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JR北海道733系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
JR北海道733系電車
733系B-107編成(2024年8月30日 ほしみ駅
基本情報
運用者 北海道旅客鉄道
製造所 川崎重工業車両カンパニー→川崎車両
製造年 2012年 -
製造数 141両
運用開始 2012年6月1日
主要諸元
編成 基本番台・1000番台:3両編成(1M2T
3000番台:6両編成(2M4T)
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 交流20,000 V・50 Hz
架空電車線方式
最高運転速度 120 km/h[2]
設計最高速度 130 km/h[2]
起動加速度 2.2 km/h/s応荷重164 %で60 km/h以下)[2]
1.3 km/h/s(130 km/hまで)[2]
車両定員 番台区分を参照
自重 番台区分を参照
全長 先頭車:21,670 mm[1]
中間車:21,300 mm[1]
車体長 先頭車:21,200 mm[2]
中間車:20,800 mm[2]
全幅 2,915.3 mm[2]
車体幅 2,892 mm[2]
全高 4,045 mm(空調機高さ)[2]
4,260 mm(パンタ折りたたみ高さ)[2]
床面高さ 1,050 mm
車体 軽量ステンレス(efACE)
台車 軸梁式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付
N-DT733/N-DT733A(電動台車)[2]
N-TR733(付随台車)[2]
車輪径 810 mm
主電動機 かご形三相誘導電動機
基本番台:N-MT731A × 4基/両[2]
3000・1000番台:N-MT733(全閉式) × 4基/両
主電動機出力 基本番台:230 kW[2](電圧1,100 V[2]・1時間定格)
3000・1000番台:225 kW(電圧1,100 V・1時間定格)
駆動方式 TD継手式平行カルダン軸駆動方式[2]
歯車比 93:19 (4.89) [2]
制御方式 3レベルPWMコンバータ + 2レベルVVVFインバータ制御IGBT素子
制御装置 N-CI733-1形・N-CI733-2形 主変換装置
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ全電気式[2]
保安装置 ATS-DN[2]
備考 製造数は2020年4月1日現在。
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733系電車(733けいでんしゃ)は、北海道旅客鉄道(JR北海道)が2012年(平成24年)から導入した通勤形交流電車

概要

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札沼線(学園都市線)の桑園駅 - 北海道医療大学駅電化開業にあわせ、札幌都市圏の輸送力増強を目的に登場した[3][資料 1]。本形式の導入に伴い、老朽化した711系の置き換えも実施されている。

JR北海道では、2010年にアルミニウム合金製車体の状態を検証する目的で735系電車を製造しており、2年間の試運転を経て問題がないことは確認されていた[4]。しかし、アルミニウム合金製の車体の本格的な導入については、長期的に運用した上で検討する方向性となり、実績のあるステンレス車体での増備を行っていくことになった[4][注 1]

1996年から運用されている731系電車の設計コンセプトを基本として[3]、その後の新技術の導入やユニバーサルデザインバリアフリー対応の要求を満たすために、仕様の変更が行なわれている[3]

札幌近郊の普通列車に使用される基本番台と、主に快速エアポート」に使用される3000番台・4000番台、さらに函館近郊の北海道新幹線アクセス列車「はこだてライナー」に使用される1000番台の3グループが存在する。

形式称号は、731系の設計思想を踏襲した車両として[3]、欠番となっていた733系とした。

車両概説

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以下特記ない限り基本番台登場時の仕様について述べる。

車体

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クハ733形は車体長21,200mm[2]・全長は21,670mm[1]、モハ733形は車体長20,800mm[2]・全長21,300mm[1]で、いずれも構体をステンレス製とし[1]、731系より側面強度を向上させた[1]

外板と骨組みは川崎重工業車両カンパニーefACEと呼ばれる車体構造を採用している。車体幅は、731系・735系の2,800mmより拡大した2,892mmとした[注 2][1]。また、客室部分の床面高さは後述の小径車輪採用等により731系の1,150mmより100mm低い1,050mmとし[注 3][1]、札幌都市圏での標準的なホーム(高さ920mm)との段差を130mmに抑えた[1]。ただし既存の車両と連結できるように貫通路部分の床面高さは731系などと同一の1,200mmとなったため[1]、運転台通路部分にスロープを設けている[1]

先頭部は、731系・735系と同様の形状(高運転台貫通構造)で、同様にこの箇所のみ鋼鉄製とした[1]。先頭部幌柱・後退角・運転席周囲の骨組み・運転席後部クラッシャブルゾーンについては731系・735系からさらに強化を図った[1]。貫通幌(小樽・北海道医療大学側に設置)は、731系で採用された自動幌装置は採用せず、735系同様に721系の幌枠をベースにアルミニウム合金製とした通常の幌枠を採用した[注 4][6]

側面客用扉は配置・幅ともに731系を踏襲し各車両とも片側3か所に片引き式、有効開口幅1,150mmのものを設けた[2][7]。高さは731系より20mm高くした1,870mmとした[7]。なお、735系同様、出入り口にステップは設けられていない。

客室側面窓はすべて固定窓で、冬季の破損防止等を目的にポリカーボネート板(厚さ8 mm)とガラス(厚さ4 mm)の複層ユニット窓としている[2][注 5]

床下には着雪量減少のため機器や配管は露出しないよう機器箱間をステンレス製のふさぎ板で覆う床下機器カバーを採用している[1][2][注 6]

外装デザインは、車体側面を無塗装とし[2]、正面と側面にJR北海道のコーポレートカラーであるライトグリーンの帯を入れた[2]ほか、側面窓の間は連続窓に見えるように黒色に塗装した[2]。前面・側面とも種別・行先表示器は3色LED式で[6]日本語のほか英語表示も可能である[6]。2013年度に増備されたB-113編成からは、フルカラーLED式に変更されている[記事 1]前照灯HIDランプとシールドビームを併設、後部標識灯はLED式である[8]

側面種別・行先表示器
(B-116編成・フルカラーLED)
 
側面種別・行先表示器(3色LED)
区間快速で表示される「○○から普通」は、従来通り日本語表示のみとなっている。
側面種別・行先表示器(日本語)
快速エアポート(B-3102+3202編成)
 
側面種別・行先表示器(英語)
快速エアポート(B-3102+3202編成)

内装

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車両内部

座席は3000番台のuシート車を除き、片持ち式ロングシートで、座席のモケットは北海道の草原をイメージした緑色系[7]優先席はオレンジ色の表皮を使用した[7]。座席の座面と背ずりでモケットを変え[7]、背ずり部分では草原に咲く花をイメージしたドットを配している[7]

車内の配色は、腰板と天井は明るいグレーを基調とし[7]非常通報装置・非常灯・消火器などは赤色[7]、乗降用扉は黄色[7]トイレの扉は水色[7]とすることによって、色によって設備の機能を識別できるようにした[7]

車内照明は、初期に製造された車両は蛍光灯であったが、2014年度までに全てLED照明に交換された[9]。1000番台・3000番台は、製造当初よりLED照明となっている[10][11]

客用扉の半自動扱い時の操作ボタンは735系と同様に視認性の高いデザインとしている[7]ほか、鴨居部には開閉確認ランプを設置し、客用扉の開閉時にドアチャイムの鳴動と連動して点滅する[7]。このほか扉横と上部に外部冷気の流入を抑制させる目的でエアカーテンを設置している[7]

トイレは車椅子対応として731系や735系よりもさらにスペースを拡大したもので、内部の空間を確保するため扉を曲面とした[注 7][7]ほか、おむつ交換台を設けた[7]

主要機器

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主要機器については電動車のモハ733形へ集中搭載している[6]

架線電圧の単相交流20,000 V,50 Hz は、主変圧器により交流900 V に降圧した上でPWMコンバータに入力され、直流1,800 V 程度に変換された後[6]VVVFインバータにより三相交流に変換し、かご形三相誘導電動機を制御する。

主変圧器は2次巻線を2つと3次巻線を1つとした構成で[6]冷却方式は騒音振動低減のメリットがある走行風自冷式である[6]。モハ733-101 - モハ733-108は三菱電機[12]のN-TM-133-1-AN形[2]、モハ733-109 - モハ733-112は東芝[12]のN-TM-133-2-AN形を搭載する[2]

主変換装置は3レベル変調単層電圧型PWM制御コンバータ+2レベル変調三相電圧型PWM制御IGBT-VVVFインバータ制御方式を採用[6]、1基の主変換装置で主電動機2台を制御する (1C2M) ユニットを1群とし、これを2群とした構成としている[6]。モハ733-101 - モハ733-108は日立製作所[12]のN-CI-733-1形[2]、モハ733-109 - モハ733-112は三菱電機製[12]のN-CI-733-2形を搭載する[2]

主電動機は1時間定格出力230kWのN-MT731A形かご形三相誘導電動機を採用した[6][注 8]。この主電動機は、731系以降に登場したJR北海道の電車で採用されているN-MT731形の固定子配線を変更したものである[6]。冷却方式は強制空冷式であるが、冷却風は電動車の車端部の2位側と3位側に設置された雪切室で、車体外板に設けられたルーバーから送風機により外気を取り込み、風洞を経由して供給される方式が採用されている[6]。これは、北海道など豪雪地帯用の電車に共通の特殊なものであるが、1000・3000番台では、全閉式主電動機の採用により、主電動機内部のファンで内部の空気を循環させ、熱交換器により外気と熱交換する方式に変更されたため、車端部に設置されていた雪切室がなくなり、それに伴って客室スペースが拡大され、送風機などの装置とダクトの撤去により、重量の削減が図られている。

補助電源装置はコンバータ+インバータで構成される静止形(SIV)を採用しており、主変圧器の3次巻線からの交流電源により、直流と交流を出力して、車両の制御・補助回路への給電と蓄電池への充電を行う[13]。また、コンバータ部ではダイオードブリッジ整流+IGBTチョッパ制御により直流電源を出力するようにしている[14]。装置は富士電機製で、N-APS733形SIVにより安定した単相交流100V,50Hzが4.25 kVA×2、安定した直流100Vが10.5 kWが出力される[14][15]

制動装置(ブレーキ)回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ[2]、速度が0 km/h まで電気ブレーキが有効となる全電気ブレーキ機能を有する[3]

パンタグラフシングルアーム式のN-PS785形を搭載した[2]

空調装置集中式のN-AU733形[2](3000番台・1000番台はN-AU733A形)を屋根上に1基搭載する[6]。冷暖房兼用で冷房能力は34.9 kW (30,000kcal/h)[2] 、暖房能力は20 kW である[6]。このほか、座席下に吊り下げ式電気暖房器を設置している[2]

運転室は731系と同様の高運転台構造で、機器配置も731系と同様である[7]主幹制御器には、721系以降採用実績のある左手操作型ワンハンドル式が採用された[7]。助士席前面窓と貫通路の窓にはポリカーボネートの表面を導電体として[7][6]、通電すると発熱する仕組みとした[6]「発熱ポリカーボネート」を採用した[7]

なお、733系では731系と同一の車体構造を有する201系気動車との連結・協調運転は行わないこと[3]から、731系のように気動車と連結するための機器は搭載していない[3]

台車

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電動台車 (N-DT733)
付随台車 (N-TR733)

台車は軸梁式軸箱支持方式ボルスタレス台車[6]、電動台車がN-DT733形[2]、付随台車はN-TR733形である[2]。どちらも車体の低床化に伴い、空気ばね取り付け位置を低くするため弓形台車枠とした[6]ほか、車輪径810 mm の小径車輪を使用した[6]基礎制動装置はJR北海道の電車では初めてユニットブレーキを使用したクラスプ式(両抱え式)とした[6]。電動台車の駆動装置はTD継手式平行カルダン駆動方式[6]で、歯車比は93:19 (4.89) である[6]

番台区分

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編成は効率的な運用を可能にするため、711系・721系・731系・735系と同様の3両と快速「エアポート」用の6両で組成され、系列中に以下の3形式が存在する。なお、制御車(先頭車)の向きは函館本線を基準とする。

車内設備に関して、特に断りのない場合はロングシートである。

基本番台(3両編成)

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B102編成

編成番号は中間電動車モハ733形の車両番号に識別記号「B[注 9]」を付し、「B-101」などと表記される。

クハ733形
100番台 (Tc1)
1号車に組成される制御車(滝川方先頭車)。車椅子対応トイレ車椅子スペースが設置されている[3]
200番台 (Tc2)
3号車に組成される制御車(小樽方先頭車)で、補助電源装置・電動空気圧縮機蓄電池を搭載する[3]
モハ733形 (M)
2号車に組成される電動車(中間車)で、主回路機器(主変圧器主変換装置)・集電装置を集中搭載する[3]番台区分は100番台[3]
編成図(基本番台)
 
形式 クハ733形 モハ733形 クハ733形
区分 Tc1 M Tc2
車両番号区分 クハ733-100 モハ733-100 クハ733-200
搭載機器   MT, CI, PT SIV, CP, Bt
自重 33.9t 43.1t 35.5t
車内設備 WC, BF    
定員
() 内は座席定員
139 (46) 154 (52) 146 (50)

3000番台(6両編成)

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B3105編成
「uシート」車両(サハ733-3205)

快速「エアポート」用に導入されたグループ。新たにサハ733形が新形式として登場したほか、客室照明はすべてLED照明となり、デッキを廃止してステップレス化により通路が広くなった。また、全閉式主電動機の採用により、外部からの雪を分離して主電動機冷却用の冷却風を送り込んでいた雪切室がなくなり、乗車定員が721系(6両編成)と比較して8%増加した。

座席が721系転換式クロスシートから片持ち式ロングシートに変更されたほか、4号車のサハ733-3200は、回転式リクライニングシートを備えた指定席「uシート」となっている。同年7月中旬から11月下旬にかけて順次投入され、快速「エアポート」用車両の4割が本系列に置き換えられた。

基本的には6両編成だが、編成は4号車と3号車を境に2編成に分割可能な構成となっており、滝川・苫小牧方の3両編成が3100番台、小樽方の3両編成が3200番台となっている。なお付随車であるサハ733形は本番台にのみ連結されている。他車との併結運転はしないため、先頭車には貫通幌を装備していないほか、乗務員室内の緊急ブレーキが設置されている席の扉は設置されていない。

車内照明にLEDを採用している[16]。主電動機は全閉式 N-MT733 (出力は225 kWに変更)を採用し、機器の一部を省略することで客室スペースの拡大が図られている[16]。主電動機変更により、電動台車は N-DT733A となっている[14]

クハ733形
3100番台 (Tc1)
1号車に組成される制御車(滝川方先頭車)。車椅子対応トイレが設置されている。
3200番台 (Tc2)
6号車に組成される制御車(小樽方先頭車)で、補助電源装置・電動空気圧縮機を搭載する。車椅子スペースが設置されている。
モハ733形
3100番台 (M1)
2号車に組成される電動車(中間車)で、主回路機器(主変圧器・主変換装置)・集電装置を搭載する。
3200番台 (M2)
5号車に組成される電動車(中間車)で、主回路機器(主変圧器・主変換装置)・集電装置を搭載する。
サハ733形
3100番台 (T1)
3号車に組成される付随車(中間車)で、補助電源装置・空気圧縮機・蓄電池を搭載する。車椅子対応トイレ・車椅子スペースが設置されている。
3200番台 (T2)
4号車に組成される付随車(中間車)。座席は指定席「uシート」用の回転式リクライニングシートで、デッキを装備するためこの車両のみ半自動扉の機能を持たない[17]。デッキ付近に荷物置き場を、3号車寄りに車掌室と業務用室が設置されている。また、快速「エアポート」では指定席、それ以外に充当する際は自由席として使用するため、客室仕切上部デッキ側に座席種別を表示する案内表示器が設置されている。なお、721系の「uシート」で実施されていたFMラジオ放送は実施しない[注 10][16]
編成図(3000番台)
 
形式 クハ733形 モハ733形 サハ733形 サハ733形 モハ733形 クハ733形
区分 Tc1 M1 T1 T2 M2 Tc2
車両番号区分 クハ733-3100 モハ733-3100 サハ733-3100 サハ733-3200 モハ733-3200 クハ733-3200
編成番号区分 B-3100編成 B-3200編成
搭載機器   MT, CI, PT SIV, CP, Bt   MT, CI, PT SIV, CP
自重 33.7t 41.8t 34.0t 31.8t 41.8t 35.3t
車内設備 WC   WC, BF     BF
定員
() 内は座席定員
142 (46) 156 (52) 149 (48) 72 (43) 156 (52) 146 (47)

北海道新幹線が開業した2016年(平成28年)には、イメージキャラクターを務めた大谷翔平(当時北海道日本ハムファイターズ)のラッピングがB-3106/3206編成に施された。2017年(平成29年)は第2弾としてB-3103/3203編成にラッピングがされ、そのうち1号車(クハ733-3103)は全ての広告が当キャンペーンのものとなり、床面には大谷選手の原寸大足型などが装飾されていた。

1000番台(3両編成)

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B1003編成
側面種別・行先表示器
(B1002編成・フルカラーLED)

函館駅 - 新函館北斗駅間のアクセス列車「はこだてライナー[資料 2]用として導入されたグループである。

基本設計は札幌圏で運用されている0・3000番台と同じだが、コンセプトを「新幹線と連携・一体感」と「函館らしさ・北海道らしさ」としているため、外装と内装に一部変更が行われており、外装は車体の側面腰部と前面のラインカラーをパープルに変更するともに、コーポレートカラーのライトグリーンを車体の側面腰部のパープルの下に帯で配置している[18]

内装は「北海道の豊かな自然」と「函館の異国情緒」をイメージし、乗降口付近と車両の妻面の妻壁を木目調、客室扉の車内側をレンガ色、優先席を除いた座席モケットを北海道の自然をイメージさせるグリーンとしている[18]。車内照明は3000番台同様にLEDを採用したが、電気系統を交流 (AC) 系統と直流 (DC) 系統との2系統化することで、停電発生時でも蓄電池により一部の照明は残るようにしてある[記事 2]

2015年秋から順次落成し、2016年3月26日の北海道新幹線新青森駅 - 新函館北斗駅間開業に合わせて営業運転を開始した[資料 3][資料 4][資料 5][資料 6][資料 7][資料 8]

クハ733形
1000番台 (Tc1)
1号車に組成される制御車(函館方先頭車)。車椅子対応トイレ・車椅子スペースが設置されている[13]
2000番台 (Tc2)
3号車に組成される制御車(新函館北斗方先頭車)。補助電源装置・空気圧縮機を搭載する[19]
モハ733形 (M)
2号車に組成される電動車(中間車)。番台区分は1000番台。主回路機器(主変圧器・主変換装置)・集電装置を搭載する[19]
編成図(1000番台)
 
函館
形式 クハ733形 モハ733形 クハ733形
区分 Tc1 M Tc2
車両番号区分 クハ733-1000 モハ733-1000 クハ733-2000
搭載機器    MT, CI, PT  SIV, CP, Bt
自重 34.2 41.9 35.5
車内設備 WC, BF    
定員
() 内は座席定員
138 (46) 156 (52) 145 (50)

凡例

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  • Tc:制御車
  • M:電動車
  • T:付随車
  • MT:主変圧器
  • CI:主変換装置
  • SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
  • CM:電動空気圧縮機
  • PT:集電装置
  • Bt:蓄電池
  • WC:トイレ
  • BF:車椅子スペース

沿革

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甲種輸送中で兵庫駅に停車中の733系電車 (2012年2月)
川崎重工業兵庫工場にて留置中の733系電車(2014年6月)

運用

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731系と併結して学園都市線の運用に就く基本番台
快速「エアポート」での運用に就く3000番台(B3109+3209編成)

基本番台・3000番台・4000番台

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全車両が札幌運転所に配置され[22]札幌都市圏およびその周辺地区を中心とした以下の区間で運用されている。

基本番台の運用は、基本的に721系(3両編成)・731系・735系と共通[3]であり、3両あるいは3両編成2本を連結した6両編成で運転される。ただし、201系気動車との併結運用は731系が専用で充当されるため、これらに絡む運用に本系列は投入されない。また、新千歳空港駅には早朝時間帯の普通列車のみ乗り入れる。 岩見沢〜滝川間は、朝晩の札幌方面直通列車のみ運用される。

721系と併結し、小樽発千歳行普通列車の運用に就く基本番台(2020年2月、小樽駅)

3000番台・4000番台の運用は、721系の「uシート」組み込み6両編成と共通である。「エアポート」用編成の配置本数に対して快速「エアポート」の運用数は余裕があることから、終日6両編成運用を主に普通列車としても運転される[17]

2024年に投入された4000番台以外はかつては区間快速「いしかりライナー」(小樽駅 - 岩見沢駅)としての運用もあったが、2020年(令和2年)3月14日ダイヤ改正で廃止された。

1000番台

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全車両が函館運輸所に配置され[記事 10]、以下の列車で運用されている。通常は全列車3両運転だが、多客時には6両で運転されることもある。

函館本線の新函館北斗 - 小樽間が非電化のため、当番台は函館地区の閉じ込め運用となっている。

車歴表

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基本番台

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1000番台

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3000番台

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改造歴

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  • 改造所…苗穂:苗穂工場、札幌:札幌運転所

脚注

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注釈

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  1. ^ 西岡研介によると、JR北海道は当初、2012年1月1日に予定されていた札沼線の電化開業に合わせて、735系を30両導入する方針を固めていた。しかし、一旦は方針を了解していたはずの柿沼博彦副社長らがステンレス製車両の導入を求めて猛反発し、事態を重く見た坂本眞一相談役(肩書はいずれも当時)の裁定により、735系3両編成2本(6両)を試作車名目で導入し、耐寒試験を1期行ったのち改めて導入について判断することになった。ところが735系の耐寒試験はずるずると長引き、その間にステンレス製車両である本系列が導入されたため、735系の導入は試作車として導入された3両編成2本(6両)を除き事実上ストップしたという。また、この事態の影響で札沼線の電化開業が半年遅れ、2012年6月1日にずれ込んだともしている[5]
  2. ^ 加えて731系電車は、車体傾斜装置を搭載した201系気動車との共通設計であり、車体傾斜装置の作動時でも車体が車両限界を逸脱することのないよう、側面上半部が内傾している。735系電車は車体傾斜を考慮しないため内傾しない断面とされたが、車体幅はそのままであった。
  3. ^ 735系電車も同様。
  4. ^ 中間部の幌枠についても同様にアルミニウム合金製とした。
  5. ^ キハ261系1000番台(2006年)以降登場の車両と同構造。
  6. ^ 床下機器そのものは車体に艤装されている。
  7. ^ クハ733-31xx(新千歳空港・岩見沢側先頭車)は735系同様、平面となっている。
  8. ^ 端子電圧1100V、電流165A、周波数75Hz、定格回転数2,180rpm。
  9. ^ 「Base(基礎)」「Benchmark(基準)」「Barrier-free(バリアフリー)」の意味が込められている。
  10. ^ 721系においても、2014年7月31日をもってFMラジオ放送を終了した。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 『鉄道ジャーナル』通巻548号 p.80
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al 『鉄道ジャーナル』通巻548号 p.81
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 『鉄道ジャーナル』通巻548号 p.79
  4. ^ a b 『鉄道ジャーナル』通巻550号 p.30
  5. ^ 西岡研介(2019):トラジャ JR「革マル」三〇年の呪縛、労組の終焉. p437-447, 東洋経済新報社
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 『鉄道ジャーナル』通巻548号 p.83
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 『鉄道ジャーナル』通巻548号 p.82
  8. ^ 『鉄道ファン』通巻614号 p.68
  9. ^ JR北海道環境報告書2014” (PDF). 北海道旅客鉄道. p. 10. 2020年1月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月26日閲覧。
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発表資料

[編集]
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報道記事

[編集]
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参考文献

[編集]

鉄道ファン

[編集]
  • 泉弘之「733系通勤形交流電車」『鉄道ファン』第614号、交友社、2012年6月、pp.64 - 71。 
  • 編集部「新車速報 JR北海道733系3000番台」『鉄道ファン』第640号、交友社、2014年8月、p.64。 
  • 編集部「733系3000番台」『鉄道ファン』第641号、交友社、2014年9月、pp.52 - 54。 
  • 編集部「733系3000番台」『鉄道ファン』第642号、交友社、2014年10月、pp.76 - 79。 
  • 山口義貴(JR北海道鉄道事業本部車両部計画課)「733系1000番台」『鉄道ファン』第660号、交友社、2016年4月、pp.68 - 72。 
  • 富永昌嗣「快速”エアポート”について~Uシート車をもつ通勤型車両の現状~」『鉄道ファン』第683号、交友社、2018年3月、pp.94 - 99。 
  • 編集部「別冊付録『JR旅客会社の車両配置表2019/JR車両のデータバンク2018-2019』」『鉄道ファン』第59巻第7号(通巻699号)、交友社、2019年7月1日、pp.33-40。 
  • 編集部「別冊付録『JR旅客会社の車両配置表2020/JR車両のデータバンク2019-2020』」『鉄道ファン』第60巻第7号(通巻711号)、交友社、2020年7月1日、pp.32-39。 
  • 編集部「別冊付録『JR旅客会社の車両配置表2021/JR車両のデータバンク2020-2021』」『鉄道ファン』第61巻第7号(通巻723号)、交友社、2021年7月1日、pp.32-39。 
  • 編集部「別冊付録『JR旅客会社の車両配置表2022/JR車両のデータバンク2021-2022』」『鉄道ファン』第62巻第7号(通巻735号)、交友社、2022年7月1日、pp.32-40。 

鉄道ジャーナル

[編集]
  • 泉弘之「JR北海道 733系通勤形交流電車」『鉄道ジャーナル』第548号、鉄道ジャーナル社、2012年6月、pp.78-83。 
  • 編集部、久保田敦「札幌都市圏の通勤電車」『鉄道ジャーナル』第550号、鉄道ジャーナル社、2012年8月、pp.20-31。 

その他

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関連項目

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外部リンク

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