京阪9000系電車

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京阪9000系電車
新塗色の9002編成(2010年5月2日、西三荘駅)
新塗色の9002編成(2010年5月2日、西三荘駅)
編成 8両編成3本 7両編成2本 休車2両(40両)
営業最高速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.8 km/h/s
減速度 4.0 km/h/s(常用最大)
4.3 km/h/s(非常)
編成定員 994人(セミクロスシート車)
車両定員 先頭車119人・中間車126人(セミクロスシート車)
全長 先頭車18,900mm/中間車18,700 mm
全幅 2,780 mm
全高 4,185 mm
車体長 先頭車18,400mm/中間車18,200 mm
車体幅 2,780 mm
車体高 パンタグラフ搭載車4,185mm/その他の車両4,086 mm
編成質量 221.0t 空車状態
車両質量 23.5 - 32.0t
軌間 1,435(標準軌) mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
編成出力 3,200kW
主電動機 東洋電機製造製TDK-6151-A形かご形三相誘導電動機
主電動機出力 200kW
歯車比 85:14 (6.07)
駆動装置 TD継手平行カルダン駆動
制御装置 東洋電機製造製ATR-H4200-RG622B形
GTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御装置
台車 電動車:川崎重工業KW-77C 軸梁式ダイレクトマウント空気ばね台車
付随車:住友金属工業FS517C SUミンデン式ダイレクトマウント空気ばね台車 
制動方式 電力回生ブレーキ優先電気指令式空気ブレーキ (HRDA-1)
保安装置 京阪形速度照査付点制御自動列車停止装置
製造メーカー 川崎重工業
備考 製造時期:1996年12月 - 1997年5月頃
ロングシート車は定員などが異なる。

京阪9000系電車(けいはん9000けいでんしゃ)は、1997年平成9年)に登場した京阪電気鉄道通勤形電車

製造当初は、車内の座席配置がセミクロスシートで、車体の塗装には独自のラインが入り、運用も他系列とは区分されていた。2002年から2010年にかけて[1]車内の座席はロングシートに改造されており、2008年から導入された同社の新塗装では、他の通勤形車両と同じ塗装となっている。

投入の経緯[編集]

ラッシュ時特急枚方市駅停車に伴う混雑の緩和[2]および輸送力増強、さらには遠距離通勤者に対する着席サービスの提供を目的として1997年に8両編成5本(40両)が新製された[3]。ラッシュ時の特急(臨時運用を含む)と通勤形が使用される急行から普通までの運用の双方に使用できる汎用形(近郊形の一種ともいえる)として、側扉は片側3か所、車内の座席配置はセミクロスシートで製造された。

車体・機器[編集]

車体や電装品は7200系をベースとしている。車体はアルミ製[4]で、前面デザインも7200系をベースとしている[5]が、7200系と比べると、車端部側の扉が100ミリメートルずつ端に寄っており[6]、窓の寸法も異なっている。また、編成の構成も異なっており[7]、簡易運転台の数[8]、一部電装品が異なる。

カラーリングは通勤形をベースとしているが、本系列は「特急兼用車」という位置付けであり、在来の通勤形車両と区別するために、緑2色の境目にパステルブルーのラインが入った。

制御装置はVVVFインバータ制御である[9]台車は、電動車が軸梁式のKW77C、付随車がFS517Cである[10]

製造当初の内装[編集]

座席の配置は、車体中央を境として集団離反向き[11]の固定クロスシートを設置したうえで、ドア付近の一部はロングシートを配置した、セミクロスシート[12]とされた。クロスシートの座席は、ノルウェーエクネス社製が採用された。中央扉の両脇と各車両に設けられた車椅子スペースの横には補助椅子も設置された[13]。なお、ロングシートとクロスシートとの境目にスリガラスのようなものを用いたスクリーンが設けられていたが、これは窓側クロスシートの乗客とロングシートの乗客の視線が合わないようにしていたためである。

また、登場当初は、車内ドア上部に、7200系と同様に、蛍光表示管に文字を表示させてその下部に停車駅をLED式ランプで点灯させる路線図式の案内表示器が設置されていた。しかし、この表示器は、機器の老朽化に加えて中之島線への対応が煩雑になることから、2005年3月の9005Fを皮切りとして2007年9月まで[14]に、列車種別・行先、次の停車駅、京阪電鉄からのお知らせなどを表示するLED式の表示器に交換されている。なお、2003年9月以降、9000系は昼間時に特急運用に充当されたため、2008年10月15日まで車内広告はジャック広告が採用されていた(現在は、3000系(2代) の車内広告がジャック広告となっている)。

通勤型車両への改造[編集]

本系列の特徴であったクロスシートは8000系と違い転換式ではなく居住性に問題があったこと(特に京阪間の直通客には不評であった)、またラッシュ時の乗降に支障が出て遅延が発生するなどの問題が生じたことから、まず、2002年[15]に9005Fの中間車両のうち付随車4両が試験的に10000系タイプのオールロングシートに改造された。改造に際しては、車椅子スペースの補助席も撤去されている。また、同時に転落防止幌も設置されている。

2008年10月19日の中之島線開業に伴ってセミクロスシートを設置した3000系(2代) が投入され[16]、本系列は、同年4月15日に発表された車両塗色の変更についての資料において、座席がすべてロングシート化される関係で他の3扉・ロングシートの一般車両と同じ塗色となることが発表された[17][18]。まず、一部の車両のみロングシート化されていた9005Fが、2008年12月5日に塗色変更のうえ全座席がバケット型ロングシートに改造され、以後、2009年3月19日に9001F、同年7月23日に9002F、9月10日に9004F、2010年1月21日に9003Fがそれぞれ改造と塗色変更を実施され、完全な通勤形車両となった[19]。なお、改造の際に撤去されたクロスシートは寝屋川車庫で開催される「ファミリーレールフェア」で一般向けに販売されたほか、伊賀鉄道200系電車(元東京急行電鉄1000系)の座席にも転用された[20]。また、改造の際に、パワーウィンドウ、ドアカットスイッチが撤去された。用途のなくなった、仕切り用のスクリーンも取り外されている。改造2本目の9001F以降は、ドアカットを表す表示器(各車両中央扉脇)の撤去も行われている。

9003Fは2014年1月の検査の際、座席の柄が13000系と同様のタイプのものに張り替えられている。しかし、バケットの形状は変更されていない。 また、9004Fも2015年の検査の際に9003Fの座席と同様の改造がなされた。

2015年には全編成で前照灯がLED式のものに交換された。

組成変更[編集]

2015年3月に9001Fが[21]、4月に9002Fが、中間車の9600形を抜かれて本系列初の7両編成となった。この際、9100形が電装解除されたうえで9700形に改番され、抜かれた9600形は寝屋川車庫で休車となっている。組成変更後は7200系の7両編成と同様の3M4Tとなっている(以下のとおり)。

  • 9001-9501-9701+9151-9551-9651-9051
  • 9002-9502-9702+9152-9552-9652-9052

運用の変遷[編集]

1997年3月22日のダイヤ改定では、朝ラッシュ時の枚方市停車の淀屋橋行特急に集中運用され、昼間時でも急行などとして幅広く運用されていた。供用開始当初は、枚方市駅停車の淀屋橋行き特急以外の特急として充当される際は各車両の中央扉のみドアカットを行い、2扉車として運用していた。

1999年から2003年まで、淀屋橋 - 淀間で運行されていた京都競馬場観戦客向け臨時列車「淀快速ターフィー号[22]に充当されたこともある。また2003年までの正月ダイヤでは8000系がフル稼働となったために代用特急での運用もあった。

2003年9月6日のダイヤ改定で昼間時の特急が10分毎に増発され、停車駅に枚方市と樟葉が追加された。それに伴い8000系および旧3000系では昼間時の特急の全運用を賄いきれないこととラッシュ時と昼間時の列車の移り変わりの運用の関係から平日朝ラッシュ時は主にK特急で運用され、昼間は主に特急として運用されていた。日中の特急のうち3本に1本の割合で本系列での運用が割り当てられ、その他の時間帯は淀屋橋 - 出町柳間運転の急行を中心に運用され、準急や普通の運用に就くものもあった。なお、特急のドアカットの取り扱いは中止され、常時3扉の状態で運用されることとなった[23]。同時に座席モケットの更新も実施され、従来とは違うバケットタイプのものに変更された。

2006年4月16日改定時点では5本中4本がラッシュ時の下りK特急に運用されていたが、当時は全編成セミクロスシート車であるため、出町柳を7:00 - 7:30の間に発車する最混雑時間帯の下りK特急3本はロングシート車が、その直前および直後を走る3扉のK特急4本に9000系が充当される運用であった。また、残りの1本も予備車の活用スジとして、寝屋川車庫から普通として出庫し、淀屋橋 - 出町柳間を上り急行→下り特急と1往復した後に再び車庫に戻る運用に就いている。その後、4本が日中の特急運用のほか、車両運用の都合上枚方市 - 淀屋橋間の急行1往復にも充当されるなど、ほぼフル稼働で運用されているので実質的に予備車が存在しなかった。そのため、検査や部品交換の時期になると6000系や7200系(8両編成のみ)による代走が特定の特急に対して行われていた。

2008年10月19日改定以降、全線通しの特急運用は朝と夕方以降のみに縮小され、朝の時間帯は主に3扉車特急・快速急行系優等種別運用の8両編成グループの一員に組み込まれることとなった。また、ロングシート化工事の進展に伴い2009年9月12日改定以降は本系列の限定運用が解除され、6000系・7200系の8両編成との完全な共通運用が組まれることとなった。このため、平日昼間[24]および土曜・休日ダイヤの大半の時間帯には樟葉以東ではあまり運用されなくなっている(3000系の入場時の特急への代走による充当程度)。 9001F・9002Fは、前述のとおり7両編成化されたことに伴い、特急、快速急行、通勤快急運用に就くことはなくなっているが、8両編成時代は比較的少なかった準急、普通運用に入ることが増え、京都口に入線することも増えている。

中之島線開業初日には初の特急枚方市行きに9001F、深夜急行に9002Fが充当された。

車体装飾[編集]

9004「新選組!」ラッピング車両

9004Fは、2004年に放映されたNHK大河ドラマ新選組!』のラッピングを施し、同年3月から12月まで運行された。

脚注[編集]

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  1. ^ 出典:「鉄道ピクトリアル」2009年8月増刊号・関西の鉄道№58「京阪電気鉄道特集号」より補足
  2. ^ 福島温也「京阪電気鉄道 現有車両プロフィール 2009」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年 265頁
  3. ^ 最初の編成は1996年12月の時点で寝屋川車両工場に搬入されていた
  4. ^ 福島温也「京阪電気鉄道 現有車両プロフィール 2009」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年 265頁
  5. ^ 『私鉄車両年鑑2013』、イカロス出版、2013年 82頁
  6. ^ 福島温也「京阪電気鉄道 現有車両プロフィール 2009」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年 265頁
  7. ^ 7200系の4両+3両+1両の組成ではなく、6000系・8000系同様に4両+4両の組成である。
  8. ^ 7200系が8両編成で3か所に対し、9000系は2か所である。
  9. ^ 福島温也「京阪電気鉄道 現有車両プロフィール 2009」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年 265頁
  10. ^ 福島温也「京阪電気鉄道 現有車両プロフィール 2009」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年 266頁
  11. ^ 『私鉄車両年鑑2013』、イカロス出版、2013年 82頁
  12. ^ 京津線用の800系も先頭車に同様の座席を採用している。その後老朽化が目立ったモケットを更新している。
  13. ^ 福島温也「京阪電気鉄道 現有車両プロフィール 2009」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年 266頁
  14. ^ 「京阪電気鉄道 現有車両車歴表」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年8月 288 - 289頁
  15. ^ 福島温也「京阪電気鉄道 現有車両プロフィール 2009」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年 266頁
  16. ^ ただし、3000系(2代)は2+1レイアウトの転換クロスシートで、車端部はロングシートである。
  17. ^ 本系列は変更前3色塗色なので、変更の際は塗色部分が入れ替わった。
  18. ^ 出典:「鉄道ジャーナル」2008年9月号
  19. ^ 出典:「鉄道ピクトリアル」2009年8月増刊号・関西の鉄道№58「京阪電気鉄道特集号」より補足
  20. ^ 出典:「とれいん」2010年1月号P17の記事より
  21. ^ 京阪9000系9001編成が7連化される 交友社(railf.jp)
  22. ^ 停車駅は北浜・天満橋・京橋・守口市。なお、2000年10月運転までは守口市を通過していた。
  23. ^ ドアカット終了後もクロスシート車にはドアカットスイッチやドアカットを表す表示器(各車両中央扉脇)は残っていた。
  24. ^ 2011年5月28日のダイヤ改正まで存在した淀屋橋 - 枚方市間の区間運転の特急など。

外部リンク[編集]