TRAIN SUITE 四季島

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TRAIN SUITE 四季島
日光線を走行するTRAIN SUITE 四季島
日光線を走行するTRAIN SUITE 四季島
概要
日本の旗 日本
種類 寝台列車臨時列車
現況 運行中
地域 東日本、北海道
運行開始 2017年5月1日
運営者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
Igrail.svg IGRいわて銀河鉄道
青い森鉄道
道南いさりび鉄道
JR logo (hokkaido).svg 北海道旅客鉄道(JR北海道)
路線
起点 上野駅
終点 上野駅
使用路線 東北本線、日光線、IGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道、津軽線、海峡線、道南いさりび鉄道、函館本線、室蘭本線、千歳線(回送区間)、五能線、奥羽本線、羽越本線、信越本線、高崎線、上越線
車内サービス
クラス A寝台のみ
就寝 「四季島スイート」「デラックススイート」(7号車)
「スイート」(2・3・4・8・9号車)
食事 ダイニングカー(6号車)
展望 展望車(1・10号車)
ラウンジカー(5号車)
技術
車両 JR東日本E001形
軌間 1,067 mm
最高速度 110km / h
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TRAIN SUITE 四季島(トランスイート しきしま)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が2017年5月1日から運行を開始した新しい形の旅を提供する周遊型臨時寝台列車(クルーズトレイン)である。 今までの寝台列車や長距離列車は移動することに目的があったが、発着駅が同一で、TRAIN SUITE 四季島に乗車すること自体が旅の目的となるクルーズタイプの旅を提供する。 旅のコンセプトワードは「深遊探訪(しんゆうたんぼう)」。

2017年(平成29年)度グッドデザイン・ベスト100を受賞[1]

運行開始まで[編集]

JR東日本が2013年(平成25年)6月4日に、観光立国推進の一環としてクルーズトレインを新造する計画を発表し、運行開始は2016年(平成28年)春以降を目指すとして、同時に初期イメージ図を公開した[2][3]2014年(平成26年)6月3日には、奥山清行がプロデュースを担当した車体の第2次デザインが公表され、運行開始予定を2017年(平成29年)春頃に改めた[4][5]。同年10月7日には、列車名を「TRAIN SUITE 四季島」に決定したことが発表された[6][7]。列車名の「四季島」は日本の古い国名「敷島」の同音異字であり、美しい四季伝統を感じながらの旅を連想させ、時間と空間の移り変わりを楽しむ列車であるという想いを込めて命名したとしている。

因みに、車両デザイン発表後も内外装の調整が何度か実施されている。

2015年(平成27年)6月9日のJR東日本の定例社長会見によると上野駅に専用ラウンジを設ける予定である[8]。また、JR東日本・冨田哲郎社長は「北海道など他社の管内もクルージングすることを考えたい」と述べており、北海道乗り入れについては、北海道新幹線開業による影響から北海道への定期的な運行ができなくなる寝台特急「カシオペア」の後を継ぐ形で、JR北海道とJR東日本間で運行の是非を検討していた[9][10]。その後、同年12月2日に3泊4日コースにおいて北海道内は登別駅まで乗り入れてから新潟地区を周回するコースと、2泊3日コースに北東北を周回するコースの運行予定ルートが決定となっている[11]

2016年(平成28年)5月10日、JR東日本は当列車の運行開始日を2017年(平成29年)5月1日に決定したと発表した[12]。なお、2017年(平成29年)5月 - 6月の2ヶ月分の旅行申し込み状況は、初日となる同年5月1日発の3泊4日コースが最高倍率の76倍で、平均倍率は6.6倍となっている[13]

2016年(平成28年)6月16日、総合車両製作所横浜事業所にてDXスィート車の実物大モックアップが公開[14]され、同年8月24日には川崎重工兵庫工場にて車内を除き完成した四季島用車7両の内2両が報道陣にお披露目された[15][16]

同年9月6日、1-4号車と8-10号車の7両が川崎重工兵庫工場を出場、尾久車両センターへ輸送され[17][18]、同年9月27日には総合車両製作所横浜事業所から残りの3両が出場した[19][20]。以降はJR東日本各線で試運転を実施しているほか、同年11月下旬や12月6日・翌7日など、北海道内での試運転も行われている[21]

2016年12月6日、JR東日本の社長会見において、上野駅の専用ラウンジ・ホーム・駅内サービスの整備概要が発表された[22][23]詳細は当列車における上野駅での対応節参照。また、当列車のテーマ曲を佐藤直紀が作曲している[24]

2017年5月1日、3泊4日コースで運行を開始し、上野駅13番線ではセレモニーが行われた[25][26][27]

運転区間[編集]

中央本線を走行するTRAIN SUITE 四季島(2017年6月3日)

2016年5月10日、当列車の5・6月分の3泊4日、1泊2日コースが発表された[28]

3泊4日コース(5・6月分)
  • 1日目:上野駅→(車内で昼食)→日光駅(下車観光)→(車内で夕食、車内泊)
  • 2日目:→函館駅(車外で朝食後に下車観光)→(車内で昼食)→伊達紋別駅登別駅(伊達紋別駅からはニセコエリアの宿、登別駅からは登別エリアの宿へ向かう。何方かの宿を選択して夕食、宿泊。)
  • 3日目:(宿で朝食)→東室蘭駅洞爺駅→(車内で昼食)→新函館北斗駅・・・(2つのプラン(縄文コース、五能線コース)の何方かを選択)・・・弘前駅→(車内泊)
  • 4日目:→鶴岡駅あつみ温泉駅(鶴岡、あつみ温泉の何方かの駅で下車観光)→(車内で朝食)→新津駅(下車して燕を観光し、東三条駅で再乗車)→東三条駅→(車内で昼食)→上野駅
1泊2日コース(5・6月分)

また、JR東日本・定例社長会見(2016年10月)において、次のコース設定が追加された[30][31]

2泊3日コース(冬コース)
  • 1日目:上野駅→白石駅→松島→(車内泊)
  • 2日目:→青森駅→弘前駅→青森駅→一ノ関駅→(車内泊)
  • 3日目:→鳴子温泉駅→上野駅
2泊3日コース(夏コース)
  • 1日目:上野駅→湯沢駅(下車観光)→(車内泊)
  • 2日目:→八戸駅(TOHOKU EMOTIONの貸切乗車)→鳴子温泉駅→(車内泊)
  • 3日目:→一ノ関駅(平泉へ訪問)→上野駅
1泊2日コース(年末年始コース)
  • 1日目:上野駅→熱海駅→横須賀駅→(車内泊)
  • 2日目:→和田浦駅→鹿島神宮駅→上野駅
2泊3日コース(春コース)
  • 1日目:上野駅→酒田駅(下車観光)→(車内泊)
  • 2日目:→花巻駅(SL銀河の貸切乗車)→(車内泊)
  • 3日目:→那須塩原駅→結城駅(下車観光)→上野駅

使用車両・編成[編集]

運行開始時の編成図[4][32][33]
TRAIN SUITE 四季島
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
設備 O SA2 SA2 SA2Handicapped Accessible sign.svg L D SSA2 SA2 SA2 O
形式 E001-1 E001-2 E001-3 E001-4 E001-5 E001-6 E001-7 E001-8 E001-9 E001-10
定員 - 6 6 6 - - 4 6 6 -
凡例
SSA2 = デラックススイート個室(1両2室)
SA2 = スイート個室(1両3室)
Handicapped Accessible sign.svg = 車椅子対応スイートあり
D = ダイニングカー
L = ラウンジカー
O = 展望車
形式の欄の網掛
= 2016年9月15日、川崎重工業で製造
= 2017年2月27日、総合車両製作所で製造

使用車両は電動機による動力分散方式MT比6M4T[34])の10両編成である。動力方式は架線集電により駆動する電車の機能と、ディーゼル発電機(1・10号車に搭載)により発電した電力で駆動するディーゼル・エレクトリック方式気動車の機能を併せ持つ新システム「EDC方式」を採用したことが大きな特徴である[35][36]。また、最高運転速度は110km/hであり、起動加速度は1.5km/h/s、減速度は3.6km/h/sである。

車両の製造は川崎重工業が7両、総合車両製作所(J-TREC)が3両を担当し、車籍については、川崎重工業製造分の7両が2016年9月15日、総合車両製作所(J-TREC)分の3両が2017年2月27日付の新製扱いとなっている[37]

車両形式[編集]

車両形式についてはJR東日本からの正式な発表はされていないが、雑誌『鉄道ファン』では「E001形」としており[36]、E655系の設計を変更する形で計画された[38]。また、報道公開時の取材時点でも中間車の車端部妻面に「 E001-8」・「 E001-9」といった標記があり[34][39]、 この形式についてJR東日本の関係者は「四季島と同様の電気モーターと発電機+ディーゼルエンジンによるハイブリッド車両は、JR東日本としては他に投入の予定がない」と説明しており、取材者は「EDC方式と混同誤認する可能性がないとの判断で記号を省略したのではないか」と推測している[34]

車体[編集]

エクステリアデザインは、間取りや窓の形を、景色を愛で、人と語らい、ゆったりと寛ぐことを体験する象徴とし、外観からもそれを予感させるようなデザインとしている。車内のインテリアデザインは、伝統文化を振り返るだけでなく、未来の日本文化をデザインすることをコンセプトとしており、木材・金属・漆・和紙などの日本古来からの伝統的な素材の風合いと性質を、実際の機能やニーズに生かすとともに、それらの組み合わせや色彩の融合により、新たな発見や非日常感を感じさせるデザインとしている。車内の各空間は四季をテーマとしており、先頭車の展望室は春、5号車のラウンジは夏、6号車のダイニングは秋、各車両の個室は冬としている。外観塗装はシャンパンゴールドを基本として四季島向けに特別調合した「四季島ゴールド」とし、展望車の先端部分やラウンジカーの5号車のエントランスドア付近を黒で塗装している[4][32][40]

車両の材質は、1 - 4・8 - 10号車がアルミニウム合金の中空押出型材を使用したダブルスキン構造、5 - 7号車は上下方向の大きな空間を実現するため、二階建てグリーン車と同様の前後台車間を低床としたバスタブ構造のステンレス鋼である。車体長は21,115/20,800mm(先頭車/中間車)、車体幅E26系と同じく2,900mmとし、車内空間を確保するために中間車車体長がE655系などと比較して800mm長くなっている[41]。そのため、台車中心間距離も同じく250mm長くなっており、14150/14400mm(先頭車/中間車)としている。また、北海道などの寒冷地を走行するため、車両は耐寒耐雪仕様としており、車内の静寂性を保つため、床は防音床構造となっている。

先頭車の先頭構体部は前面衝突対策が施されており、前面ガラスはデザインを具現化させるために、3次元曲線ガラスで構成されている。また、運転室は交直流電車関連の機器のほか、EDCシステムに関する機器や海峡線の共用区間の走行に対応する機器などが配置されており、運転室後方にある展望室からの視界を良くするため、前面・側面ガラスのほか、その上部に調光機能を備えた窓ガラスを配置している[42]

車体側面の側出入口は車体とドアリーフを極力平滑できるとともに、戸袋が不要で車内の室内空間をより広く確保できるように、一旦車体の外側に出た後に横に開く構造の外プラグドアを採用しており、2 - 4・6・8・9号車は片引戸としているが、ラウンジを有する5号車のエントランスドアは両引戸としている[43]

空調装置は、2-4・7-9号車は分散型のAU739形を1両あたり4台屋根上に搭載しており(7号車は車体両端部に各2台設置)、その内の3台は各個室専用とし、残りの1台を通路などの共用部用としている。また、個室専用の空調装置が故障した場合には、共用部用の空調装置のダクトをバイパスさせることで、故障した個室の室内の空調を行うことが可能としている。5・6号車はE233系の二階建てグリーン車と同様のAU729-G2形を車体両端部に搭載しており、先頭車の1・10号車には、セパレート形のAU221形を床上に2台搭載している[43]

車内の機器配置は、1・10号車に振動や騒音の発生源となるディーゼル発電機や電動空気圧縮機を配置しており、2-4・8・9号車は個室と個室との間に、水関係の機器類を配置した機器室を設けている。また、5 - 7号車は、バスタブ構造を生かして、個室や共用部の床下に水・汚水タンクなどの各種タンクや機器を配置しているほか、7号車の車両屋根上の車端部に水タンクを配置している[42]

1・5 - 6・10号車以外は全て「四季島スイート」「デラックススイート」「スイート」の2人用の個室が設けられている。共通事項としては、居間の壁面は、通路側を和紙、それ以外の3面をアルミ合金に天然木を薄くスライスした突板を張り付けまたは巻き付けた構造の突板パネルを主体として貼り付け、そこにアクセントとして、漆パネルや叩き仕上げの意匠アルミ板と意匠照明パネルを取付けている。また壁面から天井にかけて、フィーチャーアーチと呼ばれる化粧パネルを連続して配置している。また、窓にはフリーストップ式のロールカーテンを設けており、手が届かない窓には電動式のカーテンを設けている[44]

個室横の通路は、ラグジュアリーホテルをイメージさせる落ち着いた雰囲気と額縁を思わせる窓が美しい風景を絵画のように演出するデザインとしており、特殊和紙パネルの編み込みで構成した出入口引戸と突板パネルで構成されている。床はフローリングとしており、車端部の壁面には、フィーチャーアーチと呼ばれる化粧パネルを配置している。また、必要な個所に機器室点検扉などを設けている[45]

そのほかの設備として、個室とトレインクルーまたはトレインクルー同士の音声通話システム「CREW LINE」や車内Wi-Fi環境・個室エンターテイメントやBGM・アテンダント放送などの機能を持つサービスシステムを装備しているほか、運転台には前方カメラとその記録装置、車内の共用部には防犯カメラがそれぞれ取付けられている[42]

主要機器[編集]

電源・制御機器[編集]

主回路制御方式は、主変換装置によるVVVFインバータ方式を採用している。

IGBT素子による3レベルPWMコンバータ1群+2レベルVVVFインバータ1群で構成された主変換装置 CI25形を、電動車の1・2・3・8・9・10号車に1基ずつ搭載しており、1-3号車と8-10号車の各3両で1ユニットを構成しており、主変換装置1基で4基の主電動機を制御する1C4M方式を採用している[46]。直流電化区間での列車本数が少ない軽負荷時での回生ブレーキ失効においても、安定した電気ブレーキ力を得られるようにするため、発電ブレーキ制御とフィルタコンデンサーの放電用に、ブレーキ用抵抗器とその冷却用送風機・ブレーキチョッパ装置1群を装備しており、非電化区間でのエンジンモード時において発電ブレーキを使用可能としている[46][42]

パンタグラフは、PS37C形シングルアーム式を採用しており、2・3・8・9号車に屋根上に搭載している。直流電化区間では、全てのパンタグラフを使用するが、交流電化区間では、2・9号車のパンタグラフのみを使用する。これには、2・9号車に、交流電化区間において使用される主変圧器が搭載されているためであり、交流電化区間では主変圧器を介してユニット内の各電動車に搭載された主変換装置に電力が送られる回路に切替えられる。また、非電化区間では、エンジンモードでの走行となるため、パンタグラフは収納される[47]

補機用の電源となる補助電源装置 (SIV) は、 SC115(定格容量260kVA)を4号車に2基、 SC116(定格容量130kVA)を1・10号車に1基ずつ採用しており、床下に搭載している[48]。補助電源回路の冗長性確保や交流電化区間の交交セクションでの三相電源無停電のため、4台での並列同期運転制御を行っている[48][47]

電動空気圧縮機は、交流440Vの誘導電動機駆動による吐出し量が1600ℓ/minの除湿装置付きのMH3130-C1600S3形を1・10号車に床上に搭載している。

主電動機は冷却方式が自己通風式の誘導電動機を搭載しており、形式はMT75Bである[49]

1・10号車の車体中央部の機関室の床上に搭載されている機関と主発電機(ディーゼル発電機)は主回路と補助電源用であり、機関はMTU製直噴式の12気筒V形ディーゼルエンジンのDML57Z-G形で、総排気量は57200cc、連続定格出力は1800kWであり、主発電機は完全ブラシレス構造の回転界磁形同期発電機のDM114形である、また、ディーゼルエンジン用の燃料タンクは床下に搭載されている[42]

ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキであり、ブレーキ装置を含めた関連機器を、先頭車には冗長性を向上させるため2台、中間車には1台搭載されている。その他に、抑速ブレーキ・耐雪ブレーキ・直通予備ブレーキを備えている[42]

列車情報管理装置(TIMS)は、E233系などに搭載されているものを基本に、CPU性能を向上させたCPU10を採用している。機能面では、E657系に搭載されているものを基本に操作性や機能向上を図っており、エンジンモードでの非電化区間や海峡線での共用走行区間の走行に必要な機能を付加している。

保安装置は、ATS-PATS-PsATS-DNの機能を統合した統合型ATS車上装置を装備しており[50]海峡線の共用区間での走行用にDS-ATCRS-ATCを装備している[42]

前述のように「EDC方式」を採用することで電化区間と非電化区間の両方で走行可能となるほか、電気方式は直流1,500 V、交流20 kV 50/60 Hz、交流25 kV 50 Hzの4電源方式に対応した交直流電車であり[34]、直流区間では架線の電源を2・3号車および8・9号車の屋根上に搭載されたパンタグラフから各電動車に搭載された主変換装置のVVVFインバータに直接送られるが、交流区間では2・9号車に搭載されたパンタグラフから搭載された主変圧器により降圧された後に各電動車に搭載された主変換装置に送られる方式であり、架線の直流・交流電源の切替は屋根上に装備された交直切換器を切替えることで行われる。これにより、北海道新幹線向けに電圧が異なる青函トンネル内を含めたJR東日本・JR北海道のほぼすべての路線で自走が可能となっている[51]

台車[編集]

台車は、E531系とE233系で使用されている台車を基本に設計した軸箱支持装置が軸梁式のボルスタレス台車であり、電動台車はDT83(先頭車)、DT84(中間車)[34]付随車がTR266(4号車)、TR267(5-7号車)であり、基礎ブレーキは、電動台車はユニットの踏面片押し式、付随台車はユニットの踏面片押し式と車軸に装備されたディスクブレーキによる併用である[52]。車体に取付けられた加速度センサーにより、左右の車体の揺れを抑える空気圧式の動揺防止制御装置(フルアクティブサスペンション)、同じく車体に取付けられた加速度センサーにより、空気ばねに平行して取付けたダンパの減衰力を切替えて車体の上下振動を緩和させる油圧式の可変減衰上下動セミアクティブダンパを、2-9号車の台車に装備しており、乗り心地の向上を図っている[注 2][42]ヨーダンパは、中間車の2-9号車のみの装備となる[15]

連結器は1・10号車の展望デッキ側には密着自動連結器、車端部側には衝撃吸収緩衝器付きの半永久連結器を装備しており、3号車と4号車・4号車と5号車・7号車と8号車の連結面には密着連結器を装備しているほかは、すべて半永久連結器を装備している。すべて展望デッキ側を除いた車端部に転落防止幌を装備している[注 3][15]

車両詳細[編集]

展望車(1・10号車/E001-1, 10)
屋根部分まで大型の窓を備えた展望車。車両前部は床面を嵩上げしたハイデッカー構造[4][32]で、先頭形状は正面上部が前方に突出した独特の形状となっている。前照灯・尾灯は前面窓側部ピラーに縦に配置され、テールライトは上部に左右1つずつ、ヘッドライトは下部に左右4つずつ装備している。車両の後方部分にはEDCシステム・ディーゼル発電機を床置き搭載した機械室・補助電源装置・主変換装置・主電動機を搭載している。その為、連結面よりの屋根上にはディーゼルエンジン用のラジエーターファンやグリルが装備されており、1号車は64.1t、10号車は63.9tという異例の重さになった。展望室は東日本や北海道の大自然を背景に、車窓の眺めをダイナミックに楽しむ開放感と高揚感にあふれるデザインとしており、運転室との間の仕切りをガラス張りとし、側面に大きな窓を連続的に配置して、側面方向に1人掛けソファー4脚と2人掛けソファー1脚を設けており、床下は苔をイメージしたカーペット敷きとしてる。展望室の名称については、「先を予感する」と「何かが起きるワクワク感」の意味を込めて、1号車を「VIEW TERRACE(ヴューテラス)きざし」、10号車を「VIEW TERRACE(ヴューテラス)いぶき」としている。この車両には乗客用の乗降口がないため、乗客の外ヘの出入りは隣の車両から行う。フリースペース車のため定員は0名である[54][55]
2・3・8・9号車/E001-2, 3, 8, 9
2・3・8・9号車に主変換装置・主電動機を搭載しているほか、屋根上にパンタグラフと交直切換器・交流遮断器などの交直切替や直流・交流の電源方式に対応した関連機器を搭載している、2・9号車には交流電化区間で使用される主変圧器を搭載しており、電化区間走行時には直接パンタグラフ集電で走行できる。因みに8号車には小型の非常口も備え、9号車のみパンタ下に乗降口を備えている[56]
スイート寝台車(2、3、4、8、9号車)
スイート個室が1両に3室ずつ設置されている。居間・洗面・トイレ・シャワールームで構成されており、通路側には小窓と長窓が多数並び、寝台側には客室用の大窓が3ヵ所ある。室内は、きめ細やかな日本の美意識をモダンな意匠に盛り込み、フラットなフロア構成による穏やかな空間とし、開放感と演出したデザインとしており、大窓の車窓の視認性を考慮した位置に、2つのソファベットをレール方向に配置しており、その反対側には、ライディングディスクのほか、洗面・トイレ・シャワールームが配置されている。床はダイナミックな冬の日本海の一瞬を切り取ったイメージのクルーグレーのカーペット敷きとしてる。定員は全車6名である[33][55]
4号車/E001-4
一般スイート車の唯一の付随車であり、5号車寄りにバリアフリー対応の部屋を備えており、乗降口横には車椅子マークが付く。また1・10号車と同じく補助電源装置を2台搭載している[57]
デラックススイート・四季島スイート寝台車(7号車/E001-7)
デラックススイートと四季島スイートを設置した個室車であり、メゾネット型の四季島スイートとフラット型のデラックススイートが1室ずつ、計2室設置され、両部屋ともバスタブやトイレを備える。またこの車両には乗降口がなく、乗客の外への出入りは隣の車両から行う[4][32]。定員4名[58]
四季島スイート(メゾネット型)
出入口部・階上部・階上部・洗面・トイレ・バスルームで構成されており、8号車寄りに設置されている。この部屋は一部がダブルデッキ構造の部屋となっている。階下部がクローズした空間が安心感をもたらすデザインとした部屋に2つのベッドをレール方向に配置しており、床をダイナミックな冬の日本海の一瞬を切り取ったイメージのクルーグレーのカーペット敷きとした寝室、階上部には国産ブナ無垢材の座卓と座椅子を配置し、床を畳敷きとした掘りごたつ風のスペースとしている。これらの部屋に通じる出入口部の階段を挟んだ反対側に洗面・トイレ・バスルームがあり、バスルームには車両の動揺などで発生する波を抑制すり構造が付いた、檜製の浴槽を設けている。また、浴槽は入浴しながら車窓を見られるように、真横に大形窓を配置しており、その室内側に雪見障子を取付けている。当列車の客室では最も高額で、「四季島スイート」という名称が付けられている[4][32][44]
デラックススイート(フラット型)
出入口部・居間・洗面・トイレ・バスルームで構成されており、6号車寄りに設置されている。表情豊かで、上質な空間を演出するデザインとしており、バスタブ構造による2階建て分の容積に一階部屋のみ備えたことにより、圧倒的な高い天井による開放感が特徴である。居間には大窓寄りにベット、通路寄りにソファベッドをレール方向に配置しており、出入口部を挟んだ反対側には、洗面・トイレ・バスルームがある。バスルームには四季島スイートと同じく、真横に室内側に雪見障子を取付けた大形窓を配置した檜製の浴槽を設けている。また、居間と出入口部の間には、意匠照明を有する階段を設けるとともに、水蒸気により、炎を演出するタイプの暖炉風オブジェを象徴的に配置している。当列車では2番目に高額な客室となっている[4][32][59]
ラウンジカー(5号車/E001-5)
バスタブ構造による2階建て分の容積を確保しており、それにより室内高さを高くして開放感が出るようになっている。名称は「LOUNGE こもれび」としている。空間の限られた列車の中で、人と集い語りあうオープンなパブリックスペースと樹木を思わせる曲線が談笑する人々を優しく包み込むデザインとするため、天井を高くし、窓の窓の形状や内張の凸凹などに有機的な曲線を多用するとともに樹木を連想させるディスプレイ4本を配置している。また、車両中央の黒色部分には大型の両開き外ブラグドアのエントランスドアを設けているが、車両の両側面の1-3位と2-4位でレール方向にずらして配置している、これにより上野駅専用ホームから2-4位のドアに乗車する場合には、車内のエントランスが正面に来る構成としている。エントランスには、正面に石の門柱と水蒸気により、炎を演出するタイプの暖炉風オブジェを象徴的に配置しており、1-3位側のドアの正面に電子ピアノを配置している。また、2人掛けのテーブル9台をラウンジの広いスペースに分散的に配置して、そこに椅子を18脚を配置しているほか、6号車寄りにはバーカウンターを設けている。[4][32]フリースペース車のため定員は0名である[33][60]
ダイニングカー(6号車/E001-6)
ダイニングカー(食堂車)である。名称は「DININIG しきしま」としている。流れる車窓を見ながら、土地の旬を食し、この旅をともにする人達と語らう、そんな時間と空間が豊に混じり合う豊潤な時間をゆったりとしたスペースで感じてもらうため、和のテイストを取り入れ、五感を心地よく刺激する「ハレ」空間を演出するデザインとしており、大きな窓を複数配置して、5号車寄りに配置しているダイニングスペースを高床構造にしている。室内の壁面は突板パネルや銀箔風の内装材など和のテイストを有する素材を主体としており、床は大理石としている。天井にはLED照明や有機EL照明を使用したシャンデリアが配置しており、天井から側面にかけての内張りに意匠照明を配置している。テーブルは2人用のもの(正方形と半円形)を大きな窓に合わせて9台配置しており、そこに曲木加工を施した国産ブナ無垢材の椅子を18脚配置している。厨房は7号車寄りに配置されており、壁面をステンレスヘアライン仕上げとした各種厨房機器が配置されており、高床構造のダイニングスペースの床下には、食材保管用の冷凍冷蔵庫などを設置している[4][32]。フリースペース車のため定員は0名である[33][61]

当列車における上野駅での対応[編集]

当列車の運行開始に合わせ、上野駅に専用ラウンジ「プロローグ四季島」 が13番線ホーム上に整備され、列車帰着後は「この旅がまだ続く旅」である事を実感させつつ、フェアウェルパーティを行うスケジュールである。また、13番線と14番線の間に当列車専用ホーム(通称・「新たな旅立ちの13.5番線」)を新設する[注 4][63]。そして、「四季島スイート」および「デラックススイート」の乗客には専用ハイヤー・バレーサービスの案内もある[22][23]。2017年3月に専用ラウンジと専用ホームエントランスが完成した[64][65]。また、2017年3月31日には中央改札に専用改札が完成しているのを確認されている[66]

運行開始の2017年5月1日には、個人撮影からの乗客のプライバシー保護及び、写真撮影者殺到防止対策のために入場規制や14番線に回送列車を配置させる処置が成され[67]、当面の間は13番線の利用が乗客と関係者しか出来ない様にしている[68]

当列車に向けたバスの改装[編集]

ジェイアールバス関東ジェイアールバス東北ジェイ・アール北海道バス富士急行庄内交通越佐観光バスにおいて、当列車に向けて改装されたバスを各コース・エリアに対応させて運行する予定。この改装バスは当列車ツアー以外の目的でも使用される[69]

以下のエリアで該当バス事業者が運行をする予定。

  • ジェイアールバス関東
    • 3泊4日コース:日光エリア
  • ジェイアールバス東北
    • 3泊4日コース:五所川原エリア、青森エリア
    • 1泊2日コース:会津若松エリア
    • 2泊3日コース:白石・松島エリア、青森エリア、弘前エリア、一関エリア
  • ジェイ・アール北海道バス
    • 3泊4日コース:函館エリア、ニセコエリア、登別エリア
  • 富士急行
    • 1泊2日コース:塩山エリア
  • 庄内交通
    • 3泊4日コース:鶴岡エリア、あつみ温泉エリア
  • 越佐観光バス
    • 3泊4日コース:燕エリア

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 姨捨駅には当列車用の専用展望ラウンジが存在する。
  2. ^ 同様の装置は同じクルーズトレインの「ななつ星in九州」や「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の台車にも装備されている[53]
  3. ^ 一部無い所がある
  4. ^ 13番線と14番線の線路の間にはかつて荷物を積み降ろしする専用ホームがあり、その場所を改築して13.5番線ホームとしている[62]

出典[編集]

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  9. ^ カシオペアクルーズを除くカシオペアは定期的に運転されてはいたが、その運転期間を通じて終始臨時列車であった。また、北海道新幹線開業後も2017年(平成29年)2月まで、運転区間ごとにJR貨物から二種類の機関車を借り、JR北海道の運転士が乗務することで、カシオペアクルーズとカシオペア紀行が札幌まで運転されている。同列車の継続的な乗り入れが困難になった理由は、JR北海道にカシオペア牽引用の機関車を更新する体力が無くなったことにある。
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参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]