ヒール・アンド・トウ

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ヒール・アンド・トウの動作。

ヒール・アンド・トウ: heel-and-toe)とは、「つま先」と「かかと」を使った動きの事である。また、手の指先と手のひらを使った同様の動きもヒール・アンド・トウと呼ぶ。自動車運転、楽器演奏、ダンスなどの分野で使われる用語であるが、本稿では主に自動車の運転技能を中心に説明する。

自動車・オートバイ[編集]

概要(自動車)[編集]

マニュアルトランスミッション車の運転技術の一つである。右足でブレーキペダルと同時にアクセルペダルを踏む操作で、かかと(英語: heel)とつま先(英語: toe)の両方を使ってペダルを操作することに由来する。

ヒール・アンド・トウはマニュアルミッション搭載車においてシフトダウンする際に、右足でブレーキペダルを踏んで減速しながら、左足でクラッチペダルを踏んでクラッチを切り、それぞれのペダルを踏んだまま右足のかかとでアクセルペダルを踏んでエンジンの回転速度をトランスミッションと同調させる操作である。レースやラリーなどのモータースポーツで利用される。ペダル配置やドライバーの好みなどにより、足の親指側でブレーキを、小指側でアクセルを踏む方法もあり、つま先を回転させることから"ローリング・トウ"(: rolling-toe)と呼ばれる。ブレーキ操作中にシフトダウンを完了しておくことで、ブレーキ終了からすぐに加速を開始できる一方、エンジンを空ぶかしするので燃料の消費が多い。

ポール・フレールの著書「ハイスピード・ドライビング」(二玄社ISBN 4-544-04000-0[1]での説明では、アクセルはラフに扱ってよいがブレーキの方は繊細な操作が求められるため、つま先でブレーキペダルを操作し、かかとでアクセルをあおる。その逆はありえないとの説明がある。

四輪車の場合はクラッチと変速機構との間の質量(回転イナーシャ)が大きいため、ギアを中立にした状態でクラッチをつなぎ回転を維持するダブル・クラッチという方法を併用する場合がある。

電子制御された自動車の場合は自動的にスロットル操作が行われるものがあり、ブレーキを踏みっぱなしでも同様の結果が得られる。このことをオートブリッピングと呼ぶ。

オートバイの場合[編集]

ヒール・アンド・トウとは言わないが、全く同じことをアクセルとブレーキ、クラッチ、シフト操作が両手足に分かれているオートバイの場合、クラッチを切りブレーキで速度を落としつつシフトダウンし、アクセルでエンジン回転数を上げクラッチをつなげる動作は、運転技術の中で自然と行っている。 オートバイで採用されているシーケンシャルシフトでは四輪車のようなダブルクラッチは使えないため、ギアボックスを軽量にし回転イナーシャーを少なくすることで不要になるようにしている。ただし、1速と2速の間にニュートラルを入れることで影響を受けやすい高回転の低いギアではダブルクラッチが可能になっている。

打楽器の演奏[編集]

コンガボンゴの演奏で左手の指先と手のひらで交互に叩くことをヒール・アンド・トウと呼ぶ。主に裏拍(バックビート)と呼ばれる音を演奏するのにつかわれる。

ダンス[編集]

つま先やかかとを軸にして行う足の動き事。ステップ(歩くような動き)と区別されるが、足の動きという意味でヒールアンドトゥもステップの一種として考えられる場合も多い。

脚注[編集]

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  1. ^ 改訂版である「新ハイスピード・ドライビング」(1993年12月、二玄社、ISBN 4-544-04044-2)。

関連項目[編集]