JR東海の車両形式

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東海旅客鉄道(JR東海) > JR東海の車両形式

JR東海の車両形式(ジェイアールとうかいのしゃりょうけいしき)は東海旅客鉄道(JR東海)に在籍する、あるいは在籍した鉄道車両の一覧である。

概要・特徴[編集]

JR旅客会社6社のうち「国鉄型車両」の淘汰がもっとも進んでおり、2015年度以降在籍する鉄道車両は1986年製造の211系電車0番台(8両)を除いて、JR東海発足後に製造された車両となっている。電車については全車両が軽合金製車体[注釈 1]回生ブレーキ抑速ブレーキを採用しており、JR旅客鉄道会社6社では初めて保有電車の100%省エネルギー化を達成した[注釈 2]

また、事業用車両を含めた動力分散化を進めた結果、JR旅客会社6社の中でJR四国とともに、機関車と客車、貨車を保有していない。エリア内を日本貨物鉄道(JR貨物)の貨物列車が走行するため、管内で機関車牽引列車が全くなくなったわけではないが、機関車牽引の旅客列車は他社からの乗り入れも含めて運行されていない。

車両の標準化・共通化にも積極的であり、新幹線車両はN700系にほぼ統一され、在来線車両(普通・快速用)は車体構造を共通化したオールステンレス車両313系電車キハ25形気動車の増備を進めている[注釈 3]。車体塗色も車種の違いを問わずほぼ共通化されており、新幹線車両は国鉄時代を踏まえた「白地の車体+窓下に青帯」、在来線車両も311系電車以降のステンレス車は「無塗装+オレンジ色の帯」(特急形車両は側窓部分にダークブラウンの帯を巻く)で共通化されている。なお、在来線車両のうち、民営化初期には「湘南色」と呼ばれるオレンジ色と緑色の帯の車両が製造されていた。

前述の意向から、ジョイフルトレインや観光列車と呼ばれる特殊車両の保有についても消極的で、2013年の「トレイン117」の廃車および翌2014年の371系の廃車を最後にジョイフルトレインは姿を消している。

JR他社では会社発足以降登場した新型電車のほとんどは電子音の警笛が搭載されているが、JR東海の在来線では社内規定の関係上西日本旅客鉄道(JR西日本)と共同開発した285系電車を除いて空気笛の警笛のみを使用している。また、JR7社で唯一、全ての新造車両で車両番号に国鉄車両と同じフォントを使用している[注釈 4]

行先表示器は、他社がLED化を進める中で、主に幕式の行先表示器を採用し続けてきたが、N700系・313系3次車以降に製造された車両はフルカラーLEDを採用している。車内案内表示器も、他社が液晶ディスプレイへの移行を進める中で、N700Sの登場までは長らくLED表示器を採用し続けてきた。

2008年に日本車輌製造を連結子会社化したことを踏まえ、以降のステンレス車両新造は同社で行われており、保有する車両のほぼ全形式で製造を担当している。かつては日本車輌製造の他、日立製作所川崎重工業近畿車輛東急車輛製造の5社に発注していたが、日立製作所へは同社が1998年頃からステンレス車製造を取止めてアルミ車のみの製造へ移行した関係で新幹線車両のみ発注を継続しており、その他の3社については東急車輛製造へは1999年度、近畿車輛へは2006年度[注釈 5]、川崎重工業へは2009年度を最後として発注を終了した。なお、超電導リニア車両(L0系)は日本車輌製造と三菱重工業で製造していたが、2017年度に三菱重工業が超電導リニア車両の製造から撤退したため、2018年度以降は日本車輌製造と日立製作所での製造に変更された。

新幹線車両[編集]

表 - JR東海保有新幹線車両の変遷
形式 営業最高速度 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代 備考
東海道 山陽
0系 210 km/h* 0系(1964年 - 1999年) *のちに220km/h
100系 220 km/h* 100系(1985年 - 2003年) *一部編成は230km/h
300系 270 km/h 300系(1992年 - 2012年)
700系 270 km/h 285 km/h 700系(1999年 - 2020年)
N700系 270 km/h 300 km/h N700系 2007年より運行
N700A系 285 km/h 300 km/h N700A系 2013年より運行
N700S系 285 km/h N700S系 2020年より運行
事業者 国鉄(1987年まで) JR東海(1987年移管)

東海道新幹線の全区間を保有していることもあり、同線で使用されたことのある車種のうち西日本旅客鉄道(JR西日本)が単独で発注した500系を除くすべての形式を保有したことがある。

詳細ならびにJR東海が所有しない形式(番台)については各車両記事を参照のこと。

現有車両[編集]

N700系・N700A系
700系を基本に『最速・快適・環境への適合』[1]をキーワードとして、さらなる性能向上を目指した東海道新幹線の第五世代車両。JR西日本との共同開発により2007年に営業運転を開始した。
東海道新幹線での最高速度は従来と同じ270km/hに留まるものの、エアロダブルウィングと称する先頭形状の改善、加速性能の向上、新幹線初となる車体傾斜装置や空気抵抗を低減する連結部の全周ほろの導入などにより、所要時間の短縮を達成している。車内は全席禁煙とされ、喫煙者向けに喫煙ルームが設けられた。
2005年に試作車(9000番台)1本が落成し、2007年から2012年にかけて量産車(0番台)80本(1,280両)が製造された。700系に代わり「のぞみ」への投入が進められ、2013年からはブレーキや走行装置に改良を加え、東海道新幹線でも最高速度285km/hに対応するN700A(1000番台)に増備が移行した。在来車も2017年3月までにN700Aと同等仕様(2000番台)に改造された。
N700S系
2020年7月1日に営業運転を開始した[2][3]、N700系の後継となる東海道新幹線の第六世代車両。「S」は、「最高の」を意味する "Supreme(スプリーム)" の頭文字から採ったもの。東海道新幹線での最高速度は285km/hで、運用はN700系と共通となっている。
923形
ドクターイエロー」と呼ばれる総合試験車両で、T4編成1本(7両)を有する。

廃形式[編集]

0系
1964年の開業時以来使用されてきた車両。JR東海には1,339両(「ひかり」用16両編成53本、「こだま」用12両編成38本、保留車35両)が承継された。最高速度は220 km/hに引き上げられていた。
承継後はおもに「こだま」に用いられ、指定席の一列4人掛け化や16両編成化などの改良が実施されたが、後継車両登場もあり1999年にJR東海での営業運転を終了した。
100系
国鉄末期の1985年に登場した東海道新幹線の第二世代車両。国鉄からの承継車両である食堂車付きのX編成7本112両と、JR東海自社発注分であるカフェテリア付きのG編成50本800両の912両が最大で存在した。
X編成・G編成とも2階建車両を2両組み込んでいるのが特徴で、個室も設けられた[4]
のぞみ」の大増発にともない、東海道新幹線全列車の最高速度を270km/hに引き上げたため撤退が早まり、2003年にJR東海での営業運転を終了した。
300系
東海道新幹線の高速化を図るため、JR東海が初めて自社開発した東海道新幹線の第三世代車両。アルミニウム合金車体をはじめとした徹底した軽量化と、インバータ制御を用いた交流モーターの採用による小型化・高出力化により営業最高速度270km/hを実現。一方で、食堂車や2階建車両は組み込まず、普通車・グリーン車のみによる16両編成とした。
1992年に登場し、この車両とともに「のぞみ」が登場。東京・新大阪間を従来より約30分速い2時間30分で結び、大幅な時間短縮を達成した。
700系及びN700系の投入により運用離脱や廃車が行われ、2012年3月16日に東海道・山陽新幹線ともに引退した。
700系
東海道新幹線の第四世代車両。JR西日本との共同開発により1999年に営業運転を開始。本形式の投入により0系と100系を完全に置き換えた。
最高速度が285km/h(東海道新幹線内は270km/h)に設定され、JR西日本が500系で目指した高速運転性能と乗り心地・快適性のバランスを考えられた。
JR東海では「のぞみ」用16両編成として最大60本960両を保有したが、2012年以降は300系置き換えのためのJR西日本への譲渡[5][6]ならびに後継となるN700系の投入に伴い廃車が進行し、2020年3月1日運転の団体臨時列車を以て、JR東海での営業運転を終了した。(当初は3月8日の「のぞみ315号 ありがとう東海道新幹線700系」の運行を以て営業運転を終了する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止となった。)
955形
「300X」と呼ばれた高速試験車で1995年に製造。2002年まで運用された。純然たる技術試験車としてはJR東海では唯一であった。
922形
ドクターイエロー」と呼ばれる総合試験車両で、国鉄から承継したもの。T2編成1本(7両)が存在したが2001年に運用終了、廃車となった。

在来線現有車両[編集]

電車[編集]

気動車[編集]

民営化後の新形式については、国鉄時代と一線を画する独自の2桁の形式数字をとる。

導入予定車両[編集]

在来線車両[編集]

HC85系
HC85系
キハ85系の後継として2022年度を目処に導入される予定のハイブリッド特急形気動車。2017年6月7日に確認試験車(量産先行車)の導入が発表され[7][8]、形式名などは2019年10月28日に発表された[9]。形式名の「HC」とは、Hybrid Carの頭文字をとったものである。
JR東日本仙石東北ラインHB-E210系やJR西日本の87系寝台気動車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」と同様の発電用エンジンと蓄電池を組み合わせたシリーズハイブリッド方式を採用。同方式の鉄道車両では日本初となる120km/h運転を目指す。確認試験車は2019年12月5日に4両編成(クモハ85-1・モハ84-1・モハ84-101・クモロ85-1)で登場した[10]。ハイブリッドシステムは東芝インフラシステムズが納入した[11]
315系
国鉄末期及びJR発足当初に投入された211系・213系・311系の後継車両として投入予定の直流通勤形電車[12]
制御方式VVVFインバータ制御半導体素子を313系のIGBT素子からSiC素子に変更され、211系に比べて消費電力量を35%減とする。また、N700S系確認試験車の設計をフィードバックし、(JR東海の量産車両及び在来線向け車両では初めて)非常走行用二次電池を備え、停電になっても最寄り駅まで自走できる構造とする。最高速度は130km/h。車内はロングシートとなる予定。
2021年度から2025年度にかけて352両を新製し、中央線東海道線静岡地区名古屋地区)・関西線等、名古屋・静岡都市圏に順次投入する予定となっており、これによって国鉄時代の車両がJR東海から姿を消すことになる[13][12]

過去の在来線車両[編集]

機関車[編集]

電車[編集]

気動車[編集]

客車[編集]

定期列車用の車両は国鉄から1両も承継されておらず、いずれも臨時列車・イベント用であった。

貨車[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ ただし、285系電車のみ車体は普通鋼製である。
  2. ^ 同時に全ての営業用車両の集電装置が、シングルアーム式パンタグラフになった。
  3. ^ このため、JR東海の在来線のほぼ全路線で、313系タイプの車体をもつ車両を見ることができる。
  4. ^ JR北海道は特急形以外の車両が国鉄のフォントを使用している。
  5. ^ なお、近畿車輛では2010年度から2011年度にかけて213系5000番台飯田線への転用改造を行った。

出典[編集]

  1. ^ 新幹線N700系」東海旅客鉄道。
  2. ^ 東海道新幹線の新型車両「N700S」がデビュー 東京駅で出発式 | 話題” (日本語). 鉄道新聞. 2020年7月1日閲覧。
  3. ^ 安全で快適、全ての面で「最高」…N700Sデビュー:経済:ニュース” (日本語). 読売新聞オンライン (2020年7月1日). 2020年7月1日閲覧。
  4. ^ 木俣政孝「100系New新幹線─設計上の狙い─」『鉄道ファン』285号、1985年。
  5. ^ 東海道・山陽新幹線から来春300系が引退します (PDF) - 東海旅客鉄道・西日本旅客鉄道 2011年10月20日
  6. ^ 700系C編成3本の側面JRマークが青に - railf.jp. (2010年9月11日) 2010年9月11日閲覧
  7. ^ “ハイブリッド方式による次期特急車両(試験走行車)の新製について” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 東海旅客鉄道, (2017年6月7日), http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000034155.pdf 2017年6月7日閲覧。 
  8. ^ 上新大介 (2017年6月7日). “JR東海、キハ85系に代わる次期特急車両を新製 - 試験走行車は2019年度完成”. マイナビニュース (マイナビ). http://news.mynavi.jp/news/2017/06/07/229/ 2017年6月7日閲覧。 
  9. ^ “ハイブリッド方式の次期特急車両の名称・シンボルマークの決定について” (PDF) (プレスリリース), 東海旅客鉄道, (2019年10月28日), https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040122.pdf 2019年10月28日閲覧。 
  10. ^ HC85系試験走行車が登場”. railf.jp(鉄道ニュース). 交友社 (2019年12月5日). 2019年12月10日閲覧。
  11. ^ 東海旅客鉄道株式会社 次期特急車両(試験走行車)向けに新開発の新型ハイブリッドシステムを納入 -日本で初めてモータと発電機に全閉式永久磁石同期機を同時採用-”. 東芝インフラシステムズ (2019年12月12日). 2020年4月1日閲覧。
  12. ^ a b “在来線通勤型電車の新製について” (プレスリリース), 東海旅客鉄道, (2020年1月22日), https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040199.pdf 2020年1月22日閲覧。 
  13. ^ “JR東海、在来線の新型車両開発へ 国鉄車両は全て姿消す”. 共同通信. (2020年1月1日). https://this.kiji.is/584835390193845345?c=39546741839462401 2020年1月1日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]