排気ブレーキ

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排気ブレーキ(はいきブレーキ、: Exhaust brake、エキゾーストブレーキ)は、主に車両総重量3.5トン以上のトラックバスに用いられる補助ブレーキの一種である。エキゾーストリターダーとも呼ばれる。また、内燃機関で走行する鉄道車両でも装備しているものがある。

概要[編集]

車両に働く制動力の原理はエンジンブレーキと同様にエンジンの回転抵抗を利用したもので、ディーゼルエンジン特有の装置である。吸気系にスロットルバルブを有するガソリンエンジンではスロットルを絞ると吸気抵抗が大きくなってエンジンブレーキが強く作用するが、ディーゼルエンジンではスロットルバルブが存在しないため、排気管の途中に排気抵抗を増やすためのバルブを加えて排気抵抗によりエンジンブレーキの作用を強くするのが排気ブレーキである。これによりエンジンブレーキの約1.8倍の制動力[要出典]を発生させると言われている。

発生する排気圧力はバルブを押さえるばねで制御され、一定以上の圧力を超えるとバルブが開いてエキゾーストマニホールドへ排気を逃がす。バルブを作動させる方法には、電気空気式と電気負圧式があり、電気空気式はエアタンクに貯められた圧搾空気と電磁弁を用いてコントロールする方式で、電気負圧式はインテークマニホールド内に発生する負圧と電磁弁を用いる方式である。

自動車の場合、アクセルペダルまたはクラッチペダルを踏むと排気ブレーキは作動せず、作動中の場合は解除される。

フューエルカット機能が無い古い車両は排気ブレーキの作動中にディーゼル排気微粒子(DEP)を多く排出する[要出典]ので、むやみに使用することは環境負荷が高い。映画「トラック野郎」シリーズでは、排気ブレーキを作動させた状態でわざとアクセルペダルを踏み込み、黒煙を吹き出して追っ手を威嚇するシーンも描かれた。近年では、ほとんどの車両がアクセルペダルを踏んだ状態では、排気ブレーキが作動しないようになっている。

エンジンブレーキよりも制動力が高いにもかかわらず、かつては排気ブレーキだけが作動した際には制動灯が点灯しなかったため、特に高速道路で多発する追突事故の一因と考えられた。これを受けて法改正が協議され、排気ブレーキを含む補助制動装置の作動時に制動灯を点灯することが認可された。しかし、長い下り勾配などでは制動灯を連続的に、あるいは頻繁に点灯させて走行することになり、後続車のドライバーに対し、車間距離に対する警戒意識の低下を招くとの見解[要出典]もある。これに伴い、排気ブレーキの作動を示す赤色以外のランプを装備する例も見られる。

参考文献[編集]