神戸市交通局5000形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
神戸市営地下鉄5000形電車
5000形(2016年3月19日 御崎公園駅)
5000形(2016年3月19日 御崎公園駅
基本情報
運用者 神戸市交通局
製造所 川崎重工業
製造年 2000年 - 2001年
製造数 40両
運用開始 2001年7月7日
運用範囲 海岸線
主要諸元
編成 4両編成
軌間 1,435 mm
電気方式 直流 1,500 V(架空単線式
最高運転速度 70 km/h[1]
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 362人
車両定員 97人
84人(先頭車)
自重 24.8 t
26.2 t(先頭車)
編成重量 102.0 t
全長 15,600 mm
15,800 mm(先頭車)
全幅 2,490 mm
全高 3,105 mm
3,120 mm[* 1](先頭車)
車体材質 アルミニウム合金
台車 リニア駆動式空気ばね台車FS-563形[2]
主電動機 車上1次片側式三相リニア誘導電動機
主電動機出力 135 kW × 2台/両
駆動方式 リニア駆動方式
編成出力 1,080 kW
制御方式 VVVFインバータ制御IGBT素子[1]
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ(補足ブレーキ付)
保安装置 自動列車制御装置 (CS-ATC)
自動列車運転装置 (ATO)
テンプレートを表示

神戸市交通局5000形電車(こうべしこうつうきょく5000がたでんしゃ)は、神戸市交通局神戸市営地下鉄海岸線用の通勤形電車

概要[編集]

2000年平成12年)から2001年(平成13年)にかけて4両編成10本(40両)が川崎重工業で製造され、2001年7月7日の海岸線開業時から運行を開始した。4両編成の全車が電動車で構成されるが、将来の乗客増を考慮し中間車2両を連結して6両編成にも対応する。海岸線各駅のホーム有効長も、6両編成を想定したものになっている。

構造[編集]

設計に当たっては、西神・山手線車両の基本方針である「安全性・効率性・快適性・車両整備の省力化」を踏襲しながら

  • 快適であたたかさが感じられる車両
  • 人にやさしく環境にやさしい車両
  • あきのこないシンプルなデザインの車両
  • 省コスト省メンテナンスを考えたインテリジェント車両

の4項目のデザインコンセプトをもとに設計が進められた[3]

車体[編集]

車体は、アルミニウム合金製押出形材と板材とで構成した全溶接構造。先頭車は中間車より200mm長くして、乗務員室と客室のスペースを極力広くする割付けとしている。車体の側面は窓下の位置で上部を内側に3度傾斜させた形状で、軒部材を経て屋根部につなぎ、車両限界いっぱいまで、幅、高さとも大きくした断面としてる。先頭形状は先端部を絞り、上部および下部をやや後方に傾斜させた矢じり型の流線形で、前面窓は正面から側面まで大きくまわり込んだ防曇ガラスを使用。前面ガラスは運転台前面と貫通扉および側面窓の3枚で構成。車体へは接着取付としており、一体感あるデザインと前面視界に配慮した構造としている。車外の行先案内設備として3色LED行先表示器を車両先頭と車両側面に配置している。

外板塗料は耐汚染性を図るためフッ素樹脂塗料を採用。ベース色は色系のビーチアイボリーとし、エメラルドグリーンと海岸線のラインカラーであるマリンブルーの帯を巻いている。非常用貫通扉と乗務員扉後方に神戸市営地下鉄のシンボルマークであるUラインが配されている。片側に3か所、入口幅1,300mmの両引戸の客用扉を配置。引戸は、外板骨組にアルミ、内板にメラミンプラスチック化粧板を使用したハニカム構造で軽量化を図っている。

主要機器[編集]

運転台

すべての車両が電動車の 4M である。車両制御装置は神戸市交通局として初めてIGBT素子のVVVFインバータ制御(西神・山手線とは異なり三菱電機製・1C2M×2群)を採用した。主電動機は定格出力が135kWの車上1次片側式3相リニア誘導電動機が各車両に2基ずつ搭載されている。集電装置はばね上昇空気下降式のアルミニウム製シングルアームを各先頭車両に配置。ブレーキは、ATC/ATO装置連動の応荷重装置付電空併用電気指令式電磁直通ブレーキディスクブレーキ(1軸1ディスク)。空気圧縮機は水平対向型3相誘導電動機駆動2段圧縮式を搭載、2,100リットル/分の容量を持つ。蓄電池は焼結式アルカリ蓄電池40Ah(1時間率)を搭載。

日本鉄道車両では進行方向に向かって左側に運転台が設置される事例が多いが、海岸線は御崎公園駅以外島式ホームを採用しているため、進行方向に向かって右側に運転台が設置されている[1]

車内[編集]

配色は白色系の清潔感とあたたかみのある色合い。1人当たり450mm幅のバケットタイプのロングシートを、車両中央部に6人掛け、車両両端に4人掛けおよび2人掛けで配している。2人掛けの客用ドア付近は車椅子スペースになっている。一般席は色系、優先席はオレンジ色系のいずれも暖色系のモケットで仕上げながら見分けが付きやすいようにしている。腰掛の袖部には石目調成型材の特徴的な形の袖仕切りを設けている。窓ガラスは透明、強化の複層ガラスを使用し、室内面を引戸の内面と同一面となるように引戸本体に接着構造で取付けている。すべての車両の妻部に引き戸と大型の妻窓を設けており、車内の見通しと開放感を持たせている。側窓も最大限に大きくとられている。全線地下線のため、西神・山手線車両のような鎧戸やカーテンなどは設置されていない。

案内装置としては、3色LED式のフリーパターン車内案内表示装置と、LEDが埋め込まれた路線図型の表示装置が各乗降扉上に千鳥配置で設置されている。日本語英語混合表示に対応。案内表示器の内容と路線図の状態は互いにリンクしており、例えば案内表示器が「まもなく(終点)○○」と表示されると、路線図の方は矢印代わりの三角形と次駅が同時に点滅する仕組みになっている。すべての乗降扉には扉開予告表示灯が左右に設置されている。扉が開閉する直前にドアチャイムが鳴動する。関西地区ではドアの開閉時の合図にブザーを使用する鉄道事業者が多いが、当形式では帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)と同じタイプのドアチャイムを使用している。

営業区間[編集]

神戸市営地下鉄海岸線

歴史[編集]

2001年(平成13年)7月7日 海岸線開業とともに営業運転開始。

編成表[編集]

5400形女性専用車

 
← 新長田
三宮・花時計前 →
号車 1 2 3 4
形式 Mc2 M1 M1' Mc2'
編成
番号
1 5101 5201 5301 5401
2 5102 5202 5302 5402
3 5103 5203 5303 5403
4 5104 5204 5304 5404
5 5105 5205 5305 5405
6 5106 5206 5306 5406
7 5107 5207 5307 5407
8 5108 5208 5308 5408
9 5109 5209 5309 5409
10 5110 5210 5310 5410

その他[編集]

  • 2000年の神戸まつりでは、5403号車がトレーラーに牽引されて「おまつりパレード」に登場し、翌年に控えていた海岸線の開業をPRした。
  • 2005年に公開された映画交渉人 真下正義』のTTRの車両として使われた。
  • 2009年(平成21年)8月22日から5103Fが「鉄人28号」列車、5106Fが「三国志」列車として運行されている[4][5]
    • 好評のため、同年10月31日から5104F、2010年(平成22年)3月20日から5105Fが鉄人28号列車に追加。同日3月20日に5108Fが三国志列車に追加された[6]
  • 2016年(平成28年)1月15日より、5105F、5106F、5107Fの3編成の車内照明をLED化した。これにより年間約6,100kWhの電力削減が見込まれる[7]
    • なお、その他の編成も順次車内照明がLED化されており、2016年度中に7編成のLED化が完了している。
  • 2016年(平成28年)度中に、全編成の前照灯がシールドビームからLED化した。

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

  1. ^ パンタグラフの折りたたみ時の高さ

出典[編集]

外部リンク[編集]