国鉄DE15形ディーゼル機関車

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DE15形ディーゼル機関車(ディーイー15がたディーゼルきかんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が開発・設計・製造した中型液体式除雪用ディーゼル機関車ラッセル式)。

稼動中のDE15形(北海道 宗谷本線 下沼駅 - 豊富駅間 2008年1月3日)


概要[編集]

まりも」を牽引するDE15 1501

ラッセル式除雪機関車としては、1961年DD15形が登場していたが、除雪装置を装着した際の軸重が15.5トンとなるために、線路等級の低い丙線以下の線区には入線することが不可能であった。したがって、これらの低規格線区では、旧来からの雪かき車を機関車で推進して除雪する方式で行わざるを得なかった。そこで除雪車両の高性能化と近代化をはかるため、DD20形をベースにし、ラッセル除雪装置を機関車に固定したDD21形1963年に試作されたが、除雪装置を装着したままでのローカル線運用や入換作業に不便があり1両のみの製造にとどまった。DD21形の欠点を是正し、DE10形をベースに開発された低規格線区に入線可能な除雪用機関車が本形式であり、1967年から1981年までの間に計58両が製造された。除雪時には機関車本体の前後に2軸台車を使用したラッセルヘッドを連結する。除雪期以外には停車場構内での入換作業や本線の客貨列車牽引にも使用されることを考慮し、ラッセルヘッドの連結解結作業は簡略化・省力化できるように設計された。

構造[編集]

機関車本体とラッセルヘッドとの連結部

機関車本体の基本的な構造はDE10形とほぼ同じであるが、ラッセルヘッド連結のための装備が設けられている。ラッセルヘッドとは3箇所の密着連結リンクで連結されるため、ナンバープレート部分中央の1箇所と下部にある2つの後部標識灯(尾灯)の内側の2箇所に密着連結リンクが装着されている。また、ナンバープレート中央部のそれには電気連結器が装備されたため、ナンバープレートは中央部分が分割されており、後部標識灯もDE10形に比べ外方に寄せて取付られている。なお、これらのリンクは取外し可能である。これらの装備によりラッセルヘッド車運転台から機関車の運転操作が可能となっている。

製造開始時は単頭式ラッセルヘッド(機関車の片側のみにラッセルヘッドを連結)で、折り返し時にラッセルヘッドの車体を台車の中心を支点に油圧で180度方向転換させて、機関車本体を反対側に連結する構造であった。そのため、側線を使って機関車本体の機回しをする手間を要した。ところが、終端駅の側線が雪で埋没することで方向転換不能に陥るケースやラッセルヘッドの回転スペース確保のため線路脇の除雪が必要となる等の問題点が生じたため、その改善策として、1976年からは両頭式(機関車の両側にラッセルヘッド車を連結)で製造された。また、ラッセルヘッド車の形状には単線形(進行方向の両側に雪を掻き分ける方式)と複線形(進行方向の左側に雪を掻き分ける方式)がある。

製造期によって一部仕様が違い、後に改造による改番も発生している。

形態区分[編集]

基本番台
1967年 - 1969年日本車輌製造で製造された、DE10形0番台に相当するグループ。機関はDML61ZA (1,250ps/1,500rpm) が搭載されている。1 - 2と4 - 6が複線形の単頭式、3が単線形の単頭式として製造された。客車暖房用蒸気発生装置(SG)を装備している。後に1 - 3・6が両頭式に改造されたが、単線形であった3は2053に改番されている。
1000番台
1971年 - 1973年に日本車輌製造で製造された、DE10形1000番台に相当するグループ。機関はDML61ZB (1,350ps/1,550rpm) に変更され、SGを装備。1001・1003 - 1006が複線形の単頭式、1002が単線形の単頭式で製造された。後に1002・1004・1006は両頭式に改造され、1002は2052に改番された。
1500番台
DE15 1541(美濃太田車両区)
1971年 - 1973年に日本車輌製造・川崎重工業で製造されたグループで、SGの代わりに死重を搭載した、DE10形1500番台に相当する機関車である。1501 - 1504・1507・1509 - 1512・1514 - 1516・1518が複線形単頭式、1505・1506・1508・1513・1517が単線形単頭式で、1976年製の1519 - は複線形両頭式で製造された。しかし単頭式で製造されたが後に両頭式に改造されたものがあり、単線用両頭化改造車は2550番台に改番された。


2050番台
DE15 2052(後藤総合車両所所属)
SG装備の単線形単頭式車を単線形両頭式に改造したグループである。2052・2053の2両が存在するが、それぞれ種車が異なるため同番台でも機関出力が異なる。
  • DE15 1002・3→DE15 2052・2053


2500番台
DE15 2525(1982年 豊岡駅)
1977年から1981年に日本車輌製造・川崎重工業で単線形両頭式として製造されたグループである。SG非搭載のため該当分の死重を搭載している。27両が製造された。

2550番台
1500番台車のうち、単線形単頭式で製作されたものを単線形両頭式に改造したグループである。種車の番号に1050を加えた番号になっている。

運用・現況[編集]

国鉄分割民営化時は北海道旅客鉄道(JR北海道)、東日本旅客鉄道(JR東日本)、東海旅客鉄道(JR東海)、西日本旅客鉄道(JR西日本)の4社に計84両が承継された。

2000年代以降は、保線要員のみで操作できるという簡便さや経費の面から除雪用モーターカーが使用されることが多く本形式の稼働率は落ちており、余剰車の一部は日本貨物鉄道(JR貨物)へ売却され、DE10形3000・3500番台に改造されている。

2015年3月14日の北陸新幹線長野駅金沢駅間開業に伴い、JR西日本に配置されていた2両(1004, 1518号機)が北陸新幹線の並行在来線である北陸本線の富山県区間を経営するあいの風とやま鉄道へ譲渡された[1]。JR以外の鉄道事業者でラッセルヘッドがついた状態のDE15形が運用される初のケースとなる。

JR北海道[編集]

JR北海道発足時点では36両が承継された。現在では旭川運転所に14両、釧路運輸車両所に3両の計17両が配置されており、釧路・根室管内を担当する釧路運輸車両所所属機を除き冬季は全道の運転所・主要駅に配置され除雪作業に使用される[2]。1520と2510を除く全車にGPSが取り付けられている。このGPSは、踏切橋梁など除雪作業の障害となるものの位置を知ることにより、ウィング開閉などの作業をスムーズに行えるように導入されたものである。排雪作業を行わない春期~夏期に関しては、主にバラスト・レールの冷却水等散布[3][疑問点 ]やSL列車の補機、SLおよび客車等の回送列車、臨時列車の牽引機として使用される。

DE15 1520
旭川運転所の所属で、SL列車の補機などが運用の中心となっている。この車両はラッセルヘッドとの連結器を撤去し、DE10形とほぼ同形態となった。[4]
DE15 1533・1534
旭川運転所の1533及び1534は緑色を基本とした「ノロッコ号」塗装となっている[5]
DE15 2510
釧路運輸車両所に所属する2510は、イベント用として車体上部が黒で残りが赤の塗装(湿原号塗色)に変更されている。機関車単体のみの塗装変更のため、ラッセルヘッドは従来塗装のままである。降雪期間に運行される「SL冬の湿原号」の川湯温泉駅延長運転時に、ラッセルヘッドを切り離して同列車の補機として運用される場合もある[6]
DE15 2527
釧路運輸車両所の所属で、ノロッコ号本来の牽引機であるDE10形(1660)の故障により、ノロッコ号塗装となった。

JR東日本[編集]

青森車両センターに1両(保留車)、長岡車両センターに2両の計3両が配置されている。JR東日本では前述の除雪用モーターカーの使用や新型の除雪車ENR-1000型の登場などにより、ほとんどの車両が廃車となった。

JR東日本発足時には33両が承継された。2009年4月時点では17両が在籍していたものの、14両が廃車され日本貨物鉄道(JR貨物)へ売却された。JR貨物では、機関車本体部のラッセルヘッドとの連結機能を撤去し、DE10形3000・3500番台として使用している。

JR東海[編集]

JR東海発足時に1531・1541の2両が承継されて美濃太田車両区に配置され、高山本線および東海道本線大垣~米原間の排雪に使用された。2011年冬季の運用をもって引退した1541は廃車となり、JR西日本へ売却された。2012年3月29日に美濃太田車両区から猪谷駅へ回送され、4月2日深夜から3日にかけて金沢へ回送された。1531は保留車として浜松工場に留置されていたが、2013年に入って解体された。これを以ってJR東海の機関車はすべて消滅した。

JR西日本[編集]

後藤総合車両所所属のDE15 2558

JR西日本発足時には13両が承継された。富山地域鉄道部富山運転センター車両管理室に2両、福井地域鉄道部福井運転センターに1両、福知山電車区豊岡支所に2両、後藤総合車両所に4両の計9両が配置されている[7]。JR西日本では新型の除雪気動車キヤ143形の登場により順次置き換えられていく予定である。

DE15 6
富山地域鉄道部富山運転センター車両管理室に0番台で唯一残るDE15 6が配置されていたが、2013年11月11日を以って廃車となり、0番台は完全に消滅した。
DE15 2558
後藤総合車両所に所属する2558は、木次線の観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」の牽引専用のため専用塗色になっており、冬季には機関車本体が「奥出雲おろち号」色、ラッセルヘッドが一般色で除雪作業を行っている。


あいの風とやま鉄道[編集]

JR北陸本線の富山県区間のJR西日本からの移管に際し、同社から2両(1004, 1518号機)が譲渡された。

秋田臨海鉄道[編集]

十勝鉄道から譲渡された1525が在籍し、ラッセルヘッドなどの除雪用機器を撤去して同じく十勝鉄道に在籍したDE10 1543とともに使用されている[8]。JR東日本から十勝鉄道に譲渡されたものの同社の路線の廃止に伴い再譲渡された車両である。

主要諸元[編集]

  • 全長: 14,150mm(機関車単独)、30,860mm(複線形両頭車)、27,760mm(単線形両頭車)
  • 全幅: 2,950mm
  • 全高: 3,965mm(機関車単独)、4,077mm(ラッセルヘッド車連結時)
  • 軸配置: AAA-B
  • 液体変速機: DW6
  • 1時間定格出力: 1,250ps/1,500rpm(基本番台)、1,350ps/1,550rpm(基本番台以外)
  • 最高速度: 85km/h

脚注[編集]

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  1. ^ 『鉄道ファン』通巻651号付録、JR旅客会社の車両配置表p.47
  2. ^ 旭川運転所以外では苗穂運転所・南稚内駅[要出典]・長万部駅・東室蘭駅・岩見沢駅・遠軽駅[要出典]等にそれぞれ配置され、夜間を中心に除雪作業に使用される。また旭川から名寄・北見・網走方面は旭川駅より排雪列車の設定が組まれて昼間除雪される。留萌本線はモーターカーによる排雪が行われている
  3. ^ バラスト散布は道央圏・道北管内を中心、散水作業は夏期を中心として散水用貨車とともに岩見沢運転所に配置され、主に札幌圏や函館本線・室蘭本線等を中心に稼働する
  4. ^ 鉄道ファン』2008年12月号(通巻572号) p160「SLニセコ号」「SL夕張応援号」の記事を参照。
  5. ^ 基本的に夏期はノロッコ号の運行に使用されるが、冬期においてはラッセル運行にも使用される
  6. ^ 降雪等による除雪作業の状況等により、冬の湿原号の補機は場合によっては旭川運転所の1520号機が代行する場合もある
  7. ^ 『鉄道ファン』通巻651号付録、JR旅客会社の車両配置表p.23
  8. ^ 機関車諸元 - 秋田臨海鉄道

関連項目[編集]