JR東日本キハ100系気動車

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JR東日本キハ100系・110系気動車
八高線を走行するキハ110系(折原駅 - 寄居駅間にて)
八高線を走行するキハ110系(折原駅 - 寄居駅間にて)
最高速度 100km/h
最大寸法
(長・幅・高)
17,000×2,928×3,995(キハ100系200番台)
20,500×2,928×3,995(キハ110系150番台以降)
機関出力 330PS/2000rpm(キハ100系)
420PS/2000rpm(キハ110系)
駆動装置 液体式
台車 ボルスタレス台車
制動方式 電気指令式ブレーキ
保安装置 ATS-P, ATS-Ps, ATS-SN
製造メーカー 富士重工業新潟鐵工所

キハ100系・キハ110系気動車(キハ100けい・キハ110けいきどうしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の一般形気動車

概要[編集]

老朽化したキハ20系キハ45系などの取り替えとローカル線における輸送サービスの改善を目的に製造され、1990年平成2年)3月10日北上線でキハ100形、釜石線山田線でキハ110形量産先行車がそれぞれ営業運転を開始した。製造メーカーは富士重工業および新潟鐵工所である。

気動車であるが、車体と台車の軽量化を図り、高出力直噴式エンジンと効率の高い液体変速機との組み合わせにより電車並みの性能を有している。ブレーキシステムも電車で実績のある応答性の高い電気指令式を採用し、連結器も密着連結器であるため、従来車との併結はできない。

本系列の導入により、特に急勾配の多い山岳路線では速度向上による時間短縮が実現した。さらに冷房装置を搭載したことにより、夏期における旅客サービスの向上が図られている。

車両系列・形式の呼称について[編集]

本系列は短尺のキハ100系のグループと長尺のキハ110系のグループがある。両車は基本設計に共通部が多いこともあり、「キハ100・110系」と呼称される[1]。ただし、相違点も多いため、本項目では便宜上、短尺車体のグループをキハ100系、長尺車体のグループをキハ110系と呼称する。

キハ100系[編集]

16 - 17m級車体の車両である。いずれも両運転台。

  • キハ100形
  • キハ101形(トイレなし)

キハ110系[編集]

20m級車体となっており、片運転台車も設定されている。キハ111形とキハ112形は1両単位で分割することも可能であるが、基本的に同番号の車両とユニットを組んで運用される。

  • キハ110形:両運転台車
  • キハ111形:片運転台車
  • キハ112形:片運転台車(トイレなし)

諸元[編集]

機関[編集]

(奥羽本線横手駅 - 大曲駅間、1996年9月21日)

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キハ100系はDMF11HZコマツ製SA6D125-H)またはDMF13HZ新潟鐵工所製)(ともに連続定格出力330PS/2000rpm、排気量11.04または12.7l)、キハ110系はDMF13HZA(新潟鐵工所製)またはDMF14HZカミンズ製NTA-855-R4)である(ともに連続定格出力420PS/2000rpm、排気量は13.3または14.0l)。いずれも小型軽量の直列6気筒直接噴射式エンジンで、排気タービン過給器吸気冷却器付きであり、これを1台搭載している。小型軽量のエンジンで、乾燥重量キハ40系のDMF15HSAの2,720kgに対して1,365kgとなっている。

液体変速機[編集]

変速機は試作車・量産車を通じ、全ての形式がトルクコンバータを1組内装する液体式である。

キハ100系はDW14Bを1台、キハ110系についてはDW14A-Bを1台搭載する。湿式多板クラッチ式の変速1段、直結2段の多段式で、トルクコンバータは3段6要素である。コンバータブレーキ機能も搭載している。

なおキハ110形量産先行車は充排油式の変速1段、直結(流体継手)1段式のフォイト製T211rzで、リターダブレーキ機能付きであったが、量産化改造時に他と同様とされた。

いずれもプログラマブルコントローラにより機関と共に制御され、力行指令は5ノッチ、変直の切り換えも自動である。

ブレーキ[編集]

応荷重装置電気指令式空気ブレーキ装置で、制御装置形式はC-76、常用(8ノッチ)、非常、直通予備(保安ブレーキとして使用)、耐雪、抑速(2段指令で押しボタン式)の各ブレーキを装備している。このうち、抑速ブレーキは機関ブレーキ+コンバータブレーキ(キハ110形量産先行車はリターダブレーキ)で対応し、空気ブレーキは使用しない。ブレーキシステムも電車で実績のある応答性の高い電気指令式を使用しており、小型密着自動連結器を装備する在来車とは連結器の形状が異なっている(密着連結器)ため、併結はできない。なお、後年登場した同じく電気指令式ブレーキのキハE130系キハE120形とは混結が可能となっている。

性能[編集]

キハ100系・110系とも25‰で、補機負荷100%・乗車100%でも60km/h以上を出すことができる。

例えば50 km/h での動輪周引張力で比較すると、キハ110系は約1,300 kg で、キハ20系の約600 kg や、キハ40系の約800 kg と比較して大幅に向上しており、25 の上り勾配で、補機負荷100 %・乗車率100 % でも60 km/h 以上の均衡速度となっている。

台車[編集]

いずれもボルスタレス式空気バネ台車で、動台車は2軸駆動、基礎ブレーキはユニット式である。

キハ100系は動台車がDT59・従台車はTR243となっている。

キハ110系は動台車がDT58・従台車がTR242であるが、量産車では動台車が減速機の歯数比の変更により動台車はDT58Aに区分されており、200番台の陸羽東線・陸羽西線向け増備車については台車は軸ばねをロールゴムから円すいゴムへ変更した、DT58B形・TR242A形となっている。

キハ100系とキハ110系では軸距の違い(2,000mmと2,100mm)がある。

冷暖房[編集]

冷房コンプレッサを機関で駆動する機械式AU26J-B×1台(キハ100形)・AU26J-A×2台(キハ110・111・112形)で、除湿機能付き、暖房は機関の廃熱を利用する温水・温風方式であるが、始動性のよい直噴エンジンの採用により機関予熱器を装備しないため、下り勾配での暖房能力低下対策としてコンバータブレーキでの変速機油の廃熱を暖房に利用している[2]

車体[編集]

車体は角を落とした独特の形状、普通鋼製ながら板厚の見直しと強度に無関係な箇所への穿孔、プラグドア化および固定窓化による側構体の厚みの低減(50mm、通常の電車は100mm)により軽量化を図っている(その後、各200番台以降は通常の引き戸とされている)。車内温度保持のために、客用ドアは半自動式であり、ドアの横に開閉スイッチが設置されている。また、ドアチャイムも搭載されている。床面高さは1,175mmである。塗装は一部の特別仕様車を除いて共通となっており、わずかに緑がかった白色(「ベリーペールグリーン」)を基本に、車体隅などに「ダークライムグリーン」をアクセントとした。窓は複層ガラスの固定窓で、試作車については吹き寄せおよびトイレ部分にもダミーガラスを使用して連続窓風としている。

また、試作車は登場当時先頭車の正面の左右の塗装が黒色だったが、後に量産車に合わせて、べリーペールグリーンに変更された。

キハ100・101形(および登場時のキハ110形0番台)については幌枠の形状がキハ110系列とは異なっており、そのままでは幌を直接つなぐことはできない。


形式・番台区分[編集]

キハ100系[編集]

キハ100形0番台[編集]

キハ100形0番台
(2006年10月9日 / 気仙沼駅

キハ100系グループの初陣として46両が製造された初期車である。うち、1 - 4は量産先行車として落成した。

ワンマン運転を前提に運転台は半室構造となっており、側面は左右非対称となっている。車内はセミクロスシートで、クロスシート部は2+2の配列である。

大船渡・北上線向けが一ノ関運輸区、釜石・山田線向けが盛岡客車区(→盛岡車両センター)にそれぞれ投入された。

のちに、2010年12月ダイヤ改正での大湊線の編成増強と大湊駅 - 八戸駅間直通列車を増発するためキハ100-21が2010年11月下旬に、2014年3月ダイヤ改正での大湊線の快速「しもきた」増発および多客期増結対応によりキハ100-20がそれぞれ盛岡から八戸運輸区へ転属し、200番台と混用されている。

POKÉMON with YOUトレイン[編集]
ポケモン With You トレイン
(気仙沼駅にて)

大船渡線を中心に運転される「POKÉMON with YOUトレイン」専用車として、郡山総合車両センターで改造された。車両は、一ノ関運輸区所属のキハ100-1・3を改造している[3]。内外装ともにポケットモンスターのキャラクターを装飾するなど手が加えられているが、車号の変更はされず、駆動機関や台車などの変更は行われていない[4]

2012年12月22日から(ただし、28日までは事前招待客のみが対象)臨時列車として大船渡線の一ノ関駅 - 気仙沼駅間で運行を開始している[5]。このほか、2014年には東日本大震災復興支援事業の一環として、同年1月から2月にかけて水郡線常磐線総武本線磐越西線磐越東線只見線左沢線へ出張運転されている[6]

キハ100形200番台[編集]

キハ100形200番台(2010年12月 / 野辺地駅) キハ100形200番台 車内(2008年6月 / 青森駅)
キハ100形200番台
(2010年12月 / 野辺地駅
キハ100形200番台 車内
(2008年6月 / 青森駅

大湊線で使用されていたキハ40形を置きかえるために201 - 205の5両が製造された改良型で、後述のキハ110・111・112形200番台同様の設計変更が行われている。

客用ドアは0番台のプラグ式から引き戸式に変更されたほか、1992年に発生した成田線大菅踏切事故を受けて、運転台部分の強化のため車端部が各250mm延長された。

八戸運輸区に投入され、大湊線青い森鉄道線(←東北本線)で運用されている。

キハ101形[編集]

キハ101形「フルーツライナー」
山形駅

左沢線用に13両が製造された。車体はキハ100形200番台の仕様に準拠しているが、系列では唯一のオールロングシート・トイレなしとなっている。

車内の床材はピンクの色の物とブルーの色の物がある。ロングシートに座ると床材の足元部に黒い線が敷いてあるが、これは足を線の内側に置くようにするためである。優先席近くにはオレンジ色のつり革が設置されている。車体塗色は同線独自のものを使用するとともに、側面に「FRUITS LINER(フルーツライナー)」のアルファベット文字が施されている。運賃表示器は設置車と未設置車があったが、現在は全車両に液晶ディスプレイ(LCD)の運賃表示器が設置されている。かつての運賃表示器未設置車については運賃表示器の代わりに運賃表のステッカーを貼付してある。なお、LCDの運賃表示器が設置された現在もステッカーは貼付されたままである。運転台はキハ100形同様に半室運転台を採用しており、助士側で車掌がドア扱いを実施している時に乗客が立ち入らないように柵が設置されている。

当初は新庄運転区配置であったが、山形新幹線新庄延伸に伴い山形電車区(現・山形車両センター)に転配された。導入以来左沢線営業所を拠点として運用されている[7]。キハ101-12とキハ101-13には左沢寄りにメガホンが設置されている。

キハ110系[編集]

0番台[編集]

キハ110形0番台(2007年3月10日 / 盛岡駅) キハ111形0番台(キハ111-1) 車内(2009年8月28日 / 上有住駅 - 陸中大橋駅間)
キハ110形0番台
(2007年3月10日 / 盛岡駅)
キハ111形0番台(キハ111-1) 車内
(2009年8月28日 / 上有住駅 - 陸中大橋駅間)

急行列車用として投入された番台である。キハ110形5両、キハ111・112形2両編成3本の計11両が製造された。うちキハ110-1 - 3は量産先行車である。

室内は他の番台と異なり940mmピッチの回転リクライニングシートを装備し、照明にはグローブがつけられている。デッキは省略されているが、ガラス製の仕切りが設けられている。この番台のみキハ111・112形の後位側の貫通扉は前面と同じ狭幅となっており、通常ユニットで運用されるキハ111・112形も1両単位で運用されることが多い。また、前面のスカートがパイプ式となっていることも特徴である。

2016年現在、JRグループにおいて急行列車で使用されることを前提として新製された最後の車両である。なお、2013年にキハ111-2およびキハ112-2は、700番台に改造されている。

当初は全車が盛岡客車区(→盛岡車両センター)に配属され、東北・釜石・山田線急行陸中」で使用を開始した。2002年の「陸中」廃止後は、後継の快速「はまゆり」をはじめ、釜石線および東北本線日詰駅 - 盛岡駅間の普通列車に使用されている。快速「はまゆり」では、指定席となる3号車に優先的に使用される。また、東日本大震災以前の2007年7月から2011年3月までは一部が小牛田運輸区に所属し、石巻気仙沼線快速「南三陸」の指定席車両でも使用されていた。2016年現在は全車が盛岡所属となっている。


100番台[編集]

キハ110形100番台
(2013年12月26日 / 石巻駅
キハ111形100番台
(2008年7月26日 / 仙台駅

普通列車用として設計され、キハ110形39両、キハ111・112形2両編成21本の計81両が製造された。

車内はセミクロスシートであるが、クロスシートはキハ100形と異なり、ワンマン運転時の旅客の動線や混雑時を考慮して横2+1列配置となっている。また、この番台以降、キハ111・112形の後位側貫通引き戸は701系に見られるような両開きのものが採用されているため、ユニットを分割する場合、貫通扉にアダプターの装着が必要となっている。

磐越東線営業所(→郡山総合車両センター郡山派出所)を皮切りに新津運輸区小海線営業所水郡線営業所に投入された。うち、新津運輸区投入車は後述の200番台投入でいったん全車が水郡線営業所に転属している。のちに水郡線営業所所属車についてもキハE130系投入による後述の転用により盛岡車両センター小牛田運輸区新津運輸区へ転属している。

150番台[編集]

キハ112形150番台
(2010年11月22日 / 大館駅

キハ111・112形2両編成2本が製造された。キハ110形は存在しない。水郡線営業所に投入された。

100番台が運用されていた水郡線の増備車という位置づけであるが、製造が200番台へ移行していた後の製造であるため、後述の200番台と同様、運転台強化に伴う車体延長や、引き戸化が行われている一方、床面高さは100番台の仕様である。

水郡線からの撤退後は盛岡車両センターに転属し、その後151は小牛田運輸区へ再転属している。

200番台[編集]

キハ110形50両、キハ111・112形2両編成21本の計92両が製造された。そのうち、キハ110形14両(223 - 236)とキハ111・112形2両編成3本(210-212)の計20両は、後述の300番台からの改造車である。

この番台は100番台と同様普通列車用となっているが、マイナーチェンジが行われており、ドアが引き戸式となりステップ高さも下げられたほか、運転台強化に伴う車体延長が行われている。

300番台改造車はロングシート部にもテーブルを兼ねていた窓枠がそのまま残ったほか、蛍光灯にはカバーがあるなどの差異が見られる。

新津運輸区長野総合車両所(→長野総合車両センター)、高崎運転所(→高崎車両センター高崎支所)、小牛田運輸区に投入された。特に、長野所属車は全て300番台からの改造車である。

飯山線眺望車ふるさと→おいこっと[編集]

キハ110-235(←313), 236 (←314) は、後述する300番台からの改造時、飯山線向けに「眺望車"ふるさと"」として座席のすべてがレール方向(千曲川・信濃川)に向いたオールロングシートに改造され、飯山線沿線の景色が楽しめるようになっていた。

その後他車と同一の仕様に改造されていたが、2015年北陸新幹線金沢延伸にあわせ、飯山線の観光列車「おいこっと」の専用車として、長野総合車両センターで改造が行われている。駆動機関や台車などの変更、改番は行われていない[8]

外装はアイボリーえんじを基調に五線譜をイメージした格子様の塗装がなされ、沿線出身の高野辰之が作詞した唱歌「故郷」をイメージするアイコンがつけられている。ただし、前頭部のみ、235と236で色が反転している。

内装は「田舎のおばあちゃんち」を意識した古民家風とし、ロングシート部がソファタイプになり、ボックス部には着脱式のテーブルの設置が可能となっている。カーテンについても障子風の柄のブラインドへ変更されている。また、トイレが和式から、車いす対応の洋式へ変更されている。なお後述のように観光列車だけでなく、定期列車にも投入されるため、つり革や優先席は存置された。

2014年12月23日に先行して落成したキハ110-235が飯山駅で展示され、2015年1月2日から定期列車の運用に投入された。236の改造が終了した2015年4月4日より臨時快速「おいこっと」として運用が開始された[9][10][11]。「おいこっと」のほか、定期列車として飯山線全線、しなの鉄道北しなの線長野駅 - 豊野駅間)、上越線越後川口駅 - 長岡駅間)で運用される。

陸羽東線・陸羽東線向け車両[編集]

1999年12月の山形新幹線新庄延伸に合わせ、陸羽西線(キハ110-237 - 245)と陸羽東線に投入された車両(キハ111・112-213 - 221)は本系列の最終増備車となり、設計変更がなされている。いずれも小牛田運輸区に配置された。

外観は専用塗装とし、「雪景色」の白をベースに「豊かな自然」の緑を用いている。窓下にはアクセントカラーとして、陸羽西線向けのキハ110形は「最上川のもたらす豊かな恵み」の黄色、陸羽東線向けのキハ111・112形は「鳴子渓谷の紅葉をイメージした」赤色を配している。先頭車前面左下に両線の愛称にちなみ「奥の細道」の文字が表記されている[12]。なお、塗装については1998年度導入分のキハ111・112-213 - 217については従来のもので登場したのち、1999年度増備車に合わせ変更されている。また、現在では明確な線区の区分は消滅し、両線の共通車となっている。

客室については基本的に従来通りであるが、熱戦吸収ガラスを採用し、カーテンを省略している。また便所はいずれも車いす対応の洋式となり、キハ111形については300番台同様車端部に移設されている。また、側面の行先表示器はキハ111形については省略、キハ112形は車端部に移設されている。

キハ110-243 - 244の3両については「眺望車」とされ、1列側のクロスシートが窓側に45°回転あるいは通路側に180°回転可能となっている。そのためこの3両は定員が112名に減少している。

機器面でも、ワンマン機器がバス用の改良品から鉄道車両用のものとなり、自動放送装置もROM方式からICカード方式となっている。台車は軸ばねをロールゴムから円すいゴムへ変更した、DT58B形・TR242A形に変更されている。

300番台[編集]
特急「秋田リレー号」として運転されるキハ110形300番台
(1997年2月 / 北上駅)

秋田新幹線工事に伴い、田沢湖線が改軌などのため1996年(平成8年)3月30日から翌1997年(平成9年)3月21日までの約1年間全線運休になったため、同線を走る特急たざわ」の代替として北上線経由で運転された特急「秋田リレー号」に使用された。

キハ110形14両(301 - 314)、キハ111・112形2両編成3本(301 - 303)の計20両が製造され、南秋田運転所に配属された。JR東日本の定期運転の列車で初めての気動車特急でもあった。仕様面では当時増備が進んでいた200番台を基本としている。

外観はホワイト系の地色にタークピンクと灰色、ライトパープルで塗装され、前面と側面に先頭車の前面に竿灯をデザインしたイラストと「AKITA」の文字が施されていた。

車内はE217系電車のグリーン車と同様の回転リクライニングシート(950mmピッチ)を採用したが、キハ111形を除き、灰皿をひじ掛けに追加している。デッキ部には自動扉つきの仕切りが設けられており、客室後位側には各車とも荷物置き場を設置している。なお、キハ112形は後位側車端部にも座席を1列設置しているがここについては仕切り扉を設置せず大形のガラス製の仕切りのみとなっている。キハ111と112形後位の貫通引き戸についてはドアクローザーを設置している。室内灯についても蛍光管を2本としてカバーで覆っている。

便所はキハ111形については車端部となり洋式のものが設置されているが、キハ110形については引き続き和式となっている。

秋田新幹線開業後は「信州循環列車」(長野小諸小淵沢松本→長野間に運転された臨時列車)などで運用された後、塗色と内装を他の番台と同様のものに変更し、200番台(キハ110-223 - 236、キハ111・112-210-212)に編入した。改造後はキハ110-223・224が新津運輸区、その他は長野総合車両所に投入されている。また、リクライニングシートは当時増備が進んでいたE217系電車のグリーン車に流用された。

700番台[編集]

キハ110形700番台 TOHOKU EMOTION
(2014年10月12日 / 陸奥白浜駅 - 鮫駅間にて)

八戸線で運転されるジョイフルトレインTOHOKU EMOTION」専用車として、0番台と100番台から2013年9月26日に郡山総合車両センターで改造された。番号の新旧対照は次のとおり[13]

  • キハ111-2→キハ111-701
  • キハ112-2→キクシ112-701[14]
  • キハ110-105→キハ110-701



特別塗装車[編集]

  • 小海線開業80周年記念事業の一環としてキハ110形キハ110-121が首都圏色に塗装変更された[15]。その後キハ111・112-111も国鉄急行色に塗装変更された[16]
  • 八高線全線開通80周年記念事業の一環としてキハ110形キハ111・112-204が、八高線をかつて走ったキハ38系の塗色に2014年10月から変更された[17][18]

車両配置と運用路線[編集]

盛岡支社管内[編集]

仙台支社管内[編集]

新潟支社管内[編集]

長野支社管内[編集]

高崎支社管内[編集]

水郡線からの撤退と他線への転用[編集]

水郡線では、キハ110系が2扉であることが混雑の激しい水戸口での列車遅延の要因となっていた。そのため、2006年(平成18年)から2007年(平成19年)度にかけて3扉の新型車両キハE130系を投入し、同線に在籍するキハ110系全車を他線へ転出させることとした。水郡線でのキハ110系の営業運転は2007年9月12日をもって終了した。

2006年度[編集]

2007年度[編集]

水郡線のキハ110には、2007年8月18日から9月12日の同線撤退までの間、先頭車の前面に「ありがとうキハ110系」の特製ヘッドマークが装着された。

この転配と同時期に小海線キハE200形が導入されたことを受け、2013年2月中旬に小海線営業所所属であったキハ110形のうち3両が小牛田運輸区に転属した。

事故・廃車[編集]

岩泉線押角 - 岩手大川間を走行中の茂市岩泉行きの普通列車に充当されていたキハ110-133が土砂崩れに突っ込み脱線した(岩泉線列車脱線事故)。当該車両は、前面ガラス窓が破損し、11月18日に撤去されるまで4か月間にわたり現場に残されたが、後に復帰している。

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震東日本大震災)に伴う津波では、キハ100-9・12(山田線津軽石駅・1647D・津波により脱線)[21]、キハ100-30・38(大船渡線下船渡駅 - 大船渡駅間・338D・床下浸水で機器損傷)[21]、キハ100-31・41(大船渡線盛駅・333D・床下浸水)[21]が被災した。キハ100-31・41は郡山総合車両センターにて復旧されたが、床上まで浸水した9・12と、被災箇所からの搬出が困難だった30・38は現地で解体となり、本系列初の廃車となっている。

2015年2月11日には山田線松草駅 - 平津戸駅間で、盛岡駅行きの上り最終普通列車に充当されていたキハ110-132が線路上に崩れていた土砂に乗り上げ脱線した(山田線列車脱線事故)。2016年現在、本車は現地に放置されたままである。

沿革[編集]

  • 1990年3月10日 キハ100形量産先行車4両が北上線に、キハ110形量産先行車3両が釜石線急行陸中に投入され、営業運転開始。
  • 1991年3月16日 キハ100形量産車を北上線に、キハ110系0番台量産車を急行陸中に、100番台を磐越東線に投入。
  • 1991年7月 キハ100形を釜石線・山田線(宮古駅 - 釜石駅間)に、キハ110系100番台を小海線に投入。
  • 1991年10月 キハ100形を大船渡線に投入。
  • 1991年11月 キハ110系100番台を磐越西線に投入。
  • 1992年3月14日 キハ110系100番台水郡線に投入。
  • 1993年3月18日 キハ110系200番台を磐越西線・羽越本線八高線に投入。
  • 1993年12月1日 キハ100形200番台を大湊線に、キハ101形を左沢線に、キハ110系200番台を磐越西線・羽越本線に投入。これに伴い、磐越西線に投入された100番台6両が水郡線に転属し水郡線全列車がキハ110系に統一。
  • 1994年9月 キハ111・112形150番台を水郡線に投入。
  • 1994年12月3日 キハ101形を左沢線に投入。左沢線全列車がキハ101形に統一。
  • 1996年3月16日 キハ111・112形200番台を八高線に投入。八高線のうち、非電化区間の全列車をキハ110系に統一。
  • 1996年3月30日 秋田新幹線工事に伴い、特急秋田リレー号用キハ110系300番台を投入。
  • 1997年3月22日 左沢線増発のため、キハ101形を投入。また、特急秋田リレー運行終了。
  • 1997年10月1日 秋田リレー用に使われたキハ110系300番台合計20両を200番台に改造し、磐越西線・羽越本線・飯山線に投入。
  • 1998年12月8日 キハ110系200番台を陸羽東線に投入。
  • 1999年12月4日 キハ110系200番台を陸羽東線・陸羽西線に投入。
  • 2007年3月18日 小海線・水郡線のキハ110系が新型車両投入および予備車見直しに伴い、花輪線・快速南三陸気仙沼線に転属。
  • 2007年7月1日 快速南三陸全列車がキハ110系に統一。これに伴い、快速はまゆり用キハ110系の一部を快速南三陸用に転用。
  • 2007年9月12日 水郡線での使用終了。
  • 2007年10月21日 水郡線新型車両投入により、山田線(盛岡駅 - 宮古駅間)・岩泉線に転属。
  • 2007年11月25日 山田線(盛岡駅 - 宮古駅間)・岩泉線全列車がキハ110系に統一。
  • 2008年11月1日 米坂線で使用開始。
  • 2008年12月 小牛田運輸区所属のキハ110系の方向幕がLEDに改造される。
  • 2009年11月 一ノ関運輸区所属のキハ100形の方向幕がLEDに改造される。
  • 2010年4月 高崎車両センター所属のキハ110系の方向幕が全車、LEDに改造される。
  • 2011年7月16日 運転を再開した仙石線矢本駅 - 石巻駅間で小牛田運輸区所属のキハ110系が使用される[19]
  • 2012年3月17日 仙石線陸前小野駅 - 矢本駅間運転再開に伴い、同区間でも小牛田運輸区所属のキハ110系が使用される。
  • 2012年12月 一ノ関運輸区所属のキハ100形のうち2両が「POKÉMON with YOUトレイン」に改造される。
  • 2014年4月1日 岩泉線の廃止に伴い、岩泉線での使用終了。
  • 2015年4月4日 長野総合車両センター所属のキハ110形のうち2両が「おいこっと」として運用を開始する。
  • 2015年5月30日 仙石線陸前小野駅 - 石巻駅間での小牛田運輸区所属のキハ110系の運用が終了。石巻線石巻駅 - 女川駅間で運用開始し、石巻線・陸羽東線の全列車がキハ110系での運用となる[20]

脚注[編集]

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  1. ^ 在来線[キハ100/キハ110系]”. 東日本旅客鉄道株式会社. 2016年12月3日閲覧。
  2. ^ ちなみに、酷寒地用の北海道旅客鉄道(JR北海道)キハ150形では、直噴エンジン搭載車であるにも関わらず、極寒時対策として機関予熱器を装備している。
  3. ^ キハ100形「POKÈMON With YOU トレイン」が回送される - railf.jp 鉄道ニュース、2012年12月13日(2012年12月30日閲覧)
  4. ^ railf.jp 鉄道ニュース、2012年12月13日(2012年12月30日閲覧)
  5. ^ 東北のこどもたちに笑顔を! 「POKÉMON with YOU トレイン」がデビューします! (PDF) - 東日本旅客鉄道 プレスリリース 2012年10月12日
  6. ^ POKÈMON With YOU トレインが千葉で運転されます! (PDF) JR東日本千葉支社公式ニュースリリース
  7. ^ 山形車両センター内はすべて標準軌のため、狭軌の本車は入線できない。
  8. ^ 飯山線の観光列車"おいこっと"登場。
  9. ^ 飯山線に新しいコンセプトの列車が誕生します。 (PDF)
  10. ^ 飯山線観光列車 おいこっと おいこっとQ&A
  11. ^ 飯山線の観光列車『おいこっと』運行開始…「古民家」風の車両 - レスポンス、2015年4月5日
  12. ^ このほか、ドア横にキハ110は「Mogami-gawa Line」キハ111・112は「Yukemuri Line」のロゴが入っていたが、後に消去されている。
  13. ^ 「JR電車編成表2014冬」ISBN 9784330424132 p.360。
  14. ^ キクシ112-701はディーゼルエンジンを搭載してはいるもののサービス電源用となっており走行用には使用されないためキクシとなっている
  15. ^ キハ110-121が首都圏色に railf.jp 鉄道ニュース、2015年3月7日
  16. ^ 小海線全線開通80周年を記念し、キハ110系車両の塗色を変更します。 (PDF)
  17. ^ 「八高線全線開通80周年記念」イベントの実施について (PDF)
  18. ^ 八高線80周年記念カラーのキハ111・112が甲種回送される
  19. ^ a b 仙石線ではホームの高さの関係から、ステップが閉塞されている。
  20. ^ a b 「2015年5月ダイヤ改正について」 (PDF) (JR東日本仙台支社 2015年2月26日)
  21. ^ a b c 『日本鉄道旅行地図帳 東日本大震災の記録』41ページ

参考文献[編集]

  • 東日本旅客鉄道(株)運輸車両部車両課「キハ110系300番台」 交友社鉄道ファン』1996年4月号 No.420 p.76 - 79
  • 三浦昭司「陸羽東線・陸羽西線用キハ110系」 交友社鉄道ファン』2000年2月号 No.466 p.56 - 57
  • 白土裕之「JR東日本平成18年度車両運用プロジェクト」 交友社『鉄道ファン』2007年4月号 No.552 p.91 - 106(キハ110系に関する項目はp.104 - 106)
  • 『日本鉄道旅行地図帳 東日本大震災の記録』(今尾恵介監修、新潮社ISBN 978-4-10-790047-0

関連項目[編集]

外部リンク[編集]