川西康之

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かわにし やすゆき
川西 康之
生誕 (1976-01-10) 1976年1月10日(48歳)
奈良県川西町
国籍 日本の旗 日本
出身校

千葉大学大学院 自然科学研究科デザイン科学(建築系)博士前期課程修了

デンマーク王立芸術アカデミー建築学科 招待学生
職業 株式会社イチバンセン 代表取締役
千葉大学 工学部 建築学科 非常勤講師
グッドデザイン賞審査委員
奈良県川西町 タウンプロモーションデザイナー
公式サイト http://www.ichibansen.com/
補足
職業は2022年現在[1]
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川西 康之(かわにし やすゆき、1976年1月10日 – )は、日本の建築家・デザイナーである。

略歴[編集]

1976年(昭和51年)奈良県磯城郡川西町生まれ[2][3][4]。10代のころ水戸岡鋭治(ドーンデザイン研究所)のパース画に魅了される[5]

出身地の町名が名前と同じ川西となっているが、川西の名前は出身地から採った芸名やペンネームではなく本名であり、これは偶然の一致である。

出生より高校卒業まで川西町に在住していたが、その後は奈良県を離れて東日本に居住している[6]

1999年千葉大学工学部建築学科を卒業後、2001年に同大学大学院自然科学研究科デザイン科学(建築系)博士前期課程を修了し[2][3]デンマーク王立芸術アカデミー建築学科招待学生となり修了[2][5]。その後オランダアムステルダムの建築設計事務所(DRFTWD office Amsterdam)で働き始め[2][5]、その傍ら、2002年12月に栗田祥弘とともに同地で建築家チームnextstationsを設立する[7]。その後「日本の鉄道デザインを改革したい[5]」との思いから、2005年から文化庁新進芸術家派遣制度によりフランス国鉄(SNCF)交通拠点整備研究所英語版フランス語版(AREP)に入所[2][5]LGV東ヨーロッパ線開業に伴うランス周辺の整備計画を担当するチームに配属される[5]

帰国後、2007年から株式会社栗生総合計画事務所[2][3]、2010年から株式会社エナジーラボで勤務[2]

2014年(平成26年)11月7日付で、自らが代表取締役を務める株式会社イチバンセンを設立した[2][8]

イチバンセンの事業・理念について[編集]

同社は「課題整理+建築設計+事業運営+情報発信をトータルにデザインする企業[2]」「とくに、公共交通・医療・福祉・生活・地域の未来を創[2]」る、と自身を位置付けており、設計・デザインのみならず、企画段階から完成後の運営計画までを、事業主・そのスタッフ・地域住民とともに考えながら一体的・総合的にデザインする事業を行っている。

社名は、鉄道の駅舎があるプラットホーム(1番線)を意味する[2][5]。命名の理由は、そこが「人々の交流と物資の移動の中心部[5]」であったこと、かつて(特に荷物郵便電報を扱っていたことを念頭に)「とにかく街のあらゆる機能が、駅舎がある1番線に凝縮されていた[2]」こと、である。

主な作品[編集]

nextstationsおよびイチバンセンとしての作品も含む。

事業中のもの[編集]

  • 西日本旅客鉄道
    • キハ189系「新たな観光列車(仮称)」(2024年秋以降改造により落成し、運行開始予定)[30]
      • その後、2023年10月25日に列車名は『はなあかり』と公式発表された[31]
  • 近畿日本鉄道新型一般車両
    • 近畿車輛との協働。イチバンセンは主に内装を担当[32]
  • 社会福祉法人婦人の園障害者支援施設インマヌエル「(仮称)富士山デザインハウス」[33]
  • 土佐町立みつば保育園基本計画(高知県土佐郡土佐町)

脚注[編集]

  1. ^ Yasuyuki KAWANISHI 川西 康之”. ICHIBANSEN イチバンセン. 2022年11月19日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 会社概要および代表取締役のプロフィールPDF版” (PDF). イチバンセン. 2022年11月19日閲覧。
  3. ^ a b c d 私たちについて”. nextstations. 2017年1月19日閲覧。
  4. ^ a b 鼠入 昌史 (2017年1月11日). “新潟の「ぶっ飛んだ」列車はこうして生まれた 「同じ列車はダメ」デザイナー・川西氏の哲学”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社. 2017年1月11日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i 大橋誠司 (2019-04-01). “川西康之(イチバンセン) 未来の輪郭をスケッチし、旅の時間をデザインする”. AXIS (株式会社アクシス) (198): pp.28-30. 
  6. ^ ふるさと奈良への便り 領域を超えて”. 奈良県 (2015年9月). 2024年4月18日閲覧。
  7. ^ 2009年に柳辰太郎が追加加入
  8. ^ 国税庁 法人番号情報サイト
  9. ^ 肥薩おれんじ鉄道のトータルデザイン”. イチバンセン. 2017年1月17日閲覧。
  10. ^ 土佐くろしお鉄道中村駅リノベーション”. イチバンセン. 2017年1月19日閲覧。
  11. ^ 枕崎駅舎”. イチバンセン. 2017年1月18日閲覧。
  12. ^ えちごトキめき鉄道 普通列車”. 株式会社イチバンセン. 2016年11月17日閲覧。
  13. ^ えちごトキめきリゾート 雪月花”. イチバンセン (2016年10月24日). 2016年11月22日閲覧。
  14. ^ 清和幼稚園”. イチバンセン. 2020年2月29日閲覧。
  15. ^ みちのり高速バス MEX”. イチバンセン. 2019年3月12日閲覧。
  16. ^ 「高速バス」 みちのりエクスプレス(MEX)デザインの高速バスが走ります茨城交通 2018年8月24日
  17. ^ a b 関東自動車バス”. イチバンセン. 2020年2月23日閲覧。
  18. ^ “関東自動車、新デザインの路線バスお披露目”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2019年2月25日). オリジナルの2020年2月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200223085700/https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41347260V10C19A2L60000/ 2020年2月23日閲覧。 
  19. ^ 新たな長距離列車の列車名・エクステリア・設備愛称名の決定について”. 西日本旅客鉄道. 2019年3月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月19日閲覧。
  20. ^ 新たな長距離列車(仮称)”. イチバンセン. 2017年6月22日閲覧。
  21. ^ 6月定例社長会見 1.最近の営業・輸送概況 2.2016年度安全管理体制に対する第三者評価結果 3.新たな長距離列車の導入”. 西日本旅客鉄道 (2017年6月20日). 2017年6月20日閲覧。
  22. ^ 大坂直樹 (2017年6月20日). “決定!JR西「新たな長距離列車」のデザイナー 117系を改造し西日本エリアを運行”. 東洋経済オンライン (東洋経済新報社). http://toyokeizai.net/articles/-/177152 2017年6月20日閲覧。 
  23. ^ SEA SPICA シースピカ ICHIBANSEN/nextstations”. ICHIBANSEN イチバンセン. 2022年11月19日閲覧。
  24. ^ アイエムタクシー ラウンジ”. ICHIBANSEN イチバンセン. イチバンセン. 2022年11月19日閲覧。
  25. ^ 完全電気推進タンカー船 あさひ”. ICHIBANSEN イチバンセン. イチバンセン. 2022年11月19日閲覧。
  26. ^ asahi-tanker (2021年12月13日). “次世代内航電気推進タンカー船「あさひ」命名・進水式について”. 旭タンカー株式会社. 旭タンカー株式会社. 2022年11月19日閲覧。
  27. ^ 川西町; 近畿日本鉄道株式会社 (2022年5月27日). “結崎駅が生まれ変わります” (PDF). 近畿日本鉄道株式会社. 2022年6月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月5日閲覧。
  28. ^ 特急やくも”. ICHIBANSEN イチバンセン. イチバンセン. 2022年11月19日閲覧。
  29. ^ 特急やくも273系車両デザインの決定について:JR西日本”. www.westjr.co.jp. 2022年10月21日閲覧。
  30. ^ JR西日本 新たな観光列車”. ICHIBANSEN イチバンセン. イチバンセン. 2022年11月19日閲覧。
  31. ^ 元「特急はまかぜ」用車両、改造で「全車グリーン車以上」に とてつもなく豪華な観光列車に変身へ - 乗りものニュース 2023年10月26日
  32. ^ Kintetsu commuter train 近畿日本鉄道 新型一般車両”. ICHIBANSEN イチバンセン. イチバンセン. 2022年5月17日閲覧。
  33. ^ (仮称)富士山デザインハウス”. イチバンセン. 2017年6月22日閲覧。

外部リンク[編集]