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JR東日本キハE130系気動車

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JR東日本キハE130系気動車
JR East DC E130.JPG
キハE130系0番台(キハE131形+キハE132形)
上菅谷駅にて、2009年)
基本情報
運用者 東日本旅客鉄道
製造所 新潟トランシス
東急車輛製造
製造年 2006年 - 2018年
製造数 72両(2018年3月時点)
運用開始 2007年1月19日
投入先 水郡線久留里線八戸線
主要諸元
編成 両運転台付単行車(キハE130形)
2両編成(キハE131形+キハE132形)
軌間 1,067 mm
最高速度 100 km/h
起動加速度 0番台:1.58 km/h/s(0 - 60km/hまでの平均加速度)[1]
100・500番台:0.71 km/h/s(0 - 60km/hまでの平均加速度・1.58 km/h/sに切換可能[2]
減速度(常用) 3.5 km/h/s[1]
減速度(非常) 3.5 km/h/s[1]
車両定員 113名(キハE130形0・500番台)
122名(キハE130形100番台)
125名(キハE131形)
131名(キハE132形)
全長 20,000 mm
車体長 19,500 mm
全幅 2,920 mm
全高 冷房キセ高さ 4,036 mm
屋根高さ 3,620 mm
車体 ステンレス
台車 軸梁式ボルスタレス台車
DT74形/TR259形(0番台)・DT74A形/TR259A形(100・500番台)
動力伝達方式 液体式
機関 DMF15HZ (SA6D140HE-2)
機関出力 331kW (450PS) ×1
変速機 DW22形/DW22A形(日立ニコトランスミッション[1]
変速段 変則1段、直結4段[1]
制動装置 電気指令式空気ブレーキ直通予備ブレーキ・耐雪ブレーキ・抑速ブレーキ(機関ブレーキ・排気ブレーキ
保安装置 0番台・500番台:ATS-Ps
100番台:ATS-P,ATS-SN
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キハE130系気動車(キハE130けいきどうしゃ)は東日本旅客鉄道(JR東日本)の一般形気動車

概要

水郡線の混雑緩和のため、同線で使用されてきたキハ110系気動車の置き換えを目的に製造され、2007年平成19年)1月19日から使用を開始した。1999年12月の陸羽西線向けキハ110系気動車の導入から、2007年1月の本系列導入までの約7年間、JR東日本に新型一般形気動車が導入されない状況が続いていた[注 1]。本系列はJR東日本の気動車としては約16年ぶりの新規設計車となる。なお、本形式投入で捻出されたキハ110系気動車は他地区の車両更新に充当されている。

運転台構造のキハE130形と、片運転台構造で2両固定編成を組むキハE131形キハE132形が存在する。

その後久留里線向け・八戸線向けにも製造されたが、製造時期や投入目的等の違いにより0番台・100番台・500番台に分かれており(100番台はキハE130形のみ存在)、2018年3月時点で計72両が在籍している。

0番台、500番台は寒冷地仕様(耐寒耐雪構造)[3][4]、100番台は暖地向け仕様となっている[5]

構造

車体

車体はE231系電車の構造を踏襲したステンレス製軽量構体で、混雑緩和を定員増で対応するためキハ110系よりも広い幅2,900mmの広幅車体とし、客用扉は幅1,300mmの両開き扉を片側3か所に設ける。車体腰部から裾部にかけて車体幅を絞った「裾絞り構造」であり、側出入口部のクツズリを延長して車体とホームとの間隙を小さくしている。床面高さはキハ110系より 45 mm 下げた 1,130 mm であり、出入り口部においてもステップを 45 mm 下げることで、ホームとの段差を縮小した。

前面は FRP 製で、JR東日本一般形電車の標準形状に類似するが、貫通扉を装備し印象が異なる。連結面間距離はキハ110系と同一の20,000mmである。空調装置集中式のAU732形(0番台)[3]、AU732A形(100・500番台)で能力 38.37 kW(33,000kcal/h)を屋根上に搭載する[5][4]

室内

0番台と500番台の座席配置はセミクロスシートで、100番台の座席配置は、全席ロングシート。

ボックス式クロスシート部は1 - 2の3アブレストロングシート部は1人あたりの座席幅を従来より20mm拡大して余裕を持たせている。座席表地は暖色系の配色である。座布団・背ズリの詰め物はリサイクル可能なポリエステル製綿の成形品を使用する。

本系列は各部にバリアフリーに配慮した設計が施されている。車椅子スペース(キハE130形・キハE131形のみ)や車椅子対応の洋式トイレ(0番台と500番台)を設けている。車椅子スペースには車椅子に座ったまま使用できる高さに対話型の車内非常通報装置を設置する。0番台と500番台のトイレは車椅子スペースの向かい側に設置し、JIS規格に適合する電動・手動の車椅子で使用可能な空間を確保し、客室内の見通しを妨げないように枕木方向の寸法を可能な限り切り詰めている。汚物処理装置は真空吸引式で臭気対策を図り、トイレ出入口はボタン操作による自動開閉式である。

戸閉装置は半自動対応で、車内・車外に押しボタン式スイッチを備えている。優先席部分にはオレンジ色のつり革を低い位置に設け、客用扉にはドアチャイムや開閉時に赤色で点滅するドア開閉表示灯が設置された。

側窓は上下分割上部下降窓と固定窓を組み合わせた大面積の仕様で、ガラス素材は光線透過率の低い乗用車用汎用強化ガラスを用いる。熱線吸収率も強化され、赤外線を 100 % 遮断する IR カットガラスである。

行先表示器は前面・側面ともにLED式で、側面のものは日本語英語を交互に表示する。 0番台では乗務員室背面仕切り部中央(運賃表示器下)および貫通路上部にLED式車内案内表示器を設置している[3]。100番台・500番台では運賃表示器をデジタル式から車内案内表示器兼用の液晶モニター式に変更した[5][4]

自動放送装置は日本語と英語[注 1]の2か国語対応のものが搭載され、ワンマン・車掌乗務ともに自動で案内放送が行われる[注 2]。車外案内放送用スピーカーを設置している。

駆動系・台車

駆動用のディーゼルエンジン環境負荷に配慮し、北海道旅客鉄道(JR北海道)のキハ150形が搭載しているN-KDMF15HZをベースとしつつ、排気中の窒素酸化物 (NOx) や粒子状物質 (PM) を低減できる「コモンレール式燃料噴射装置」などを採用したコマツ製の新型ディーゼルエンジン SA6D140HE-2(JR形式 DMF15HZ、定格出力 450PS/2,000rpm)を採用している。車体重量は増加したが、変速機の性能向上によりキハ110系とほぼ同等の駆動性能を確保し、0番台のみ同系列との併結運転も可能である[3]

これは0番台の電気連結器が上下2段式となっており、本系列同士では上下段とも連結、キハ110系との連結時は上段のみ連結する[3]。これにより、DICSにて車両の併結機能の切り替えを行っている[3]。実際、水郡線の車両交替期には両者の併結運転も行われていた。0番台では最大で8両編成まで連結することが可能である[3]。100番台、500番台においてはキハ110系との併結機能は搭載しておらず、電気連結器は1段式である[5][4]

0番台の変速機はCSU(発電機駆動定速回転装置)付きDW22形直結4段液体変速機(変速1段、直結4段)である[3]。CSUにより、富士電機システムズ製60kVA電動発電機を使用して車両電源(三相交流 440V)を出力している[3][6]。100番台・500番台では起動加速度および最高運転速度が低い(0 - 60 km/h/sの平均加速度0.71 km/h/s [2])ことから、変速機を冷却性能を向上したもの(変速機オイルの温度上昇対策)として、ラジエーターによる強制風冷に対応した DW22A 形CSU付き変速機を使用している[5][4]

台車は軸梁式のボルスタレス台車 DT74形(動力台車)・ TR259形(付随台車)である。基礎ブレーキ装置は、片押し式のユニットブレーキを使用している。ただし、100番台・500番台では小改良を行い、サフィックスを追加したDT74A形、TR259A形とした[5][4]

運転設備

キハE130系の運転台

運転室はキハ110系に準じた半室構造で、非貫通時は客室との間に設けた引戸により、運転室および助士側の空間を客室と完全に仕切る構造である。引戸には傾斜式戸閉装置を取り付け、貫通時には扉が開いたままにならないように自動で閉とする構造である。貫通時は運転室を開戸により完全に仕切ることができる。

主幹制御器は左手操作式ワンハンドルマスコンが採用されている。保安機器では緊急停止装置(EB装置)と緊急列車防護装置(TE装置)を標準装備している。DICS(ディーゼル車情報制御装置)を搭載している。

各番台とも乗務員室内には異常時に、非常用ハシゴとしても使用可能な補助腰掛が設置されている。またワンマン運転時は下部の運賃箱と上部に回転式の仕切りで客室と区切る構造である。運賃箱は助士側背面に完全収納できる。運転室背面仕切り部には非常用脱出口が設置されている。

形式別詳説

キハE130形
両運転台式の車両である。0番台と500番台はトイレが設置されているが、100番台はトイレが設置されていない。
定員は0番台・500番台が、座席34席・立席79人の計113名、100番台が座席39席・立席83人の計122名。
キハE131形
片運転台式の車両で、トイレを設置する。キハE132形と2両1組で使用される。0番台と500番台が存在する。
定員は座席40席・立席85人の計125名。
キハE132形
片運転台式の車両で、トイレは設置しない。キハE131形と2両1組で使用される。0番台と500番台が存在する。
定員は座席48席・立席83人の計131名。

番台区分

0番台

水郡線向けに導入された車両で、2007年度にキハE130形が13両、キハE131形+キハE132形が13本(計26両)製造された。片運転台車の一部が東急車輛製造製である以外は新潟トランシス製であり、配置先は水郡線営業所である。

外装デザインは形式によって異なっている。キハE130形は「秋の紅葉久慈川の流れ」(川の青色と紅葉の赤色)、キハE131形+キハE132形は「新緑の緑と久慈川の流れ」(川の青色と新緑の緑色)を表すカラーリングとされた[3][注 3]。各形式とも、前面は黒色の地に黄色の帯を配し、前面周囲は白色、客用扉は黄色である。

100番台

久留里線で使用されてきたキハ30形キハ37形キハ38形を置き換える目的で導入された車両で[7]2012年(平成24年)にキハE130形が10両導入され[8]、久留里線・内房線外房線[注 4]でキハE130-101を中心に試運転を行った後、同年12月1日より営業運転を開始した。配置先は幕張車両センター木更津派出である。

前述のとおり、本番台のみロングシートで、かつトイレが設置されていない。バリアフリー対策も施され、車内構造の基本的な考え方(座席周辺の湾曲した握り棒形状など)はE233系電車などと同様となっている[7]。また、客室内に非常用はしご収納箱を設置している[5]

列車無線に代わり、衛星携帯電話およびメッセージ機能付きGPSを搭載[5]

カラーリングは全車共通で、キハ37・38形で使用された青・緑・黄を引き継ぎつつパターンを一部変更し、正面は緑の外側に黄色、側面はドアが全面黄、側窓の上部に青、下部に緑を配している。全車両が新潟トランシスで製造された。

500番台

八戸線で運用されてきたキハ40形・キハ48形を置き換える目的で導入された車両で[9]キハE130形が6両と、キハE131形+キハE132形が6本(計12両)の合計18両が導入された。2017年12月2日から営業運転を開始した[10]。配置先は八戸運輸区である。八戸線での運用の他、大湊線[要出典]釜石線でも車両不足時の代車や臨時増発列車として運用されることがある[11][12]

八戸線向けの車両の調達に当たっては、試行的措置として、これまでのように特定のメーカーに製造を直接依頼するのではなく、国内外のメーカーを参加対象にした公募の形により調達が行われたもので、2014年11月28日に調達予定が公表された[13][14][15]。公募で選出された結果として既存のキハE130系0番台・100番台とほぼ同じ仕様の車両が投入されることになった[9]。100番台と同様、全車が新潟トランシスで製造された。

カラーリングは太平洋をイメージした水色の帯が入ったもので、八戸線のシンボルであるウミネコのマークも描かれている。2018年3月17日のダイヤ改正でキハ40形・キハ48形(リゾートうみねこを除く)をすべて置き換え、これにより八戸線の冷房化率100%が達成された。

前照灯シールドビーム式からLED式に変更[16]スノープラウ一体型の大型スカートを装備している[16]。車内では、室内灯を蛍光灯から直管型LED照明に変更[4]。冬季の寒さ対策として、座席横の仕切り板を大型の仕切り板に変更した[4]。客用ドアは0・100番台の黄色着色から一般的なステンレス無地に黄色のライン入りに[16]

100番台同様に客室内に非常用はしご収納箱を設置している[4]。既存の自動放送に英語放送が追加された。


脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ a b その間、2002年に事業用気動車としてキヤE193系が投入されている。
  2. ^ 音声は、日本語放送を三浦七緒子が、英語放送をクリステル・チアリが担当している。
  3. ^ 投入先の水郡線利用者の意見を基に決定され、2006年(平成18年)6月16日に発表された。
  4. ^ 外房線での試運転は土気 - 大網間にある勾配での試験のため入線した(折り返し設備の関係上本納駅まで入線)。

出典

  1. ^ a b c d e 日本鉄道車両工業会「車両技術」234号(2007年9月)「JR東日本 キハE130系一般形気動車」記事。
  2. ^ a b 日本鉄道車輌工業会「車両技術」257号(2019年3月)「JR東日本 キハE130系500代一般形気動車」6P記事。
  3. ^ a b c d e f g h i j 日本鉄道車両機械技術協会「ROLLINGSTOSK&MACHINERY」2007年3月号研究と開発「JR東日本 キハE130系一般形気動車の概要」4-9P記事。
  4. ^ a b c d e f g h i 日本鉄道技術協会「JREA」2018年7月号「キハE130系500代一般形気動車の概要」15-19P記事。
  5. ^ a b c d e f g h 日本鉄道車両機械技術協会「ROLLINGSTOSK&MACHINERY」2012年12月号研究と開発「JR東日本 キハE130形100代 一般形気動車の概要」50-54P記事。
  6. ^ 富士時報 2008年Vol.81 (PDF)
  7. ^ a b 久留里線用キハE130-100登場。”. 鉄道ホビダス. ネコ・パブリッシング (2012年10月1日). 2018年12月31日閲覧。
  8. ^ 久留里線新型車両の導入について (PDF)”. 東日本旅客鉄道千葉支社 (2011年12月15日). 2017年7月4日閲覧。
  9. ^ a b 八戸線および新潟・秋田地区への車両新造計画について (PDF)”. 東日本旅客鉄道 (2017年7月4日). 2017年7月4日閲覧。
  10. ^ 八戸線新型車両「キハE130系500代」営業運転開始及び試乗会について (PDF)”. 東日本旅客鉄道 (2017年10月26日). 2017年10月26日閲覧。
  11. ^ 快速“ラグビー釜石”,キハE130系で運転 (PDF)”. 交友社鉄道ファン (2019年7月29日). 2019年11月12日閲覧。
  12. ^ 今秋に行われるラグビー国際大会期間中の対応について (PDF)”. 東日本旅客鉄道 (2019年7月10日). 2019年11月12日閲覧。
  13. ^ 八戸線用気動車の公募調達の実施について (PDF)”. 東日本旅客鉄道 (2014年11月28日). 2017年7月4日閲覧。
  14. ^ “JR東日本、八戸線用の新型気動車を公募調達”. Response.. (2014年11月28日). http://response.jp/article/2014/11/28/238491.html 2016年7月31日閲覧。 
  15. ^ “JR東日本、八戸線用気動車18両を公募調達 - 国内外から企業の参加を求める”. マイナビニュース. (2014年11月28日). http://news.mynavi.jp/news/2014/11/28/375/ 2016年7月31日閲覧。 
  16. ^ a b c 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2017年12月号「JR東日本キハE130系500番代」88P記事。

参考文献

  • 日本鉄道車輌工業会「車両技術」234号(2007年9月)「JR東日本 キハE130系一般形気動車」
  • 日本鉄道車輌工業会「車両技術」257号(2019年3月)「JR東日本 キハE130系500代一般形気動車」
  • 日本鉄道車両機械技術協会「ROLLINGSTOSK&MACHINERY」2007年3月号研究と開発「JR東日本 キハE130系一般形気動車の概要」4-9P記事
  • 日本鉄道車両機械技術協会「ROLLINGSTOSK&MACHINERY」2012年12月号研究と開発「JR東日本 キハE130形100代 一般形気動車の概要」50-54P記事
  • 日本鉄道技術協会「JREA」2018年7月号「キハE130系500代一般形気動車の概要」15-19P記事
  • 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2017年12月号「JR東日本キハE130系500番代」88P記事

関連項目

外部リンク