仙台市交通局1000系電車
仙台市地下鉄1000系電車 | |
---|---|
![]() | |
基本情報 | |
運用者 | 仙台市交通局 |
製造所 | 川崎重工業 |
製造年 | 1985年 - 1996年 |
製造数 | 21編成84両 |
運用開始 | 1987年7月15日 |
投入先 | 南北線 |
主要諸元 | |
編成 | 4両編成(2M2T) |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 直流1,500V 架空電車線方式 |
最高運転速度 | 75 km/h |
起動加速度 |
3.0 km/h/s(1000系) 3.5 km/h/s(1000N系) |
減速度(常用) | 3.7 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
編成定員 | 576 |
車両定員 |
先頭車144(座席58)人 中間車144(座席58または54) |
自重 |
先頭車 27.0 t 中間車 37.0 t |
編成重量 | 128.0 t |
全長 |
20,000 mm 21,750 mm(先頭車) |
車体幅 | 2,890 mm |
全高 | 4,040 mm |
台車 |
ボルスタレス台車・緩衝ゴム式 先頭車SS-005形 中間車SS-105形 |
主電動機 |
直流直巻電動機(1000系) かご形三相誘導電動機(1000N系) |
主電動機出力 | 160 kW |
駆動方式 | 歯車形軸継手式平行カルダン駆動 |
歯車比 | 15:86 (5.73) |
制御方式 |
電機子チョッパ制御(1000系) IGBT素子VVVFインバータ制御(1000N系) |
制動装置 | 電気指令式ブレーキ(HRDA-1)、応荷重付,遅れ込め制御付,保安ブレーキ付 |
保安装置 | 車内信号閉塞式/列車無線/対列車画像伝送装置/ATC(自動列車制御装置)/ATO(自動列車運転装置) |
備考 |
更新車は1000N系に改称 冷房(1000系:無/1000N系・有) 右運転台車 |
仙台市交通局1000系電車(せんだいしこうつうきょく1000けいでんしゃ)は、仙台市交通局が仙台市地下鉄南北線用に導入した通勤形電車。
概要[編集]
量産先行車は1985年(昭和60年)に落成し、翌々年の1987年(昭和62年)の南北線開業時から運用されている。開業時までに、4両編成19本(76両)が製造された。1992年(平成4年)の泉中央延伸時に4両編成1本、1996年(平成8年)には輸送力増強を目的としてさらに4両編成1本が増備され、2018年(平成30年)4月現在4両編成21本(84両)が在籍する。車両形式は1100形・1200形・1300形・1600形となっており、1400形・1500形は6両編成化用に欠番となっている。
← 富沢 泉中央 →
| ||||
形式 | 1100形 | 1200形 | 1300形 | 1600形 |
---|---|---|---|---|
車両番号 | 1101 : 1121 |
1201 : 1221 |
1301 : 1321 |
1601 : 1621 |
仕様[編集]
本項では登場当初の仕様について記す。
車体は20m級片側4扉のアルミ合金製で、全体はエンゼルホワイトに塗装されており、側面にライトグリーン・エメラルドグリーンの2色帯が入っている。先頭車は中間車と同じ定員を確保したため、全長は中間車よりも長い22mとなっている[1]。車体幅は2900mmと地下鉄車両としては異例の広幅を採用した。これは将来的なクロスシートの改造工事を考慮したものである[2]。台車は外付けディスクブレーキ台車を装着しており、日本の地下鉄車両では唯一の採用例である。
乗降ドアの窓は楕円形という通勤型電車としては非常に珍しいものであり、この意匠は東西線2000系にも受け継がれた。
南北線では泉中央駅を除いて各駅のプラットホームは列車の進行方向に対して必ず右側になり、ワンマン運転が前提であるため運転士がプラットホームの状況を確認する必要があることから、運転席は進行方向に対して右側に設置された。これに伴い東北地方の鉄道車両では初となる右手式のワンハンドルマスコンが採用された。制御方式は電機子チョッパ制御を採用し、日本の鉄道車両としてはATOによるファジィ制御を初めて採用した[3]。
座席は6人がけのロングシートだが奥行きがあってやわらかく、ソファーの様な座り心地であるという。しかし1121編成は車内設備が他の編成と異なり、こちらはバケットシートで座り心地は硬めである[4]。また袖仕切には風防が設置されている。連結面は広幅の貫通路となっており、2・3号車のみ仕切り扉が設置されている。
集電装置は1200形に菱形パンタグラフ2基を搭載した。
更新・改造工事[編集]
2004年(平成16年)度より更新工事が始まり、未更新編成は2013年6月28日の運行が最後となった[5]。更新工事が施工された車両は、系列名称が1000系から1000N系に変更されている[6]。
更新工事の内容は以下の通り[7]。
- 客用ドア上部へのLEDスクロール式車内案内表示器の設置。ただし車両番号の末尾が01の編成のみ、LEDマップ式表示器・LEDスクロール式表示器が混在。新造当初から設置されている第21編成(最終増備車)とは設置場所が異なる。
- 車椅子スペースの設置。
- 冷房装置の新設。
- 行先表示器のLED化。
- 制御装置をVVVFインバータへ換装。
- ベンチレーターの撤去(車両番号の末尾が01、07、09の編成は未施工)。
- 仕切扉の増設(車両番号の末尾が06、19の編成のみ)。
- ワイパーを空気式から電動式へ換装。
- 車上検査機能付モニタ装置の設置。
以下は更新工事時期とは直接関係のないものである。
- ドア付近のつり革増設。
- 排障器(スカート)の換装。
- 座席の7人掛け→6人掛けへの変更(中央部に縦手すりの設置)。
- 仙台市地下鉄東西線開業に伴い車内自動放送が更新された(2015年)。
- 全車でLED車内照明を搭載(2016年)。
- ドア開閉時に鳴動するブザーをチャイムへ更新(2018年)。
その他[編集]
2024年度以降、新型車両3000系への置き換えを予定[8][9]。全般検査のタイミングで順次車両を更新し、7年をかけて全21編成を置き換える[10]。
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ 『鉄道ファン』1985年6月号 p.68
- ^ 『鉄道ファン』1985年6月号 p.64
- ^ 『鉄道ジャーナル』第21巻第6号、鉄道ジャーナル社、1987年5月、 111頁。
- ^ “仙台市地下鉄1000系電車”. たくたくのページ. 2022年7月27日閲覧。
- ^ 「宮城県仙台市の地下鉄南北線、1000N系へ改造のため1000系が6/28ラストラン」(マイナビ)
- ^ 交友社「鉄道ファン」2008年2月号
- ^ 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』2004年10月号臨時増刊号
- ^ “仙台市地下鉄南北線、新型車両は無塗装のアルミ合金製になる?”. マイナビ. (2020年1月18日)
- ^ 物品発注情報(令和2年1月7日) 仙台市交通局(2020年1月7日)
- ^ “<仙台市地下鉄>南北線の車両更新へ 22年度以降、開業以来初めて”. 河北新報. (2018年11月29日). オリジナルの2018年11月29日時点におけるアーカイブ。
外部リンク[編集]
- 仙台市地下鉄南北線の車両 - 仙台市交通局
- 日本地下鉄協会『SUBWAY』2014年11月号特集3「地下鉄南北線車両の安全・快適への取り組みについて」 (PDF) (pp.22 - 24掲載)