神戸市交通局1000形電車 (鉄道)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
神戸市営地下鉄1000形電車
神戸市交通局1000形電車第17編成(2005年11月、名谷駅)
神戸市交通局1000形電車第17編成(2005年11月、名谷駅
基本情報
運用者 神戸市交通局
製造所 川崎重工業
製造年 1976年 - 1989年
製造数 18編成108両
運用開始 1977年3月13日
投入先 西神・山手線
主要諸元
編成 6両編成[2]
軌間 1,435 mm
電気方式 架空単線式直流1,500V
最高運転速度 90 km/h
設計最高速度 100 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 872名
編成重量 188.0 t
全長 19,000 mm
全幅 2,790 mm
全高 4,010 mm
車体 アルミニウム合金
台車 S型ミンデン式ダイレクトマウント空気ばね台車
FS393
主電動機 直流直巻電動機(登場当初)
かご形三相誘導電動機
主電動機出力 130 kW / 基
駆動方式 WN駆動方式[3]
歯車比 98:15[3]
制御方式 電機子チョッパ制御(登場当初)
GTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御(1101~1107F)
2レベルIGBT素子VVVFインバータ制御(1108F以降)
いずれも日立製作所
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ(補足ブレーキ付)
抑速ブレーキ
保安装置 自動列車制御装置 (CS-ATC)
自動列車運転装置 (ATO)
備考 車内信号は0、15、25、45、60、75、90km/hで設定
Wikipedia laurier W.png
第18回(1978年
ローレル賞受賞車両

カテゴリ / テンプレート

テンプレートを表示

神戸市交通局1000形電車(こうべしこうつうきょく1000がたでんしゃ)は、1976年(昭和51年)に神戸市営地下鉄西神・山手線用として登場した神戸市交通局通勤形電車である。1977年(昭和52年)から営業運転を開始した。2018年から2023年までに全車廃車が計画されている。

車両概要[編集]

1000形の運転台

アルミ製全長19メートルの車両で、片側に3つの客用扉を持つ。窓配置は扉間に3枚、車端部に1枚(先頭車の最前部はなし)である。内装も、よろい戸式日除けやカバー付照明、木目柄の化粧板(阪急と柄は異なる)など、関西色が強い。当初から冷房装置を搭載して落成されており、これは同年登場の名古屋市営地下鉄3000形と並んで、日本の地下鉄車両では初めての事例である。

現在は6両編成を組成し、編成中の電動車 (M) と付随車 (T) の構成は(MT比)4M2Tで、パンタグラフは下枠交差式を2、5両目に2基ずつ計4基搭載する。空気圧縮機は両先頭車に、制御装置は2、5両目に搭載する。落成当時は全編成が1C8M(1つの制御器で2両分8台のモーターを制御)自動可変界磁式電機子チョッパ制御(1,500V、1,400A、2100kW、合成周波数350Hz)であった。主電動機の出力は130kW(電圧375V、電流385A、85%界磁時定格回転数2,050rpm、最弱め界磁率50%)である。定格速度は35km/hである。回生ブレーキ抑速ブレーキにも対応している。回生ブレーキは55%界磁から使用する。

前面は微妙に湾曲しているものの切妻に近いが、天井近くまである大きな窓と縦方向に丸型の前照灯尾灯を配しており、他に類を見ない独特の形態となっている。貫通路は2-3両目、4-5両目の間のみ扉付きの狭幅で、3-4両目は扉なしの狭幅、他は扉なしの広幅という特殊な形態となっているが、これは検査時に2両ごとに分割する必要性から来ている。

外部塗色は神戸市電にちなみ、上半分を淡いグリーン、下半分を濃いグリーンとされた。また、窓上にも細い濃緑帯が巻かれるが、これは乗務員扉後部で窓下まで降りてくる。帯部分には1両あたり2箇所(先頭車は前面を含め3箇所)にシンボルマークであるUラインマークが描かれているため、該当部分では帯が途切れる[4]

個別分類[編集]

1次車[編集]

神戸市営地下鉄の開通に備えて製造された4両編成で、1101F~1106F(F=Formation=編成の頭文字。第1~6編成のことを表す。以後も同様)がこれに該当する。方向幕は当初前面のみであったが、2次車の導入後に側面にも取り付けられた。

2次車[編集]

状況に合わせて数回に分けて製造され、製造両数が最も多いグループである。

まずは輸送力増強のために4両編成である1107Fと1108Fが製造された。

続いて5両編成化に伴い本系列で初の付随車が製造された。その後、大倉山延伸に伴う車両増のために製造された1109F~1111Fは製造時から5両編成で落成した。このときの増備車では扉の引き込まれ事故による怪我を軽減するため、戸袋部の隙間がさらに拡大されている。

そのあと新神戸および学園都市延伸に伴い、1112F~1115Fが追加製造された。

1次車の相違点は当初から側面に方向幕が設置されているほか、ホームからの扉の引き込まれ事故による怪我対策のため、車外の戸袋部の隙間が拡大されている点である。現在は1次車にも側面方向幕が追加されているため、車外の戸袋部の隙間にグレーのゴムが設けられているところが識別点である。

3次車[編集]

クーラーが変更された1118F

西神中央までの延伸による車両増のために製造されたグループで、1116F~1118Fがこれに該当する。

2次車までとは大きく異なっており、外見では冷房装置は中型3台から大型2台(その後の2000形などと同等のもの)へ変更されたほか、客用扉の窓の下にあるステンレスのラインがなくなっている。その他、前面外部にもステップが追加された。内装面では妻面の貫通扉の窓が拡大されたこと以外は2次車以前とほとんど変わっていないが、天井を見ると風洞形状が大きく異なっており、扉付近には補助送風機であるラインデリアが設置されている。また、先頭車では運転台の仕様が変わり、助士席(車掌台)側の仕切り部に窓が設置された[5]。そのあと1989年に6連化に伴い1400形が製造された。1416~1418はすでに製造された3次車編成と同一であるが、2次車以前の編成に組み込むために製造された1401~1415では編成美を統一させるため客用ドアの窓の下に再びステンレスのラインが入っている。ただし、既存の2次車以前とは異なり室内側にはステンレスのラインがない。また、2次車以前の編成は6連化を機に妻面貫通扉が2000形と同一のものに交換され、当該編成に組み込まれる1401~1415の妻面貫通扉は製造時からその仕様になっている[6]。これによって、本系列の製造は終了された。

リニューアル[編集]

改造準備を受ける第10編成

1997年平成9年)から、製造元の川崎重工業で毎年1編成ずつリニューアル改造が施工されており、この際に制御方式は3000形と同一のGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御に変更された。また座席化粧板も同時に交換されたほか、座席端部のパイプ形状も一部に変更がある。その後、座席はリニューアルと関係なく交換されるようになった。また、ドアエンジンは当初は空気式であったが、後に順次電気式に改造され、最終的にはリニューアル車の1103Fと非リニューアル車の1114Fが空気式で残されていたが、2004年頃に1114Fが電気式に改造され、そのあと1103Fも電気式に改造された。これによって西神・山手線の車両はすべて電気式のドアエンジンとなった。

リニューアル車は1000-01形に形式変更されているが、これは書類上のことであり、通常は区別なく1000形と呼ばれている。車体に取り付けられている車両番号プレート類も変更は無い。

基本的に編成番号が若い順(古い順)にリニューアルされているが、2000年(平成12年)に実施予定だった1104Fは当時国民年金40周年記念のPRラッピング車に指定されていたため、順番が1106Fと入れ替えられ、同編成のリニューアルは2002年(平成14年)に施工され、同時にラッピングも解除されている。同編成のラッピングは2001年(平成13年)以降は41年目になるため、「40周年」の文字は消されていた。

  • 1108Fでは電機子チョッパ装置から交換されるVVVFインバータの使用素子がIGBTに変更され[7]、形式も1000-02形となった。以後1109F以降も同じメニューで施工され2012年の1117F(1118Fは2011年に竣工済み)を以って全編成リニューアル工事終了となった。
  • 2006年(平成18年)は川崎重工のラインに余裕があったことから、10月に1111F、12月に1110Fと2編成同時更新となった。

営業区間[編集]

西神・山手線
新神戸駅 - 西神中央駅
北神急行電鉄北神線
谷上駅 - 新神戸駅

通常は通し運転される。他形式と共通運用。

歴史[編集]

1977年の開業当初は現行の両端4両にあたる全電動車の4両編成で登場した。1983年(昭和58年)の延伸時に乗客増加を見越して1300形付随車を増結し5両編成となる。さらに、1985年(昭和60年)に西区の市街地まで延伸されたことやユニバーシアードの開催等で多客時の積み残し客(特に妙法寺駅)が恒常的に発生したことから、1989年(平成元年)に1400形付随車を増結し、現行のMT比4M2Tの6両編成となった。全編成ともさらに電動車2両を追加しての8両編成化(MT比6M2T)が無改造で可能となっている。

30周年記念式典列車
ラストランのヘッドマークを付けた1101F

その他[編集]

  • 鉄道友の会の1978年度ローレル賞を受賞している。
  • 1977年12月に日本の地下鉄開通50周年を記念して郵政省が発行した記念切手には、当形式と東京地下鉄道(→帝都高速度交通営団→現・東京地下鉄1000形が採用された。これは、東京地下鉄道1000形が日本初の地下鉄車両であり、当形式が当時日本最新鋭の地下鉄車両であったためである。
  • 1次車は1976年に竣工して以来40年以上経過しており老朽化が著しく、またホームドアの設置が決定したため、2018年度より新型車両を投入して置き換えることが決定した。

編成表[編集]

4号車・1400形は女性専用車両。

 
谷上
運用開始 現3号車
増結
現4号車
増結
リニューアル 廃車
号車 1 2 3 4 5 6
形式 Mc2 M1 T T' M1' Mc2'
編成
番号
1 1101 1201 1301 1401 1501 1601 1976年 1983年 1989年 1997年 2018年
2 1102 1202 1302 1402 1502 1602 1998年
3 1103 1203 1303 1403 1503 1603 1999年
4 1104 1204 1304 1404 1504 1604 2002年
5 1105 1205 1305 1405 1505 1605 2001年
6 1106 1206 1306 1406 1506 1606 2000年
7 1107 1207 1307 1407 1507 1607 1981年 2003年
8 1108 1208 1308 1408 1508 1608 2004年
9 1109 1209 1309 1409 1509 1609 1983年 当初より 2005年
10 1110 1210 1310 1410 1510 1610 2006年
11 1111 1211 1311 1411 1511 1611
12 1112 1212 1312 1412 1512 1612 1985年 2009年
13 1113 1213 1313 1413 1513 1613 2007年
14 1114 1214 1314 1414 1514 1614 2008年
15 1115 1215 1315 1415 1515 1615 1990年 2010年
16 1116 1216 1316 1416 1516 1616 1987年
17 1117 1217 1317 1417 1517 1617 2012年
18 1118 1218 1318 1418 1518 1618 2011年

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 『私鉄電車ガイドブック7』242頁
  2. ^ 登場時は4両編成[1]
  3. ^ a b 『私鉄電車ガイドブック7』276-277頁
  4. ^ この位置にUラインマークが入ったのは後年のことで、当初はUラインマークはどこにも入っていなかったうえ、Uラインマークが入った当初は、先頭車前面に向かって左側の妻面窓上部にあった。
  5. ^ 運転中は先頭車の仕切り窓は遮光幕で塞がれる。
  6. ^ 3次車と2000形の妻面貫通扉の相違点は、2000形のほうが窓の幅が広くなっている。
  7. ^ 磁励音名鉄4000系電車や、同じ日立製の機器を搭載する東武50000系電車に類似する。

参考文献[編集]

  • 電気学会『チョッパ制御ハンドブック(第2版)』1980年1月15日発行
  • 東京工業大学鉄道研究部 『私鉄電車ガイドブック 7 南海・泉北・神鉄・神戸市』 誠文堂新光社、1978年

外部リンク[編集]

  • 1000形車両”. 神戸市交通局. 2015年3月21日閲覧。