京阪3000系電車 (2代)
京阪3000系電車(2代) | |
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![]() 正面デザイン変更後(鳩マーク掲出開始後)の京阪3000系3002Fによる特急 (2018年1月1日 西三荘駅) | |
基本情報 | |
運用者 | 京阪電気鉄道 |
製造所 | 川崎重工業兵庫工場 |
製造年 | 2008年 |
製造数 | 6編成48両 |
運用開始 | 2008年10月19日 |
主要諸元 | |
編成 | 8両編成 |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 |
直流1,500V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 110 km/h |
設計最高速度 | 120 km/h [2] |
起動加速度 | 2.8 km/h/s |
減速度(常用) | 4.0 km/h/s |
減速度(非常) | 4.3 km/h/s |
編成定員 | 982人 |
車両定員 | 先頭車113人・中間車126人 |
自重 | 27.0 - 36.5 t |
編成重量 | 249.5 t |
全長 |
先頭車 18,900 mm 中間車 18,700 mm |
全幅 | 2,782 mm |
全高 | 4,138 mm |
車体 | アルミニウム合金 |
台車 |
電動車:川崎重工業KW-77E 軸梁式ダイレクトマウント空気ばね台車 付随車:住友金属工業FS577 モノリンク式ダイレクトマウント空気ばね台車 |
主電動機 |
かご形三相誘導電動機 TDK6151-C |
主電動機出力 | 200 kW |
駆動方式 | TD平行カルダン駆動方式 |
歯車比 | 6.07 |
編成出力 | 2,400 kW |
制御方式 | IGBT素子VVVFインバータ制御 |
制御装置 | ATR-H4200-RG6004A |
制動装置 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ (HRDA-1) |
保安装置 |
K-ATS(出町柳 - 淀間) 京阪型速度照査ATS |
備考 | 軌条塗油装置(曲線検知、シーケンサ制御)・ホーム検知装置・運転状況記憶装置・自動放送装置を搭載 |
京阪3000系電車(けいはん3000けいでんしゃ)は、2008年(平成20年)10月19日に営業運転を開始した京阪電気鉄道の優等列車用の電車である。元来は快速急行用として登場し、後に特急系統にも使用されるようになった。車内には転換クロスシートを備えており、車体の塗装にも独自の紺色が用いられている。2013年(平成25年)に運用を終了した特急専用車3000系(初代)と区別するため「2代目3000系」「新3000系」などとも呼ばれる。愛称はコンフォート・サルーン(COMFORT SALOON)。
目次
投入の経緯[編集]
2008年10月19日の中之島線開業にあわせて、同線に直通する快速急行に使用する車両として[1]、川崎重工業で8両編成6本(48両)が製造された。
2007年(平成19年)4月11日に車両の新造が発表され、2008年4月15日に形式・塗装・車内などの詳細が発表された。同年6月から9月にかけて3001F - 3006Fの6本が落成し[注 1]、中之島線が開業した10月19日に営業運転が開始された。
車両デザインはGKデザイン総研広島が担当した。車両全体のデザインコンセプトは、文化・風情の香りに現代的感覚を融合させた「風流の今様」であるため、先頭車の前面は「花鳥風月」をイメージした円弧状になっている。また、車内にも円弧状のデザインを採り入れている。
車体・機器[編集]
構体は6000系以降の京阪標準の中空大型押出し形材を用いたアルミニウム合金製のダブルスキン構造である、川崎重工業のefACE構体を初めて採用しており、一部においては接合に摩擦攪拌接合を用いている箇所がある。京阪線の両開き扉車としては1650型以来の戸袋窓が本系列で設けられた。
車体塗色は上半分が紺(エレガント・ブルー)、下半分が白(アーバン・ホワイト)、帯が銀(スマート・シルバー)で、水都大阪とともに京ののれんや伝統と格式をイメージさせる紺色に白と銀色を加えることで、都市のきらめきや石庭における川の流れを感じさせるものになった。
種別・行先表示器は京阪の車両で初めてフルカラーLED式が採用された[注 2][注 3]ほか、京阪線系統の車両で唯一シングルアーム式パンタグラフ (PT7163-A) を装備する[注 4]。
冷房装置は能力24.2kW (21,000kcal/h) の集約分散式を屋根上に2基搭載している。
主回路は10000系と同一の東洋電機製造製IGBT素子2レベルVVVFインバータ制御であり、起動加速度も10000系と同一の2.8km/h/sである。8両編成時の電動車 (M) と付随車 (T) の構成(MT比)は3M5Tである。
先頭車には車輪の空転を防ぐ増粘着材噴射装置(アルミ粉末を滑り止めに使っているアルミナが主流の関西私鉄では唯一のセラミック粉末を使ったセラジェット採用事業者[3])・運転状況記録装置・ホーム検知装置が設置されている。
ヘッドライトはもともと全編成でシールドビームであったが、2016年までに全編成とも13000系と同じタイプのLEDに変更された。
2017年には全編成の正面デザインに変更が加えられた。正面貫通扉部分のガラスが下方に拡大され、液晶ディスプレイと装飾灯が新設された。これに伴い正面中央の貫通扉部分にあった車両番号とKEIHANロゴが左右にそれぞれ移設されている。最初に改造が実施された3003Fは同年8月4日から営業運転に入っている[4]。
同年9月15日までに6編成すべての正面デザインの変更が完了したことで翌日の9月16日に貫通扉部分に新設された液晶ディスプレイ及び装飾灯の使用が開始されており、液晶ディスプレイには特急運用時に京阪特急伝統の鳩マークを、快速特急運用時にこれまでの愛称板に代わって「洛楽」の愛称がそれぞれ表示され、装飾灯は快速特急運用時に使用される。
2017年12月頃から種別表示に「快速特急[洛楽]」が「快速特急」とは別に追加され、行先表示も「三条」「出町柳」「淀屋橋」「中之島」についてはそれぞれ「[京都]三条」「[京都]出町柳」「[大阪]淀屋橋」「[大阪]中之島」に変更[注 5]となった[5][6][7][8][9]。

2019年7月21日から8月12日までの期間限定で、液晶ディスプレイの使用時には通常の鳩マークおよび「洛楽」表示に花火のアニメーションが加えられている[11][12]。
内装[編集]
座席は、ラッシュ時の立席スペース確保と閑散時の京阪間直通客を中心とした着席サービスを両立させるために、客用ドア間は横2+1配列転換クロスシート[注 6]、車端部はロングシート、運転席後部は横2+2配列転換クロスシートが採用されている。また、座席の表地には東レ製のスエード調マイクロファイバー素材「エクセーヌ」を鉄道車両として初採用したほか、転換クロスシート部にはタグも設置されている。
横2+1配列の採用により、クロスシート部分においても2+2配列の倍近い916.5mmの通路幅を確保し、立席スペースに余裕を持たせている。立席客のために吊り革も設置されており、座席においても1人あたりの座席幅が450mm(2人掛けクロスシート部分) - 470mm(ロングシート部分)と、従来の車両よりも拡大された。なお、客用ドア付近の吊り革は京阪独自の跳ね上げ式ではなく、他事業者の車両でも見られる一般的なものである。
車内案内表示装置として京阪の車両で初めて液晶ディスプレイ (LCD) を各客用ドア上部に1か所設置された。次駅案内やドアの開閉方向などを知らせるほか、朝日新聞社・共同通信社提供のニュースも流れる。また、扉開閉予告灯も各客用ドアに1か所ずつ設置するほか、非常通報装置を併設した車椅子スペースも設置されている。客用ドアおよび貫通扉部分には、濃い木目調パネルが使われている。車両間の貫通扉はセンサー式の自動ドアで、8000系0番台同様に取っ手を握ると開く仕組みになっている。実際には、取っ手を握る位置に手を置くと、貫通扉柱に埋め込まれた装置から照射される光が遮られるため、機械が反応して扉が開く。
自動音量調整機能つき自動放送装置を搭載しており、特急・快速急行・通勤快急運用においては日本語と英語アナウンスによる情報提供を実施する[注 7]。この放送前には向谷実作曲のジングルが流れる。営業運転開始当初は、すべての自動放送前にジングルが流れたが、2009年以降は始発、終点と昼間の一部と、朝方の始発、終点以外の放送でジングルカットがなされている。
クロスシート部分は扉横の座席を含む全ての座席が転換できる構造となっており、両中間部の乗降口は扉のすぐ近くには仕切り板がある。扉横の座席も足元のスペースを確保する必要があるため、乗降の妨げにならないように戸口付近に立つスペースがない。
天井は難燃基準改正に対応して冷房吹き出し口や蛍光灯カバーの材質が見直され、後者は樹脂に代わってグラスファイバーを採用した。
車内妻面に掲出される車両番号・落成年次・製造メーカー(川崎重工業の英語略称「Kawasaki」)・禁煙ピクトグラム・号車番号表示は、東日本旅客鉄道(JR東日本)209系などと同様に、すべて1枚のシールにまとめている(これは当系列以降の新造車および8000系以降の更新車でも同様である)。
運用[編集]
定期運用[編集]
本系列の導入当初は中之島線中之島 - 出町柳間の快速急行・通勤快急を主体に運用されており、早朝深夜の一部運用では特急・急行・準急・普通運用として天満橋 - 淀屋橋間にも入線していた。
当時の2008年10月19日改定時点のダイヤでは、一部の特急列車[注 8]にも使用されたほか、平日の朝ラッシュ時から昼間時への移行期と夕ラッシュ時に区間急行[注 9]でも運用されていた。
2009年9月12日のダイヤ改定以後は、従来一般3扉車で運転されていた平日夜間の上り特急6本が新たに3000系の運用となった。これに伴い、従来3000系で運転されていた夜間の快速急行6往復12本が一般3扉車の運転に差し替えられ、21時台の快速急行については運転区間を樟葉までに短縮されている[注 10]。なお、下り特急での定期運用は設定されていなかった。また、区間急行は平日朝の2本[注 11]に運用されていた。
2011年5月28日のダイヤ改定からは昼間の快速急行が特急に変更されたため、昼間の特急でも運用されるようになり[13]、以後特急車8000系を補完する役目を担う[14]。また、中之島線への入線は平日ラッシュ時のみになっている[注 12]。また、同改定以後は一部の朝ラッシュ時の特急にも運用されるようになったため、新たに女性専用車両ステッカーが貼られた。
2013年のダイヤ改定後、平日夕方ラッシュ時の中之島線への乗り入れが一旦廃止された。土・休日ダイヤにおいては、下りの快速急行が全て淀屋橋行きとなり、夜間に当系列の運用があった。
2016年3月19日のダイヤ改定で、当系列の通勤快急・快速急行の運用がさらに削減され、土・休日ダイヤにおいては快速急行の運用は完全に廃止された。平日は、通勤快急は1列車のみとなり、快速急行は、夕方の中之島発樟葉行きのみとなった[注 13]。一方で、樟葉発中之島行きの準急で夕方の中之島線乗り入れが再開された[注 14]。また、当系列としては初めて、通勤準急の定期運用が設定された[注 15]。土・休日ダイヤにおいては、もっぱら特急が中心となり、一部[注 16]の急行・準急・区間急行・普通などにおいて運用された。
2017年2月25日のダイヤ改定より、全ての快速特急の運用が、春秋の行楽期の土休日を除いて(臨時の快速特急には本系列が使用される)、8000系から当系列に変更された。2017年8月20日のダイヤ改定では、京阪電気鉄道の列車運行図表によれば、平日の通勤快急・快速急行については、各1本[注 17]のみで運用されている。また、中之島線への入線は、平日朝ラッシュ時の4列車(1列車は回送)のみとなっている[注 18]。平日はこのほか、快速特急・特急[注 19]・急行・準急(4本[注 20])・区間急行(4本[注 21])・普通(2本[注 22])にて運用されている。一方、土・休日ダイヤにおいてはほぼすべてが淀屋橋発着[注 23]で、快速特急・特急[注 24]・急行・準急(1本[注 25])・普通(2本[注 26])において運用されている。
2018年9月15日のダイヤ改定で、土休日のみ快速特急の使用車両が8000系に戻されることになり、本系列は平日ダイヤに限り使われることになった。平日朝については、通勤快急の運用は消滅した一方、快速急行1本[注 27]に運用されることになった。また、平日夕方の快速急行運用が消滅したことにより、2008年の中之島線開業以来続いてきた本系列による中之島発着の優等列車の運用は消滅し、本系列による中之島線直通運用は平日朝と土休日深夜の区間急行と普通のみとなった。同時に快速急行についても寝屋川市発の1本のみとなった[注 28]。
臨時列車等[編集]
臨時運転(主に春や秋に)の特急や快速急行が運転されない正月ダイヤ時の一部特急・急行・準急にも運用されていた。
2008年10月19日の営業運転初日には6本中5本が通常運用として主に快速急行の運用に就いたほか、残りの予備編成1本も中間車(3701)を1両抜いた7両編成で中之島発開業初列車(普通出町柳行き)として使用された[15][注 29]。正月ダイヤでは快速急行は運休し、代わりに特急・急行運用を中心に充当されている。
一般の営業運転の開始前の2008年9月19日には、鉄道友の会京都支部・阪神支部が合同で天満橋 - 寝屋川車両基地間往復の試乗会が開催された。
2009年10月18日には、寝屋川車両基地で開催される「ファミリーレールフェア」に12歳以下の子どもと保護者らを輸送する特別列車(抽選)の「ファミリーレールフェア号」に、3003Fが5両編成に組成されて運用された。なお、会場内には3001Fが展示された。
同年11月14日には、中之島駅でローレル賞の授賞式が行われ、記念電車が「鉄道友の会会員」を乗せ中之島駅 - 寝屋川車庫間で運転された。
同年の京都市美術館(三条駅から地下鉄東西線乗り換え東山駅または神宮丸太町駅が至近)ならびに国立国際美術館(渡辺橋駅が至近)での「ルーヴル美術館展」開催期間中は、1編成の両端車両でそれぞれ異なるデザインの円形ヘッドマークを掲げて運行していた[16](茶色ベースの前者は出町柳寄りの3000形に、緑色ベースの後者は中之島寄りの3050形にそれぞれ掲出)。
2010年(平成22年)7月7日には、交野線私市駅で開催される「ひらかた☆かたの 七夕伝説 『おりひめ』と『ひこぼし』の出逢い」のイベント用臨時列車「おりひめ」として、3001Fが4両編成に短縮されて同線で運用された[17]。
2014年の秋の特別ダイヤでは、京阪電車としては初めてとなる淀屋橋始発の快速急行が、快速特急「洛楽」で穴が開く特急ダイヤに組み込まれる形での運行され[注 30]、ほとんどの運行で当形式が使用されていた。この措置は2015年の春・秋の特別ダイヤでも行われていた。
2016年3月19日のダイヤ改定で、この淀屋橋始発の快速急行が、快速特急ともども定期列車となり、夕方の出町柳発も設定されたが、本系列は当該の快速急行の運用からは外れた[注 31]。
2017年3月18日から4月9日の土休日とゴールデンウィーク期間中には本形式を使用した淀屋橋発出町柳行き臨時快速特急「洛楽」・出町柳発中之島行き臨時特急が運行された[18]。
2017年10月7日から11月26日の土休日にも本系列を使用した淀屋橋発出町柳行き臨時快速特急「洛楽」・出町柳発中之島行き臨時特急が運行された[19]。
2018年1月1日から3日までの正月ダイヤでは、本系列が初めて、8000系とともに快速特急「洛楽」に使用された。
2018年3月31日から5月6日の土休日にも本形式を使用した淀屋橋発出町柳行き臨時快速特急「洛楽」・出町柳発中之島行き臨時特急が運行された[20]。
2018年7月14日から16日の夕方に、淀屋橋発三条行の臨時快速特急「洛楽」が運転されたが、使用車両が従来の8000系から本系列に変更された。
2018年11月3日から25日の土休日に、本系列を利用した淀屋橋発出町柳行き臨時快速特急「洛楽」・寝屋川市発出町柳行き臨時快速急行・出町柳発中之島行き臨時特急が運行された。同年9月15日のダイヤ改正により、本系列が中之島に乗り入れる優等種別の運用はこれに限るようになった。
2019年1月1日から3日までの正月ダイヤでは、前年と同じく8000系とともに快速特急「洛楽」に使用された。
2019年3月30日から4月7日の土休日とゴールデンウィーク期間中に、本系列を利用した淀屋橋発出町柳行き臨時快速特急「洛楽」・寝屋川市発出町柳行き臨時快速急行・出町柳発中之島行き臨時特急が運行された。
組成表[編集]
2009年4月1日現在[21]。
← 出町柳・私市・宇治 淀屋橋・中之島 →
| |||||||||
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形式 | 3000形 | 3500形 | 3600形 | 3700形 | 3150形 | 3550形 | 3750形 | 3050形 | 竣工 |
区分 | Mc | T | T | T | M | T | T | Mc | |
車両番号 | 3001 | 3501 | 3601 | 3701 | 3151 | 3551 | 3751 | 3051 | 2008年6月 |
3002 | 3502 | 3602 | 3702 | 3152 | 3552 | 3752 | 3052 | 2008年7月 | |
3003 | 3503 | 3603 | 3703 | 3153 | 3553 | 3753 | 3053 | 2008年7月 | |
3004 | 3504 | 3604 | 3704 | 3154 | 3554 | 3754 | 3054 | 2008年7月 | |
3005 | 3505 | 3605 | 3705 | 3155 | 3555 | 3755 | 3055 | 2008年8月 | |
3006 | 3506 | 3606 | 3706 | 3156 | 3556 | 3756 | 3056 | 2008年9月 |
登場時、本系列は出町柳方から4両目の中間車を抜いた7両編成、同5両目から7両目までの中間車3両を抜いた5両編成、同4両目から7両目までの中間車4両を抜いた4両編成を組成しての運用が可能[22]であった。交野線・宇治線での試運転などでは、4両や5両に組成されたことがある[注 32]。しかし、2013年から2014年にかけて、3004F・3005F・3006Fについては、出町柳方から3両目と4両目の間、同7両目と8両目の間の連結器を交換する固定編成化工事が行われ[24]、中間車を抜いての運用ができなくなった。
ラッピング[編集]
2013年3月2日から2014年3月23日まで「きかんしゃトーマスとなかまたち」のラッピングが3006Fに実施された[25]。しかし3006Fがラッピング期間中に定期検査を迎え運用を離脱したため、残りの期間は3001Fにラッピングが施されていた。
2016年8月から2017年3月下旬まで、琵琶湖疏水観光キャンペーン「琵琶湖疏水、水と歴史の、みちめぐり。」の一環として、琵琶湖疏水の名所の風景イメージをデザインしたラッピングが3003Fに実施された[26][27]。
プレミアムカーの導入[編集]
2018年7月10日、京阪は8000系に連結しているプレミアムカーを3000系にも展開する調整に入ったと報じられた[28]。2018年11月8日、京阪は3000系へのプレミアムカー導入を正式に発表した[29]。車体は8000系の改造車と同じ1扉車(ただし8000系のものとは異なり両開き扉)であるが、こちらは全て新造される[注 33][29]。
2019年6月14日、2019年度設備投資計画において、3000系のプレミアムカー新造に着工すると発表されている[30]。
受賞[編集]
- 第49回ローレル賞[31](鉄道友の会・2009年6月15日)
- 京阪の車両が鉄道友の会から賞を受けるのは6000系(1984年ローレル賞)以来25年ぶり、2系列目である。西武30000系電車(同車は最終選考で落選)や豊橋鉄道T1000形電車とともに最終選考段階までノミネートされ、受賞した。
- 2009年度グッドデザイン賞[32](日本産業デザイン振興会・2009年10月1日)
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 6月30日付で3001F、7月2日付で3002F、7月16日付で3003F、7月31日付で3004F、8月28日付で3005F、9月16日付で3006Fが落成した[2]。
- ^ 種別表示には他の車両には入っていない「貸切」がある。これは鉄道友の会の試乗会の際に使用された。
- ^ 当初、急行の種別表示の背景色は赤色だったが、2010年11月ごろから他の系列と同様オレンジ色になった。
- ^ LED式行先表示器・シングルアーム式パンタグラフともに、大津線系統ではすでに800系で採用されている。後に2012年に登場した13000系では、廃車発生品を再利用した関係で下枠交差型に戻っている。
- ^ ただし、「[京都]」の部分は大阪府内を走行しているときのみ、「[大阪]」の部分は京都府内を走行しているときのみ表示されるため、京都方面の橋本駅以降と大阪方面の樟葉駅以降は従来と同じ表示になる。
- ^ 同様の座席配列は、JR西日本223系0・2500番台及び同社225系5000・5100番台に見られる。
- ^ 2003年9月6日ダイヤ改正以前は特急で自動放送による情報提供を実施していたが、改正後は停車駅が増加し、8000系に搭載されていた自動放送装置のROM容量が限界に達したため一時使用を停止した。その後、中之島線開業の際に機器を更新したうえで8000系と本系列で再度、自動放送による情報提供を開始した。ただし両系列とも急行以下の種別では他の系列と同様に車掌による肉声アナウンスである。
- ^ 平日ダイヤでは上りの深夜の淀屋橋発出町柳行1本、土・休日ダイヤでは早朝・深夜の淀屋橋発出町柳行にそれぞれ1本。
- ^ 朝ラッシュ時は中之島発萱島行と萱島発中之島行に各1本。このうち萱島発中之島行は回送の折返しである。夕ラッシュ時は萱島発中之島行の1本。
- ^ 差し替えられた本数が合わない理由は、いずれも三条・樟葉→淀屋橋間を回送して送り込まれる列車の運用と差し替えを行ったため。
- ^ 萱島6時20分発の中之島行きと中之島9時42分発の萱島行き。
- ^ このダイヤ改正で、夜間の出町柳発淀屋橋行きの快速急行での運用を開始した。中之島線入線に関しては、平日は、朝は、1本が淀屋橋発着の特急、残りが通勤快急や快速急行で運用されていた。夕方は、1本が淀屋橋発樟葉行きの準急の後、樟葉発中之島行きの準急と中之島発樟葉行きの快速急行に運用され、残りの車両は淀屋橋発着の特急などに運用されていた。土・休日ダイヤにおける、当系列の中之島線入線は、この時点で完全に廃止された。
- ^ 朝の中之島行き・出町柳行き、夜間の淀屋橋行きが消滅した。
- ^ 2016年9月24日の運用変更で中之島線乗り入れは夕方にはなくなり、平日朝の通勤快急中之島行き1本だけとなった。
- ^ 平日ダイヤの枚方市7:03発の中之島行き。
- ^ ほぼ全て淀屋橋発着、一部淀発着。
- ^ 通勤快急は出町柳7:38発の中之島行き、快速急行は淀屋橋17:54発の樟葉行き。
- ^ 通勤快急(出町柳7:38発中之島行き)・区間急行(萱島7:15発中之島行き)・普通(中之島7:46発萱島行き)、回送(中之島発寝屋川信号所行き)。
- ^ 一部は枚方市行き。
- ^ 樟葉発淀屋橋行き1本、淀屋橋発樟葉行き1本、淀発淀屋橋行き1本、出町柳発淀行き1本。
- ^ 萱島発淀屋橋行き3本、淀屋橋発萱島行き1本
- ^ 萱島発淀屋橋行き。
- ^ 一部に、出町柳 - 淀の運行がある。
- ^ 一部は樟葉行き。
- ^ 淀屋橋23:03発樟葉行き。
- ^ 萱島6:13発淀屋橋行きと淀屋橋23:35発萱島行き。
- ^ 寝屋川市6:59発出町柳行き。
- ^ 本系列による京阪間通しの通勤快急・快速急行の運用は消滅した。
- ^ なお、平日ダイヤにおいては昼間運用に充当される5編成の他、夕方に残り1編成が出庫して、20分毎となる中之島 - 出町柳間の快速急行の運用に加わるため予備編成が存在しないことから、本系列の検査時には一般8両編成車が代走する。
- ^ 特別ダイヤでは9 - 11時台の京都方面行きは1時間に快速特急2本、特急4本、快速急行2本、15 - 17時台の大阪方面行きは快速特急2本、特急6本が運行された。
- ^ 当該の快速急行は全て一般車の8両編成・7両編成の運用となり、当系列は、当該時間帯は特急で運用されることとなった(2017年2月25日のダイヤ改定以後は快速特急)。
- ^ 2008年8月6日には、3001Fが4両編成に組み替えられて宇治線で試運転が実施された[23]。
- ^ 当初報じられた時は8000系と同じく、3000系の8両編成中1両をプレミアムカーに改造する予定だった。
出典[編集]
- ^ 福島温也「京阪電気鉄道 現有車両プロフィール 2009」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年8月 249頁
- ^ 「京阪電気鉄道 現有車両車歴表」『鉄道ピクトリアル』第822巻2009年8月臨時増刊号、電気車研究会、 282-283頁。
- ^ セラジェット説明ページ - テス公式HPの使用車種一覧の写真で判別可能である。
- ^ 京阪3000系3003編成に小変化交友社『鉄道ファン』鉄道ニュース 2017年8月5日
- ^ 京阪電気鉄道配布広報誌「K PRESS」2017年9月号 P.16「3000系車両の正面デザインが変わります」
- ^ 京阪電車公式Twitter「沿線おでかけ情報」(2017年8月25日5時24分発信。同年同月26日閲覧)
- ^ 【京阪】3000系 伝統の「鳩マーク」表示開始 - 鉄道ホビダス RMニュース(ネコ・パブリッシング)2017年9月21日
- ^ 京阪3000系,特急で「鳩マーク」の表示を開始 - 交友社「鉄道ファン」railf.jp鉄道ニュース 2017年9月18日
- ^ 京阪3000系,“洛楽”で装飾灯の使用を開始 - 交友社「鉄道ファン」railf.jp鉄道ニュース 2017年9月18日
- ^ 京阪3000系3003編成に小変化 鉄道ニュース - 鉄道ファン・railf.jp 2017年8月5日掲載
- ^ 京阪電車公式Twitter「沿線おでかけ情報」(2019年7月23日18時24分発信。同年同月同日閲覧)
- ^ 京阪電車公式Twitter「沿線おでかけ情報」(2019年7月23日18時57分発信。同年同月同日閲覧)
- ^ 『私鉄車両年鑑2013』、イカロス出版、2013年3月、75頁
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- ^ ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2009』交通新聞社、2009年、118頁。
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- ^ a b 座席指定特別車両「プレミアムカー」に新車両を導入 2020年度、3000系「プレミアムカー」が登場 ~運転本数を拡大し、昼間時の全ての特急列車でご乗車可能に~ 京阪電気鉄道ニュースリリース 2018年11月8日
- ^ [1] 鉄道ファン、2019年6月14日の記事 京阪、2019年度の設備投資計画を発表
- ^ 「2009年度ブルーリボン賞・ローレル賞決定」 (PDF) 鉄道友の会、2009年6月15日
- ^ グッドデザインファインダー
参考文献[編集]
- 京阪電気鉄道(株)鉄道技術部技術課(車両担当)「京阪電気鉄道 3000系」『鉄道ファン』2008年11月号(通巻571号)、交友社、 pp. 65 - 70。
関連項目[編集]
- 国鉄157系電車 - 当初準急用として投入されたものの、特急に充当しても問題のない設備が買われ、冷房化時に定期特急に投入されて事実上の特急形車両となった点が本系列と類似している。
外部リンク[編集]
- 京阪3000系(京阪公式サイト)
- 編集長敬白アーカイブ 京阪新3000系誕生。
- 東レ(株)「スエード調人工皮革“TOREX エクセーヌ”が京阪新型車両のシートに採用」
ウィキメディア・コモンズには、京阪3000系電車 (2代)に関するカテゴリがあります。
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