コンテンツにスキップ

鹿児島市交通局1000形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鹿児島市交通局1000形電車
ユートラム
鹿児島市交通局1000形
基本情報
運用者 鹿児島市交通局
製造所 アルナ工機(1011 - 1013)
アルナ車両(1014 - 1019)
製造年 2001年12月 - 2005年
製造数 9編成
運用開始 2002年1月15日
主要諸元
編成 3車体2台車連接式
軌間 1,435 mm(標準軌
電気方式 直流600V(架空電車線方式
最高運転速度 40 km/h
起動加速度 3.0 km/h/s
減速度(常用) 4.6 km/h/s
減速度(非常) 5.0 km/h/s
車両定員 55人(1次車)、58人(2,3次車)
車両重量 19 t
全長 14,000 mm
車体長 2,630 mm + 7,800 mm + 2,630 mm
全幅 2,450 mm
全高 3,750 mm(パンタグラフ折りたたみ)
屋根高さ 3,200 mm
床面高さ 330 mm(C車)
815 mm(A・B車)
車体 普通鋼
台車 コイルばねボルスタレス/山形緩衝(シェブロン)ゴム
住友金属工業 SS01
車輪径 660 mm
固定軸距 1,600 mm
主電動機 東洋電機製造TDK-6309-A
かご形三相誘導電動機(クリーンストレーナ方式)
主電動機出力 60 kW×2基
駆動方式 WNドライブ
歯車比 85:13 ≒ 6.53
制御方式 2レベルVVVFインバータ制御(IGBT素子
(ベクトル制御)
制御装置 東洋電機製造 RG674-A-M(1C2M制御)
制動装置 回生発電ブレーキ併用電気指令式電気機械ブレーキシステム(電動ばね式ブレーキ・Tread-EBI)、保安ブレーキ
備考 出典[1][2]
第43回(2003年
ローレル賞受賞車両
テンプレートを表示

鹿児島市交通局1000形電車(かごしましこうつうきょく1000がたでんしゃ)は、2002年に営業運転を開始した鹿児島市交通局(鹿児島市電)の路面電車である[3]。愛称はユートラム[3]

概要

[編集]

アルナ工機および同社から事業を継承したアルナ車両の設計・製造による、日本初の国産超低床路面電車である[4]。当形式の増備に伴い500形が一部引退した[5]

車両概説

[編集]

車体

[編集]

アルナ工機で「リトルダンサーA3」と発表されていた形式で、客室車体(C車体)を運転室車体(A・B車体)の間にフローティングした3車体連接構造である[6]。中間部は宙に浮いている[7]台車は車端に寄せられたうえ、運転室車体に固定されており、独自に回転しない固定構造となっている[6]行先表示器はLED式を採用している[3]

車体は連接構造であるが登録上は3車体で1両である[要出典]

車内

[編集]

片持ち式ロングシートとなっており、うち2カ所を折り畳み式座席として車椅子スペースを確保できるようにしている[6]。また、液晶テレビもとりつけられており、広告映像などを放映している[3][注釈 1]

主幹制御器は右手操作式ワンハンドルマスコンである。

機器

[編集]

パンタグラフは、シングルアームが1基搭載されている[8]。制御装置は2140形以来のVVVFインバータ制御となり、素子は従来のGTOサイリスタに代わってIGBTを鹿児島市交通局の車両としては初めて採用した[3]。通常は床下に搭載される制御機器などは、C車体が超低床構造になっていることから、屋根上に搭載されている[3]

歴史

[編集]

2001年12月9日谷山港に1両が到着した[9]。翌2002年1月15日から運行を開始する[3]。2003年には、鉄道友の会ローレル賞を受賞した[5]2004年には定員を1次車の55人から58人に増やした増備車(2次車)の 1014F - 1016F が登場した[7]

3次車の 1017F - 1019F が2005年に登場した[7]。車内混雑への対策のため乗車ドアを1m車体中央に寄せる改良がされている[7][注釈 2]

2007年からは、5車体連接車の7000形電車が登場したため、当形式の投入は終了した。

なお2010年からは、1015に初の全面広告車も登場している。

年表

[編集]

次車ごとの差異

[編集]

2次車では座席配置が1次車とは少し異なりがある[8]ほか、定員が3人増加した[7]。3次車では後部ドアの位置が前寄りに変更された[5]

運用

[編集]

7000形・7500形電車と共に固定運用となっており、各停留所の時刻表に表記されているほか、ホームページでも確認することができる。2014年4月22日に1014がバスと接触・脱線する事故が発生し、修繕のため運用から外れていたが、現在は運用に復帰している。2018年6月26日から7月18日まで100形電車の代走として観光電車の運用に就いた[11]

愛称

[編集]

愛称のユートラムは、優トラム・悠トラム・遊トラム・友トラム・YOUトラムからとったものであり、一般公募で選出されたものである。

1011(1次車) 車内(1次車) 1017(3次車)
1011(1次車)
車内(1次車)
1017(3次車)

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. 営業開始当時は市電が走る鹿児島市内の写真が放映されていた。
  2. 1000形の乗降口は車体の端にそれぞれ位置しているという構造から、特に乗車口に関して混み合っているとき乗りにくく、利用客から改善を求められていた。

出典

[編集]
  1. 交友社『鉄道ファン』2002年3月号CAR INFO「鹿児島市交通局1000形」pp.58 - 61。
  2. 日本鉄道技術協会『JREA』2003年12月号「鹿児島市交通局の超低床電車ユートラム」pp.27 - 30。
  3. 1 2 3 4 5 6 7 『鉄道ジャーナル2002年4月号』 105頁
  4. 『鉄道ジャーナル2002年4月号』 103頁
  5. 1 2 3 『鹿児島市電が走る街 今昔』JTBパプリッシング、2007年、145頁。
  6. 1 2 3 『鉄道ジャーナル2002年4月号』 104頁
  7. 1 2 3 4 5 寺田 2023, p. 110.
  8. 1 2 『鹿児島市電が走る街 今昔』JTBパプリッシング、2007年、146頁。
  9. 「「超低床」電車谷山港に到着」 南日本新聞 2001年12月9日 1面(朝刊)
  10. 1 2 3 『鹿児島市電が走る街 今昔』JTBパプリッシング、2007年、142頁。
  11. 鹿児島市交通局、1000形が観光列車を代走 - 鉄道ファン・railf.jp、2018年7月15日

参考文献

[編集]
  •  市田利廣(鹿児島市交通局電車事業課車両係長); 田島辰哉(アルナ工機株式会社車両事業部尼崎工場設計課長) (2002-04-01). “国産初の超低床路面電車 鹿児島市交通局1000形”. 鉄道ジャーナル2002年4月号 (鉄道ジャーナル社) 36 (4). 
  •  寺田裕一「路面電車40年の軌跡を訪ねて 鹿児島市交通局2」『鉄道ファン (雑誌)』第63巻第7号、交友社、2023年、110頁。 
  • 『鹿児島市電が走る街 今昔』JTBパプリッシング、2007年、142,145 - 146頁。 

外部リンク

[編集]