JR北海道キハ261系気動車

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JR北海道キハ261系気動車
キハ261系基本番台 特急「スーパー宗谷」(2006年3月16日、宗谷本線雄信内駅)
キハ261系基本番台 特急「スーパー宗谷
(2006年3月16日、宗谷本線雄信内駅)
営業最高速度 130km/h(2000年3月 - 2014年8月)
120km/h(2014年8月 - )
設計最高速度 140km/h
起動加速度 2.2km/h/s
減速度 4.4km/h/s(常用最大)
編成定員

204名(0番台:4両編成)

242名(1000番台:5両編成)
車体材質 ステンレス(前頭部のみ鋼製)
機関出力 460ps/2100rpm ×2基 / 両
N-DMF13HZH形機関(基本番台)
N-DMF13HZJ形機関(1000番台)
駆動装置 液体式(N-DW16A形)
変速段 変速1段・直結4段 パワーオン制御付 最終減速比1.860
台車 軸梁式ボルスタレス式(ヨーダンパ付)
(基本番台:N-DT261形・N-TR261形 1000番台:N-DT261A形)
制動方式 電気指令式空気ブレーキ
機関ブレーキ排気ブレーキ併用)
保安装置 ATS-SN
ATS-DN
製造メーカー 富士重工業(基本番台)
川崎重工業新潟トランシス
北海道旅客鉄道苗穂工場(1000番台)
2014年8月30日以降全線で車体傾斜装置を停止
1000番台の運転台。ワンハンドルマスコンとタッチパネル液晶式のモニタディスプレイを装備する。

キハ261系気動車(キハ261けいきどうしゃ)[注 1]は、北海道旅客鉄道(JR北海道)が1998年(平成10年)から制作、2000年平成12年)から運用する特急形気動車である。

宗谷本線高速化事業にあたって制作された基本番台と、石勝線特急列車高速化およびキハ183系などの老朽取り換え用として2006年(平成18年)から制作された1000番台があり、それぞれ相違点があり混結はできない。

概要[編集]

JR北海道は本系列以前に特急用気動車として、「スーパー北斗」用のキハ281系や、「スーパーおおぞら」等向けのキハ283系といった高性能車両を開発し、線路自体も改良することで高速運転による大幅な速度向上、サービスアップを実現した。しかしこれら両系列はいずれも制御付自然振子機構つき台車などの可動部の増加や寒冷地対策などの要因もあり製造・保守コストが高額であった。

本系列は当初、「北斗」「おおぞら」両系統よりも大幅に輸送需要の小さい宗谷本線系統の高速化に際して開発されたことから、制御付振子機構ではなく、空気ばねによる車体傾斜装置[注 2]を搭載するなど、製造・運用コストを低減させつつ、スピードアップを図っている。なお、2014年(平成26年)8月30日のダイヤ改正をもって本系列の車体傾斜装置の使用は取りやめられ[1]2015年度以降の本系列の増備分については車体傾斜装置を搭載しない。

2006年(平成18年)には、183系気動車の老朽化に伴う置き換え、および石勝線系統の特急列車高速化のため、一部の仕様を変更した1000番台が製造され、石勝・根室本線室蘭・函館本線へも投入されている。

構造[編集]

本節では共通部分について記述し、各番台特有の構造については後段にて説明する。

車体[編集]

軽量構造のステンレス製構体を採用するオールステンレス車両であるが、前頭部のみ普通鋼製である。制御付き自然振子装置(最大傾斜角度5 - 6度)ではなく、空気バネ伸縮式車体傾斜装置(同3度)を搭載した本系列は車体の上部および下部の絞込みが小さく、客室窓下辺から上方が台形状に窄まる車体断面を持つ。客用扉は先頭車が片側2ヶ所、中間車が片側1ヶ所に設けられている。氷雪の侵入凍結による開閉不良を防止するため、客用扉は速度15km/h以上になると空気シリンダーで車体外側に向かって押圧密着させて気密性を高める、新幹線車両などと同様の構造が採られる。

先頭車は281系・283系両気動車と同様、前面に貫通扉を設けた高運転台[注 3]とし、踏切事故などに備えた衝撃吸収構造としている。灯火類は前照灯HIDランプシールドビーム)を正面下位の左右に設けるほか、運転台直上にも2灯の全6灯を設ける。尾灯は運転台の風防内部に左右各1灯を設置する。また、正面貫通扉上には愛称表示器が設置されている。

なお、本系列(基本番台)の内外装デザインは、JR北海道と提携関係にあるデンマーク国鉄 (DSB) との共同制作第一号である[2]

主要機器[編集]

(函館本線岩見沢 - 札幌間、2001年1月2日)

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車体傾斜装置を使用していたころの1000番台「スーパーとかち」(2008年)

本形式はMc1(Msc1)-M1とM2-Mc2(Mhsc2)の2両1ユニットが編成の基本となっている。1000番台はこのほか単独のM3車が設定されている。

基本番台の設計段階において、函館本線内(札幌 - 旭川間)で785系電車エル特急スーパーホワイトアロー」)と協調運転を行う構想があった[注 4]ことや、また電車主体の札幌圏に対応する必要性を踏まえ、起動加速度2.2km/s[4]、最高速度130km/hと同系列と同等の走行性能が確保されている。これらの基本構造の多くは同社の通勤型車両キハ201系気動車をベースとし、製造コスト低減を図っている。

ブレーキ装置電気指令式空気ブレーキで、機関ブレーキ排気ブレーキを併用する。基礎ブレーキ装置は両抱き式踏面ブレーキで、制輪子苗穂工場製の特殊鋳鉄制輪子[注 5]を使用しており、どのような条件においても130km/hから十分な余裕をもって600m以内での停止が可能である[5]

台車は軸梁式、ヨーダンパ付きのボルスタレス台車 である。なお、重心を下げるため、車輪径は810mmとしている。

車体傾斜装置[編集]

0番台及び1000番台の2013年以前の増備車は、当初枕バネの空気バネ車体傾斜装置が装備されていた。これは、先頭車に搭載したジャイロセンサー(角速度センサー)のデータにより曲線を検知して、その後に各車両に2基づつ搭載された車体傾斜電磁弁により、台車の外軌側の空気バネ内圧を高めることで車体を傾斜させるフィードバック方式のシステムであり、従来の制御付自然振り子に必要であった線形データの入力が不要となっている。このシステムもキハ201系で実用化されていたものをベースに、MR圧向上、配管径拡大、電磁弁容量向上により性能を向上させたものである。

この装置は傾斜角が通常2度まで、最大3度となっており、使用することにより、半径600m以上の曲線では本則 +25km/h、同 600m 未満 400m 以上で +20km/h、同 400m 未満 220m 以上で +15km/hでの通過が可能であった。


室内設備[編集]

グリーン車のインテリア(キロ261-1101)。
普通車(登場時)のインテリア(キハ260-1102)

内装デザインもDSBデザインの考え方に基づいて設計されている。

座席はフリーストップ式のリクライニングシートである。

グリーン車(室)の座席は横 1 + 2 列の3列配置で、表地は青色の牛革張り、肘掛は難燃加工が施された白木が用いられている。客室窓は座席ごとに設け、ロール式のカーテンを装備する。天井の配色は全面深い青で、そこにハロゲンランプによるダウンライトを交えた照明が配置されているほか、荷物棚下には読書灯が装備されている。なお、ダウンライトはデッキ部でも多用されている。

普通車の座席は横 2 + 2列の4列配置である。なお、座席の仕様は基本番台と1000番台、グレードアップ指定席改造車で異なるため後述する。客室窓は中央に縦棧を設け、ロール式のカーテンを装備する。天井は荷物棚部分が白色となり、照明色が異なる点以外はグリーン室と同様である。

床の敷物は空間を広く見せるため、菱形模様(市松模様・ダイヤゴナルパターン)が施される。室内の内妻仕切り壁は天然木の突板にアルミ板を張ったものとなっており、仕切扉はタッチセンサー式の自動扉である。

便洗面所はそれぞれM1車とM2、M3車に、移動制約者対応の諸設備はM1車に設定されている。

また、各車両の客用扉にはJR北海道の特急型では初採用となるドアチャイムを装備する。

基本番台[編集]

宗谷本線高速化により、従来の急行列車を格上げした特急列車に使用するため、1998年(平成10年)から富士重工業で全14両が製造された。編成記号はSEである。なお、本系列に0番台は存在しない[注 6]

制作の経緯[編集]

1997年(平成9年)JR北海道と北海道ほか沿線自治体が出資する第三セクター北海道高速鉄道開発」を事業主体とした、宗谷本線旭川駅 - 名寄駅間の線路改良工事(最高速度95km/h→130km/h化)が着工され、2000年(平成12年)に竣工することとなった。この高速化事業では、先行した・石勝線・根室本線の高速化事業と同様、改良した地上設備を北海道高速開発が所有し、JR北海道へ貸し付けるスキームが採られているが、宗谷本線ではそれと比べても輸送密度が低い区間であることから、車両についても保有・貸し付けを行うこととなった。それにあたって、北海道随一の酷寒地である宗谷本線沿線から電車主体の札幌圏までを安定的に走行でき、コストパフォーマンスに優れた車両が要請された[注 7]。そのため先述のように先に通勤型車両キハ201系で実用化されていた車体傾斜装置エンジンなどの基本構造をベースとすることで製造コスト低減を図っている。

本番台は1998年冬に試作車が落成し、2000年3月11日のダイヤ改正より急行「宗谷」「礼文」を格上げ、運転区間延長した、札幌駅 - 稚内駅間の特急「スーパー宗谷」で営業運転を開始した。名寄以南の最高速度130km/h運転および曲線通過速度の向上[注 8]により、札幌 - 稚内間の所要時間は以前、急行「宗谷」などで約5時間50分を要していたところが最速4時間58分にまで大幅に短縮された。

仕様[編集]

前頭部の造型は以前制作されたキハ281・283系と比較し正面下部の絞り込みや後退角が小さく、下部スカートは201系気動車同様幅の広い形状である。先頭部の幌は731系・キハ201系と同様の自動幌装置を採用している。

外部塗色は前頭部と客用扉周囲がコバルトブルー、塗装境界部にはJR北海道のコーポレートカラーである萌黄色(ライトグリーン)の縦帯を配し、客用扉の窓周りから車体の戸袋部までの部分は黄色[注 9]である[7]。前頭部側面には "Tilt261 Active Air Suspension System "ロゴマークを配しているが、車体傾斜装置の使用停止に伴い、2015年以降"HET 261 Hokkaido Express Train"に変更されている。

前面貫通扉の愛称表示器と側面の行先表示器はキハ283系で全てLEDとなっていたが、本番台では共に幕式で、別途号車表示と設備表示を一体化したサボ式プレートを客用扉付近に設置する785系と同様の方式が採用されている。

室内は基本編成時グリーン車半室、普通車は残り3.5両で構成されている。グリーン室の座席は窓側席にパソコンコンセントが設置されている。普通車の座席モケットは車両ごとに色調が赤・緑・青のいずれかで統一されている。

キハ260形(100番台)の
N-DT261形台車
(2007年10月、札幌駅)

台車は軸梁式、ヨーダンパ付きのボルスタレス台車 N-DT261形・N-TR261形であり、駆動機関は定格出力 460ps/2,100rpmの N-DMF13HZH形ディーゼルエンジンを搭載する。キハ201系とほぼ共通の仕様であるが、通勤車両のように大幅な定員変動がない為、価格抑制と重量軽減の観点から、出力を10ps向上させる代わりにキハ260形100番台は1基、他車両は2基搭載とされた[8]液体変速機は変速1段・直結4段、パワーオン制御(自動車の半クラッチと類似の機構)付きの N-DW16A形である。基本の4両編成での定格出力は 3,220ps(約 2,400kW)に達する。

編成・形式[編集]

札幌向きで身障者対応設備を持つSE-100編成と、稚内向きでグリーン室を持つSE-200編成のユニットによる4両が基本編成となる。また、中間車には簡易運転台が設けられている[注 10]。その為増結もユニット単位で行われる。

SE-100編成(101 - 104)
基本編成の札幌方に使用する編成で、キハ261形 + キハ260形の2両で構成される。
キハ261形100番台(Mc1)
札幌方の先頭車で、普通車(56席)。座席は青色である。
キハ260形100番台(M1)
中間に組成される普通車(51席)。座席は緑色である。札幌方車端部に移動制約者対応の洗面所一体型洋式トイレを設け、客室に車椅子対応座席を1席設けている。稚内方の車両端部には簡易運転台付の車掌室を設けている。この車両のみ駆動機関は1基のみ搭載である。

キハ261形100番台
(キハ261-104 稚内駅)

キハ260形100番台
入口横に車椅子対応表示がある
(キハ260-104 稚内駅)

SE-200編成(201 - 203)

基本編成の稚内方に使用する編成で、キハ260形 + キロハ261形 の2両で構成される。
キハ260形200番台(M2)
中間に組成される普通車(60席)。座席は赤色である。稚内方の車端部に洋式トイレ洗面所を備える。
札幌方の車両端部には簡易運転台つきの電話室が設けられている。但し公衆電話は2009年10月以降使用停止となり撤去されている。また、簡易運転台は通常時はシャッターで仕切られている。
キロハ261形200番台(Mhsc2)
稚内方の先頭車で、グリーン室(9席)/普通室(28席)の合造車。普通車の座席は青色である。普通室のとグリーン室の中間には業務用室、業務用扉のある車販準備室を備えるほか、喫煙車の設定があった際禁煙車となっていた為、グリーン席乗客向けに喫煙スペースが設置されていたが、現在はいずれも閉鎖されている。
キハ261系基本番台 年次別製造番号一覧
製造年次 両数 キロハ261
-200
キハ260
-200
キハ260
-100
キハ261
-100
備考
1998 4 201 201 101 101 北海道高速鉄道開発所有
1999 8 202・203 202・203 102・103 102・103
2001 2   104 104 JR北海道所有


改造・仕様変更[編集]

増備車(SE-104編成)

本番台は当初4両編成3本(12両)のみで運用され、増結運用時の予備車がない状態であったが、2001年(平成13年)1ユニット2両(SE-104編成)が追加投入されている。この編成のみはJR北海道の自社保有であり、座席に追設された手すり・肘かけの大型化、補機駆動装置への定速回転装置設置など細部仕様に差異がある。

側窓強化改造

基本番台の客室窓は製造当初複層ガラスのみの構造であったが、冬季間に車両に付着した雪氷が走行中に落下して線路のバラストを跳ね上げ、窓に当たり破損する事故が頻発したことから、2001年以降にガラス外部にポリカーボネート製の透明保護板を追設する改造を行った。

車体傾斜装置撤去

2014年(平成26年)7月、JR北海道は軌道や車両への負担軽減、機器トラブルの防止を目的として、同年8月30日のダイヤ改正をもって本系列の車体傾斜装置の使用を取りやめることを発表した[1]

その為、基本番台では電車特急との併結運転機器や車体傾斜装置を撤去し、空気圧縮機の変更や先頭車ロゴの変更が行われた。

1000番台[編集]

キハ261系1000番台(旧塗装)
特急「スーパーとかち」(2007年10月、帯広駅)

2006年からキハ183系列の老朽取り換え・高速化、および特急車両の補充の為、製造された車両で、大幅なマイナーチェンジが行われている。編成記号はST。なお、本区分は連結幌取付部形状やモニタ装置の伝送方式が基本番台と異なるため、基本番台車との混結はできない。

制作の経緯[編集]

石勝線・根室本線系統の特急「とかち」系統は、夜行の「まりも」を除く「おおぞら」系統のキハ283系化が完了した後も、キハ183系気動車が残存していた。本番台は、当初、このキハ183系を置き換え、既存のキハ283系とあわせ「とかち」全列車の高速化(スーパー化)を図るため、開発・投入された。

基本番台を製造した富士重工業がすでに鉄道車両製造事業から撤退(新潟トランシスに事業譲渡)していたこと、JR北海道社内の技術力維持向上も図る観点から、本区分の製造にはノックダウン方式が採られ、車体構体と台車を川崎重工業から購入し、搭載機器や内装などの艤装作業は自社の苗穂工場が担当することとなった。なお2013年度以降の増備分の艤装は新潟トランシスが担当した[9]

まず2006年に4両が先行して落成し、性能試験を開始し、翌2007年(平成19年)10月1日のダイヤ改正までに残り9両が落成し、特急「スーパーとかち」で使用を開始した。2009年(平成21年)には10月のダイヤ改正では増備車8両が製造され[10]、「とかち」系統からキハ183系を撤退させた。

2013年には、2011年(平成23年)5月の石勝線での脱線火災事故で廃車となった283系6両の代替として6両が製造され[11]、同年11月1日のダイヤ改正でそれまで「スーパーとかち」1往復に使用されていたキハ283系を代替した。

2014年には、JR北海道の一連の不祥事を受け「従来形式での車両形式の統一によって、予備車共通化による全体両数の抑制と機器共通化によるメンテナンス性の向上が図られること」から、キハ285系の開発を中止し、老朽車両の取り換え用として当面本系列の増備が継続される方針が示された[12]。その後、北海道新幹線開業による2016年3月26日ダイヤ改正における特急「スーパー北斗」増発用として2016年度までに28両が増備され、今後も増備が進められる予定である[13][注 11]

仕様[編集]

外観・エクステリア[編集]

1000番台2015年度増備車(ST-1106編成)のロゴ(HET261)
新デザインの車両を先頭に運用される特急「スーパー北斗」(2016年5月8日、ST‐1203編成)

1000番台では床下構造などの基本構造は基本番台から踏襲しつつ、構体などを789系基本番台をベースとした。そのため前頭部の意匠・灯火類配置は789系基本番台とほぼ同一の正面下部の絞込みを大きくした意匠に変更され、先頭車の車体長さも200mm延長・車体高さも30mm低くなっている。

また、先頭車を介した増結は考慮されていないため、本区分では中間車の簡易運転台は準備工事のみとし、先頭部の幌も設置する場合、自動幌ではなく通常の幌とアダプターによるものの設置が想定されている。

車体側面はダルフィニッシュ仕上げが施され、ビード加工は省略されている。前頭部以外の車端部には転落防止幌が設置された。登場時の車体の外部塗色は、客用扉窓 - 戸袋部周囲の配色を基本番台の黄色からオレンジ色[注 12]に変更している。ロゴはアクセントカラーがオレンジとなった以外基本番台と同一の"Tilt261 Active Air Suspension System " であるが、車体傾斜装置非搭載となった2015年度の増備車両は"HET 261 Hokkaido Express Train"に変更されている[14]

また、2015年9月9日には、1000番台のエクステリアデザインの変更が発表され[15][16][17]、ST‐1104, 1204編成を皮切りに同年12月24日から順次運用に投入された。デザインはが基調[注 13]で、前面から側面にかけ、の帯[注 14]が引かれている。前面は警戒色として貫通扉付近が黄色[注 15]となり、地上側からの視認性を向上させている。なお、ロゴマークは設定されなかった。2016年度以降の増備車は全てこのカラーで落成している。

側面の行先表示器は789系同様の3色LED式に変更され、列車名・行先・号車表示・設備表示を一体で表示する。その為基本番台で採用されたサボ受けは廃止されている。正面の愛称表示器は引き続き幕式[注 16]であったが、2016年度増備のST-1109/1209編成からフルカラーLED式へ変更されていることが確認されている[18]

客室窓は酷寒地での高速運転により、車体に付着した氷塊が走行中に落下し、跳ね上げたバラストが側窓を破損する事例が多発したことを受け、789系と同様、当初から強化ガラス板とポリカーボネート板を一体化した複層構造のものを装備する。

貫通幌は基本番台とは異なり、789系から採用されたゴム製のものに変更され、形状も789系と共通化されている。

車内設備・インテリア[編集]

室内デザインはほぼ基本番台と共通だが、グリーン車は1両全車、8列に拡大され、コンセントも全席に用意された。またじゅうたんを789系と同等のウール100パーセントへ変更している。普通車も789系や基本番台増備車と同等の仕様となり、座席モケットは緑色と青色の2種類となった。なお一部の普通車については2009年4月から後述の「グレードアップ座席」に交換されたものがあり[19]、以降の増備車もこの仕様で落成している。また、デッキドア回り内側の配色も、基本番台は青であったが、1000番台では789系と同様萌黄色に変更されている。また内装パネル類は新火災対策に適合するべく、天井パネルを新基準対応のFRP製、小天井パネルをメラミン製へ変更している。

便所についても789系と同構造となり、基本番台に存在した洗面所を廃止し、男子用小便所を新設しているが、後述の仕様変更で増備車では洗面台が設けられている。

また、先頭車前位側出入り台には789系やキハ283系同様の車掌台が設けられ、小窓が設けられている。

機器類[編集]

上:キハ260形(1300番台)の
主機関 N-DMF13HZJ形
 
下:キハ260形(1300番台)の
N-DT261A形台車
(2007年10月、帯広駅)

駆動機関は燃焼効率を向上させ有害排出物の低減を図った、出力460ps/2100rpm の N-DMF13HZJ形にマイナーチェンジされた。運用区間の石勝線には、トマム駅付近の標高543mをサミットとする最急12‰の長距離連続勾配が存在するため、機関は全車とも2基搭載とし、基本の4両編成での定格出力を基本番台の 3,220psから3680psに向上させている。変速機は基本番台と同一の N-DW16A形である。台車は軸受の設計を変更し、140km/h走行対応とした N-DT261A 形とされた。

補機駆動装置についても、基本番台SE-104編成で採用した定速回転装置を各車2台設置し、電源供給を安定化している。

冷房装置については基本番台と取り付け位置・大きさを共通化したものを採用しているが、冷媒を環境対応としてR-407Cに変更している。

編成・形式[編集]

基本番台と同様、先頭車 + 中間車の2両で1ユニットを構成しており、帯広・函館向きでグリーン車・身障者対応設備を持つST-1100編成と、札幌向きのST-1200編成のユニットによる4両が基本編成となる。

基本番台と比較するとそれぞれMc1車がMsc1車、Mhsc2車がMc2車に変更され、編成向きも0番台とは逆となっている。

また、本区分の車両増結は編成の端にユニット単位で増結する方式ではなく、中間に1両単位の増結用中間車キハ260形1300番台(M3車)を挿入する運用形態をとる。増結用の中間車は6両まで連結でき、最大10両編成での運用が可能である。そのため先述のように中間車の簡易運転台は準備工事のみとされた。

ST-1100編成
基本編成の帯広・函館方に使用する編成で、キロ261形1100番台 + キハ261形1100番台の2両で構成される。
キロ261形1100番台(Msc1)
帯広方の先頭となるグリーン車(24席)。札幌方に多目的室・車販準備室・業務用室がある。
キハ260形1100番台(M1)
中間に組成される普通車(50席)で、グレードアップ工事以前の座席色は緑色。帯広方にトイレ(車椅子対応洋式 + 男子小用)、札幌方に簡易運転台の準備工事がなされた車掌室・業務用室を設置している。
本形式は移動制約者対応の諸設備として、客室の帯広方に車椅子対応座席と車椅子スペースを2席分設けている。2席分となったことにより同100番台と比べて定員は1名減少している。
ST-1200編成
基本編成の札幌方に使用する編成で、キハ260形1200番台 + キハ261形1200番台の2両で構成される。
キハ260形1200番台(M2)
中間に組成される普通車(60席)で、グレードアップ工事以前の座席色は緑色。帯広・函館方に簡易運転台の準備工事がなされた電話室を設けているが、公衆電話は2009年10月以降使用停止となり撤去されている。札幌方にはトイレ(共用洋式+男子小用)、1203以降は加えて客室を座席1列分削減し洗面所と荷物置場が設置されており、1203以降は定員が56席となる。
キハ261形1200番台(Mc2)
札幌方の先頭となる普通車(56席)で、基本的に自由席であるため座席の交換は行われていない。座席は青色である。
増結車
キハ260形1300番台(M3)
増結用としてST-1100編成とST-1200編成の間に挿入する形で連結される中間車。この車両の連結両数を1両~6両の範囲で増減する事で5両編成~10両編成が組成される。
室内は普通車(60席)で、グレードアップ工事以前の座席色は青色。車内配置はキハ260形1200番台と同一であるが、排気管の立ち上がり等の関係で便洗面所の設置位置が客室側に寄っているほか、帯広・函館方は電話室の代わりに荷物置場を設ける。簡易運転台の準備工事も行われていない。同1200番台同様、1306以降は札幌方に洗面所と荷物置場を設置したため56席となる。
キハ261系1000番台 年次別製造番号一覧
製造年次 製造区分 両数 キロ261
-1100
キハ260
-1100
キハ260
-1300
キハ260
-1200
キハ261
-1200
備考
2006 1次車 4 1101 1101   1201 1201 先行製造車
2007 2次車 9 1102 1102 1301 - 1305 1202 1202  
2009 3次車 8 1103 1103 1306 - 1309 1203 1203 以降の増備車は定員変更
2013 4次車 6 1104 1104 1310・1311 1204 1204 キハ283系事故車の代替
2015 5次車 16 1105・1106 1105・1106 1312 - 1319 1205・1206 1205・1206 当初より

車体傾斜装置非搭載

2016 12 1107・1108 1107・1108 1320 - 1323 1207・1208 1207・1208


改造・仕様変更[編集]

キハ260形1200番台・1300番台への洗面台・荷物置き場設置

当初本番台には便所から独立した洗面台が設けられていなかったが、2009年度の増備車(キハ260 1203および1306 - 1309)以降、キハ260形1200番台と1300番台に設けられている。

これに伴い、両番台では便所のある札幌方の客室を座席1列分削り、洗面所と荷物置場に充てている。このため以降の増備車では定員がそれぞれ4名減少している。

なお、2009年度製造車の鋼体は従来の60席のままであったため、不要となった小窓部分はステンレス板で塞がれた状態で落成していたが[20][21]、2013年度の増備車以降、当初から小窓の無い56席用の構体で落成している。

グレードアップ指定席化された車両の座席

普通車座席のグレードアップ指定席化

普通車については、2006年のキハ283系、2008年の「北斗」系統のキハ281系キハ183系に続き、2009年4月から普通車の一部の座席を「北斗」・「おおぞら」系統のキハ183・281・283系などで導入している臙脂色の「グレードアップ座席」に交換した[19]。この座席は座席幅が拡大され、枕が可動式とされ、チケットホルダーが設置されるなど居住性の向上が図られている。対象となったのは指定席として使用する可能性のあるキハ260形[注 17]の全車両で、2009年秋にかけて全車の改良が完了したほか、以降の増備車もこの仕様で落成している。

車体傾斜装置撤去

基本番台と同様1000番台も、軌道や車両への負担軽減、機器トラブルの防止を目的として、2014年8月30日のダイヤ改正をもって、最高速度の引き下げと同時に車体傾斜装置の使用が取りやめられた[1]。また2015年度より車体傾斜装置を搭載しない5次車の導入に合わせ、車体傾斜装置を搭載する既存の車両について5次車と同一仕様にする工事が行われ、車体傾斜装置の撤去、空気圧縮機の変更が実施されている。

編成・運用[編集]

基本番台[編集]

14両全車が苗穂運転所に配置され、以下の列車・区間で運用する。

   
← 稚内
札幌 →
号車   1 2   3 4
形式   キロハ261
-200
キハ260
-200
- キハ260
-100
キハ261
-100
  • 上:基本編成の稚内方(写真後方)にSE-200編成(増21-22号車)を増結した場合。 下:基本編成の札幌方(写真前方)にSE-100編成(5-6号車)を増結した場合。
    増結時は、基本の4両編成に別の2両ユニットを増結した6両編成となる。増結形態により、号車番号と車両設備の対応が異なる。
稚内方にSE-200編成を増結
   
← 稚内
札幌 →
号車   増21 増22   1 2   3 4
形式   キロハ261
-200
キハ260
-200
+ キロハ261
-200
キハ260
-200
- キハ260
-100
キハ261
-100
札幌方にSE-100編成を増結
   
← 稚内
札幌 →
号車   1 2   3 4   5 6
形式   キロハ261
-200
キハ260
-200
- キハ260
-100
キハ261
-100
+ キハ260
-100
キハ261
-100

1000番台[編集]

2016年4月1日現在札幌運転所に51両全車が配置され、以下の列車・区間で運用される。

  • 特急「スーパー北斗」(札幌駅 - 函館駅):4・9・11・18・20・23号
   
← 函館
札幌 →
号車   1 2   3   4   5   6   7 8
形式   キロ261
-1100
キハ260
-1100
- キハ260
-1300
- キハ260
-1300
- キハ260
-1300
- キハ260
-1300
- キハ260
-1200
キハ261
-1200

スーパー北斗は増結によりキハ261系では初となる最大10両編成での営業運転も行われている[22]

このほか増発された臨時「北斗」へ充当されたことがある。

ホームライナーでの運用(2008年3月3日、手稲駅)
   
← 帯広
札幌 →
号車   1 2   3   4 5
形式   キロ261
-1100
キハ260
-1100
- キハ260
-1300
- キハ260
-1200
キハ261
-1200

増結用の中間車キハ260形1300番台を基本編成の中間に1両連結し、5両編成が基本である。

2010年10月のダイヤ改正から2013年11月1日からのダイヤ修正の間は増結車を用いない4両編成が基本となっていた。

今後の予定[編集]

JR北海道は、2015年3月に発表した「安全投資と修繕に関する5年間の計画」において、特急増発用として2016年度までに増備する28両とは別に、183系初期量産車34両の置き換え用としている車両を2016年度から2017年度にかけて増備し、2019年度以降に残りの183系・281系・283系の老朽取り替えに着手する計画を明らかにしている[13]

また、1000番台で従来デザインで増備された車両計55両が2017年度末までに新デザインに変更される予定[15][16]。なお、新デザインの新製車両は2016年度からの納入となった。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ JR北海道では公式Webサイトなど外部文書において「261系気動車」の表記を使っている。JRグループにおいて「261系」という電車は存在しないが、慣例的に「キハ261系」と呼ばれることがある。
  2. ^ 先頭車に搭載したジャイロセンサー(角速度センサー)のデータにより曲線を検知して、その後に各車両に搭載された車体傾斜電磁弁により、台車の外軌側の空気バネ内圧を高めることにより車体傾斜させるシステム。
  3. ^ かつては前面貫通扉と出入台との間は開放されており、乗客が前面展望を楽しむことも可能であったが、2010年1月29日の函館本線踏切事故で当該列車(789系1000番台)の先頭車前頭部が大破したことを受け、同年5月1日以降一般客を立入禁止とした。
  4. ^ このため、運転台には協調用スイッチの取り付けスペースがあり、制御電圧も合わせている[3]
  5. ^ JR北海道の他の新形式車両にも装備されている。
  6. ^ 一部で「100番台」との表記も見られる。
  7. ^ このため、当初から製造価格の上限が設定されており、製造コスト低減を図って本系列が開発されている[6]
  8. ^ 宗谷本線の名寄 - 稚内間では地上設備が未改良であるため、この区間は車体傾斜装置を停止させて走行し、最高速度も95km/hとなる。
  9. ^ 道北などに自生し初夏に開花するエゾカンゾウをイメージしたものである。
  10. ^ 車両基地等での入換時にのみ使用されるもので、ATSなどの保安装置を装備していないため、キハ283系などのそれと異なり本線上での運転はできない。
  11. ^ あくまで置き換え対象車両が34両あるというのみで、それと同数が導入されるわけではない。
  12. ^ 道東などに自生し、夏に開花するエゾスカシユリをイメージしたものである。
  13. ^ 北国に積もる雪、清らかさ、誠実さをイメージしたもの。
  14. ^ 北海道を代表する花の色(ラベンダーライラック)をイメージしたもので、横方向のラインとしたことで「伸びやかなイメージ」「雄大な大地」を表現している。
  15. ^ 菜の花畑の菜の花などをイメージしている。
  16. ^ この幕には通常1000番台が運用に入らない「スーパーおおぞら」「スーパー宗谷」「サロベツ」といったヘッドマークも用意されており、札幌運転所などの一般公開で披露されたことがある。
  17. ^ キハ260形1200番台は当初「スーパーとかち」の4号車自由席として使用されていたため、「スーパーとかち」の減車運用が開始された2010年から改造を実施。 なお、2013年以降「スーパーとかち」は5両編成へ戻っているが、4号車は指定席とされている。

出典[編集]

  1. ^ a b c “平成26年8月ダイヤ改正について” (PDF) (プレスリリース), 北海道旅客鉄道, (2014年7月4日), http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2014/140704-1.pdf 2014年7月5日閲覧。 
  2. ^ 鉄道ジャーナル』2013年5月号
  3. ^ RAIL FAN』2001年2月号、pp.8-9。
  4. ^ 785系は起動加速度2.0km/s(500番台組み込み後2.4km/s) なお、同時期に制作されていた731系電車とキハ201系気動車の起動加速度は2.2km/sである。
  5. ^ 『鉄道ジャーナル』2000年4月号、鉄道ジャーナル社、2000年、p.81
  6. ^ RAIL FAN』2001年2月号、p.7。
  7. ^ 『鉄道ジャーナル』2000年4月号、鉄道ジャーナル社、2000年、p.82
  8. ^ 『鉄道ジャーナル』2000年4月号、鉄道ジャーナル社、2000年、p.80
  9. ^ JR貨+JR北キハ261系構体輸送 - 鉄道ホビダス ネコ・パブリッシング RMニュース、2012年10月31日。
  10. ^ “平成21年10月ダイヤ改正について” (PDF) (プレスリリース), 北海道旅客鉄道, (2009年7月8日), http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2009/090708-1.pdf 2014年7月5日閲覧。 
  11. ^ キハ261系の構体輸送が行なわれる - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース、2012年10月31日。
  12. ^ 新型特急車両の開発中止について(PDF) (プレスリリース), 北海道旅客鉄道, (2014年9月10日) 2016年9月10日閲覧。
  13. ^ a b 安全投資と修繕に関する5年間の計画 (PDF) - 北海道旅客鉄道、2015年3月15日。
  14. ^ キハ261系8両が試運転 - 『鉄道ファン交友社 railf.jp鉄道ニュース、2015年6月9日。
  15. ^ a b 261系1000代特急気動車エクステリアデザインの変更について - JR北海道プレスリリース、2015年9月9日。
  16. ^ a b 特急261系のデザイン一新 JR北海道、24日からスーパーとかちなどに - どうしんウェブ、2015年12月17日。
  17. ^ 基本番台および他形式の特急気動車のデザインの変更はない。
  18. ^ [1]【JR北】261系1000番代ST-1109+1209編成 試運転ーRMニュース、「鉄道ホビダス」、2016年8月17日(2016年9月8日閲覧)
  19. ^ a b “帯広方面「スーパーとかち」の指定席が全て「グレードアップ座席」になります!” (PDF) (プレスリリース), 北海道旅客鉄道, (2009年4月8日), http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2009/090408-2.pdf 2014年9月6日閲覧。 
  20. ^ 【JR北】キハ261系1000番代3次車 運用開始 - 鉄道ホビダス ネコ・パブリッシング RMニュース、2009年10月7日。
  21. ^ 特急スーパーとかち(261系) 列車編成 - 北海道旅客鉄道
  22. ^ キハ261系1000番台,“スーパー北斗”への使用開始 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース、2016年3月27日。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]