JR東日本E127系電車

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JR東日本E127系電車
えちごトキめき鉄道ET127系電車
新潟地区で運用されているE127系0番台(2012年10月21日、新潟駅)
新潟地区で運用されているE127系0番台
(2012年10月21日、新潟駅)
編成 2両編成 (1M1T)
営業最高速度 110 km/h
編成定員 0番台2両:275名 / 100番台2両:271名
全長 20,000 mm
全幅 2,800 mm
全高 4,090 mm
車体材質 ステンレス
編成質量 2両:62.0t
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
編成出力 120kW×4=480kW
主電動機 かご形三相誘導電動機 MT71
歯車比 7.07
駆動装置 TD平行カルダン駆動方式
制御装置 VVVFインバータ制御GTO素子
制動方式 回生発電併用電気指令式空気ブレーキ
抑速ブレーキ
保安装置

ATS-Ps(0番台)

ATS-P, ATS-Ps(100番台)
製造メーカー 川崎重工業
東急車輛製造
東日本旅客鉄道土崎工場(100番台のみ)

E127系電車(E127けいでんしゃ)は、1995年平成7年)に登場した東日本旅客鉄道(JR東日本)の直流通勤形電車[1]である。

また、妙高高原駅 - 直江津駅間の信越本線を移管したえちごトキめき鉄道でも、JR東日本からの譲受車を保有しており、本項では一括して記載する。

概要[編集]

新潟支社長野支社管内では急行列車の運用から外れた165系・169系普通列車として使用していたが、これらの車両は老朽化が激しく、また2扉のデッキ付き構造であるために乗降に時間がかかり、列車遅延の原因となっていたことから(急行形車両#淘汰とその要因も参照)、本系列は急行形車両の取り替えを目的に設計・製造された[2][3]

両地区ではセミクロスシートの近郊形115系も運用されているが、そのうち新潟地区で使用する本系列の0番台では、乗客が増加している新潟都市圏でのラッシュ対応と、2両基本編成によるワンマン運転を考慮し、敢えてロングシートを採用した[注釈 1]

JR東日本の公式ウェブサイト上では本系列を通勤形と分類している[1]が、雑誌などの記事においては本系列が近郊形[4][5][6]一般形[4][3]と分類されている場合がある[注釈 2]

構造[編集]

主回路制御にはGTO素子のVVVFインバータを採用した。制御装置は東洋電機製造製であり、JRの車両での採用は本系列と8000系試作車のみである[注釈 3]主電動機はE127系用に新開発された定格出力120kWのMT71型を備える。空気圧縮機は小型軽量化、低騒音化、保守の容易化を図った新設計のレシプロ式MH3108-C1200Mを備え、後のE129系にも採用された[7]。電動台車はDT61A、付随台車はTR246Aを装着する。

ブレーキシステムは電気指令式空気ブレーキ回生ブレーキ抑速ブレーキに加え、列車密度の低い路線での使用を考慮し、発電ブレーキを併用している。これはチョッパ制御による回生・発電ブレンディングブレーキ方式であり、鉄道用としては国内で初めて[3]採用された。発電ブレーキ使用時に必要となる抵抗器制御電動車の屋根上に搭載されている[3]

車体はステンレス製でドアチャイム装備の両開き式片側3扉(ボタン式半自動機能装備)であり、ワンマン運転対応として運転台は半室構造とされ、ワンマン設定器、運賃箱整理券発行機、運賃表示器、自動放送装置、ドア締切表示器、ミラーが設置されている。運転台の主幹制御器は左手操作型ワンハンドル式であるが、209系などで採用されたデジタル指令(MON8)は、本系列では採用されていない[8]。客室の床面高さは1,130mmであり、115系の1,225mmと比べて大幅に低くなっている[9]

冷房装置集中式が各車に1基搭載されている。

番台別概説[編集]

0番台[編集]

0番台
0番台
0番台ラッピング広告車
0番台ラッピング広告車

1995年5月8日に営業運転を開始した[注釈 4]

車体帯は新潟支社で運用されている115系「2次新潟色」に準じたグラスグリーンと青磁グリーンの2色で、後述の100番台や209系などとは異なり、扉部分や裾部にも帯が入っている[10]。座席配置はロングシートを採用している。パンタグラフは下枠交差式のPS30形とされた。客用扉間の4枚の窓のうち中間2枚は大型の1段下降窓である。トイレ701系と同タイプの洋式である(車椅子非対応)。

JR所属車は2015年時点では2両編成2本(4両・「V編成」、V12・V13)が新潟車両センター(旧・上沼垂運転区)に在籍し、弥彦線においてワンマン運転で運用されているほか、出入庫を兼ねて越後線吉田 - 新潟間)でも1往復運用されている。

 
東三条・新潟
直江津
形式
クモハE127-0
ET127-0
 
クハE126-0
ET126-0
搭載機器 VVVF SIV,CP
車両重量(t) 33.5 28.5
  • VVVF:VVVFインバータ制御装置、CP:空気圧縮機、SIV:補助電源装置


当初は2両編成13本(26両・「V編成」)が在籍していたが、2015年(平成27年)3月14日に開業したえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン用に10本が同社に譲渡された。

また、1本(V3編成)は2008年(平成20年)9月に発生した越後線内での踏切障害事故に伴う列車火災事故のためクモハE127-3が焼損[11][注釈 5]し、2014年(平成26年)10月20日に廃車となっている[12]

えちごトキめき鉄道への譲渡[編集]

妙高はねうまラインで使用されている、JR東日本時代のカラーリングのET127系V6編成(直江津駅)

2013年2月21日、JR東日本と新潟県が2015年3月14日に予定される北陸新幹線長野 - 金沢間開業に伴い経営分離される並行在来線を運営することとなっているえちごトキめき鉄道に対し、信越本線の妙高高原 - 直江津間を転換する妙高はねうまライン用の車両として、本系列10編成に必要な改修を施した上で低価格で譲渡することで合意した[13][14]。この譲渡に伴い、本系列が担当する新潟地区での運用の一部は2014年(平成26年)12月6日以降、順次E129系が引き継ぎ[15][16]、新潟近郊での従来の運用は3月7日で終了した。

譲渡後は一部の車両で車体下部を妙高山のフレッシュグリーンと山並みをイメージした単色とした車両も一部あるが、引き続きJR時代と同じカラーリングのままで運用されている編成もある(開業直後は前面のJRロゴもそのままになっていた[17])。

  • クモハE127+クハE126-1・2・4〜11 → ET127+ET126-1・2・4〜11[18]
JR東日本としての廃車日はV2・V10編成が2015年3月10日付、残りの8編成が14日付[19]

100番台[編集]

100番台
100番台
100番台 車内
100番台 車内
大糸線を走行中の100番台
大糸線を走行中の100番台

1998年(平成10年)12月8日に営業運転を開始した。

0番台とは車体デザインが異なり、先頭部の形状・客用扉間の開閉可能な窓の2段化など、ステップのない701系とほぼ同一とされた。また、パンタグラフはシングルアーム式のPS34形に変更され、行先表示器は前面・側面ともに幕式からLED式に変更、砂撒き装置が装備されたほか、トイレも車椅子対応仕様に設計変更された。座席配置は同線内基準で東側がロングシート、西側(北アルプスなどの方向)がクロスシートのセミクロスシート構造となっている。また本番台において、鉄道車両用に開発された運賃箱(レシップ製)が初めて設置された[注釈 6]。本番台の車体帯の色は、長野支社で先立って運用されている115系や169系などに準じたアルパインブルーとリフレッシュグリーンの2色の通称「長野色」(新長野色・信州色・新信州色とも)とされた[20]

2両編成12本(24両・「A編成」)が松本車両センターに在籍し、大糸線で運用されている。ワンマン運転は1999年(平成11年)3月29日より開始している。

運用開始から数年間は篠ノ井線塩尻駅 - 明科駅間や中央本線辰野駅 - 塩尻駅間でも運用されていた。しかし、2003年(平成15年)12月20日に篠ノ井線塩尻駅 - 松本駅間のATSがSN形からP形と変更された時点では本区分番台にはP形車上装置が搭載されていなかったことから、それ以降は大糸線内限定運用とされていた。その後、大糸線松本駅 - 北松本駅間でATS-PsおよびATS-Pの使用が開始され、2007年(平成19年)秋ごろから2010年(平成22年)にかけて保安装置を従来のSN形からPs形への交換とP形の追設を行った。

また、東日本大震災が発生した2011年(平成23年)以降の夏季の平日には節電対策として一部の115系の運用を代走する形で中央本線茅野駅 - 篠ノ井線 - 信越本線長野駅で運用されるケースもあった[21]2013年(平成25年)3月16日のダイヤ改正より同区間および辰野支線の塩尻駅 - 岡谷駅間での運転が開始され、これに伴い辰野支線はクモハ123形が運用から離脱し、本系列に置き換えられた。

また、冬季における架線への着対策のため、A7 - A12編成のクハE126形(南小谷寄り先頭車)の運転台側に霜取り用パンタグラフが搭載された[注釈 7]

 
← 松本
南小谷 →
形式
クモハE127-100
(<)
クハE126-100
搭載機器 VVVF SIV,CP
  • VVVF:VVVFインバータ制御装置、CP:空気圧縮機、SIV:補助電源装置

運用[編集]

0番台(運用)[編集]

新潟車両センター配置のV12・V13編成が以下の区間で運用される。

100番台(運用)[編集]

冬季は雪との闘いとなる100番台

松本車両センター配置のA1 - A12編成が以下の区間で運用される。

ET127系[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

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  1. ^ 基本編成がクロスシート3両の165系をロングシート2両の本系列に置き換えることで、所要車両数削減による導入・固定経費減少を図る狙いもあった。これは107系で採られた手法と同様である。
  2. ^ 一般形車両_(鉄道)#一般形電車の登場も参照。
  3. ^ IGBT素子のものは205系5000番台253系1000番台、E129系などで採用例がある
  4. ^ 当初は全編成が同年3月に導入される予定だったが、阪神・淡路大震災の影響で一部車両(川崎重工業兵庫工場製)の納入が遅延したため運転開始時期がずれ込んだというエピソードがある。同じくE501系も同震災の影響を受け納入遅延が発生している。
  5. ^ 同事故の際に前寄りに連結されていたV7・V9編成は長野総合車両センターにて[要出典]修復されている。
  6. ^ それまでの運賃箱はすべてバス車両用のものを改造して設置していた。
  7. ^ A11・12編成は新製時より、A7 - A10編成は改造で設置。

出典[編集]

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  1. ^ a b JR東日本:車両図鑑>在来線 E127系”. 2015年1月18日閲覧。
  2. ^ レイル・マガジン』(ネコ・パブリッシング)No.141 p.59
  3. ^ a b c d 鉄道ジャーナル』(鉄道ジャーナル社)No.344 p.87
  4. ^ a b 『レイル・マガジン』(ネコ・パブリッシング)No.141 p.59 :表題では近郊形、本文では一般形と記載。
  5. ^ 鉄道ファン』(交友社)No.441 p.32 特集「近郊形電車進化論」
  6. ^ イカロス出版『普通列車年鑑 2013-2014』p.57
  7. ^ 交友社『鉄道ファン』2015年1月号 p.66
  8. ^ 交友社『鉄道ファン』1998年1月号 p.32
  9. ^ 交友社『鉄道ファン』2015年1月号 p.62
  10. ^ 交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』2013年12月号 p.52
  11. ^ 鉄道事故調査報告書 RA2009-2 (PDF)
  12. ^ 交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』2015年3月号
  13. ^ JR東日本の冨田社長と泉田知事が、並行在来線に関する面談を行いました”. 新潟県交通政策局 (2013年2月21日). 2015年1月18日閲覧。
  14. ^ 並行在来線に係るJR東日本社長との面談結果 (PDF)”. 新潟県交通政策局 (2013年2月21日). 2015年1月18日閲覧。
  15. ^ 新型車両:E129系電車の今後の予定 (PDF)”. JR東日本新潟支社 (2014年9月24日). 2015年1月18日閲覧。
  16. ^ いよいよE129系電車が走り出します (PDF)”. JR東日本新潟支社 (2014年11月28日). 2015年1月18日閲覧。
  17. ^ 鉄道ファン』2015年7月号・『鉄道ジャーナル』2015年6月号写真記事等。
  18. ^ 『鉄道ファン』2015年7月号記事。
  19. ^ 『鉄道ファン』・『鉄道ジャーナル』2015年7月号車両動向記事。
  20. ^ ネコ・パブリッシング『レイル・マガジン』No.185 p.96
  21. ^ 長野支社の節電対策について (PDF) [リンク切れ] - JR東日本長野支社

参考文献[編集]

  • 鉄道ジャーナル』(鉄道ジャーナル社)No.344 「JR東日本E127系」
  • 『レイル・マガジン』(ネコ・パブリッシング)No.141「E127系直流近郊形電車」

関連項目[編集]

外部リンク[編集]