所が計画されている。

海上空港[編集]

関西国際空港(衛星画像)

海上空港は人工島に建設された空港であり、日本では1975年の長崎空港(ただし、離島の周囲を埋め立てて造成しているため、純然たる人工島とは言えない)をはじめとして、関西国際空港中部国際空港神戸空港北九州空港等が開港している。騒音対策・24時間運用などの人工島ならではの利点がある。

関連項目[編集]