フロントグリル
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ラジエーターそのものがむき出しで配置されていた時代には開口部が存在しないため、グリルも存在しない。
1929年式ブガッティタイプ49ツアラー
やがて時代が進むと、ラジエーターは内蔵され、このような形状を模したグリルに置き換わっていく。

先代のホンダ・インサイトとは打って変わって大きなグリルを備える(初代型はほぼグリルレスと言えるデザインである)。
ホンダ・インサイト(2代目)
※画像はコンセプトカー。
フロントグリル (front grille) は、前面(「フロント」)の網(「グリル」は特に焼き網などを指す)のことである。特に自動車の進行方向面(前面)の部分がそう呼ばれ、多く言及される。これを指して単にそのように呼ぶことも多い(なお、英語では自動車のそれを指して単にgrilleと呼ぶことが多い)。
特に、バンパーの開口部についているものではなく、ボンネットについているもの(特に左右のヘッドライトの間の大きな開口部)を指す傾向にある(スポーツカーなど、バンパーには比較的大きめな開口部があるもののグリルレスデザインの例として挙げられるものもある)。
自動車メーカーのアイデンティティを表現する手段としても用いられ、BMWの『キドニーグリル』やアルファロメオの楯型のグリルなどが知られている。
多くの場合は、過去の栄光(レースで活躍した車両など)に因むことが多い(「ブガッティ・ヴェイロン」のグリルなど)。
自動車のフロントグリルは車体の最前面にあり、真正面から空気に当たる部分であるために、この部分にラジエーターを配置することも多く、その場合はラジエーターグリルとほぼ同義である。
ラジエターは細いパイプで設計されることが多く、飛び石などで変形しやすいため物理的に保護するべきだが、全て覆ってしまうと放熱の効率が低下するため、大きな開口部を設け、空気の流れを阻害しにくい網で覆うことが多い。
車の「顔」となるためスタイリング上重要で、ブランドを示すエンブレム等が配置されることもある。一方で設計(デザイン)によっては、ボンネットの鉄板をそのまま曲げて延長したようなスタイリングとすることもあり「グリルレス」という語もある。そのようなリアエンジン車では逆に後端がグリル状のものもある(ポルシェ・911やコンテッサなど)。
2000年代後半から、開口部を大きく見せようとする車両も多く登場した。主に、冷却性能のよさそうなイメージを持たせ、高性能なイメージを持たせる戦略や、
単純に見た目で周囲を威圧する厳ついイメージを持たせたい(そう言ったイメージを好むユーザー向けの)車両に見られる傾向にある。
特に、本来いわば清貧がウリであるはずの小型車やハイブリッドカーにおいてもそのような事例が見られることが興味深い。[独自研究?]
車体の開口部は空気抵抗の要因ともなるため、冷却効率と空気抵抗の低減を両立したデザインが要求される。そのためチューニング車で冷却率を上げる目的でグリルを撤去する者もいるが、かえって冷却効率を悪化させていることが多い。近年ではグリルに自動で開閉するシャッターを設け、速度や熱状態により開閉させ、空気抵抗の低減を図る例も見られる。
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