JR東日本キヤE193系気動車

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JR東日本キヤE193系気動車
キヤE193系気動車 (2007年6月20日)
キヤE193系気動車 (2007年6月20日)
基本情報
製造所 新潟鐵工所
主要諸元
編成 3両固定 (Mzc + Mz + Tzc)
最高速度 110km/h
車両定員 非営業車両(事業用
最大寸法
(長・幅・高)
20,500×2,900×4,050 (mm)
台車 ボルスタレス台車
Mz車DT66
Mzc車DT67, DT67A
Tzc車TR253B, TR253C
機関出力 450ps (DMF14HZB) ×2基×2両
(Mzc車・Mz車に搭載)
変速段 変速1段・直結4段
駆動方式 液体式 (DW22)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ
機関ブレーキ
排気ブレーキ
耐雪ブレーキ
直通予備ブレーキ
保安装置 ATS-Ps, ATS-P, ATACS
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キヤE193系気動車(キヤE193けいきどうしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の事業用気動車ディーゼル動車)である。East i-D(イーストアイ・ダッシュディー)の愛称を持つ。

概要[編集]

キヤ191系気動車の置き換え用として、2002年(平成14年)に新潟鐵工所で製造された。

3両1編成が秋田車両センターに配置され、自社管内の非電化区間の検測を目的として走行するが、例外として電化区間である仙石線[1]等の検測も実施している。本系列は、奥羽本線福島 - 新庄[2]大曲 - 秋田間および田沢湖線の標準軌線とATC設置区間を除くJR東日本の在来線全線の走行が可能となっている。

運用範囲はJR東日本管内の路線に限定されず、JR東日本の路線に接続するJR貨物路線の検測にも使用されるほか[3]、毎年5月には北海道旅客鉄道(JR北海道)[4]の路線[5]で、またJR以外では青い森鉄道線会津鉄道会津線真岡鐵道真岡線わたらせ渓谷鐵道鹿島臨海鉄道山形鉄道フラワー長井線京葉臨海鉄道[6]えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン[7]などにも貸し出され、出張走行をする。

車両形式および検測内容[編集]

キヤE193-1 (Mzc)
信号・通信関係
  • 地上信号機器・通信機器の測定装置を有するほか、運行上必要な保安装置・補助電源装置を有する。
キヤE192-1 (Mz)
電力関係
  • 測定用の下枠交差式PS96A形パンタグラフを2基備え、架線測定用の装置を有する。パンタグラフは進行方向に応じて使い分ける。
キクヤE193-1 (Tzc)
軌道関係
  • 軌道状態・騒音測定用の装置を有する。なおこの車両のみ走行用のディーゼルエンジンは搭載されていない。

諸元[編集]

内部のモニタリング装置
双頭連結器
マヤ50形を組み込んでの走行

機関[編集]

DMF14HZB(カミンズ製N14R 連続定格出力450 PS/2,100rpm直列6気筒・電気式燃料噴射制御の直接噴射式横形(水平シリンダー形)エンジンで、Mzc・Mzの各車にそれぞれ2台搭載している。

液体変速機[編集]

Mzc・Mzの各車に電気指令油圧制御変速機DW22をそれぞれ2台搭載する。変速1段、直結4段で、(電源用)定周波数駆動装置・逆転機を内蔵する。抑速ブレーキとして機関排気ブレーキを有する。

ブレーキ[編集]

電気指令式空気ブレーキ装置を有するほか、直通予備、耐雪、抑速(機関・排気)の各ブレーキを装備している。

故障時は他の自動ブレーキ車・電気指令式車と非常ブレーキの読替が出来るよう救援ブレーキ装置を有する。また機関車による無動力回送時は常用ブレーキの読替も行える。

台車[編集]

ボルスタレス式空気バネ台車で、動台車は2軸駆動のDT67(Mzc車 前側)・DT67A(Mzc車 後側)・DT66(Mz車)、付随台車はTR253B(Tzc車 前側)・TR253C(Tzc車 後側)となっている。軸距は2,100 mm。

その他[編集]

脱線事故[編集]

2017年5月22日、わたらせ渓谷鐵道の水沼 - 花輪の踏切で、中間車 (Mz車)が脱線した[8]。2017年(平成29)年7月30日までは高崎車両センター高崎支所に留置されていたが、キヤE192-1は同年7月31日までに秋田総合車両センターに陸送された。また、先頭車2両であるキヤE193-1とキクヤE193-1についても同年6月21日から翌日22日に秋田総合車両センターへ配給輸送されており、主にキヤE192-1を中心とした修繕予定である[9]

また、2017年8月18日から翌19日に掛けて、East i-Eを利用しての奥羽本線・秋田 - 青森間での代走での検測が行われた[10]

脚注[編集]

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出典[編集]

  1. ^ 仙石線は電化区間の飛び地で、非電化の仙石東北ライン接続線や石巻線を経由せざるを得ず、E491系電車(East i-E)では自走して仙石線の線路に行くことができないため。
  2. ^ 仙山線左沢線が乗り入れる山形 - 羽前千歳間の狭軌部分は運転・検測が可能。
  3. ^ この場合はディーゼル機関車に牽引されて走行することが多い
  4. ^ 青函トンネル内は防災上気動車ディーゼル機関車(異常時に救援列車として運転される場合を除く)の自走は禁止されているため、トンネルがある海峡線を通過する際は電気機関車に牽引されながらトンネルを通過することとなっている。
  5. ^ 青函トンネルを有する海峡線区間は北海道新幹線と供用区間であるため、交流50Hz25,000V電化、保安装置がDS-ATCとなっており、East i-Eはいずれも対応していない。また仮に札幌都市圏の電化路線へ向かう場合でも函館本線の非電化区間を通過しなければならないため、East i-Eは北海道内の各線へ自走して向かうことが出来ない。
  6. ^ 【JR東+京葉臨海】"East i-D"が京葉臨海鉄道を検測”. 鉄道ホビダス(RMニュース ). ネコ・パブリッシング (2013年5月23日). 2013年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月11日閲覧。
  7. ^ キヤE193系、えちごトキめき鉄道線を検測”. railf.jp(鉄道ニュース). 交友社 (2017年4月29日). 2017年8月11日閲覧。
  8. ^ “検査用車両が脱線、復旧見通し立たず わたらせ渓谷鉄道”. 上毛新聞ニュース (上毛新聞社). (2017年5月23日). オリジナル2017年8月10日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20170810162005/http://www.jomo-news.co.jp/ns/2914954762761475/news.html 2017年5月23日閲覧。 
  9. ^ キヤE192-1が陸送される”. railf.jp(鉄道ニュース). 交友社 (2017年8月3日). 2017年8月11日閲覧。
  10. ^ 「East i-E」が奥羽本線を検測”. railf.jp(鉄道ニュース). 交友社 (2017年8月23日). 2017年9月7日閲覧。

参考文献[編集]

  • 「キヤE193系電気・軌道総合試験車」

関連項目[編集]