この記事は半保護されています。(半保護の方針による半保護)

JR東日本E751系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
JR東日本E751系電車
JR東日本E751系 特急「つがる」(2011年7月12日 / 青森駅)
JR東日本E751系 特急「つがる」
(2011年7月12日 / 青森駅)
基本情報
製造所 東急車輛製造近畿車輛
主要諸元
編成

6両編成 (4M2T:2010年まで)

4両編成 (2M2T:2011年から)
軌間 1,067 mm
電気方式 交流20,000V (50Hz)
最高運転速度 130 km/h
設計最高速度 140 km/h
起動加速度 2.0[1] km/h/s
減速度(常用) 5.2[1] km/h/s
減速度(非常) 5.2[1] km/h/s
編成定員 378人(普)+16人(グ)=394人(6両編成)
編成重量 196t
全長 21,500 (20,500) mm
全幅 2,946 mm
全高 3,550 mm
車体材質 アルミニウム合金
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
編成出力 145kW×16 =2,320kW
制御装置 VVVFインバータ制御IGBT素子
制動装置 電気指令式ブレーキ
回生ブレーキ
抑速ブレーキ
耐雪ブレーキ
保安装置 ATS-Ps列車防護無線装置
テンプレートを表示

E751系電車(E751けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の交流特急形電車である。

概要

2000年(平成12年)当時、特急「はつかり」(盛岡 - 青森・函館)に使用する485系電車は、新製20年を越え、リニューアル車(3000番台)を除けば老朽化が進行していた[2]

当時、JR東日本ではすでに、「JR東日本管内で運用される485系の取替え」を意識した車両として、485系と同様の交直流電車であるE653系電車が開発されていた(詳細は当該項目も参照)が、コストパフォーマンスを考慮した結果、将来の直流区間への乗り入れを想定せず、交流専用電車とすることとなり、E653系をベースとした別形式として開発された[3]

1999年平成11年)から2000年(平成12年)に近畿車輛東急車輛製造で6両編成3本(18両)が製造され、2000年(平成12年)3月11日盛岡駅 - 青森駅間の特急スーパーはつかり」として営業運転を開始した[4]。以降の増備はなく、2002年(平成14年)12月1日東北新幹線盛岡駅 - 八戸駅間開業以降は、主に特急「つがる」(八戸駅 - 青森駅・弘前駅間)で使用された。

東北新幹線八戸駅 - 新青森駅間が延伸開業した2010年12月4日以降、特急「つがる」は青森駅 - 秋田駅間の運転となり、本車両は前日をもって運用を一時離脱していたが、2011年4月23日以降、4両編成に短縮した上で再度「つがる」に使用されている[2][5]

構造

車体

E653系同様、アルミニウム合金の大形中空押出型材を用いたダブルスキン構造により構成される車体構造を有する。

エクステリアは「みちのくの四季の彩り」をコンセプトとし、車体上部は白[注釈 1]を基調に、窓上部に黄色の帯[注釈 2]、窓下に青の細帯[注釈 3]、車体下部を朱色[注釈 4]としている[4][3]。窓周りは黒塗りとし、連続窓風とされた[2]

前頭部もE653系同様に非貫通の高運転台であり、ボンネット内にアルミハニカム構造の衝撃吸収材を設置している。また、多雪地域での運行を考慮し、前照灯(HID・シールドビーム)・後部標識灯(LED)をE653系より高い位置に設置し、空気笛・電子笛についても床上搭載としている[2][3]。前照灯の下には愛称表示器が設けられており、「スーパーはつかり」に充当されていた2002年以前は「Hatsukari」、以降は「Tsugaru」を表示する。車体側面の行先表示器は3色LED式で行先・愛称のほか号車番号を表示する。

車内設備

インテリアは「華やぎと大自然の風光」をコンセプトに、暖かみのあるデザインが指向されている[3]。また、客室はE653系(登場時)の普通車モノクラスと異なり、従来使用されていた485系同様半室のグリーン客室がクロハE750形に設定された[2]

グリーン客室

座席はE3系新幹線電車のものを基本とする[3]。配置は従来運用していた485系を踏襲して横2列+2列であり、背面テーブル・足かけ・可動式枕を装備する。

モケットは茶系統を基本に、「桜霞」をイメージしたモケットを加えている[3]。荷棚下部は青色に木目の柄を入れたもの[注釈 5]としている[3]

普通客室

E653系と共通の座面スライド式リクライニングシートで、座席の前後間隔(シートピッチ)もE653系と同一の 910 mm である。これも485系電車と同一だが、座席スライド機構の採用・背面部やフレームのスリム化・座席下部の空間に足を伸ばせる構造とするなど居住性の向上が図られた。モケットは「湖面の輝き」をイメージしている[3]。荷棚下部はグリーン車同様青色としている。

その他

各客室間の仕切り扉は寒さ対策として、E653系の全面ガラスの両開きではなく、中央部のみがガラスの片開きとし、加えて、開閉は手をかざしたときのみとするようにしている[3]

機器類

制御方式はIGBT素子を使用した3レベルPWMコンバータ・インバータ制御とし、性能面もE653系と同等である。主電動機電動車ユニットの構成などはE653系と共通だが、本系列は交流 (20 kV / 50 Hz) 専用として設計され、直流電化区間で必要な回路構成は省略された。

このほか、暖房容量の増強・出入り口の隙間対策・床下配管の保護など寒冷対策はE653系に比し強化された[3]。当時海峡線内で使用されていた保安装置(ATC-L型)は車両需要の関係もあり準備工事のみにとどめられたため[2]青函トンネルは走行できない。

形式別詳説

以下は特記ない限り新製時の仕様である。本系列ではE653系と同様、新製時点で奇数番号の制御車が盛岡方に組成される一方で、奇数番号の中間電動車がユニットの青森方に組成されるため、形式名が「E751」と「E750」の車両が交互に組成される。

クハE751形
新製時の盛岡・弘前方先頭車として1号車に組成される制御車。後述の方転・編成短縮後は青森方4号車に組成される。
室内は普通車68席で、空気圧縮機を備える。3両 (1 - 3) が在籍する。
モハE750形

中間電動車で、同番のモハE751形とユニットを組む。室内はいずれも普通車72席である。

  • 基本番台 (1 - 3)
新製時4号車として組成。後述の方転・編成短縮時に脱車。共用トイレ・男子用トイレ・洗面所を設置する。
  • 100番台 (101 - 103)
新製時2号車として組成。後述の方転・編成短縮後は3号車に組成される。共用洋式トイレ・男子小用トイレ洗面所を設置する。
モハE751形

中間電動車で、パンタグラフ主変換装置を搭載し、同番のモハE750形とユニットを組む。室内はいずれも普通車72席である。

  • 基本番台 (1 - 3)
新製時5号車として組成。後述の方転・編成短縮時に脱車。テレホンカード専用の公衆電話清涼飲料水自動販売機を設置する。
  • 100番台 (101 - 103)
新製時3号車として組成。後述の方転・編成短縮後は2号車に組成される。業務用室を設置する。
クロハE750形
新製時、青森方先頭車として、6号車に組成された半室グリーン席構造の制御車。後述の方転・編成短縮後は秋田方1号車に組成される。
座席数は普通席22席(2席は車椅子対応)、グリーン席16席。車椅子対応トイレ・男子小用トイレ・洗面所・車内販売準備室・多目的室を設置する。
また、この車両のみ出入り台幅を700mmから900mmに拡大している。

改造・組成変更

足回りの耐寒機能強化改造と前面排障器(スカート)の形状変更後のE751系
(2009年8月4日 / 八戸駅)
耐寒機能強化改造
先述のようにE653系と比べ強化された耐寒機能を有していた本系列ではあるが、2006年(平成18年)末から2007年(平成19年)初頭にかけ全編成が順次郡山総合車両センターに入場し、前面排障器(スカート)の形状変更と足回りの耐寒強化改造工事が施工されている。
方向転換・編成短縮
2010年12月4日改正に伴い、「つがる」の愛称は八戸 - 青森・弘前間の特急列車から、秋田 - 青森間の特急列車に転用された。改正後の「つがる」については、当面全列車485系3000番台電車を使用し[6][リンク切れ]、E751系については運用を一時離脱した。その後2011年2月に、789系とグリーン車位置を統一[注釈 6]するため順次方向転換し、0番台のモハユニットを抜いた4両編成3本に組成の上、2011年4月23日に運用に復帰した。なお、編成から外れた0番台のモハユニット6両は増結用として保留車とされていたが、2015年11月30日付で全車廃車となった[7][8]

編成・運用

2016年3月26日ダイヤ改正時、同日付で青森車両センター盛岡車両センター青森派出所へ改組されたことに伴い、12両全車が秋田車両センターに転属した[9]

2016年3月ダイヤ改正時点の運用は以下の通り[10][11][12]

  • 特急「つがる」(秋田駅 - 青森駅)
    • 下り(青森行き):1号・3号・5号
    • 上り(秋田行き):2号・4号・6号

現在の編成

A-101 - A-103 の3編成で運用している。
編成番号 形式・車両番号
← 秋田
青森 →
1 2 3 4
クロハ
E750

-0
モハ
E751

-100
モハ
E750

-100
クハ
E751

-0
A-101 1 101 101 1
A-102 2 102 102 2
A-103 3 103 103 3

過去の運用・編成

E751系特急「スーパーはつかり」(2002年、青森駅にて)
新製時の姿で走行するE751系特急「つがる」 (2006年6月21日、東北本線(現:青い森鉄道線)浅虫温泉-西平内にて)

新造時点では6両編成3本(18両)が青森車両センターに配置されていた。

2000年(平成12年)3月11日の運転開始から、2002年11月30日まで、盛岡~青森間の速達型列車「スーパーはつかり」として7往復に充当された。これにより八戸 - 青森間では一部充当列車で最高速度130km/hでの運転が開始され、盛岡 - 青森間が最速1時間58分となり、10分短縮される(途中停車駅は八戸・三沢のみ)[4]

2002年12月1日から2010年12月3日までは6両編成で組成され、最末期は以下の列車で使用されていたが、これらは車両検査や故障により485系で代走する場合があった。

  • 特急「つがる」
    • 下り(青森・弘前行き):43号・7号・13号・17号・23号・29号・33号
    • 上り(八戸行き):2号・8号・12号・16号・22号・28号・98号
  • 普通列車
  • 臨時列車
編成
A-101 - A-103 の3本で運用していた。2007年3月18日から全車禁煙となった。
編成番号 形式・車両番号
← 弘前・八戸
青森 →
クハ
E751

-0
モハ
E750

-100
モハ
E751

-100
モハ
E750

-0
モハ
E751

-0
クロハ
E750

-0
A-101 1 101 101 1 1 1
A-102 2 102 102 2 2 2
A-103 3 103 103 3 3 3

その他

出場回送中のEF81形+E751系

同系列は新製以来全般検査要部検査郡山総合車両センター(旧・郡山工場)で施工しており、当初は所属の青森から東北本線経由で入場していたが、2002年(平成14年)12月1日の盛岡 - 八戸間経営分離以降、入出場の際は、奥羽本線 - 羽越本線 - 上越線 - 高崎線 - 武蔵野線 - 常磐線田端信号場駅経由) - 東北本線と、直流電化の新潟地区や首都圏を大回りする経路でEF81形を使用した配給列車として回送していた。これは以下の理由によるものとされている。

2016年(平成28年)に秋田車両センターへ転属した後に、本系列は秋田総合車両センターへの入場に変更となり、この長距離回送は廃止となっている。

脚注

[ヘルプ]

注釈

  1. ^ 「雪」「りんごの花」「白鳥」をイメージ。
  2. ^ 「実り豊かな稲穂」「光に輝く湖」をイメージ。
  3. ^ 「澄んだ渓流」「海」をイメージした。
  4. ^ 「祭りのエネルギー」「山あいの紅葉」をイメージ。
  5. ^ 「天空に向かう森の木々」「水面に映る木の幹」から「青に染まった樹木」をイメージ。
  6. ^ 789系は2002年の登場時より函館・八戸・新青森・秋田方先頭車にグリーン車を配する構成としていたため、青森方先頭車にグリーン車を配置する本系列及び485系とグリーン車位置が異なっていたが、本系列が一時運用を離脱した2010年12月4日改正で、位置の統一を行うこととなり、485系については同改正よりグリーン車を函館・秋田方とする方向転換を実施している。

出典

  1. ^ a b c 日本鉄道車両工業会「車両技術」220号「JR東日本 E751系特急形交流電車」記事。
  2. ^ a b c d e f 寺本光照 『国鉄・JR 悲運の車両たち』 JTBパブリッシング、2014年2月、117-118頁。ISBN 978-4-533-09552-8
  3. ^ a b c d e f g h i j 『鉄道ファン』通巻467号 pp.18-24
  4. ^ a b c 東北線特急「スーパーはつかり」運転開始”(プレスリリース)、東日本旅客鉄道、1999年12月17日、(2016年9月17日閲覧)
  5. ^ “特急「つがる」へのE751系車両導入について” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 東日本旅客鉄道・秋田支社, (2011年4月19日), オリジナル2011年7月20日時点によるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20110720032707/http://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20110419-2.pdf 2016年6月17日閲覧。 
  6. ^ 2010年12月ダイヤ改正について - 東日本旅客鉄道秋田支社プレスリリース 2010年9月24日
  7. ^ 鉄道ファン編集部、2016、「JR旅客会社の車両配置表」、『鉄道ファン』56巻(通巻663号(2016年7月号))、交友社 p. 39(別冊付録)
  8. ^ 鉄道ジャーナル』2016年3月号 P.109「車両基地」記事。
  9. ^ 鉄道ファン編集部、2016、「JR旅客会社の車両配置表」、『鉄道ファン』56巻(通巻663号(2016年7月号))、交友社 p. 40(別冊付録)
  10. ^ JTBパブリッシング発行、「JTB小さな時刻表」2016年春号、p.100。
  11. ^ “2016年3月ダイヤ改正について” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 東日本旅客鉄道・秋田支社, (2015年12月18日), オリジナル2015年12月19日時点によるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20151219024055/http://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20151218-1.pdf 2016年6月17日閲覧。 
  12. ^ また、2016年3月ダイヤ改正以前の特急「つがる」の2往復分は改正時に普通・快速列車に置き換えられている。

参考文献

  • 東日本旅客鉄道(株)運輸車両部車両開発プロジェクト「新車ガイド2:JR東日本E751系特急型交流電車」、『鉄道ファン』第40巻第3号(通巻467号)、交友社、2000年3月1日、 pp.18-24。

関連項目

外部リンク