JR東日本701系電車

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JR東日本701系電車
IGRいわて銀河鉄道IGR7000系電車
青い森鉄道青い森701系電車
701系1500番台 1次車(2008年6月 / 磐城太田駅)
701系1500番台 1次車
(2008年6月 / 磐城太田駅
基本情報
製造所 川崎重工業(100番台を除く)
JR東日本土崎工場
(IGR7000系・青い森701系を除く)
主要諸元
編成 2両 (1M1T)
3両 (1M2T)
4両 (2M2T)
軌間 0・100・1000・1500番台:1,067mm
5000・5500番台:1,435 mm
電気方式 交流20,000V (50Hz)
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
全長 20,000 mm
全幅 2,800 mm
全高 3,620 mm
車体材質 ステンレス
制御装置 IGBT素子VVVFインバータ制御
制動装置 発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(0・100・1000・5000番台)
回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(1500・5500番台)
抑速ブレーキ
耐雪ブレーキ
保安装置 ATS-Ps(0・100・1000・1500番台)
ATS-P(5000・5500番台)
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701系電車(701けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の交流用電車[注 1]1993年平成5年)から交流電化区間用の標準車両として製造された。

また、盛岡駅 - 青森駅間の東北本線を移管したIGRいわて銀河鉄道青い森鉄道でも同設計の新造車、およびJR東日本からの譲受車を、それぞれIGR7000系青い森701系として保有している。本項ではこの両形式についても記述する。

概要[編集]

東北地区幹線電化区間の普通列車には、1990年代になっても通勤輸送に向かない構造の客車急行型電車が多数使用されていた。

秋田地区の羽越本線奥羽本線と、盛岡地区の東北本線は地域輸送に客車を使用していたが、始発終着駅電気機関車付替え作業を要し運転上非効率[5]であり、また使用されている12系2000番台は老朽化の、50系の車齢は10年程度[6]ながら冷房がないなど旅客サービス上の、それぞれ問題があった。

一方、仙台地区では普通列車の電車化こそ行われていたが、使用されているのは2扉の急行形車両455・457系を主体に特急型581・583系を改造した715系が多数残存しており、ラッシュ時の運用に適さない車体構造や、経年による老朽化の進行などの問題が顕在化していて、取り替えは喫緊の課題であった(急行形車両#淘汰とその要因国鉄419系・715系電車#本系列の問題点も参照)。

これらの置き換えを目的として、当系列は2両、3両、4両編成を単位とし、これらの組み合わせで8両編成までの組成が可能で、編成の増・解結による柔軟な輸送力の調節を可能とした。2両編成についてはワンマン運転に対応するため、整理券発行機などの各種対応機器を設置した。

最初のグループが1993年(平成5年)に秋田・盛岡地区に投入されたのち、JR東日本の交流電化区間における事実上の標準車として2001年(平成13年)までに各線区に投入され、2007年以降の増備はE721系に移行している。通常の在来線のほか、奥羽本線と田沢湖線新幹線直通化後は、標準軌仕様の車両が地域輸送用に投入されたほか、東北新幹線延伸に伴う東北本線経営分離に当たっても、本系列の姉妹車が譲渡・新製により投入されている。

構造[編集]

車体[編集]

209系で採用された川崎重工業の2シート工法による、プレスを多用した軽量ステンレス構体を採用する[2][7][注 2]。先頭部(編成両端)は貫通路付の切妻構造で、FRP製の覆いを設ける。客用扉は 1,300 mm 幅の両開き式のものを片側3か所に設置し、在来線用の車両は運用線区のホーム高さの関係上、ステップが備わる。

側面窓は車端部以外は4連窓、中央2窓のみ2段上段下降式のユニットサッシ[注 3]である。窓寸法は極力大きくし、熱線吸収ガラスを使用してカーテンを省略した。車端部は通常の1枚窓を設置する。

冷房装置集中式を採用し、屋根上に1基搭載している。在来線運用車はAU710A形(冷凍能力38,000 kcal)、標準軌区間用の5000番台と5500番台はAU723 形(冷凍能力30,000 kcal/h)を屋根上に設置する[8][9][10][11]。中間側妻面の貫通扉は幅を 1,200 mm に拡幅した両開き式とし、ワンマン運転時の乗客移動に配慮した。

剛性値についてはIGR7000で下記のような値となっている。

車体諸特性[12]
項目 特性 備考
台車心皿間距離 13,800
片側出入口個数 3扉
相当曲げ剛性 862 MN・m2 Mc車構体完成時
相当ねじり剛性 222 MN・m2/rad Mc車構体完成時
曲げ固有振動数 13.5 Hz Mc車構体完成時
ねじり固有振動数 4.4 Hz Mc車構体完成時

室内[編集]

パンタグラフ
(菱形式PS105形)
ワンマン運転時に使用する運賃箱(現在は新しいタイプに交換されている)
E721系との併結運転

座席は当初、ワンマン運転時における車内監視や、乗客の運賃支払い時における車内移動の観点で有利とされたこと、短編成での通勤・通学輸送[13]との兼ね合いから全席ロングシートで新製されたが[14]、投入後の輸送実態を考慮して、クロスシートを設置改造した車両や、新製時よりクロスシートを設置した車両もある[15]。座席モケットは細かい柄の入ったパープル色である。

客用扉は季の車内保温のため、各出入口の内外に開閉用スイッチを設けた半自動構造とし、2両編成にはドアチャイムを装備する。ドアエンジン空圧式で、コグドベルトを用いて一本のシリンダーでニ枚のドア(両開き扉)を駆動する。客用扉に隣接する袖仕切りは209系と同一の大形のものとして外気の流入を抑え、風防ガラスは省略された。暖房装置は座席直下に大容量のものを設置する。

トイレはクハ700形に設置し、向かい側の空間を車いすスペースとしている。そのクハ700形は当初喫煙車であった。

内装のカラースキームは、明るいベージュ系でまとめられ、運転席背面と妻面以外をFRP製とし、天井の冷房用風道もFRPの一体成形である。

乗務員室は、複数編成での利用を考慮して、半室構造となっている。貫通路を構成する際やワンマン運転で最後尾となる場合は、運転席部分を締め切り、補助席側を客室として開放する[注 4]

電源・制御機器[編集]

架線からの単相交流20 kVを主変圧器で降圧した上で、主変換装置直流整流、その後三相交流に変換して主電動機を制御するVVVFインバータ制御方式である。

主電動機は新開発のかご形三相誘導電動機MT65形 (125 kW) を搭載する。209系のものを基本とするが、小型軽量化され、耐雪構造となる。主変換装置はパワートランジスタ (PTr) 素子 VVVF インバータを搭載し、GTO素子の209系と同様の制御方式である[6]。後期製造分の1500・5500番台車・IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道向けの新製車はコンバータを IGBT素子に変更した[16]。補助電源装置には、0番台では電動発電機を、それ以外では静止形インバータ装置をそれぞれ採用している[17]

運転室内には、各動力台車のON/OFFを個別に制御するためにNFBが設置されており、片方の電動動力台車に問題が起き、通常の運転が困難になった場合、問題のある方のスイッチを切り、1M方式を一時的に0.5M(片方の電動台車でのみ駆動)に切り替えることが可能となり、冗長性が向上した。また、主変換装置も同じく個別制御できるように、NFBの設置が行われている[6][18]

パンタグラフは下枠交差式のPS104形、菱形式のPS105形、シングルアーム式のPS106形を搭載[注 5]する。

ブレーキ装置[編集]

電気指令式空気ブレーキを全車に標準装備する。当初の車両は抑速および発電ブレーキを装備し、屋根上に電力消費用の抵抗器を持つ[6]。1997年以降製造の1500・5500番台[19]回生ブレーキに変更され、抵抗器は装備しない[11]。全車とも遅れ込め制御はなく、耐雪ブレーキ・直通予備ブレーキを併設する。秋田地区の一部車両は更新工事により、発電ブレーキで使用していた抵抗器が撤去され、1500・5500番台と同じ回生ブレーキ併用空気ブレーキ装置へ変更し、1500・5500番台と屋根上はパンタグラフを除き同じ構成となった。

保安装置[編集]

ATS-P(標準軌区間)、ATS-Ps(在来線区間)[注 6]列車無線防護無線の他、緊急列車防護装置 (TE) を設け、ワンマン対応車にはEB装置を設置する。

台車[編集]

209系で採用された軸梁式軽量ボルスタレス台車を基本に、床面高さを下げる(ステップとの段差を抑える)ため台車枠中心を下げた構造としたDT61A(電動車)と TR246A(付随車)を装備する。標準軌区間用の車両では台車枠を標準軌対応とし、台車枠中心を標準の高さに戻したDT63(電動車)、TR248・TR252[注 7](付随車)を用いる。

その他[編集]

主幹制御器は209系の様なワンハンドルマスコンではなく横軸マスコンである。簡易モニタ装置を搭載し、ドアやインバータなどの動作状況を監視できる。2両編成の車両にはワンマン運転関係機器(運転台近くに自動両替器付運賃箱、自動放送装置、運賃表示器、最後尾乗車口に整理券発行器)を設置する。719系とは故障した際の救援時に、E721系とは営業運転での併結が可能である。2010年10月20日よりE721系との併結運転を開始した[20][注 8]

番台区分[編集]

[15]

狭軌仕様車[編集]

基本番台(秋田地区用)[編集]

701系秋田支社所属車両(2007年4月 / 酒田駅)
701系秋田支社所属車両
(2007年4月 / 酒田駅)
登場当初の形態(1994年3月 / 羽後本荘駅)
登場当初の形態
(1994年3月 / 羽後本荘駅)

秋田地区の客車列車置き換えのために1993年3月から10月にかけて、川崎重工業およびJR東日本土崎工場(現・秋田総合車両センター)で製造され[21]、同年6月21日より運用を開始した[8]クモハ701+クハ700の2両編成が24本(48両、N14 - N38 編成)、クモハ701+サハ701+クハ700の3両編成が13本(39両、N1 - N13 編成)の計87両が在籍する。本区分のみ、前面の種別表示器は手動式幕であるが、後述の機器更新が行われた車両の一部ではLEDによるものへ取り替えられている[22]

全車ロングシートで製造されたが、N36 - 38編成のクハ700形には、特急列車が消滅した奥羽本線新庄 - 大曲間のサービス向上のためにクロスシート設置改造が施工された。このクロスシートは後述の5000番台と同様の千鳥配置とされているが、シートピッチを広げ、折り畳み式のテーブルを設置している(このため着席定員は従来車と変化なし)。また、この編成はパンタグラフをシングルアーム式の PS106 形に換装していたが、2005年(平成17年)以降から改造が行われなかった秋田地区の701系にも同様に交換が行われた。ワンマン運転用の運賃箱も当初の仕様から変更されている。

100番台(秋田・仙台地区用)[編集]

701系100番台を先頭に組成された6両編成
(2007年3月 / 郡山駅

基本番台の増備車で、1994年(平成6年)から1995年(平成7年)にかけて土崎工場にて製造された[8][10]クモハ701形+クハ700形の2両編成が5本(10両)、クモハ701形+サハ701形+クハ700形の3両編成が1本(N101編成)の計13両が在籍する。

後部標識灯を200 mm上方に移設しているのが基本番台との識別点である。室内ではつり革の位置を下げ、数を増やした。軽量化および保守量の低減のため、蓄電池鉛蓄電池からアルカリ電池[23]、制御回路用の補助電源を静止形インバータ (SIV) に変更している[8]

当初は全車が南秋田運転所(現:秋田車両センター)に配置され、基本番台と共通で運用された。山形新幹線新庄延伸に伴い、奥羽本線山形 - 新庄間が標準軌化されると、1999年(平成11年)に2両編成が仙台電車区(現・仙台車両センター)に転属配置された。仙台地区では当初常磐線北部(いわき - 仙台)で限定運用されたが、その後1000番台(2両編成)・1500番台と共通に東北本線(黒磯 - 一ノ関)でも運用されるようになった。

編成番号は秋田ではN100台、仙台ではF2-100台を付番。

2007年(平成19年)3月にN102編成が秋田車両センターに転配され、2010年(平成22年)10月付でF2-103 - F2-105編成も秋田車両センターに転配され[24]、N103 - N105編成として営業運転に入っている。仙台車両センターにはF2-106編成のみ残存[注 10]していた。しかし、秋田に転属していたN105編成が2013年(平成25年)3月に再び仙台へ転配され、F2-105編成として営業運転に入っている。

車体帯色は濃淡のマゼンタ(秋田)および赤+白+緑(仙台)である。

1000番台(仙台・盛岡地区用)[編集]

701系仙台支社所属車両(F4-16編成)
(2010年10月 / 館腰駅

盛岡地区の客車列車と仙台地区の715系置き換えのため1994年(平成6年)から1996年(平成8年)にかけて、川崎重工業および土崎工場にて94両が製造された[10]クモハ701形+クハ700形の2両編成が38本(76両)とクモハ701形+サハ700形+モハ701形+クハ700形の4両編成が4本(16両)の計92両が在籍する。

中間のモハ701形は本系列唯一の中間電動車で、付随車サハ700形は蓄電池を装備するため基本番台・100番台のサハとは別形式となっている[25]。基本仕様は100番台と同一だが、仙山線へ入線することを考慮してパンタグラフをPS105形に変更している[10]故障時の救援のために救援回路を備え、719系電車と併結が可能である[26]

  • 仙台地区用
    • 4両編成4本・2両編成8本が当時の仙台電車区に投入され、車体帯色は赤+白+緑 である。
    • ワンマン運転対応2両編成では運賃表が7セグメントディスプレイ式から液晶ディスプレイ式(レシップ[注 11])に取り替えられたほか、客用扉の扉閉弱め機構を搭載している。
    • 編成番号は2両固定がF2-0台、4両固定がF4-0台を付番。例としてクモハ701-1018+クハ700-1018の編成なら、F2-18と表す。
    • 2014年(平成26年)末頃からドアボタンの更新・デジタル列車無線搭載工事が徐々に行われている。ドアボタンは従来のものからE721系と同等のもの[27]に交換されている。デジタル列車無線は運転台左側に取り付けられ、アンテナは行先設定機の裏、制御機器は助手席後方の機器箱上にそれぞれ設置されている。
  • 盛岡地区用
    701系盛岡支社所属車両
    (2007年3月 / 盛岡駅
    • 2両編成31本が当時の盛岡客車区に投入された。車体帯色は青紫濃淡2色である。
    • 一部には広告を施したラッピング車両[注 12]が存在する[28]
    • 本所所属車両のうち1編成(1033)は浸水事故により後述の1500番台(1508)に改造され仙台へ転属した。
    • 2002年(平成14年)の東北新幹線八戸延伸に伴う経営分離により、IGRいわて銀河鉄道に7編成、青い森鉄道に1編成がそれぞれ譲渡され、7編成は八戸以北の運転用として青森車両センターに転属したのちに2010年の東北新幹線全通に伴う経営分離に伴い青い森鉄道に譲渡されている。
    • 編成番号は与えられていない。

1500番台(仙台地区用)[編集]

仙台地区715系1000番台置き換え用と、1000番台の増備型として1998年(平成10年)と2001年(平成13年)に川崎重工業および土崎工場にて製造された[29][10]クモハ701形+クハ700形の2両編成が18本(36両)が在籍する。

主変換装置は、インバータ部はパワートランジスタ素子であるが、コンバータ部にIGBT素子を使用したものに変更された[29]。回生ブレーキを装備し、クモハ701形は屋根上のブレーキ用抵抗器がなくなった[11]

1508 は青森駅構内での高潮による浸水事故で床下機器が損傷した盛岡客車区(当時)所属の1000番台(クモハ701-1033+クハ700-1033)を修理した車両で、回生ブレーキと LED 式行先表示器を装備して復旧され、1500番台に編入された。

2001年(平成13年)に新製された2次車の 1509 - 1518は、新製時からATS-Ps保安装置を備えるほか、行先表示器が LED 式とされ、トイレは車いす対応の大型のものを運転台直後に設ける[29]。このためクハ700形の窓配置が変更され、E127系100番台と同様の配置とされている。

2014年(平成26年)末頃から仙台所属1000番台と同様、ドア開閉ボタンの更新・デジタル列車無線搭載工事が徐々に行われている。

車体帯色は赤+白+緑である。


IGRいわて銀河鉄道IGR7000系・青い森鉄道青い森701系[編集]

2002年(平成14年)12月1日東北新幹線盛岡 - 八戸間開業に伴い並行在来線を移管して開業した2社の車両である。JR東日本からの譲受車と新製車がある。

新造車は1500番台をベースとした仕様となっており、制御車(盛岡方)前方に設置された車いす対応トイレ[30]・運賃表示器と車内案内表示器の改良・回生ブレーキ・LED式行先表示器などを備える。また、当初からセミクロスシートとされている。

譲渡車はいずれも元1000番台である。

  • 新造車1編成(100番台)、JR東日本からの譲受車8編成(0番台)、合わせて2両編成9本(18両)が在籍する。
    青森方が制御電動車(Mc)の青い森701形、目時方が制御車(Tc')の青い森700形で組成されている。
    このうち新造車(101)・譲受車(1)各1編成は、2002年(平成14年)の目時 - 八戸間開業時に導入されたもので[31]、残りの譲受車7編成(2 - 8)は2010年(平成22年)12月の八戸 - 青森間開業時に当時の青森車両センター所属車全編成を譲受し導入されたものである(当時は室内はロングシートのまま[31]だったが、一部の編成はセミクロスシート化されている)。2010年9月2日より、在籍中の1本がイメージキャラクターのモーリーをあしらったデザインに変更された[32]車体帯色は、旧デザイン車両が青、新デザイン車両が空色である。また、青い森鉄道全線開業時にJR東日本から譲受した編成についても、2011年(平成23年)に青い森鉄道の新デザインに変更された。
    • クモハ701-1037+クハ700-1037 → 青い森701-1+青い森700-1
    • クモハ701-1001 - 1007+クハ700-1001 - 1007 → 青い森701-2 - 8+青い森700-2 - 8


IGRいわて銀河鉄道IGR7000系
  • 2両編成7本(14両)が在籍する。4編成がJR東日本からの譲受車(0番台・1 - 4)で、3編成が新造車(100番台・101 - 103)である。車体帯色は岩手の夜空のイメージであるスターライトブルーとの輝きのイメージであるスターライトイエローである[30]
    目時方が制御電動車(Mc)のIGR7001形、盛岡方が制御車(Tc')のIGR7000形の2両固定編成[30]。JRからの譲受車はロングシートのままである。譲受車は帯の貼り替え時[注 13]に車内案内表示器を設置した。
    • クモハ701-1038 - 1041+クハ700-1038 - 1041 → IGR7001-1 - 4+IGR7000-1 - 4


標準軌仕様車[編集]

5000番台[編集]

701系5000番台
田沢湖線所属車両
(2007年3月 / 盛岡駅)

秋田新幹線の開業に伴う田沢湖線標準軌化に際し、普通列車用として1996年(平成8年)から1997年(平成9年)にかけて2両編成10本(20両)投入された。

室内配置を大幅に変更し、ボックスタイプのクロスシートを1両に4か所千鳥状に配置する。この5000番台に限って両開き扉間の4枚の窓のうち中間2枚が大型の1段下降窓である。客用扉のステップはない。トイレはクハ700形の後方に設置する。秋田新幹線開業と同時にJR東日本管内の快速・普通列車が全面禁煙となったため、このグループ以降は当初から灰皿が設置されていない。

また、外観上も、尾灯はこれまで窓下に丸型が設置されていたが、当番台からは窓上のブラックフェイス部に角型が設置されており、後述の5500番台を含む標準軌仕様車の特徴となっている。パンタグラフはシングルアーム式、台車は標準軌用のDT63形・TR248形冷房装置はインバータ方式のAU723形である[33]。2008年秋より、スカートが一部変更されている[34]。また行先表示器は登場時字幕式であったが、2015年(平成27年)頃からN5003編成を皮切りに行先表示器のLED化も行われている。

車体帯色は青紫+白+ピンクである。

検査等は、全般検査も含め基本的には秋田車両センター(旧南秋田運転所)で行われるが、機器更新などにより、狭軌用の仮台車に履き替え甲種輸送で秋田総合車両センター(旧土崎工場)まで回送されて行われたこともある[35]

5500番台[編集]

701系5500番台
山形車両センター所属車両
(2007年6月 / 高畠駅

山形新幹線開業に伴う奥羽本線山形 - 新庄間の標準軌化に際し、普通列車用として2両編成9本(18両)が1999年(平成11年)に投入された車両である。

1500番台の仕様に準じ、座席はロングシート、客用扉のステップはない。車いす対応の大型トイレをクハ700形の前方に設置する。行先表示器は LED 式で、尾灯が5000番台と同様運転席窓の上部に設置されている。回生ブレーキは発電ブレーキ車と混用しないため、作動速度域が大きくとられた。台車は標準軌用の DT63A 形・TR252 形で、米沢 - 福島板谷峠)の急勾配対策としてディスクブレーキ砂撒き装置を搭載する[注 14]。パンタグラフは製造当初は仙台地区701系との互換性を考慮し菱形を搭載したが、2001年(平成13年)にシングルアーム式に交換された。加えて同時期に強化形スノープラウ(雪かき器)も設置した。冷房装置はインバータ方式の AU723 形を搭載する[19]5000番台と同じスカートを装着している[34]

車体帯色は719系5000番台を踏襲し、山形県の花「ベニバナ」をイメージしたオレンジ+白+緑である。全車両がワンマン運転に対応しているが、車掌が乗務することもある。

5000番台同様、検査等は郡山総合車両センターに直接回送できないため、所属先の山形車両センターにて行われる。

配置と運用[編集]

2016年4月1日現在の配置区所および2016年12月10日現在の運用区間は以下のとおりである。

701系勝田車両センター所属車両(K618編成)
    • 1000番台(K600番台編成)
    • 東日本大震災・福島第一原子力発電所事故の影響で運休となっていた原ノ町 - 相馬間(水戸支社管轄)の運行再開に伴い、2011年に2両編成3本が仙台車両センターから転属し、K618編成(元F2-18編成)、K620編成(元F2-20編成)、K625編成(元F2-25編成))として配置・運用されている。車体帯色は転属前と同じく赤+白+緑 である。
      • 常磐線(小高 - 相馬
        • 運行区間は運転再開当時、津波被害や原発事故の避難区域設定となり、当時他の路線区間から孤立しているため原ノ町駅まで陸送で搬入され、同駅常駐とされた。
        • 終日2両編成で運用されていた[注 15]
        • 当時「小高」「相馬」の行き先表示の設定がなかったため、それらの行き先への列車は行先表示を消灯していた[注 16]
  • 青い森鉄道
  • IGRいわて銀河鉄道
    • いわて銀河鉄道線(全線)
    • 青い森鉄道線(目時〜八戸)
      • かつては間合い運用で八戸 - 三沢間でも運用された。
    • 東北本線(盛岡〜北上)

現況と動向[編集]

本系列は東北地区の多くの交流電化区間に投入され、従来の普通客車列車を完全に置き替えることとなった。本系列の導入によって普通列車の完全冷房化とスピードアップが達成された[36]。反面、本系列によって代替された列車は従来より編成両数が短縮されたことに加え、座席構造の変化も相まって、一列車当たりの座席定員の減少を招いたことから、それら接客設備の顕著な変化については批評の対象ともなった[37][38][39]。また、本系列は片道200 kmを超える運用に就いたこともあった[40][注 17]

本系列が当該地区初のロングシート車であったが、もっとも、本系列使用開始後の種々の情勢変化に鑑み、秋田地区の一部車両ではセミクロスシート化改造が行われ、標準軌用の5000番台は当初からセミクロスシート装備とするなどの設備変更もなされている。

本系列は投入開始から10年あまりが経過し、後天的な装備の変更や配置の移動なども行われている。初期の車両では集電装置をシングルアーム式に換装したものが一部に存在し、秋田地区や仙台地区の一部の車両は運賃表示器がLEDのドット式から液晶ディスプレイ式に変更され、漢字カタカナ英語による次駅表示が可能となったほか、側面の行先表示器はLED式に改造された。詳細は他の節を参照。

JR東日本では本系列による交流電化区間の電車化達成後、次段階の車両計画として、老朽化した国鉄形電車を淘汰する目的でE721系を2006年(平成18年)に開発し、現在の新規製造は同系列に移行している。

機器更新[編集]

ブレーキ抵抗器(上)と撤去された跡(下)

209系・E217系と同様に機器更新が行われることになった。主な内容は下記の通りである。

  • 主変換装置・主変圧器の更新
    • E721系電車において採用されている主変換装置・主変圧器と同形の物への取り替え
  • ブレーキ制御装置の交換
  • 発電ブレーキの回生ブレーキ化
    • これに伴い屋根に設置されている主抵抗器を撤去
  • 一部車両には、仙台地区と同じ液晶ディスプレイ形運賃表への換装、およびワンマン放送装置の更新(ICタイプ化)が行われている。
  • E721系(1000番台)と同様のドアボタンへ更新
  • 秋田車は、E721系0番台と同様のドアボタン更新
  • VVVFインバーター制御装置をGTOからIGBTに変更

路線車体帯色一覧[編集]

BYR color wheel.svg この項目ではを扱っています。閲覧環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。
運用地区 正面配色 側面配色
盛岡車

田沢湖線

秋田車

仙台車

山形車

青い森鉄道

青い森鉄道
(旧デザイン)

IGRいわて銀河鉄道

秋田地区用の濃淡のマゼンタは、登場時は淡いものであったが、退色が著しい事から濃いめのカラーに変更されている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 本形式はJR東日本の公式ウェブサイト上では通勤形として分類しているが[1]雑誌などの記事においては、本形式が通勤形[2]だけでなく近郊形[3]一般形[4]と分類されている場合がある。一般形車両_(鉄道)#一般形電車の登場も参照。
  2. ^ 川重のほか土崎工場(現・秋田総合車両センター)でもノックダウン生産された。
  3. ^ 5000番台を除く。
  4. ^ ただし補助席用のいすは固定され利用できない。
  5. ^ 既製車にもシングルアーム式に換装されたものがある。
  6. ^ ATS-Ps表示器は、編成によっては外付けになっている。
  7. ^ TR252形は5500番台のみが装備する。
  8. ^ E721系と併結運転の場合はE721系が進行方向の場合と、E721系とE721系の間に701系を挟む編成に限り701系にもE721系の自動放送が流れる。
  9. ^ 秋田地区配置車両の運賃表示器は、1番(青森)から奥羽本線を北から南(運行開始当初は山形まで)に向かって表示する。91番から「羽越本線」(羽後牛島 - 鶴岡)「津軽線」などが表示されているが、すべて表示をするのではなく、一番近い駅から表示。新庄駅が羽越本線の運賃を表示する際は、「秋田経由」で表示される。奥羽本線新庄以南と津軽線の運賃は表示されない。
  10. ^ 補充用としてE721系0番台P40 - P44編成が新製された。
  11. ^ この液晶式運賃表示機はWindows XP Embedded組み込みOSとして採用されている。
  12. ^ 主な広告主はコカ・コーラ岩手めんこいテレビなど。
  13. ^ 2002年(平成14年)12月1日の両社線開業から翌2003年(平成15年)春までの間は、そのままJR時代の車体帯色(盛岡地区の青紫)で会社ロゴ部分だけを貼り替えて使用していた。。また、八戸 - 青森間開業時も同様の措置がとられている。
  14. ^ ただし、現状では5500番台の板谷峠区間での運用はない。
  15. ^ 一部列車でワンマン運転を実施
  16. ^ ワンマン運転時は「ワンマン」のみ表示
  17. ^ 盛岡 - 青森間(203.9km。現在設定なし)。2016年現在でも、秋田 - 青森間(185.8km)といった運用がある。

参照元[編集]

  1. ^ JR東日本:車両図鑑>在来線 701系
  2. ^ a b レイル・マガジン』(ネコ・パブリッシング)No.117 p.99
  3. ^ 鉄道ファン』(交友社)No.441 p.31 特集「近郊形電車進化論」
  4. ^ 『鉄道ピクトリアル 新車年鑑2000年版』(電気車研究会)p.39 :JR東日本運輸車両部の菅谷誠が「一般形交流電車」と記載。
  5. ^ かつては同じ機関車で貨客を兼用できるメリットがあったが、国鉄分割民営化後の貨物輸送JR貨物が行うこととなったため、旅客鉄道会社が地域輸送のためだけに機関車を保有する意味はすでに薄れていた。
  6. ^ a b c d 「新車ガイド 701系通勤型交流電車」交友社 鉄道ファン 1993年6月号。
  7. ^ ネコ・パブリッシング『JR全車輌ハンドブック2009』p.393
  8. ^ a b c d ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』交通新聞社、2010年、p.20、ISBN 9784330143101
  9. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』交通新聞社、2010年、p.23、ISBN 9784330143101
  10. ^ a b c d e ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』交通新聞社、2010年、p.28、ISBN 9784330143101
  11. ^ a b c ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』交通新聞社、2010年、p.29、ISBN 9784330143101
  12. ^ 「IGRいわて銀河鉄道 IGR7000系交流電車」『車両技術』2003年3月P126
    構体基本仕様は701系1500番台とほぼ同様である。
  13. ^ 立席が多く、詰め込みが効く。
  14. ^ 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』No.844 p.50
  15. ^ a b 「JR東日本 701系の番台別特徴と輸送形態」交友社 鉄道ファン 2010年1月号
  16. ^ 「CAR INFO 701系1500番台」交友社 鉄道ファン 1998年5月号
  17. ^ 「CAR INFO 701系100番台」交友社 鉄道ファン 1995年1月号
  18. ^ 従来の主制御器カットは、1M方式で4個、M+M'ユニット方式(ユニットカット)では8個の主電動機を一気に失うものであり、短編成で動力車が少ない場合は運転不能を意味する。
  19. ^ a b 「701系5500番台」交友社 鉄道ファン 2000年1月号
  20. ^ E721系と701系が併結運転を開始交友社鉄道ファン』railf.jp 2010年10月26日
  21. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』交通新聞社、2010年、p.21、ISBN 9784330143101
  22. ^ 秋田車両センター701系N32編成の表示器がLEDに」交友社『鉄道ファン』railf.jp 2010年1月31日
  23. ^ ネコ・パブリッシング『JR全車輌ハンドブック2009』p.394
  24. ^ 701系6両が仙台から秋田へ」交友社『鉄道ファン』railf.jp 2010年10月28日
  25. ^ ネコ・パブリッシング『JR全車輌ハンドブック2009』p.395
  26. ^ 『鉄道ファン』2010年1月号、交友社、2009年、p.51
  27. ^ 車内側の「閉」ボタンは押した時に一瞬光る仕様となっている。
  28. ^ 盛岡運転所701系にラッピング車登場
  29. ^ a b c 『鉄道ファン』2010年1月号、交友社、2009年、p.53
  30. ^ a b c 鉄道ファン、2002年12月号、p.116 「CAR INFO IGRいわて銀河鉄道 IGR7000系」
  31. ^ a b 鉄道ファン、2002年12月号、p.117 「CAR INFO 青い森鉄道 青い森701系」
  32. ^ 新ラッピングトレイン、デビュー!!!”. 青い森鉄道株式会社|ニュース&トピックス. 青い森鉄道 (2010年9月2日). 2012年7月19日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2016年7月1日閲覧。
  33. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』交通新聞社、2010年、p.19、ISBN 9784330143101
  34. ^ a b 701系5000番台に小変化
  35. ^ 701系5000番台が秋田総合車両センターから出場。”. railf.jp(交友社) (2014年5月23日). 2016年12月24日閲覧。
  36. ^ 「北国の通勤形電車 701系 快走!」、『鉄道ジャーナル』第33巻第4号、鉄道ジャーナル社1999年4月、 60-69頁。
  37. ^ 川島 令三『徹底チェックJR一般車両―JRはどんな車両をつくってきたか』[下] 中央書院 2001年 71-73頁。
  38. ^ 曽根悟「クロスシート/ロングシート論争を斬る」『鉄道ピクトリアル』1993年10月号 No.581 p.17 - 23.
  39. ^ “新型車両に不満続出”. 岩手日報 (岩手日報社). (1994年12月7日) 社会面
  40. ^ 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』No.844 p.49

参考文献[編集]

  • 加藤純(東日本旅客鉄道株式会社 運輸車両部車両課)「JR東日本701系交流電車の概要」『レイル・マガジン』No.117、ネコ・パブリッシング、p.99 - 101
  • 白土裕之(東日本旅客鉄道株式会社 鉄道事業本部 車両運輸部 車両運用計画G)「701系の番台別特徴と輸送形態」『鉄道ファン』2010年1月号、交友社、p.49 - 55。
  • 寺本光照「国鉄・JRの普通列車 名列車・珍列車」『鉄道ピクトリアル』No.844、電気車研究会、p.49 - 50

外部リンク[編集]