国鉄チキ5500形貨車 (2代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
国鉄チキ5500形貨車 (2代)
チキ5802
チキ5802
基本情報
製造所 国鉄工場*
製造年 1974年(昭和49年)
主要諸元
車体色 赤3号
軌間 1,067 mm
全長 18,150 mm
全幅 2,630 mm
全高 1,379 mm
荷重 37 t
自重 16.0 t
換算両数 積車 4.0
換算両数 空車 1.6
台車 TR63F
最高速度 85 km/h
備考 *改造所
テンプレートを表示
チキ5500による50m定尺レール輸送列車

チキ5500形は、日本国有鉄道(国鉄)が1974年(昭和49年)度から1981年(昭和56年)度にかけてコキ5500形コンテナ車の改造により製作した、積載荷重37tロングレール輸送専用貨車長物車)である。

概要[編集]

元々は東北上越新幹線建設に伴う50mレール輸送用として登場した。レール輸送用の長物車が必要になり、製作された車両である。当時国鉄の財政事情から、高額な完全新製による増備が見送られていたため予算抑制を目的とした安価な余剰車両による製作に切り替えられていた。

当時はコキ5500形が余剰となっていた。1971年(昭和46年)にコキ50000形とともに2種5tコンテナが登場すると1種5t (10ft) コンテナ5個積で製作されたコキ5500形は2種5t (12ft) コンテナ積載に対応する改造が行われたが、車体長の関係で4個しか積載することができず積載効率が劣り、また、最高速度が85km/hしか出せず、速度面においても劣っていたため、余剰化していた。これを有効活用してコンテナ貨車からレール輸送用への長物車を転用製作することになった。そうして登場したのが本形式である。

50mレールの場合、チキ1500形チキ3000形などの汎用長物車では4両分必要に対し、本形式では3両で可能となった。

1974年(昭和49年)度から1981年(昭和56年)度にかけて138両が製作(転用改造)された。

構造[編集]

改造に際しては、コキ5500形のうち、TR63F台車を装備した車両を種車とした。コンテナ緊締装置、手ブレーキ、手すりを撤去し、床板、レール用緊締装置(受台)を新設している。これに伴い、ブレーキ装置は両側側ブレーキに変更された。

塗色はコキ5500やコキ50000と同様の赤3号であるが、旅客会社所属の一部は塗装がとなっている。

装備の違いにより、5500、5600、5700、5800、5900、15900の各番台が存在する。

レールは28本積載可能である。曲線での通過を考慮し、左右に遊間があり、緊締装置まで自由に動ける構造となっている。

50mレール輸送用と200mレール輸送用が存在し、前者は3両編成で、後者は10数両編成で使用される。

50mレール輸送用は、中間車でレール用緊締装置を設けてレールを固定し、両端の車両は受台で垂直荷重を受ける構造となっている。

200mレール輸送用は、編成の中央に中央緊締車があり、両端にはレールを取り卸すための端末滑り台を設けたエプロン車が連結され、その他の中間車はガイドと中間滑り台を設けた積込車となっている。

形態別詳説[編集]

5500番台
編成の両端に連結される車両(両端車)。200mレール輸送用はレールを取り卸すための端末滑り台を設けたエプロン車となっている。
5600番台
編成の中間に連結される車両(中間車)。
5700番台
5800番台
5900番台
15900番台
東日本旅客鉄道(JR東日本)に所属する車両のうち、5900番台から改造・改番した車両。

現況[編集]

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化に際しては四国旅客鉄道(JR四国)を除くJR各社へ継承された。

2009年(平成21年)4月現在、東日本旅客鉄道(JR東日本)に57両、西日本旅客鉄道(JR西日本)に36両、九州旅客鉄道(JR九州)に14両、日本貨物鉄道(JR貨物)に15両が在籍している。

旅客会社保有車のロングレール輸送では、200m前後に溶接されたレールを運べるよう10数両の固定編成を組み、保線基地とレール交換作業現場の間の輸送に使われる。JR貨物所属のものは、製鉄所から保線基地までの50mの定尺レール輸送に3車1連で運用される。

JR東日本では、越中島貨物駅(東京レールセンター内)と岩切駅(隣接する仙台レールセンター)を拠点として東日本エリアの各地域または中小私鉄向けのレール輸送(伊豆箱根鉄道秩父鉄道等)にて運用される。越中島常駐車は幕張車両センターに、岩切常駐車は仙台車両センターに所属し交互に行き交うこともある。

JR西日本では、吹田総合車両所京都支所をベースにアーバンネットワークをはじめ殆どのエリア内のレール輸送に携わっている。なお、東日本所属車は編成両端にエプロン車が連結されているのに対しこの西日本編成は片方(東京より)にしか連結されていない。

JR九州所属車はJR九州内のレール輸送に使用されることが多い。

参考文献[編集]

  • イカロス出版『季刊ジェイ・トレイン』2010年 Vol.40 吉岡心平「コンテナ貨車物語(上)」
  • 誠文堂新光社 岡田直昭・谷雅夫『新版 国鉄客車・貨車ガイドブック』1978年
  • 秀和システム 高橋政士・松本正司『貨物列車 機関車と貨車の分類と歴史がわかる本』
  • ネコ・パブリッシングRail Magazine』「JR事業用車のすべて」2001年12月号 Vol.219
  • 貨車技術発達史編纂委員会「日本の貨車-技術発達史-」2009年、社団法人日本鉄道車輌工業会

関連項目[編集]