JR東日本651系電車
JR東日本651系電車 | |
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![]() 651系0番台 特急スーパーひたち(2013年2月9日) | |
基本情報 | |
運用者 | 東日本旅客鉄道 |
製造所 | 川崎重工業 |
製造年 | 1988年 - 1992年 |
製造数 | 99両 |
運用開始 | 1989年3月11日 |
主要諸元 | |
編成 |
基本編成:7両(4M3T) 付属編成:4両(2M2T) |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 |
直流1,500 V 交流20,000 V (50 Hz) (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 130 km/h |
設計最高速度 | 160 km/h |
起動加速度 | 1.95 km/h/s |
減速度(非常) | 5.2 km/h/s |
編成定員 |
398名(普通車362名+グリーン車36名)※1 240名(普通車のみ)※2 |
編成重量 |
238.3 t※1 135.7 t※2 |
全長 |
21,100 mm 21,500 mm(先頭車) |
全幅 | 2,900 mm |
全高 | 3,515 mm |
車体 | 普通鋼 |
台車 |
ボルスタレス台車 DT56形(電動車)・TR241形(制御車・付随車) |
主電動機 | 直流直巻電動機 MT61形 |
主電動機出力 | 120 kW |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン駆動方式 |
歯車比 | 3.95(20:79) |
編成出力 |
120 kW×16=1,920 kW※1 120 kW×8=960 kW※2 |
制御方式 |
サイリスタ位相制御+抵抗制御・直並列組合せ制御 界磁添加励磁制御 |
制動装置 |
電気指令式 (回生ブレーキ・抑速ブレーキ付き) |
保安装置 | ATS-P, ATS-Ps |
備考 |
※1は基本編成 ※2は付属編成 ※3( )は先頭車 |
651系電車(651けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の交流直流両用特急形電車である。
1990年(平成2年)、第33回鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。
概要
常磐線の特急「ひたち」で使われていた485系電車の置き換え用として、1988年(昭和63年) - 1990年(平成2年)に88両、1992年(平成4年)に11両がいずれも川崎重工業で製造された。1989年(平成元年)3月11日のダイヤ改正から営業運転を開始した。
製造後、基本7両編成(MT比4M3T)と付属4両編成(MT比2M2T)が各9本の計99両が、勝田電車区→勝田車両センターに配置された。
大きな特徴はスピード・アップで、滑走再粘着装置の搭載で130 km/hからの制動距離を規定の600 m以内に抑えることにより、在来線特急列車としては初めて最高速度130 km/hでの営業運転を実現した。130 km/h運転区間は上野 - 日立間である。130 km/h対応の特急型電車としては、九州旅客鉄道(JR九州)の783系電車が先に登場していたが、同系が130 km/h運転を開始したのは、1990年(平成2年)からである[注 1]。
後部標識灯を兼ねたLED表示式のヘッドサインや、間接照明・各座席への読書灯の採用など、外装・内装にも工夫が凝らされ、このあと次々と登場する自由なデザインの車両のさきがけとなり、白色を基調とした外装から、登場時には「タキシードボディのすごいヤツ」というキャッチコピーが与えられた。
登場時から常磐線の特急「スーパーひたち」にのみ使用されていたが、2002年(平成14年)12月1日のダイヤ改正で勝田駅始発・終着の「スーパーひたち」は「フレッシュひたち」に変更された。それまで「フレッシュひたち」専用であったE653系と異なり、普通車は、ドアが各車両2か所で乗降がスムーズに行えるためか、その後E653系から651系へ「フレッシュひたち」の運用を替えた列車や、夜間の上野駅発土浦駅行の「フレッシュひたち」といった通勤特急列車にも使われていた。本系列を運用する列車はグリーン車を連結するため、時刻表上でも容易に判別できた[注 2]。なお、2012年3月17日のダイヤ改正時点では、本系列で運転する「フレッシュひたち」は、上り68号、下り75号のみとなっていた。
2000年(平成12年)より、座席の改造やAVサービスユニットの撤去、間接照明から直接照明への変更、荷棚の改造(ハットラック式から開放式へ)、アームレスト革部分のカット、バックシェルからモケット張りへの変更、ヘッドレストのカットなど内装面を中心とする更新工事が施工されたが、外観については、雨樋の追設や衛星アンテナの撤去、連結器カバー装着以外に目立った変更はない。
2007年(平成19年)3月18日より、全車両が禁煙となった。
2010年(平成22年)12月、JR東日本はE657系車両を2012年(平成24年)春に導入し、同年秋に651系をすべて置き換える計画を明らかにした[1]。置き換え後の651系の処遇については他線区の臨時列車への転用が示唆された[2]が、2013年より廃車が開始されている。
2013年(平成25年)3月15日に「スーパーひたち」「フレッシュひたち」の全運用がE657系となったが、E657系の改造工事のため同年10月1日から2015年(平成27年)3月13日まで「フレッシュひたち」1往復に運用されることとなった[3]。なお、この運用ではLED表示式のヘッドサインは使用されていない。E657系は2014年(平成26年)11月に10両編成1本が追加投入されたが、本系列による運転はダイヤ改正前日まで実施された。
2017年(平成29年)7月22日より、4両編成がいわき - 竜田間の普通列車2往復に充当されていたが[4][5][6]、2020年(令和2年)3月14日でE531系に統一されたため、運用を終了した。2020年6月6日に最後まで残ったK205編成が廃車され、0番台は消滅した[7]。
1000番台
2014年3月15日のダイヤ改正から新たに185系の置き換え用として、高崎線系統の特急「スワローあかぎ」・「あかぎ」・「草津」に投入することが発表された[8]。勝田車両センターに配属されていた0番台の一部編成を大宮総合車両センターと郡山総合車両センターにおいて改造、形式変更せず651系1000番台に区分され、基本7両編成(MT比4M3T)6本と付属4両編成(MT比2M2T)3本の計54両が、大宮総合車両センターに配置された。さらに2018年5月2日付で基本7両編成が1本追加改造され、大宮総合車両センターに転属した[9]。
改造の内容としては、直流区間での走行となるため電動車の直流化改造が実施され、交流避雷器などの屋根上の交流機器の一部が撤去され、車両の重量バランスなどを考慮して多くの交流機器は回路の分離のみ実施され残存されている。その他には、モハ650形の屋根上に搭載されているパンタグラフをPS26形からシングルアーム型のPS33D形に交換、側窓下に中央線のラインカラーと同じ橙色の帯を追加、OM201・OM202編成を除くクハ651形とクハ650形の先頭にスノープラウの取付け、空調装置のインバータの更新が行われた[10]。
- 伊豆クレイル用編成
2016年7月より小田原 - 伊豆急下田間で運行を開始した観光列車「伊豆クレイル」[11]用として、付属編成側の旧OM301編成を大宮総合車両センターで改造し、2016年4月に出場した。IR01編成に改められ、該当の4両は2016年4月13日付で国府津車両センターに転属されている[12][13]。
「伊豆クレイル」は2020年(令和2年)6月28日の静岡デスティネーションキャンペーンアフターキャンペーンのクロージング列車をもって運行を終了する予定であったが[14]、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりこれらのキャンペーン関連の運行が中止されたため[15][16]、通常の臨時列車としての最終設定である同年3月29日[17]が事実上の最終運行となった。その後、同年10月9日に、所属先の国府津車両センターから長野総合車両センターに廃車回送された。なお今回は夜間の回送となった。
構造
車体塗色は、■サンドグレーと■オリーブグリーンと□ミルキーホワイトである。また1000番台では、0番台の塗装のほかに窓下に、■オレンジ色の細帯が加えられた。
交流直流両用電車であるが、交流は50 Hz区間のみの対応である。集電装置は交流直流両用のPS26形パンタグラフである。仙台駅まで運用されるため耐寒構造ではあるものの、降雪量が少ない地域であることから耐雪構造ではなく、常磐線での使用に特化した車両となっている。
主回路制御には205系電車や211系電車で使用されている界磁添加励磁制御を採用しており、基本的には抵抗制御でありながら電力回生ブレーキが可能となることで、省エネルギー化を図っている。直流側のシステムは、211系電車と同様であるが、交流側の回路の整流装置に、サイリスタによる位相制御を採用したことで、交流区間でも電力回生ブレーキが可能となり、交流直流両用車としては日本初の回生ブレーキ装備車となっている。主電動機はMT61形、歯車比は783系電車と同一の3.95である。その後登場した交流直流両用電車はVVVFインバータ制御に移行したため、界磁添加励磁制御の採用例は本系列が唯一である。
台車は、211系電車で実績のあるボルスタレス式DT50系列を基本としているが、高速性能向上のため、ヨーダンパ追設等のマイナーチェンジを図ったロールゴム軸箱支持方式のDT56形・TR241形を装着する。
車内照明の供給電源は、従来系列と同様に電動発電機 (ブラシレスMG・定格出力120 kVA) からであり、このためデッドセクション通過時は、架線電源の供給が絶たれた際に蓄電池により点灯する予備灯兼用の照明を除いて消灯する。なお、交直切り替えは運転士のスイッチ操作で行われる。
運転席は高運転台構造で、横軸式マスコンと縦軸式ブレーキ操作器の配置など、205系に準じたものとなっている。速度計は新幹線100系と同様のLEDランプが横に向かって点灯するバーグラフ式の主速度計と、LEDランプによるデジタル表示の補助速度計を採用している(デジタルメーター)。速度80 km/h以上で有効な定速制御機能、ブレーキ装置には速度60 km/h以上で有効な抑速ブレーキ機能を備えている。
座席は0番台時普通車では、2+2の配置。シートピッチは970 mm。グリーン車は2+1の配置。シートピッチは1,160 mm。1000番台に改造後も座席に大きな変化はない。普通車、グリーン車ともに読書灯が設けられている。ビジネス客需要のため、2両に1か所公衆電話を設置した。
客室の各連結面寄り上部には、LED式車内案内表示器を設置している。車内自動放送装置はなく、車内放送チャイムも新造当初は485系電車などと同様の鉄道唱歌オルゴールだったが、1998年(平成10年)頃に現行の電子音チャイムに交換された。
MON3形モニタ装置
本系列では日本国内の鉄道車両では前例のない、本格的なモニタリングシステム(乗務員支援モニタ・MON3形モニタ装置)を採用した[18]。従来は故障時の警告・故障データの記録が主点であったモニタ装置を、乗務員支援、検修員支援、乗客へのサービス向上に機能を大幅に拡張したものである[18][19]。
乗務員用の乗務行路表は紙製から「仕業カード」と呼ばれるICカード化を図り、カードをホルダーに挿し込むことで、モニター画面上に乗務行路や時刻表を表示させることで、ペーパーレス化を実現した[18][19]。また、乗客へのサービス機器(空調装置、放送装置、室内灯、行先表示器、車内案内表示装置など)の制御機能、搭載機器の動作監視、機器故障時の警告・記録および応急マニュアルの表示機能、試運転時の情報収集機能、車上検査機能などを備えている[18][19]。
システムは両先頭車にMON3A形モニタ装置(中央局)、中間車にMON3C形またはMON3B形モニタ装置(端末局)を搭載し、これらをモニタ伝送線で結んだものである[19]。車両間の伝送速度は9.6 kbpsとなっている[19]。乗務員室(先頭車運転台)およびグリーン車の車掌室にはCRT(ブラウン管)モニター表示器を配置し、タッチパネル入力を採用することで、マンマシンインタフェースの向上が図られている。なお、CRTモニターの劣化に伴い、後年に液晶モニターに交換した[18]。
MON3形に制御指令(力行・ブレーキ動作指令)を付加したのが、209系で採用した制御伝送装置(MON8形)であり[18]、さらに発展させたのがE231系で採用した列車情報管理装置TIMSである[18]。
同様のモニタ装置は、すでに帝都高速度交通営団(営団地下鉄・当時)日比谷線用の03系において、車両制御情報管理装置(TIS)として実用化されている[20]。同系列においては力行・ブレーキ指令の制御伝送機能、機器の動作監視と故障時のデータ記録、試運転時の情報収集機能、車上試験機能の装備と、本系列と重なる機能もある[20]。
2次車
1989年度に投入された2次車(下記編成表のK106編成、K204編成以降)では、1次車の使用状況を踏まえて仕様が変更された[21]。
- 各車両間の貫通路に化粧パネルを取り付け
- 車体屋根上全長に雨樋を設置
- 屋根カバーをアルミ製からFRP製に変更
- トイレ内に荷棚と手すりを設置
- 先頭車の乗務員室直後、出入口部用に冷房装置を設置
- 運転士の視認性向上のため、運転台計器パネルの形状を変更
- 新製時からATS-P形装置を搭載し、乗務員室内の機器配置を変更
- グリーン車の変更点
- 一部連結面仕切り扉を自動ドア化
- 座席ひじ掛けを衛星放送受信液晶テレビ収納タイプへ変更
- 喫煙席と禁煙席間にあるパーテーション(仕切り)に収納式テーブルを新設
- サービス向上のため、コードレスホンサービスの設置準備
1000番台
形式
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0番台
- モハ651形
- 制御装置を搭載する電動車。
- 100番台 (M1)
- 9両(101 - 109)が製造された。定員58名。仙台側車端部にトイレ・洗面所、上野方に多目的室を設置する。モハ650形100番台とユニットを構成し、基本編成3号車に連結される。車椅子対応で、仙台方の客用ドア幅を拡大し、その直後の座席は一人掛となっている。
- モハ650形
- パンタグラフ・主変圧器等の整流機器を搭載する電動車。
- 0番台 (M')
- 18両(1 - 18)が製造された。定員68名。仙台側客室端に荷物置場を備える。モハ651形0番台とユニットを構成し、基本編成5号車と付属編成9号車に連結される。サニタリーコーナーを持たないため、定員は本系列最大である。
- クハ651形
- 仙台方の制御車。
- 0番台 (Tc)
- 電動発電機 (MG) ・空気圧縮機 (CP) を搭載し、9両(1 - 9)が製造された。定員56名。基本編成7号車に連結される。
- 100番台 (Tc1)
- 0番台とは異なりMG・CP搭載を省略しており、9両(101 - 109)が製造された。定員56名。付属編成11号車に連結される。
- クハ650形 (Tc')
- MG・CPを搭載する上野方の制御車で、18両(1 - 18)が製造された。定員52名。仙台側車端部にトイレ・洗面所、電話コーナーを設置する。基本編成1号車と、付属編成8号車に連結される。付属編成用車(偶数番号)にはカード式の公衆電話が設置されている。
- サロ651形 (Ts)
- グリーン車で基本編成4号車に連結する、本系列唯一の付随車で、9両(1 - 9)が製造された。客室両端に荷物置場、仙台側車端部にトイレ・洗面所・カード式公衆電話を設置する。座席配置は2列+1列で登場時は定員33名。喫煙席と禁煙席との間に仕切が設けられていたが、2002年12月2日ダイヤ改正からのグリーン車全席禁煙化に伴い、仕切は撤去の上、空きスペースを上野方に移動。2004年(平成16年)夏に、この空きスペースに座席を設置し定員が36名になった。また当初は衛星放送受信サービスが行われていたが、1997年の放送衛星の更新によりサービスが不可能となったため、屋上アンテナドームおよび座席液晶モニタは撤去された。そのほかにもオーディオパネルなどを設置していたが、これらも撤去された。2001年(平成13年)のリニューアルでは、座席構造を変更し背面の化粧板はモケット張りに変更された。
編成表
以下に製造時の編成を記す。
← 仙台・いわき 上野 →
| ||||||||||
基本編成 K100番台編成 |
号車 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
形式 | クハ651 (Tc) (0番台) |
モハ651 (M) (0番台) |
モハ650 (M') (0番台) |
サロ651 (Ts) (0番台) |
モハ651 (M1) (100番台) |
モハ650 (M'1) (100番台) |
クハ650 (T'c) (0番台) |
竣工 | 改造・廃車 | |
K101 | 1 | 1 | 1 | 1 | 101 | 101 | 1 | 1988年12月20日 | OM201 | |
K102 | 2 | 2 | 2 | 2 | 102 | 102 | 2 | 1989年1月11日 | OM207 | |
K103 | 3 | 3 | 3 | 3 | 103 | 103 | 3 | 1989年2月6日 | 2019年8月31日 | |
K104 | 4 | 5 | 5 | 4 | 104 | 104 | 5 | 1989年2月15日 | OM202 | |
K105 | 5 | 7 | 7 | 5 | 105 | 105 | 7 | 1989年2月28日 | 2018年7月28日 | |
K106 | 6 | 9 | 9 | 6 | 106 | 106 | 9 | 1989年12月28日 | OM203 | |
K107 | 7 | 13 | 13 | 7 | 107 | 107 | 13 | 1990年2月19日 | OM204 | |
K108 | 8 | 15 | 15 | 8 | 108 | 108 | 15 | 1990年3月3日 | OM205 | |
K109 | 9 | 17 | 17 | 9 | 109 | 109 | 17 | 1992年1月26日 | OM206 | |
付属編成 K200番台編成 |
号車 | 11 | 10 | 9 | 8 | |||||
形式 | クハ651 (Tc1) (100番台) |
モハ651 (M) (0番台) |
モハ650 (M') (0番台) |
クハ650 (T'c) (0番台) |
竣工 | 改造・廃車 | ||||
K201 | 101 | 4 | 4 | 4 | 1989年2月6日 | 2020年4月3日 | ||||
K202 | 102 | 6 | 6 | 6 | 1989年2月15日 | 2016年3月14日 | ||||
K203 | 103 | 8 | 8 | 8 | 1989年2月28日 | 2013年9月11日 | ||||
K204 | 104 | 10 | 10 | 10 | 1989年12月28日 | 2015年12月12日 | ||||
K205 | 105 | 11 | 11 | 11 | 1990年2月1日 | 2020年6月6日 | ||||
K206 | 106 | 12 | 12 | 12 | 1990年2月1日 | OM301 | ||||
K207 | 107 | 14 | 14 | 14 | 1990年2月19日 | 2019年5月20日 | ||||
K208 | 108 | 16 | 16 | 16 | 1990年3月3日 | OM303 | ||||
K209 | 109 | 18 | 18 | 18 | 1992年1月26日 | OM302 |
1000番台
- モハ651形
-
- 1000番台 (M)
- 0番台から10両(1・2・5・9・12・13・15 - 18)が改造された。搭載されている機器とユニットの構成と車内設備は0番台と同じ。
- 1100番台 (M1)
- 0番台から7両(101・102・104・106 - 109)が改造された。搭載されている機器とユニットの構成と車内設備は100番台と同じ。
- モハ650形
-
- 1000番台 (M')
- 0番台から10両(1・2・5・9・12・13・15 - 18)が改造された。屋根上に搭載されているパンタグラフをPS26形からPS33D形に交換、交流避雷器などの屋根上の交流機器の一部撤去が行われ、搭載されている機器とユニットの構成と車内設備は0番台と同じ。
- 1100番台 (M'1)
- 0番台から7両(101・102・104・106 - 109)が改造された。1000番台と同じく、屋根上に搭載されているパンタグラフをPS26形からPS33D形に交換、交流避雷器などの屋根上の交流機器の一部撤去が行われ、搭載されている機器とユニットの構成と車内設備は0番台と同じ。
- クハ651形
万座・鹿沢口、前橋方の制御車
- 1000番台 (Tc)
- 0番台から7両(1・2・4・6 - 9)が改造された。搭載されている機器と車内設備は0番台と同じであり、基本編成の7号車に連結される。
- 1100番台 (Tc1)
- 0番台から3両(106・108・109)が改造された。搭載されている機器と車内設備は0番台と同じであり、付属編成の11号車に連結される。
- クハ650形
上野方の制御車
- 1000番台 (Tc')
- 0番台から10両(1・2・5・9・12・13・15 - 18)から改造された。搭載されている機器と車内設備は0番台と同じであり、基本編成の1号車と、付属編成の8号車に連結される。
- サロ651形
-
- 1000番台 (Ts)
- 0番台から7両(1・2・4・6 - 9)から改造された。グリーン車で基本編成4号車に連結する、搭載されている機器と車内設備は0番台と同じである。
編成表
← 万座・鹿沢口、前橋、小田原 上野、伊豆急下田 →
|
|||||||||||
基本編成 OM200番台編成 |
号車 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
形式 | クハ651 (Tc) (1000番台) |
モハ651 (M) (1000番台) |
モハ650 (M') (1000番台) |
サロ651 (Ts) (1000番台) |
モハ651 (M1) (1100番台) |
モハ650 (M'1) (1100番台) |
クハ650 (T'c) (1000番台) |
改造竣工 | 改造元 | 廃車 | |
OM201 | 1001 | 1001 | 1001 | 1001 | 1101 | 1101 | 1001 | 2014年3月12日 | K101 | ||
OM202 | 1002 | 1002 | 1002 | 1002 | 1102 | 1102 | 1002 | 2014年3月5日 | K104 | ||
OM203 | 1003 | 1003 | 1003 | 1003 | 1103 | 1103 | 1003 | 2014年1月24日 | K106 | ||
OM204 | 1004 | 1004 | 1004 | 1004 | 1104 | 1104 | 1004 | 2013年11月14日 | K107 | ||
OM205 | 1005 | 1005 | 1005 | 1005 | 1105 | 1105 | 1005 | 2013年12月6日 | K108 | ||
OM206 | 1006 | 1006 | 1006 | 1006 | 1106 | 1106 | 1006 | 2013年10月7日 | K109 | ||
OM207 | 1010 | 1010 | 1010 | 1007 | 1107 | 1107 | 1010 | 2018年5月2日 | K102 | ||
付属編成 OM300番台編成 |
号車 | 11 | 10 | 9 | 8 | ||||||
形式 | クハ651 (Tc1) (1100番台) |
モハ651 (M) (1000番台) |
モハ650 (M') (1000番台) |
クハ650 (T'c) (1000番台) |
改造竣工 | 改造元 | 改造・廃車 | ||||
OM301 | 1101 | 1007 | 1007 | 1007 | 2014年2月21日 | K206 | IR01 | ||||
OM302 | 1102 | 1008 | 1008 | 1008 | 2014年4月3日 | K209 | 2017年9月20日 | ||||
OM303 | 1103 | 1009 | 1009 | 1009 | 2014年3月5日 | K208 | 2017年7月20日 | ||||
伊豆クレイル用 IR編成[12] |
号車 | 4 | 3 | 2 | 1 | ||||||
形式 | クロ651 (Tsc) (1100番台) |
モロ651 (Ms1) (1000番台) |
モハ650 (M'1) (1000番台) |
クロ650 (Tsc2) (1000番台) |
改造竣工 | 改造元 | 改造・廃車 | ||||
IR01 | 1101 | 1007 | 1007 | 1007 | 2016年4月13日 | OM301 | 2020年10月9日 |
東日本大震災後の動向
- 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による常磐線不通区間発生の影響で付属編成1本(K202編成)が原ノ町駅に留置されていた[22]が、2016年3月17日から3月19日にかけて撤去作業が行われた[23][24]。
- 2011年5月末に、一部の編成で組成変更を実施した。K101編成とK205編成で3両ずつを交換し、7両編成は新たにK901編成となっている。バリアフリー設備を備える100番台電動車ユニットをK205編成に組み込んだ[25]。これらの編成はその後数か月で元の編成に戻されており、少なくともK101編成は2014年に登場当時の編成(元の編成)で1000番台化改造を受けている。
- 2013年9月11日付けでK203編成が廃車となった。651系の廃車は同編成が初めてとなる[26]。2015年12月12日付けでK204編成が、2016年3月14日付けで上述のK202編成が廃車されている[27]。
- 2015年3月改正で余剰となった1000番台付属編成のうち、2017年7月20日付けでOM303編成が、同年9月20日付けでOM302編成が廃車された[28]。OM301編成に関しては、2016年に先述の「伊豆クレイル」に再改造の上、国府津車両センターへ転属した。
- 2018年からは勝田車両センター所属の基本編成からも廃車が発生し、2018年7月28日付けでK105編成が廃車された。K207編成については2012年から青森にて疎開留置されていたが、2019年5月20日付けで廃車となった。[29]
- 2019年にはE653系U108編成の勝田車両センターへの転属、波動転用に伴い、同年8月31日付けでK103編成が廃車となった。これにより0番台の基本編成は消滅した。
- 常磐線の運用から撤退した付属編成も、2020年4月3日付けでK201編成が、同年6月6日付けでK205編成がそれぞれ廃車され、0番台は消滅した[7]。そして、先述の通り、「伊豆クレイル」仕様のIR01編成が同年10月9日付けで廃車となり、付属編成が消滅した。
運用
1000番台が以下の定期運用に使用されている[30][31]。
- 「スワローあかぎ」・「あかぎ」の全列車
- 「草津」の全列車
過去の運用
2013年3月16日のダイヤ改正まで、以下の定期的な運用があった。
2013年10月から2015年3月まで、0番台が以下の定期運用に就いていた[3]。
- 「フレッシュひたち」61号・4号(11両編成、上野駅 - 勝田駅間)
- これは、E657系の車内設備改造工事に伴う車両不足を補うための代走運用で、上野東京ライン開業前日の2015年3月13日まで続いた。
2017年7月22日からは、一般形車両を置き換える形で、0番台付属編成が以下の定期運用に使用されていた。[4]。
常磐線全線復旧に伴い、2020年3月14日ダイヤ改正をもって定期運用から離脱した。
運用パターン
- 高崎線・上越線・両毛線・吾妻線
- 基本編成(7両):7両
- 「草津」「あかぎ」「スワローあかぎ」の全列車が7両編成での運転。2015年3月13日までは、「あかぎ」「スワローあかぎ」は11両編成の列車があった。2015年3月14日以降、付属編成は定期運用がなくなり、廃車または伊豆クレイル用に改造された。
- 常磐線
- 基本編成(7両)+付属編成(4両):11両
- 2012年3月17日のダイヤ改正より、当系列で運転する定期列車はすべて11両編成での運転となった。以前は7両・4両(4両編成での運行は勝田駅 - いわき駅間の一部のみ)での運転する列車が設定されていた。2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生するまでは、いわき駅 - 原ノ町駅・仙台駅間では4両編成(原ノ町駅夜間留置列車は7両編成、日によって11両編成)で運行されていた。基本編成+基本編成(14両)と付属編成+付属編成(8両)での運転は、過去にも定期列車では行われていない。
付属編成のみ(4両)
(2010年3月14日 磐城太田駅)
臨時運用
臨時列車および団体臨時列車にも使用されている。臨時列車は以下を参照。 団体臨時列車では日光線日光駅まで入線したことがある。
2013年1月に廃車された485系(K60・K40編成)に代わり、臨時列車や団体列車など波動用に使用されていたE653系が「いなほ」・「しらゆき」へ転用が進められることになった。それに伴い、2014年11月以降、E653系K70編成転属まで常磐線や水戸線における波動用としても運用されていた。臨時列車としては下記の列車に使用されている。
- ぶらり高尾散策号(日立駅 - 高尾駅間、武蔵野線・中央本線経由)
- ぶらり鎌倉号→ぶらり横浜・鎌倉号(日立駅 - 鎌倉駅間) ※2017年6月まではいわき駅 - 鎌倉駅間
- 舞浜・東京ベイエリア号、わくわく舞浜号(日立駅 - 東京駅間。武蔵野線・京葉線経由)
- ぶらり川越号(日立駅 - 川越駅間。武蔵野線・東北貨物線・川越線経由)
- あしかが大藤まつり号(いわき駅 - 桐生駅間。水戸線・両毛線経由)
- 春のひたち海浜公園号(勝田駅 - 横浜駅間)
- 2016年から「海浜公園ネモフィラ号」として運転し、2017年から改称。2016年は秋に「海浜公園コキア号」も運転したが、2017年は運転されていない。
臨時列車・車体装飾
- 2007年11月15日から2008年2月29日まで「うつくしま浜街道キャンペーン」の宣伝装飾がされていた。
- 2008年11月12日に常磐線でお召し列車が運転(E655系なごみ(和)使用)されたが、その予備編成と、先行する露払い列車(営業列車の「スーパーひたち15号」)として使用された。
脚注
注釈
出典
- ^ “常磐線特急に新型車両を導入! (PDF)”. 東日本旅客鉄道 (2010年12月7日). 2010年12月7日閲覧。
- ^ 交通新聞(2010.12.9付)
- ^ a b 常磐線特急ひたち号の編成変更について (PDF) - 東日本旅客鉄道水戸支社、2013年8月8日。
- ^ a b c “常磐線(いわき駅~竜田駅間)一部列車の車両を変更します”. 東日本旅客鉄道水戸支社 (2017年6月23日). 2017年6月23日閲覧。
- ^ 2017年10月ダイヤ改正について - 東日本旅客鉄道水戸支社プレスリリース(2017年7月7日発表)2018年5月30日閲覧
- ^ 乗車券だけで特急車両に乗れる超快適な常磐線のスーパー各停「651系普通列車」 - 小学館・@DIME(2017.09.16版)2018年5月30日閲覧
- ^ a b ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2021冬 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2020年、p.358。ISBN 9784330082202。
- ^ 2014年3月ダイヤ改正について (PDF) - 東日本旅客鉄道、2013年12月17日。
- ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2019冬 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2018年、p.360。ISBN 9784330932187。
- ^ 交友社「鉄道ファン」2014年10月号 p82-p84
- ^ “JR東日本651系「伊豆クレイル」大人のリゾート列車で伊豆に"来てくれ~る"?”. マイナビニュース (マイナビ). (2016年1月25日) 2016年3月15日閲覧。
- ^ a b “「IZU CRAILE」(伊豆クレイル)報道公開。”. 鉄道ホビダス. ネコ・パブリッシング (2016年4月27日). 2016年5月6日閲覧。
- ^ ジェイ・アール・アール、2016、「JR車両のうごき(2016年4月1日〜6月30日)」、『鉄道ダイヤ情報』45巻(通巻389号(2016年9月号))、交通新聞社 p. 81(転属車両)
- ^ “「静岡デスティネーションキャンペーンアフターキャンペーン」では特別運行を行います!” (PDF) (プレスリリース), 東日本旅客鉄道横浜支社, (2020年1月30日) 2020年1月30日閲覧。
- ^ “「静岡デスティネーションキャンペーンアフターキャンペーン」期間中の一部臨時列車運休について” (プレスリリース), 東日本旅客鉄道横浜支社, (2020年3月31日) 2020年5月11日閲覧。
- ^ “「静岡デスティネーションキャンペーンアフターキャンペーン」期間中の臨時列車運休について” (プレスリリース), 東日本旅客鉄道横浜支社, (2020年5月11日) 2020年5月11日閲覧。
- ^ “春の増発列車のお知らせ”. 東日本旅客鉄道. (2020年1月17日). オリジナルの2020年2月26日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c d e f g 鉄道ジャーナル社「鉄道ジャーナル」2004年9月号「JR東日本における車両情報システム」44-53P。
- ^ a b c d e 日本鉄道サイバネティクス協議会「鉄道サイバネ・シンポジウム論文集」第27回(1990年)「ICカードとカラーCRTを使用した特急電車用モニタ装置」論文番号426・第27回(1990年)「基本性能を高め多機能化を可能にした特急電車用モニタ装置(MON3形)」論文番号427。
- ^ a b 交友社「鉄道ファン」1988年9月号新車ガイド「日比谷線用03系の概要」記事。
- ^ 交友社「電車」1990年3月号「651系の増備車」記事。
- ^ 3・11からずっと…取り残された「スーパーひたち」 - zakzak 2012年12月14日
- ^ 震災と原発事故…5年放置 被災特急さよなら - 河北新報ONLINE NEWS 2016年3月18日
- ^ “JR水戸支社 原ノ町駅留置車両撤去”. 交通新聞 (交通新聞社). (2016年3月23日)
- ^ 651系に組替え編成 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年5月29日
- ^ 消えた車輛写真館:651系K203編成 - 『鉄道ホビダス』随時アップ:消えた車輛写真館 2014年3月3日
- ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2016夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2016年、p.356。ISBN 9784330682167。
- ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2018冬 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2017年、p.356。ISBN 9784330841175。
- ^ 同時にK102編成も疎開留置されていたが、こちらは2016年に勝田へ帰区し、その後1000番台のOM207編成へ改造された。
- ^ 651系1000番台が特急“草津”・“あかぎ”で運転開始 - 交友社「鉄道ファン」railf.jp鉄道ニュース 2014年3月16日
- ^ 特急“スワローあかぎ”運転開始 - 交友社「鉄道ファン」railf.jp鉄道ニュース 2014年3月18日
- ^ 乗車券だけで特急車両に乗れる超快適な常磐線のスーパー各停「651系普通列車」 - @DIME(2017.09.16版)2018年5月31日閲覧
参考文献
- 鉄道ジャーナル社「鉄道ジャーナル」2004年9月号「JR東日本における車両情報システム」44-53P
- 日本鉄道サイバネティクス協議会「鉄道サイバネ・シンポジウム論文集」第27回(1990年)「ICカードとカラーCRTを使用した特急電車用モニタ装置」論文番号426
- 日本鉄道サイバネティクス協議会「鉄道サイバネ・シンポジウム論文集」第27回(1990年)「基本性能を高め多機能化を可能にした特急電車用モニタ装置(MON3形)」論文番号427
関連項目
外部リンク
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