ルパン三世 カリオストロの城
ルパン三世 カリオストロの城 | |
---|---|
監督 | 宮崎駿 |
脚本 |
宮崎駿 山崎晴哉 |
原作 | モンキー・パンチ |
製作 | 藤岡豊 |
出演者 |
山田康雄 小林清志 井上真樹夫 増山江威子 納谷悟朗 島本須美 石田太郎 |
音楽 | 大野雄二 |
主題歌 | ボビー「炎のたからもの」 |
撮影 | 高橋宏固 |
編集 | 鶴渕允寿 |
製作会社 | 東京ムービー新社 |
配給 | 東宝 |
公開 |
1979年12月15日[1] 2019年1月23日[注釈 1] |
上映時間 | 100分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
製作費 | 5億円 |
興行収入 | 6億1000万円[6] |
配給収入 | 3億500万円[7] |
前作 | ルパン三世 ルパンVS複製人間 |
次作 | ルパン三世 バビロンの黄金伝説 |
『ルパン三世 カリオストロの城』(ルパンさんせい カリオストロのしろ、英: The Castle of Cagliostro、仏: Le Château de Cagliostro)は、1979年12月15日に公開されたモンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の劇場映画第2作。宮崎駿の映画初監督作品。
公開時のキャッチコピーは、「前作をしのげないのなら 2作目を作る意味がない」「巨大な城が動き始める! 影の軍団が襲ってくる!」「さらにスピーディーに! さらにスリリングに! さらにスッとボケて!」「生きては還れぬ謎の古城でついにめぐり逢った最強の敵!」。
概要
宮崎本人は「ルパンや東映アニメーション時代にやった事の大棚ざらえ」と位置付けており、自らが手がけた『ルパン三世』1stシリーズ(事実上のテレビアニメ初監督)のいくつかのエピソードも元ネタにしている[8]。
当初、東京ムービー新社は鈴木清順等、『ルパン三世 TV第2シリーズ』(以下、『TV第2シリーズ』)や劇場版『ルパン三世 ルパンVS複製人間』(以下、『ルパンVS複製人間』)の脚本家チームが執筆した脚本を元に大塚康生へ監督を依頼していたが、気乗りしない大塚は宮崎に監督就任を要請した。当時の宮崎は日本アニメーションで高畑勲等と『赤毛のアン』のレイアウトや場面設定を担当していたが、これを降板して1979年5月に制作準備に取りかかる。後の作品と同様、宮崎は脚本なしでイメージボードと絵コンテを描き始め、脚本は共同名義の山崎晴哉が手直しする形となった。後に山崎の手により、脚本を元に集英社コバルト文庫からノベライズされている。
本来、大塚は『ルパン三世 TV第1シリーズ』(以下、『TV第1シリーズ』)の作画監督で、宮崎と高畑も共に「Aプロダクション演出グループ」の匿名でTV第1シリーズ後半の演出を担当していた。その為、宮崎や大塚がデザインしたキャラクターや小道具、イメージボードは『TV第1シリーズ』に準じており、『TV第2シリーズ』や前作『ルパンVS複製人間』でルパンは赤いジャケットを着ていたが、本作では『TV第1シリーズ』で着用していた青緑色のジャケットを再び着ており、車も『TV第2シリーズ』のアルファロメオではなく、『TV第1シリーズ』後半に登場したフィアット・500を使っている。
興行的には前作に及ばなかったが、後のテレビ放送や上映会等が繰り返された事もあって人気が高まっていき、宮崎の演出やレイアウト手法は、その後のアニメ業界に影響を与える事となった。構想や製作の期間は僅か半年という短さであり、宮崎は「この作品で初めて自分の体力の限界を知った」と語っている。途中で製作期間内に終わらないと考えた宮崎は、下水道でのシーンの絵コンテを書き直しており、不満を語っている。最終的に、製作は予定された期間より、1か月延びている。
劇場版第3作にも監督として宮崎に、まず声がかかったが、自分よりも適任者がいると、宮崎の事務所にいた押井守を監督に推薦して宮崎は辞退している[9]。押井版ルパン三世は結果的に途中で制作中止となり、別のスタッフが、全く違う内容の『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』を完成させた[10][11]。
デジタルリマスター版
2014年5月9日には、デジタルリマスター版『ルパン三世 カリオストロの城』が東宝映像事業部の配給で期間限定公開された。入場者特典として「完全復刻版B4チラシ」が配布され、劇場パンフレットも復刻され、販売された。原版の映像に映り込んだ汚れやゴミの除去、音声のノイズの除去、5.1chサラウンドへの再調整等のリマスタリングに3年が費やされている[12][13]。
2019年10月25、26日には大野雄二による音楽シーンを生演奏する『〜映画公開40周年&大野雄二音楽活動55周年記念オフィシャル・プロジェクト〜映画『ルパン三世 カリオストロの城』シネマ・コンサート!andベストヒット『ルパン三世』ライブ!』を公演[14]。
2020年8月21日~9月3日には池袋・グランドシネマサンシャイン「gdcsアニメーション映画特集 “Anime! Anime!! Anime!!!”」にて期間限定上映がされた。また、シネマサンシャインオリジナル規格のプレミアムシアター “BESTIA(ベスティア) ” での上映もされた[15]。
4D版
2017年1月20日にはルパン三世生誕50周年企画として期間限定でデジタルリマスター版をベースにしたMX4D版が上映された[16]。入場者特典として特報チラシのデザインの「ポストカード」が配布された。
2019年11月8日~11月21日には劇場公開40周年を記念して『ルパン三世 カリオストロの城 [4D版]』が上映された。MX4D版は2回目の上映で、4DX版での上映は初である。また、入場者特典として「フィルム風しおり」が配布された[17]。
2020年10月26日にシネマサンシャインにて、急遽4DXの期間限定上映が決定した。10月30日から順次、4DXシアターが導入されている全国のシネマサンシャインで上映される[18][19]。
あらすじ
世界的な怪盗ルパン三世一味はモナコの国営カジノの大金庫から大金を盗み出すが、それが真券同然の精巧さで知られる幻の偽札「ゴート札」であることに気づく。「偽物に手を出すなかれ」のルパン家の家訓に従い札束を撒き散らすように投げ捨てたルパンと次元は、ゴート札を標的としてその出処と疑われているヨーロッパのカリオストロ公国に向かう。
入国したルパンは、ウェディングドレス姿の少女が何者かに追われているのに出くわす。少女はこの国の亡き大公の娘クラリスだった。クラリスは、父にかわって国を治めているカリオストロ伯爵に結婚を迫られたため逃げ出したのだ。追っ手をルパンは撃退したが落ちてきた枯れ木に頭をぶつけ気絶してしまい、その間にクラリスは別の追っ手に連れ去られてしまう。ルパンはクラリスが残した指輪を見て、彼女が、かつてゴート札を狙って公国に忍び込んだ末に重傷を負わされた自分を救ってくれた幼女本人だったことに気付く。一方、クラリスが持っていたはずの指輪をしていないことに気づいた伯爵は、クラリスの逃亡を手助けしたルパンらに暗殺集団を差し向ける。
暗殺集団の手を逃れたルパンは五ェ門を呼び寄せるとともに、彼の逮捕に執念を燃やす国際警察の銭形警部がクラリスが監禁されている伯爵の城へ来るように仕向け、城内で銭形に変装して衛士隊を欺いて内部に潜入する。先に城に使用人として入り込んでいた不二子からクラリスの居場所を聞き出したルパンはクラリスと対面するが、伯爵に見つかり地下牢獄へ通じる穴に落とされてしまう。伯爵の狙いが先祖の財宝であり、その鍵である指輪の持ち主であるクラリスに結婚を強いていたことを聞き出したルパンは、秘かに本物とすり替えて置いた通信機仕込みの偽の指輪を通じ、現在もクラリスの指輪を預かっていることを伯爵に伝える。
ルパンは地下牢獄で先に落とし穴に落ちていた銭形と再会し、協力して指輪奪還の為に放たれた暗殺者を返り討ちにして地下牢獄から脱出する。その際地下にある偽札工場を発見したことにより義憤をうずかせる銭形と、クラリスを連れて城を離れたいルパンは、城からの脱出までの間、一時休戦を結ぶこととする。
ルパンは銭形とともに伯爵のオートジャイロを奪い、再びクラリスの元へたどり着いたものの、胸を撃ち抜かれて重傷を負い、救出に失敗。銭形と不二子の助力によりクラリスを残してかろうじて脱出する。ルパンと別れた銭形は持ち帰った偽札の証拠を国際警察に提出し出動を要請するが、「高度に政治的な問題」と「クラリスをルパンから守った」伯爵を支持する世論を理由に、国際警察はゴート札について各国毎の対応に留め不動を貫く。
3日後、大公夫妻に仕えていた庭師の老人に助けられ昏睡から目覚めたルパンは翌日、クラリスと伯爵の結婚式に忍び込んで奇襲を仕掛け、その混乱に乗じてクラリスを救出するが、逃げ込んだ時計塔で再び伯爵にクラリスを奪われてしまう。ルパンは時計塔を見て気付いた指輪の謎を伯爵に教え、それと引き換えにクラリスを無傷で引き渡すよう要求する。伯爵は要求を呑むふりをして不意打ちでルパンを窮地に陥れ、止めようとしたクラリスを足蹴にして湖へと叩き落とす。ルパンは後を追って宙に身を投げ、クラリスを抱きとめながら共に湖へと落ちて行った。
「文字盤のヤギの目に指輪をはめ込むことにより財宝への道が開かれる」。ルパンのその言葉通り、文字盤のヤギの目に指輪を納めた途端に時計塔が急速に動き始め、逃げ場を失った伯爵は激しく動く時計の針に挟まれて押し潰され無惨な最期を遂げる。時計塔が崩壊して大量の水を排出したしばらくの後、無事に湖岸へと辿り着いていたルパンとクラリスは湖の底から現れた遺跡の姿を目の当たりにする。湖は実はダム、財宝とは先祖が隠した古代ローマのポリスであり、時計塔の仕掛けは湛えられている水を排出して沈んだ遺跡を表出させるための装置、そして指輪はその起動装置だったのである。
ルパン一味の奇襲による城内の混乱に乗じた銭形が、不二子とともに衛星テレビ中継で偽札工場の全容を全世界に晒したことで、ようやく国際警察も動き出し、歴史の暗部と言われたカリオストロ公国についに捜査のメスが入ることになった。
クラリスはルパンについて行くことを望むが、ルパンは葛藤しながらもクラリスに留まるよう諭し去って行く。ルパンを追ってきた銭形が、ルパンがクラリスの心を盗んだと言い当てると、クラリスは顔を輝かせて「はい」と答える。ルパンと銭形たちの車は、追いつ追われつしながら地平線へと消えていくのだった。
登場人物
メインキャラクター
- ルパン三世(ルパンさんせい)
- 声 - 山田康雄
- 本作の主人公。怪盗ルパンことアルセーヌ・ルパンの孫で、世界的な大怪盗かつ変装の達人。
- ゴート札の出処と疑われているカリオストロ公国へ入国した際に追われていたクラリスを見かけ、助けるために追っ手を撃退するが、クラリスは別の追っ手に連れ去られてしまう。クラリスが残した指輪を見て、彼女が昔自分を助けてくれた幼女であることに気付く。
- 峰 不二子(みね ふじこ)
- 声 - 増山江威子
- ルパン一味の付かず離れずの紅一点で、時にはルパン達を利用したり裏切ったりすることも多い。
- カリオストロ城の秘密を探るために、ルパン達より先に単独で「クラリスの召し使い」として場内に潜入している。
- 今回はルパン一味との関りが少ないものの、ルパンや銭形に情報を流して陰ながらにサポートをしている。
- 次元 大介(じげん だいすけ)
- 声 - 小林清志
- コンバットマグナムを使う拳銃の名手で、ルパンの相棒。
- ルパンと共にカリオストロ公国の城に水中から潜入するも逸れてしまい、その後は五ェ門と共に重傷を負ったルパンを匿ったり、対戦車ライフルにおける射撃で援護したりした。クラリスの事を「お姫さん」と呼び、健気な彼女を良い娘と評している。
- 石川 五ェ門(いしかわ ごえもん)
- 声 - 井上真樹夫
- ルパン一味の一人である、最強の刀「斬鉄剣」を武器に戦う剣客で、大泥棒石川五ェ門の十三代目。
- ルパン達と合流した際は彼が銭形を呼んだ意図を見抜く等持ち前の勘の鋭さを見せた。
- 銭形 幸一(ぜにがた こういち)
- 声 - 納谷悟朗
- インターポール所属のルパン三世専任捜査官で、階級は警部。専任捜査官である故、ルパンに関係する事件なら世界中どこでも捜査権が認められている。
- ルパンの情報を聞きつけてカリオストロ公国にてルパンの捜査をするが、カリオストロ伯爵の裏工作でインターポールから帰還命令が出る。納得できずに伯爵に掛け合おうとして仕掛けていた罠で城の地下に落され、途方に暮れているところを同じく落とされたルパンと遭遇。ゴート札の秘密を知りルパンと一時休戦して共に地下から脱出し、ルパンに協力する。
- ルパン曰く「昭和一桁生まれ」とのこと。
ゲストキャラクター
- クラリス・ド・カリオストロ
- 声 - 島本須美[20]
- 本作のヒロインにしてキーパーソン。ヨーロッパ・カリオストロ公国の公女で、大公家最後の姫君。大公家に伝わる「銀の山羊の指輪」の所有者。
- 7年前に起きた大公の館の大火事[注釈 2] で両親を亡くして以来、永らく修道院に入っていたが、両家を統一し国を手中に収めようとする伯爵の政略結婚を強いられる。非道な行為を続ける伯爵に反発し、婚礼衣装の仮縫いの隙を突いて脱走する。伯爵の差し向けた追手から逃げている途中でルパンと再会し、一時は助けられるが、再び捕らわれる。
- 終盤では意識を奪われた状態で結婚式を挙げられている最中、三度城に潜入したルパン一味に助けられ、逃亡中に次元と五ェ門にも感謝の言葉を述べた。
- 幼少時、若き日のルパンが城から脱出中に負傷し行き倒れていたところを助けたが、本人はその時のことを覚えていない。
- カリオストロ伯爵(グラフ・ラザール・ド・カリオストロ)
- 声 - 石田太郎
- カリオストロ公国の摂政を務める事実上の統治者。
- 伯爵家当主[注釈 3] で、表向きは傲岸不遜ながらも紳士的だが、本性は強欲かつ残虐非道である。裏では、本物以上といわれた偽札「ゴート札」の密造に手を染めており、世界各国の闇の部分と深く繋がっている。
- 7年前の火事で大公夫妻の死後、摂政として公国の実権を握っている。
- 伯爵家に伝わる「金の山羊の指輪」の所有者であり、対となる「銀の山羊の指輪」を持つクラリスとの政略結婚により、カリオストロの正当な後継と2つの指輪に秘められたゴートの秘宝を手に入れようと目論む。
- 劇中ではほぼ一貫して「伯爵」と呼ばれ、ファーストネームは劇中では呼ばれない[注釈 4]。
- 結婚式をぶち壊したルパンと時計塔で対峙。クラリスを人質に指輪の秘密をルパンから無理やり聞き出し、クラリスを無事に返すという約束も破って二人を湖に落とし勝ち誇るが、指輪の正体が時計塔のスイッチと知らず仕掛けを起動したため、自ら動かした時計の針に挟まれ圧死するという自業自得の最期を遂げた。
- ジョドー
- 声 - 永井一郎
- カリオストロ伯爵に仕える有能な執事。
- 裏の顔として、各国の情報機関からも恐れられる公国の特殊部隊「カゲ」の長官も兼任している。
- 財宝を手に入れようとする伯爵を献身的にサポートし、一度はルパンに瀕死の重傷を負わせる。伯爵への忠義心は厚く、上記の通り、カリオストロ伯爵が最期を迎えた際は、五右衛門に自らを切り捨てるよう依頼した。
- 園丁(庭師の老人)
- 声 - 宮内幸平
- 大公家公邸の庭師。
- 自分の職務に誇りを持っており、大公家の没落後も焼失した公邸跡の庭園を管理し続けている。
- クラリスのことは誕生当時から見守っており、彼女から愛犬のカールを託されている。
- 無愛想だが根は親切で、伯爵との戦いに敗走したルパン達を匿った。
- グスタフ
- 声 - 常泉忠通
- 主に城内の警備とカリオストロ伯爵の身辺警護を務める、衛士隊長。
- 融通の利かない軍人気質で、ルパンの変装を見抜けなかった。
- 機動隊
- 声 - 松田重治[21]
- 銭形が支援部隊として日本から引率してきた埼玉県警の機動隊。
- パトカーと2台の幌付トラックに分乗し、ジュラルミン製の大盾と木製警棒を装備している。拳銃を収納するホルスターも装備しているが、拳銃を構えたり発砲したりする描写はない。負傷者を出しながらも衛士隊と激しく渡り合った。ラストではルパンを追う銭形と共にカリオストロ公国を出る。こじつけに近い理屈で国家の闇を明らかにしたが、大騒ぎを起こした末に笑顔を見せて去っていき、庭師からは「(ルパンたちも含めて)なんと気持ちのいい連中だろう」と言われていた。
- カール
- 庭師の老人が面倒を見ている老犬。
- もとはクラリスの飼い犬であり、大公夫妻の没後にクラリスが修道院へ入る際に老人へと預けられた。
- クラリスがまだ幼かった頃、カリオストロ城からの逃亡中に負傷し行き倒れていた駆け出し当時のルパンを最初に発見した。クラリス以外には懐かないが、ルパンのこともちゃんと覚えていた。
- 大の大人を押し倒すほどの力がある大型犬だが犬種は不明。
- 大司教
- 声 - 梓欽造[22]
- バチカンのカトリック教会大司教。
- カリオストロ伯爵とクラリスの婚礼の司祭を請われてカリオストロ公国へ向かうが、本物は来る途中の渋滞中に地元の人間に変装した次元が、「近道」と称して城とは違う田舎の方向を案内することで婚礼に間に合わなくさせ、その間にルパンが大司教に変装してクラリスを救出するべく城に入った。
- 衛士隊
- 声 - 野島昭生[23]
- カリオストロ公国の治安部隊。
- 伯爵は「我が国にも警察はある」と同隊を紹介していたが、その活動範囲は国境の検問を除けば城外にまでは至らないような描写がされている。かつてのプロシア陸軍風の軍服と鉄帽、サーベルを腰に下げた大時代的なスタイルが特徴。
- 拳銃のホルスターも装備するが、使用の描写はない。
- 水兵
- カリオストロ公国水軍の兵士。水雷艇に乗艦して短機関銃で武装し水兵服を着用している。
- 終盤の時計塔では、塔の外壁にいるルパン達に探照灯を浴びせたり、塔内に突入してルパンに返り討ちにあったりしていた。
- カゲ
- 声 - 緑川稔[24]
- カリオストロ公国の特殊部隊。ルパン曰く「暗殺のプロ」。
- 全身に衝撃吸収を兼ねた防弾仕様の頑丈な鎧を纏っており、籠手の鋭い爪と前腕に仕込まれた鋭い刃が特徴。この鎧は次元のマグナム銃の接射も効かない。このほか、主に水中任務に特化した軽装、通称「水カゲ」も存在する。その正体は、(潜入した不二子を除いた)城内の召し使い達である。
- これらの他にも、通行人、立ち寄った店の店員、客、インターポールの各国代表など多数の人物が登場し、声は平林尚三[25]、加藤正之[26]、峰恵研、阪脩、山岡葉子、寺島幹夫、鎗田順吉が、シーン毎で色々な役を兼務している。
スタッフ
- 製作 - 藤岡豊
- 原作 - モンキー・パンチ(週刊漫画アクション、パワァ・コミックス(双葉社刊))
- 監督 - 宮崎駿
- プロデューサー - 片山哲生
- 脚本 - 宮崎駿、山崎晴哉
- 作画監督 - 大塚康生
- 原画 - 篠原征子、友永和秀、河内日出夫、富沢信雄、丹内司、山内昇壽郎、丸山晃二、真鍋譲二、田中敦子、新川信正
- 動画 - 青木康直、大里美和子、尾崎真佐美、小野昌則、川中京子、柏田涼子、熊本由美子、小林弥生、小島順子、佐野英代、桜井陽子、下崎ジュン子、島津佳子、柴田春美、志田欣弘、鈴木幸雄、田辺厚子、高木美和子、堤純子、塚田洋子、道籏義宣、難波日登志、原田俊介、林雅子、浜田幸子、浜畑雅代、橋本三郎、平間久美子、比留間敏之、藤村和子、本多薫、望月理江子、吉村洋子、亜細亜堂、OHプロ
- 動画検査 - 原恵子、島田明子
- 色彩設計 - 近藤浩子
- 仕上検査 - 山本雅世、砂川千里
- 美術 - 小林七郎
- 背景 - 青木勝志、松岡聡、石垣努、小倉宏昌、大野広司、海保甚三郎、水谷利春、林裕美子、工藤美由紀、藤江優子(小林プロダクション)、山本二三(テレコム)
- 撮影監督 - 高橋宏固
- 撮影 - 宮内征雄、大田勝美、高橋宣久、平山昭夫、細野正、中村喜則、斉藤佳三、鈴木卓夫(高橋プロダクション)
- 仕上 - 岡嶋國敏(スタジオ古瑠美)、加藤紀子(シャフト)、林直哉(イージーワールド)、塩谷典子(スタジオ・タージ)、岩切紀親(スタジオ・キリー)
- 編集 - 鶴渕允壽
- ネガ編集 - 高橋和子
- 録音 - 加藤敏(東北新社)
- 音楽 - 大野雄二
- 選曲 - 鈴木清司
- 整音 - 飯塚秀保
- 効果 - 倉橋静男(東洋音響)
- タイトル - 藤井敬康
- 現像 - 東京現像所
- 制作協力 - テレコム・アニメーションフィルム
- 制作進行 - 吉田力雄、柳内一彦、岩田幹宏
- 助監督 - 吉田茂承
- 製作担当 - 斎藤壽男
- 配給 - 東宝株式会社
- 製作 - 東京ムービー新社
音楽
主題歌
- 「炎のたからもの」[27](コロムビア・レコード)
- 作詞 - 橋本淳 / 作曲・編曲 - 大野雄二 / 唄 - ボビー
- 作曲・編曲の大野雄二は主題歌製作にあたり、宮崎駿監督から「牧歌的に行きましょう」と提案されたと回想している[28]。
BGM制作と選曲
主題歌である「炎のたからもの」の曲の旋律による編曲バリエーションBGMが多数作成されている。またBGM選曲は、本作のために録音された楽曲のほか、TVシリーズや劇場版前作、サウンドトラックアルバムなどから幅広く選び出された。
結婚式の場面で流れるバッハのパストラーレ・ヘ長調・BWV590は既存のレコード音源の流用ではなく、本作の音楽録音の際にエレクトーンで録音、音に広がりを出すために、スピーカーで鳴らせた音をマイクで拾っていると大野雄二はインタビューで語る[29]。
銭形警部とカリオストロ伯爵の面会シーンである、朝食の場面に使用されているBGMはバッハの管弦楽組曲四番第四楽章Menuett。 城の舞踏会とその外で銭形隊がカップラーメンをすすっている場面のBGMは、ヨハン・シュトラウス2世作曲のウィーン気質(かたぎ)の第二ワルツである。
ルパンと銭形が地下牢獄から脱出するシーンで使用された「サンバ・テンペラード」は後のシリーズで何度もアレンジして使用され、現在では『ルパン三世』で屈指の人気を誇る楽曲となっている。 また、前作「ルパン対複製人間」でも使用された「銭形マーチ」のアレンジが、銭形がICPO本部から退出する際のBGMとして使用されている。
評価
興行成績は配給収入10億円の成功を収めた前作『ルパンVS複製人間』より下回ったが、関係者間での評価は公開当時から高く、商業アニメ作品が受賞することが少なかったアニメーション賞大藤信郎賞を受賞している。同時代の関係者からは、宮崎の演出手法やレイアウト、場面設計に注目が集まり、当時出された絵コンテ集はアニメ制作現場での教科書として使用されていた。美術を担当した小林七郎は、「前衛作家」の出崎統と比較して宮崎駿を「常識的」と評している[30]。
第54回キネマ旬報ベスト・テン54位、映画評論家の深沢哲也のみが投票している[31]。読者選出ベスト・テンは15位[31]。
公開当時は『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』といったSF作品全盛期だったが、テレビでの放送が繰り返されたり、地方の学校や集会所、ファンの集まりなどへフイルムが借り出されて上映会が開催され、1981年にはアニメージュ誌が宮崎の特集を組んで取り上げた。同誌のアニメグランプリの歴代作品部門で1位を連続受賞し、情報雑誌『ぴあ』の年間アワード企画「もあてん」(もう1度見たい過去作品ランキング)では2年連続ベストワンといった成績を残す。2011年に実施された「ルパン三世アニメ40周年記念 マイ・ベストエピソード投票」の「劇場版・OVA部門」では本作が第1位になり、宮崎作品のルパンではTV第2シリーズ部門の『さらば愛しきルパンよ』とともに2冠を達成している。
日本テレビ系列では数年に一度放送されており、安定した視聴率を記録している。初放送は『水曜ロードショー』時代の1980年12月17日。他の数あるルパン映画と比べてもテレビ再放送される回数が極めて多く[注釈 5]、2020年11月20日の放送で17回を数える。当初は庭園でのプロレスごっこや大司教の車を止めるシーンなど7分間をカットしたバージョン(宮崎駿自身がカットを行った)が放送されることが多かったが、1991年10月4日の5回目の放送では100分間のノーカット放送が初めて行われ、以後は毎回ノーカット放送が行われている。1984年3月14日の『水曜ロードショー』では宮崎、山田康雄、増山江威子がスタジオに招かれ、解説の愛川欽也[注釈 6] と対談を行っている。更に山田と増山に関しては、その前週の3月7日に放送された『刑事コロンボ/策謀の結末』の終了後にも次回番宣ゲストとしてスタジオに登場し、アフレコ経験もある愛川にカリオストロ伯爵役を担当してもらい、3人でクライマックスの1シーンを実演してみせている。
1999年2月26日に『金曜ロードショー』で放送された際は視聴率23.4%を記録した。これは本作がテレビ放送された中で最高で、劇場版作品としては1位である[32]。
宮崎自身の評価
宮崎本人は自著『出発点』で、「この作品は『ルパン1stシリーズ』や、東映時代にやってきたことの大棚ざらえで、だから昔からぼくの仕事を見てた人は失望したというのはよくわかるんです。汚れきった中年のおじさんを使って、新鮮なハッとする作品は作れないですよ。こういうことは2度とできないなって、思ってやりました。」と語っている。また公開当初から、本作に対して「鬱屈がある」とアニメ誌やムック誌で発言しており、『風の谷のナウシカ』公開時の『コミックボックス』(1984年5・6月号)の対談では、第二次世界大戦でモスクワを前にして撤退せざるを得なかったドイツ軍を例に挙げ、「独ソ戦のドイツみたいだといつも思うんですよ」と比喩している。制作スケジュールの問題で、本作のDパートでは仕上げに手間がかからないよう絵コンテを切ったとも述べており、ルパンがクラリスを誘拐した後にはオートジャイロによる空中戦も予定されていたが、本編では割愛された。その画像は映画公開前に東京ムービーの宣伝材料として配られた後にムック誌などにも収録されており、その名残は共同脚本名義の山崎晴哉によって書かれたノベライズ版にもある。
原作者の評価
原作者のモンキー・パンチは、「日本国外のルパン三世ファンの95%は「ファンになったきっかけ」として本作を挙げる」と述べながらも、2007年7月「ルパン三世シークレットナイト(新文芸坐)にて「(試写会で見た後の取材で)『これは僕のルパンじゃない』って言ったんですね。『僕には描けない、優しさに包まれた、宮崎さんの作品としてとてもいい作品だ』って。でもこの後半の部分が削られて、最初の一言だけが大きく取り上げられちゃいましてね(苦笑)。僕のルパンは毒って言うか、目的のためなら手段を選ばないところとか、欲望とか人間の汚いところとか持ったキャラクターですからね。あんなに優しくは描けないなぁ」と、原作と映画の違いも述べている。
2015年のテレビシリーズが放送される直前に行われた『シューイチ』のインタビューでは「この作品はむしろ大好きだ」と述べている。
山田康雄の評価
ルパン三世役の山田康雄は本作をいたく気に入っており、本作のパンフレット内で「これがルパン三世の神髄ではないだろうか」とも語っている。山田は本作について「とにかく決定的に面白い。オープニングも話の展開も信じられないくらいだ。構成といい、絵といい、とても質の高いもので、こんなの見たこと無い。各所でギャグがちりばめられており、じつに楽しい」「ちょっと見ただけでは見過ごしちゃうようなところに手がかかっており、細かく描き込んでいる。これがルパンの精神だと思う。シャレていると思うね」と評し、「宮崎さん、大塚さん、バンザイだ」との讃辞も贈った。
アフレコの際、宮崎から「今回はこれまでと調子を変えて、例えばクリント・イーストウッドのような[注釈 7]抑えた声をお願いしたいので宜しく」と注文を受けるが、自身でキャラクターを確立していた山田は「ルパンはオレに任しときな!今更ごちゃごちゃ言われたくねーよ。ルパンは俺が決めてるんだ」と横柄な態度を見せた。これを目にした作画監督の大塚康生は「生意気だ、降ろしてしまえ」と宮崎に耳打ちしている。しかし、試写を見終わった山田はその質の高さに態度が一変。「先程は大変失礼なこと言いまして申しわけございません。どんな無理な注文でも仰って下さい、何百回でもやり直します」と宮崎に頭を下げたという[33]。常に山田の近くで共演していた小林清志は、この件について小林自身の記憶にはないと話している[34]が、「(自分が憶えていないだけで)そういうこともあったかもしれませんね」とも述べていて[35]、小林は、ルパンに自身の個性を注ぎ込んで確立させたという強烈な自負心があった山田の性格からして、山田が時には関係者から横柄とも思われる態度に見られた事があってもおかしくない旨の証言をしている。
日本国外での評価
映画監督スティーヴン・スピルバーグはカンヌ国際映画祭で本作を「史上最高の冒険活劇の1つ」と評し、特に冒頭のカーチェイスを「映画史上最も完璧なカーチェイス」と評したとの噂が存在する。スピルバーグ自身がインタビュー等で発言した記録が無く事実関係が不明だったが、北米版のDVD-VideoをリリースしたManga Entertainmentは記載に足ると判断し、DVDパッケージ及びDVDに収録された予告編で、このスピルバーグの発言に言及している[36]。
特色
古典からの下敷き
多くの古典的冒険活劇を下敷きにしたDamsel in distress(囚われの姫君)というストーリーとなった。監督の宮崎も『アニメージュ』のインタビューで、『緑の目の令嬢』に出てくる湖とローマ遺跡、そして『幽霊塔』の時計塔や地下室をモチーフにしたと答えている。
絵コンテ
キャラクターのアクションや建築物の崩壊、車、メカ、武器、水の透明感、モブシーン、建物の構造を利用して垂直方向への移動と、ドラマの進行を重ね合わせた演出など、他作品でも宮崎駿が用いる表現が使われている。登場人物の性格も、宮崎独自の解釈で肉付けされている。
写実的な設定
劇中に登場する車や銃器類は、ほとんどが実在のものであり、宮崎駿や大塚康生の趣味が活かされ、支配階級であるカリオストロ伯爵のヨーロッパ貴族としての生活ぶりや振る舞いも考証されている。
計算されたアクション構成
ルパンが崖から落ちて失神し、クラリスが手当てをしようとして手袋を脱いだ時に指輪が外れ、彼女が走り去った後に残された手袋の中から指輪が出てきて、それを見たルパンが記憶をよみがえらせる、といった具合に、「偶然」を積み重ねてストーリーが進行するような段取りがなされている[37][38]。
歳をとったルパン
宮崎は「善人ルパン」を描くため、ルパンの年齢をそれまでのイメージよりかなり高く設定し、「ファンの知っているルパンよりも人生経験を積んできたのだから、当然これまでのイメージと異なっていても不思議ではない」とした。物語の中盤あたりから、16歳のクラリスがルパンを「おじさま」と呼んでおり、ルパンを演じた山田自身もこの作品でのルパンに「歳をとったおじさんルパン」という認識で臨んでいた。
ヒロイン
作中に登場するクラリス姫は、宮崎駿の作品に登場するヒロインの典型である。清楚でいじらしく、主人公による救出を待つ受動的な立場にありながら、自ら積極的に行動する気丈さと勇気も持ち合わせている。島本須美は、後に宮崎が脚本・監督を手がけた『TV第2シリーズ』最終話「さらば愛しきルパンよ」や、映画版『風の谷のナウシカ』でもヒロイン役を演じている。本作以降、ルパン三世の長編作品では不二子と異なるタイプのゲストヒロインが登場するようになり、設定は作品毎に異なるものの、年齢や性格などクラリスに似せた者も数多い。
ルブラン由来の物
登場人物の名前の一部には、モーリス・ルブランの『怪盗アルセーヌ・ルパン』シリーズに由来するものがある。
「カリオストロ」はモーリス・ルブランの小説『アルセーヌ・ルパン』シリーズ『カリオストロ伯爵夫人』に登場するルパンの仇敵の名前であり、「クラリス」は同作品に登場する、産まれた男の子をカリオストロ伯爵夫人に誘拐されるルパンの恋人の名前である。また、もともとカリオストロとは近世フランス史に登場した自称錬金術師で、後世のフィクションにも多く取り上げられている人物[注釈 8] であり、これを宮崎が『ルパン三世』の映画化にあたり題材としてとりあげた。
クラリスはカリオストロ家の人物ではなく、デティーグ男爵の令嬢だった。誘拐された息子は二十数年後を描いた作品『カリオストロの復讐』で好青年へと成長し再登場する。『緑の目の令嬢』(『青い目の少女』とも)には、本作と同様に湖底から遺跡が出現するシーンがあり、ルパンとカリオストロ伯爵の対決の場となった時計塔は黒岩涙香・江戸川乱歩の『幽霊塔』をモチーフにしている。
『TV第1シリーズ』からのアイデア
- 服装、愛車
- 当時赤ジャケットの新ルパンが放送されていたが、『TV第1シリーズ』の緑ジャケットで登場する。フィアット 500Rも『TV第1シリーズ』後半から登場したもので、前作で登場したメルセデス・ベンツSSKは回想シーンのみでの登場。『TV第1シリーズ』のエンディングで不二子がバイクに乗るシーンがあるが、映画での不二子の移動手段も全てバイクだった。
- 偽札
- 偽札をばらまいて捨ててしまうシーンが、第10話「ニセ札つくりを狙え!」でも登場している。
- 掃除機
- 過去の回想シーンに掃除機を使って宝石店の商品を吸い取るシーンがあるが、同様の強奪手段を第16話「宝石横取り作戦」でバキュームカーを用いて行っている。
- サーチライト
- 黒の全身スーツ、拳銃入りショルダーホルスターを締めた姿でサーチライトに追われるシーンで、初期オープニングや第4話「脱獄のチャンスは一度」で描かれたルパン三世のイメージを描いている。
- TVスタッフに偽装
- 第18話「美人コンテストをマークせよ」で、ルパンたちがTV局レポーターに偽装して会場に侵入している。乱入した五ェ門が暴れるハプニングでテレビに秘密が映ってしまうのを狙うなど、作戦も同じ。
- 大時計
- 時計塔のメカニズムが第10話「ニセ札つくりを狙え!」で登場して、大時計の針が侵入者を襲うシーンもある。ラストでやはり時計塔は破壊されてしまうが、崩壊前に機構が突然激しく動き出す演出などの共通点がある。
カリオストロ公国
本作の主な舞台であるカリオストロ公国の人口は3,500人で、世界で一番小さな国連加盟国と設定されている。壮麗な塔を持つカリオストロ城と城下町、古代ローマ時代に作られた水道橋を持ち、周囲を美しい山々と湖に囲まれた、緑豊かな国である。また、劇中の新聞やルパンが伯爵に送った予告状から、フランス語が公用語のようである。さらにクラリスはフランス系、その愛犬カールや衛士長のグスタフなどはドイツ系の名であることから、フランス系とドイツ系の国民が混在し、地理的にはフランスとドイツに挟まれた、たとえばアルザスやルクセンブルクのような場所にあると推定される。ゆえにフランス語の他にドイツ語も公用語として認められている可能性が高い。
平和でのどかな風景を持つ一方で、世界中で流通する紙幣を精巧に真似た偽札を製造しており東西冷戦下においては国際的に無視できない影響力を与えていた。世界最高レベルの造幣技術を誇り、「偽札界のブラックホール」と呼ばれ、400年もの間、偽札(遡っては比重さえ誤魔化す贋金)製造の秘密を守るため中世の権力闘争や世界中の政府機関、情報機関、警察機関の捜査をかいくぐってきた。
城内には脱出不可能な地下迷宮とそれに続く城内各所へ張り巡らされた落とし穴が隠されており、殺害の証拠隠滅のために、あるいは生きたまま「地下」に落とされた者の遺体が男女貴賤を問わず無数に散乱している。日露戦争中にこの地で調査を行っていたと思われる旧日本軍の軍偵が「1904 3 14 日本國軍偵 河上源之助 ここに果つ… 仇…」自決前に壁に刻んだ文字を、同じく「地下」に落とされたルパンが発見している。
カリオストロ家の家紋は下半身が魚になったヤギをモチーフにしており、大公家では青地に浮き彫りにされた左向きの銀のヤギ、伯爵家では赤地に、彫り込まれた右向きの金のヤギが用いられている(左右対称)。指輪の表面には今は使われていないゴート文字で「光と影、再び一つとなりて蘇らん」と彫られており、さらにこの2つの指輪を合わせると、その継ぎ目には同じくゴート文字で彫られた「光と影を結び、時告ぐる高き山羊の、日に向かいし眼に我を収めよ」という大公家に伝わる詩が浮かび上がるギミックが施されている[注釈 9]。
大公家が代々の国政を担い、伯爵家は公国の影の部分である暗殺等の謀略を司っていた中、数年前に大公夫妻が謎の火災によって死亡、大公付きの摂政を務めていたラザール・ド・カリオストロ伯爵が、統治権を大公家に戻すためという名目で、大公家最後の姫であるクラリス・ド・カリオストロ姫を強制的に自身の婚約者として迎え、公国の独裁を狙っていたが、伯爵とクラリス姫の結婚式の当日、ルパンが引き起こした混乱に乗じて城に突入した銭形らの活躍により、「ゴート札」の印刷工場が城の地下から発見され、インターポールの査察が入る事になった。
かつてこの地には古代ローマ人達が住んでいたとされ、のちにローマ人達がこの土地を離れる際に、かつて自分達の住んでいた都市を水門を使って湖の中に沈め、それを大公家が代々守り続けていた。そして結婚式の翌日、湖の水が引いた後の湖底から古代ローマの壮麗な都市遺跡が良好な保存状態のままで姿を現した。
- ゴート札
- カリオストロ公国が製造している幻の偽札。かつて本物以上と称えられており、劇中のルパンの台詞によれば、古くはブルボン王朝を破滅させ、ナポレオン軍の軍資金となり、1927年の世界恐慌[注釈 10] の引き金となるなど、中世以降の世界情勢の裏に常にその影を見せていたという。
- 本作中にルパンと銭形警部が見つけただけでも、日本円(一万円札)、ドイツマルク(西ドイツ[注釈 11] の千マルク紙幣)、ドル、ポンド、ルピー、ペソ、フラン、リラ、ウォンの偽札を製造していた[注釈 12]。
- カリオストロ城の地下にある印刷工場で製造されており、現在では国営のカジノにまで出回るほどに流通している一方で、その造幣技術は往年に比べて落ちているようで、完成したサンプルも伯爵から品質の低下を指摘されていた[注釈 13]。
登場する乗り物・武器
乗り物
自動車・二輪車
- スーパーチャージャーつきフィアット・500
- ルパンたちの愛車。イタリア製の小型大衆車。改造が施してあり、レバーを引くとスーパーチャージャーが作動して高速で走行できる。「R-33」のナンバープレートがついている[39]。カリオストロ伯爵の手先が放った手榴弾でフロントガラスやヘッドライトなどを損傷したが、エンディング前には綺麗に修繕されている。塗装は黄色(クリームイエロー)。パンクしてタイヤ交換をするシーンがあるが、スペアタイヤは丸坊主(溝の無い状態)だった。
- イタリアで上映された折に、事前に申告しておけばフィアットから宣伝料が出た[注釈 14] のにと言われたが、それを聞いた宮崎は「イタリアで上映すると知っていたら別のメーカーにしただろう」と述べている。これは馴染みの無い車両の方が観客は楽しめると考えての事である。
- なお、劇場公開当時、大塚康生が作中に登場したものの同型車(FIAT NUOVA 500)を所有していた。
- メルセデス・ベンツSSK
- ドイツ製の高級車。ルパンがクラリスとの出会いを思い出す際の回想シーンに登場。
- シトロエン・2CV
- クラリスが城からの逃走に使用したフランス製の小型大衆車。塗装は小豆色。「F-73」のナンバープレートがついている[39]。カーチェイスの末にバラバラとなり、湖に落下して水没。
- 宮崎駿は同型車を所有している。また本作に先駆けて『TV第1シリーズ』第23話でも通常型(運転手は宮崎駿本人がモデルになっている)、及びバンタイプの2CVが「だるまや弁当」の配達車として登場している。
- ハンバー・スーパー・スナイプ
- クラリスを追うカリオストロ伯爵の部下たちが運転していた、イギリス製のリムジン1940年式、モンゴメリー将軍の愛用した車として有名、「C-14]のナンバープレートがついている[39]。塗装は茶色。防弾仕様の特殊タイヤを履いているが、次元の徹甲弾の一撃を食らってパンクし大破。この車に乗っていたカリオストロ伯爵の部下は5人で車内に3人、外側の右のドアと左のドアに1人ずつ掴まって乗っていた。車が大破した際に車の左のドアに掴まって乗っていた部下の男が吹っ飛ばされた。
- 日産・ブルーバード(410型)
- 銭形のパトカーとして登場する、白黒塗装の日本警察仕様車。ナンバーは「埼玉5 た 110」。初登場時からカリオストロ城に突入するまでは右ハンドルだったが、エンディング前には左ハンドルに変わっている。ドアに書かれている所属名も左側は「埼玉県警」だが、右側は「ICPO」となっている。
- ファンの間では、通称「銭ブル」とも呼ばれる[39]。宮崎駿が担当した『TV第2シリーズ』第145話「死の翼アルバトロス」にも銭形の愛車として登場する。
- C.M.P 15-CWTトラック(キャブ13型)
- 機動隊員輸送車として登場。カナディアン・ミリタリー・パターン(C.M.P)、または、ゼニガタ突撃隊輸送車、1943年型カナディアンGMミリタリーパターン[39] と呼ばれる、英連邦払い下げの幌付き全輪駆動軍用トラックで、塗装は暗灰色。右ハンドルで警察仕様としてサイレン機能と屋根上にパトライト(赤色灯)がある。C.M.Pはカナダフォード、カナダシボレーの両社で製造されたが、作中のC.M.Pはラジエーターグリルが斜めのダイヤ型(フォード製は四角の網目)なのでシボレー製である[40]
- 1973年には大塚康生がマックス模型の製品として同車と同じトラックの1/35模型を「C.M.P小型トラック」として企画設計し、同社より商品化している。
- ハーレーダビッドソン・WLA
- 不二子が使用したアメリカ製の軍用オートバイ。後部両サイドにサドルバッグを取り付けており、ラストシーンでは偽札の原版を入れていた。
- 銭形に電話を掛けるシーンとラストシーンではヘッドライトとホーンの上下が逆になっているが、別個の車両ではなく作画ミスと思われる。電話を掛けるシーンに登場する、ホーンが上にあるものが本来の仕様である。
航空機
- オートジャイロ(と呼称される航空機)
- カリオストロ伯爵の所有する、一人乗りの架空の小型航空機。伯爵が湖の上を遊覧飛行する際に使用し、クラリス奪回作戦の時にはルパンと銭形も搭乗したが、ジョドーの銃撃で炎上。その後、木に突っ込んで爆散している。
- 後退翼形式の主翼のみで尾翼が存在せず、主翼端に垂直安定板と方向舵を持つ、全翼機に似た機体構成で、機体後部に推進式にプロペラがあり、メインエンジンの他にローターブレードの先端にはラムジェットエンジンが装備されている[41]。ブレード先端のラムジェットによってローターを自力回転させることによって垂直離着陸が可能となっており、作中では“オートジャイロ”と呼ばれているものの、垂直離着陸機に分類される航空機である[注釈 15]。
- 製作の都合でルパン対オートジャイロのシーンは割愛されたが、劇場公開当時に販売されたポスターでは、フィアットで逃走するルパンと対戦車ライフルで応戦する次元を、本機で追うイラストが公開されていた[注釈 16]。また、イメージボードでは伯爵の手下も、本機とは別形式のオートジャイロ[注釈 17] を使用し、ルパンと対決する予定であった。
- ハンググライダー
- 折り畳み式のグライダー。翼の色は赤。不二子がオートジャイロからの脱出時に使用。
- C-119 フライング・ボックスカー
- ツインブーム双胴双発のレシプロ輸送機。終盤、国連の空挺部隊を輸送して降下させるするシーンで登場。
その他
- 水雷艇[注釈 18]
- 川を遡行してクラリスの追跡に現れたカリオストロ公国水軍の小艦艇。塗装は白。外観はタービニア号に酷似しており、普段はポンポン船のようなエンジン音だが、速力を上げたときには、白波をけたててタービン音を響かせている。終盤の時計塔の崩壊に巻き込まれて沈没する。
- 馬車
- 干し草を満載した農家の大型の荷馬車。五ェ門が公国入りする際に乗せてもらっていた。
武器
排莢アクションなどが省略されて描写されている。
- シモノフPTRS1941
- ソビエト連邦製の対戦車ライフル。「素人が撃つと肩の骨が砕ける」といわれるほどの威力と反動を持つ。マグナムすら効かない強靭な鎧を着た敵部隊「カゲ」に対し、最終決戦で次元が使用した。この銃でもその装甲は貫通できず、後方へ吹き飛ばすだけだったが[注釈 19]、「カゲ」の大群を相手に獅子奮迅の活躍を見せる。
- S&W M27 .357マグナム 4インチ
- アメリカ製の拳銃。今作の次元はテレビアニメ版で愛用しているS&W M19ではなく、S&W M27を使用[注釈 20]。冒頭のカーチェイスで防弾タイヤを装備した追っ手の車を止めるためにボトルネックケースの徹甲弾を使うシーンがあるが、実際には使用できない。今作では、「カゲ」が着込んだ鎧にダメージを与えることが出来なかったため、序盤の「カゲ」の奇襲以降は出番がなくなる。
- ルガー1900
- ドイツ製の拳銃。ルガーP08の原型となった拳銃で、当時のスイス軍などが採用した。不二子が他の作品で使用しているブローニングの代わりに使用。設定資料ではグリップ下に銃床を装着する部品がなく、これはスイスルガーの特徴となっている。なお、スイスルガーを紹介する銃器雑誌『月刊Gun』1979年4月号誌上のレポート記事[注釈 21] には、スイスルガーを「不二子に使って欲しい」という記述があった。
- UZI
- イスラエル製の短機関銃。最初期の木製固定銃床を装着したタイプを不二子が使用している。25連ショートマガジンを使用。
- M3短機関銃
- プレス加工を多用したアメリカ製の短機関銃。正確には改良型のM3A1で、その独特な形からグリースガンとの別名がある。冒頭のカジノ襲撃シーンで用心棒達が所持していた。
- MG34
- ドイツ製の汎用機関銃。伯爵がジョドーにオートジャイロとルパンを撃たせたシーンに登場。単脚架に載せられ、ベルト給弾の50発ドラムマガジン[注釈 22] を装備していた。
- PPD-40
- ソビエト連邦製の短機関銃。冒頭のカーチェイスでクラリスを追う男達が使用。PPSh-41に酷似しているが、マガジン前方に木製ストックの先端が突出している点で確認出来る。
- MP40
- ドイツ製の短機関銃。「カゲ」達が使用。
- PPSh-41
- ソビエト連邦製の短機関銃。時計塔に侵入した水兵が使用。
- ワルサーP38
- ドイツ製の拳銃。『TV第1シリーズ』のエンディング・テーマでも歌われる、ルパンの愛用拳銃である。今作ではポケットから取り出した直後、銃口がポケットに引っかかっているうちに警備装置のレーザーで溶かされ、全く活躍していない。回想シーンでのみ発砲している。
- M24型柄付手榴弾
- ドイツ製の手榴弾。冒頭のカーチェイスで、クラリスの追手たちがルパンのフィアットに向けて投擲。
- マークII手榴弾
- アメリカ製の手榴弾。その形から通称パイナップルとも言われる。使用人の偽装を解いて迷彩服に着替えた不二子が使用。脱出路を開けるべく窓へも投擲したが、壁や窓は防爆仕様でびくともしなかった。
- 斬鉄剣
- 五ェ門愛用の日本刀。中盤では燃えたルパンのスーツを粉々に斬って助け[注釈 23]、最終決戦では、次元の対戦車ライフルでも破壊できないほどの耐久性を持った「カゲ」の鎧を、甲冑だけを軽々と斬り裂いて「カゲ」たちの素顔を露出させる斬れ味を見せた。テレビ版ではコンニャクなど斬れない物も幾つか存在する斬鉄剣だが、本作では斬れない物は登場しなかった。
- 警備装置
- カリオストロ城の各所に設置された警備システム。警備装置の作動直後に報告された機動隊員の台詞では「対人レーダーの反応もあります」とあり、庭園や時計塔内部までいかなる場所にも張り巡らされている。しかしその実体は相手を無力化させる罠や警報の類ではなく、侵入者を抹殺する自動銃座に近い、警備の範疇を逸脱した殺人兵器である。自在に動くアームの先端に箱形の高出力レーザー発振装置が組み込まれており、銭形が捨てた煙草を地面に落下する前に完全に焼き尽くして消失させたり、ルパンのワルサーP38を一瞬で溶解させるという恐るべき威力を持つ。
- メイス
- 宿屋の壁に飾ってあった戦棍。設定書には「イガイガハンマー」との名称が付けられている。「カゲ」の襲撃に対してルパンが使用。柄頭から八方に棘が飛び出した形状から、別名モーニングスター(明けの明星)とも呼ばれる。
- 大斧&楯
- 同じく宿屋の壁に飾られていた戦斧と楯。こちらは次元が使用。斧は戦闘で使い、楯は閃光弾の光を防ぐために構えた。楯の表面にはカリオストロ公国旗と同じ十字の紋章が入っている。
- スパナ
- ナットを締める工具だが、本作内では主に鈍器として活躍。宿屋からの逃走時にはフィアットにしがみつく「カゲ」を次元が殴った他、TV中継時ではリポーターに変装した不二子が、中継を中止させようとする伯爵の手下を殴っている。
- 大型レンチ
- 両手持ちの大型レンチ。時計塔の備品をルパンが打撃武器へ転用したもの。本来の工具として幾つかの機械部品を外して歯車を落下させた他、伯爵との一騎討ちに使用した。
- 十手
- 銭形愛用の捕り具。格闘武器としての他に指揮杖代わりとしても使用された。先祖伝来の物であるのかは不明[注釈 24]。今作では設定書こそあるが、愛銃のコルト・ガバメントは使用されていない。
- サーベル
- 騎兵用の片手剣。衛士隊の標準装備。終盤の時計塔では伯爵も使用。
- 大楯&警棒
- 主に暴徒鎮圧に使用される機動隊の標準装備。覗視孔付きの楯はジュラルミン製で軽いが、防弾には全く役に立たない。主に機動隊員が使用。
- 閃光弾
- ルパンが宿屋で「カゲ」から逃げる際に使用した手製の手榴弾。殺傷力はないが、人間の目を眩ますほどの強力な光を放つ。ルパンはこれを使う際に、目を守る為にサングラスを着用していた。
- ロケット弾
- 大司教に変装したルパンのマント裏に大量に仕込まれており、結婚式会場で一斉発射された。弾頭は花火であり、殺傷よりも相手方の攪乱を狙った武器である。
- 指ロケット
- 伯爵の隠し武器。ガントレットの指先が五連装の小型ロケット弾になっている。時計塔でルパンへ向けて発射された。
- 銛
- かつてのカリオストロ城にあった警備装置。ルパンが若い頃を回想するシーンに登場。大量の銛を無音で侵入者に発射する仕組みで、前述のレーザー同様に、標的の捕獲よりも抹殺に重点が置かれている。ゴート札の謎を突き止めようとして、逃走しようとしたルパンの背中に突き刺さり、重傷を与える。ルパンは身動きが取れないほどの傷を負って行き倒れてしまうが、少女期のクラリスに助けられる。
ビデオソフト
日本国内
※1 下記における各メディアソフトの価格はメーカーが提示した「標準価格」的なものであり、実売価格とは異なる場合がある。
※2 ビデオソフトの市販化にあたり、ビデオやLD、DVDなどに予告編が収録されたが、冒頭部分の宮崎のコメントが削除されている。劇場で使用された予告編では、冒頭に、黒い画面に白抜き文字で「前作をしのげないのなら 2作目を作る意味がない。 宮崎駿」というコメントがある(主に上映された劇場の前上映作品『がんばれ!! タブチくん!!』にて使用)。なお、このコメントはキャッチコピーとして同時期に配布されたチラシ・新聞広告でも確認可能。削除された理由については不明。いずれにせよ市販されている媒体での「予告編完全収録」という表記は、実際には一部削除されているため不適切な表記となっている(2010年現在)。
- 1980年頃に『ルパンVS複製人間』と共に東宝ビデオから初のビデオソフト(VHS・β:3万8000円、U規格:5万円)が発売され[42]、1981年11月にはVHSとβが1万9800円に値下げされた[43]。この最初のビデオ版では収録時間が90分に短縮されており[44]、ルパンが塔から塔に飛び移るシーンなどがカットされている[45]。1983年8月には『ルパン三世 カリオストロの城 完全版』としてノーカット版が発売された。なお、1985年11月に発売したLD・VHDは発売当初よりノーカットだった[注釈 25]。
- 2001年にブエナ ビスタ ホーム エンターテイメントの「ジブリがいっぱい COLLECTION スペシャル」ブランドでDVD版が発売された[注釈 26]。2枚組で、英語版や劇場公開時の予告編、またマルチアングルで絵コンテなどの特典が収録されている。本編の音声は劇場公開時のモノラル音声(日本語)、擬似ステレオ(日本語)、英語版がそれぞれ収録されており、映像は画面アスペクト比16:9でスクイーズ収録されている[46]。2003年に発売された「劇場版ルパン三世 DVD Limited BOX」には収録されなかった。
- 2008年12月3日にバップからブルーレイソフトが発売された。本編の映像は1080i(MPEG-4 AVC)、音声はオリジナル音声(リニアPCMモノラル)と擬似5.1ch音声(DTS-HD Master Audio 5.1ch及びドルビーTrue HD 5.1ch)で収録されている[47]。
- 2014年8月には最新HDマスターを使用したデジタルリマスター版のブルーレイとDVDがウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンよりリリースされた[48]。ブルーレイはパナソニックが開発した最大36ビットの高階調映像を実現する「マスターグレードビデオコーディング(MGVC)」に対応する(DIGAなどのMGVC対応BDレコーダーで再生可能)[49]。
- 2019年7月24日には、4K解像度視聴に対応したUltra HD Blu-ray(4K ULTRA HD,UHD BD)版ソフトがバップよりリリースされた[50]。また、音声もデジタルリマスター版と異なり、旧作アニメーション作品のパッケージ化では初となる7.1chを採用した[51]。
日本国外
- 北米では、1992年にストリームライン・ピクチャーズ (Streamline Pictures) が『The Castle of Cagliostro』のタイトルで翻訳し、MGMから発売された。日本でも1994年にリンガフォン・ジャパンより英語教材としてVHSソフトが発売されたほか、「ジブリがいっぱいCollection」として発売されたDVDにも収録されており、ルパンの名前は Wolf に変更されている(参考)。ストリームライン・ピクチャーズは、ルパンシリーズでは『ルパンVS複製人間』『死の翼アルバトロス』『さらば愛しきルパンよ』も翻訳している。イギリスとオーストラリアではこのストリームライン・ピクチャーズの吹き替え版を用いてManga Entertainmentが発売した。
- 2000年にManga Entertainmentは上記のストリームラインとは別の吹き替えを用いたDVDを発売した。Mangaは2006年8月に、特別版DVDを発売。この特別版にはレコードのようにA面とB面があり、一枚のディスクの裏表両方が記録面となっている。A面には本編が、B面には大塚康生へのインタビューなどの特典映像が収録されている。
- フランスでは翻訳版が3つ存在し、『Vidocq contre Cagliostro』のタイトルで発売された第1バージョン、Manga Entertainmentが『Le Château de Cagliostro』のタイトルで発売した第2バージョン、IDPが同じく『Le Château de Cagliostro』のタイトルで発売した第3バージョンがある。Manga Entertainment による第2バージョンは、上記の Streamline Pictures による英語版を基にした重訳で、ルパンの名はやはり Wolf となっている。
賞歴
- 第34回毎日映画コンクール・大藤信郎賞受賞(1979年)[52]
- アニメージュ アニメグランプリ歴代ベストワン作品1位(1982年 - 1984年)、2位(1980年下半期、1981年、1985年 - 1986年)
- キネマ旬報創刊85周年オールタイムベスト・テン アニメーション部門1位(2004年)
- 日本のメディア芸術100選 アニメーション部門 専門家選出4位、一般選出5位(2006年)
- キネマ旬報オールタイム・ベスト 映画遺産 アニメーション篇1位(2010年)
売上記録
(日本国内)
内容 | 記録 | 補足 |
---|---|---|
興行収入 | 約6.1億円[6] | 叶精二による推測 |
配給収入 | 約3.05億円[7] | |
地方動員 | 65万8386人[7] | 2本立て(主に『Mr.Boo!ギャンブル大将』と) |
首都圏・関西動員 | 約24.2万人[7] | 単独 |
全国動員 | 約90万人[7] | |
『オリジナル・サウンドトラック ルパン三世・3』 | 約1万枚出荷[53] | 1994年発売のCD |
『ルパン三世 カリオストロの城 ドラマ編』 | 約1.5万枚出荷[53] | 1986年発売のCD |
『ルパン三世 カリオストロの城 完全収録盤』 | 約1万枚出荷[53] | 1994年発売のCD |
『カリオストロの城 オリジナル・サウンドトラック BGM集』 | 約2万枚出荷[53] | 1994年発売のCD(再発) |
『ルパン三世 宮崎駿作品集』 | 約1万枚出荷[53] | 1997年発売のCD |
『ルパン三世クロニクル ルパン三世 カリオストロの城 ミュージックファイル』 |
約1万枚出荷[53] | 2003年発売のCD |
DVD | 約40万枚出荷[54] | 2001年発売(2003年6月現在) |
テレビ放送と視聴率
放送は全て日本テレビ系列。
回数 | 放送日 | 番組名 | 視聴率 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 1980年12月17日 | 水曜ロードショー | 21.2% | |
2 | 1982年9月22日 | 21.8% | ||
3 | 1984年3月14日[注釈 27] | 20.3% | [注釈 28] | |
4 | 1985年7月3日[注釈 29] | 14.7% | ||
5 | 1991年10月4日 | 金曜ロードショー | 13.7% | [注釈 30] |
6 | 1994年9月2日 | 22.4% | ||
7 | 1996年1月2日 | 今夜のルパン三世 | 12.1% | |
8 | 1999年2月26日 | 金曜ロードショー | 23.4% | |
9 | 2001年6月15日 | 21.2% | ||
10 | 2004年3月26日 | 15.8% | ||
11 | 2008年5月2日 | 16.4% | [注釈 31] | |
12 | 2010年10月8日[55] | 12.1%[56] | ||
13 | 2012年3月30日 | 12.7%[56] | ||
14 | 2015年1月16日[57] | 金曜ロードSHOW! | 14.5%[56] | |
15 | 2016年10月14日[注釈 32][58] | 12.4%[59] | ||
16 | 2018年1月19日[60] | 11.0%[61] | ||
17 | 2020年11月20日 | 10.2%[62] | ||
関連出版ほか
- 『ルパン三世 カリオストロの城』 集英社文庫 コバルト・シリーズ 1982年、新版2000年 ISBN 4086105101
- 『あれから4年…クラリス回想』 徳間書店 アニメージュ文庫、1983年8月 ISBN 978-4196695127
- フィルムコミックのダイジェスト版、および宮崎駿の回想エッセイとインタビュー
- 『ルパン三世 カリオストロの城 シネマ・コミックEX』 文藝春秋 文春ジブリ文庫、2019年10月 ISBN 978-4168121203
- 旧版は双葉社の文庫判、1984年と1996年に分冊刊行
- 『ルパン三世 カリオストロの城 アニメコレクション』 双葉社、1985年。下記の参考文献は新版
- 『ルパン三世 カリオストロの城 宮崎駿 絵コンテ集』 双葉社、1984年。同上
- 徳間アニメ絵本『ルパン三世 カリオストロの城』 徳間書店、2000年 ISBN 4198612900
- LPレコード『ルパン・トーク・ルパン』日本コロムビア(1982年)、新版CD(1992年)
- アニメ2ndシリーズ終了後、ルパンが成長したクラリスと再会したことがルパン(声:山田康雄)によって語られる[66]。
関連ゲームソフト
- 『CLIFF HANGAR』 - スターン (1983年)
- 本作と『ルパン三世 ルパンVS複製人間』の映像を利用したレーザーディスクゲーム。
- 『ルパン三世 カリオストロの城』 - ムービック / 東宝 (1985年)
- パソコンPC-8801他用のロールプレイングゲーム。
- ルパン/次元/五右衛門/銭形の登場人物を一人選びカリオストロ城に潜入する。
- 一度死ぬとセーブデータが削除されるなど厳しい展開が売りだった。
- 『ルパン三世 カリオストロの城』 - 東宝 (1987年)
- MSX用のアクションゲーム。
- 『ルパン三世 パンドラの遺産』 - ナムコ (1987年)
- ファミリーコンピュータ用アクションゲーム。本作の後日談。
- 『LUPIN III CASTLE OF CAGLIOSTRO ルパン三世 カリオストロの城』 - ツクダホビー (1987年)
- テーブルトークRPGのワープスシステムを採用。
- 企画/製作ORG、ゲームプロデューサー/大貫昌幸、ゲームデザイナー/小島裕貴子
- 『ルパン三世 カリオストロの城 -再会-』 - アスミック (1997年)
- プレイステーション用アドベンチャーゲーム。映画の設定資料やムービーも収録されている。
- バーチャルの世界で、突然、記憶を失った主人公は、ルパン達と共に、自身の記憶を取り戻すために、謎を解きながらカリオストロ城のもう一つの秘密と、自身が記憶を失った理由に迫る。
- ゲーム内容は、映画版から、しばらく経過した後となっている。
その後のルパン作品との関連
- 本作公開後に放送され、宮崎駿が脚本・演出を担当したTV第2シリーズ第145話「死の翼アルバトロス」、第155話「さらば愛しきルパンよ」では、本作を彷彿とさせるシーンが存在する。その例として機動隊員や日産ブルーバードのパトカーが登場している。また、劇場版『ルパン三世 風魔一族の陰謀』でも同様にブルーバードパトカーや機動隊員が登場している(ただし、こちらは岐阜県が舞台の為、登場する機動隊員もパトカーも岐阜県警となっている)。このブルーバードパトカーは2020年現在の最新作でも銭形警部の愛車(銭形警部専用車)として登場している
- 2018年4月から9月まで放送された『TV第5シリーズ』の第23話終盤には映画本編にも登場したカリオストロ公国の湖の中にある古代都市[67]、崩壊した時計塔や骸骨の山があるカリオストロ城の地下が登場しルパン、次元、五ヱ門は城の地下を隠れ家としていた。
補足・その他
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
- カリオストロ城のモデルは、サン・レーオである[68]。
- 「カゲ」達が結婚式典で被る尖った頭巾のモデルは、カピロテと呼ばれるものである。
- 草創期のコミックマーケットでは吾妻ひでおとその周辺の同人がロリコン漫画同人誌『シベール』『クラリスマガジン』を作成し、ヒロインのクラリスをロリコンキャラクターとして取り上げている。
- 『ゼンダ城の虜』を初めとする、「近現代ヨーロッパの架空の小国を舞台にした冒険譚」を表す「ルリタニア・テーマ」というジャンル名を提唱した田中芳樹は、日本における代表例として本作と『天空の城ラピュタ』をあげた[69]。
- 本作のファンであった黒田清子(旧名:紀宮清子内親王)は、黒田慶樹との結婚式で着用する白いドレスのモチーフとして、デザイナーにクラリスの花嫁衣装を例示したという話が報道された[70]。
- 『ワルサーP38』のニューヨーク市街の日本料理店で食事をとっている銭形の下に訪ねて来たビッキー・フラナガンが持って来たルパンのワルサーP38に関する資料の中に伯爵の顔写真が写っている本作の事件と思われる資料が登場した。
- 作中には1968年の発行日が入った新聞記事が登場するが、1968年の時点では作中に登場するカップ麺や100円ライターは市販されておらず矛盾している。
脚注
注釈
- ^ 日本公開から40年後のフランス公開。「ルパン」が別の名前に変更されたビデオは出回っていた(#日本国外も参照)。[2][3][4][5]
- ^ 山崎版ノベライズでは、伯爵の差し金による放火の可能性があると庭師の老人が言及している。
- ^ 中世からの家系のはずだが何代目かは不明。
- ^ ジョドーのみ「殿下」と呼び、銭形は初対面時に「閣下」と呼んでいる。
- ^ 本作は宮崎駿監督作品で、製作スタッフは違うがスタジオジブリ作品の一種としても扱われているため、ジブリ作品の放映権を独占している日本テレビ系列以外での放送が出来ないという事情もある。本作は地上波以外での放送は2017年まで行われなかった。
- ^ 当時、水野晴郎は前年の参院選出馬(結果は落選)に伴い降板中であった。
- ^ 山田は生前、クリント・イーストウッドの吹き替えを専属で担当しており、自身の代表作の一つでもあった。
- ^ 2015年から放送された『TV第4シリーズ』およびこれをベースとしたテレビスペシャル『ルパン三世 イタリアン・ゲーム』およびアニメでも「カリオストロ」の名が使用されているが、こちらは自称錬金術師として実在した人物を取り上げている。
- ^ ただし、現在は経年により磨り減った影響で継ぎ目の文字は読み難くなっており、このギミックに気付いたルパンも最初の一部分以外は読めずにいたが、大公家の詩を継承していたクラリスのおかげで内容を知ることが出来た。
- ^ 実際には1929年だが、劇中ではそう語られている。
- ^ 映画公開当時のドイツは、西ドイツ(ドイツ連邦共和国)と東ドイツ(ドイツ民主共和国)に分断されていた(ドイツ再統一は本作公開後の1990年)。
- ^ これらの通貨のうち、ドイツマルク、フラン(フランス・フラン、ベルギー・フラン、ルクセンブルク・フラン)、リラ(イタリア・リラ、サンマリノ・リラ、バチカン・リラ)は2002年にユーロへの置き換えにより法定通貨のしての効力を喪失した。(スイス・フランとトルコ・リラは健在)
- ^ このシーンにおいて偽札製造の担当技術者は「いまのような大量生産を続けては…」と偽札の生産量が増えたことを品質低下の原因としていたが、カリオストロ伯爵は質の低下も納期の延長も認めなかった。
- ^ のちに製作されたOVA『ルパン三世 GREEN vs RED』では、フィアットグループオートモービルズジャパンの協力の元、当時日本導入が始まったばかりの現行フィアット500が登場している。
- ^ 現実のオートジャイロはローターには動力は接続しないのが基本であるが、離陸時のみクラッチを繋いでエンジンでローターを駆動し、垂直離陸を可能にする方式のオートジャイロは実在する。ただし作中のようにローターを駆動するのに別エンジンを用いる形式、また着陸時にもエンジンでローターを駆動する形式のオートジャイロは実在せず、ローターの先端にラムジェットエンジンを付加したオートジャイロも存在しない。
ローターの先端にラムジェットエンジンを装備し、これによってローターを自力回転させることによって垂直離着陸を行える、という方式は第2次世界大戦末期にナチスドイツにおいてフォッケウルフ トリープフリューゲルという機体が設計されているが、本作に登場する“オートジャイロ”とは構造や構成が異なる。ヘリコプターであれば、このような形式が構想され、通常のヘリコプターに必須のテールローターが不要とされる機体を、アメリカのヒラー社が1950年代にYH-32 ホーネットとして試作している。
なお、設定画の通りにラムジェットエンジンであるとした場合、その作動原理上、完全停止状態からは始動出来ず、本編内の描写と矛盾する。このため、作品のファン等には補助ロケットエンジンと解釈されていることがある。 - ^ オートジャイロはパイロットの他に、伯爵の手下が左右主翼上に乗った三人乗り状態であった。『カリオストロの城大事典』P20。
- ^ 形状はフォッケウルフFw61に酷似。ただし、Fw61はオートジャイロに限りなく似たヘリコプターである。
- ^ 実は連絡艇(ランチ)の類である艦載水雷艇の一種。内火艇と呼称する資料もある[要出典]。
- ^ 現実には、ここまでの耐久性を持つ個人用の防具は存在していない。また、本作では時計塔での伯爵を除き、基本的に人死にが出る生々しいスプラッタシーンは直接描写されなかった(ただし、断末魔の悲鳴等の演出はある)。
- ^ 映画パンフレットの次元プロフィールより。
- ^ 担当記者はジャック・クボタ。
- ^ と称しているが、弾倉は弾帯を詰め込んだ単なる容器である。
- ^ 前劇場版に引き続き、五ェ門は「また、つまらぬ物を斬ってしまった」と呟いている。
- ^ TRPG『LUPIN III CASTLE OF CAGLIOSTRO ルパン三世 カリオストロの城』のルールブックでは、先祖伝来の物とされていた。
- ^ 当時は、多くのソフトがVHS版では90分以下にカットされ、β版でノーカットが発売されていた。
- ^ 製作:トムス・エンタテインメント、発売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント、VWDZ8032)
- ^ 当時、宮崎駿にとっては本作以来5年ぶりの監督作品となる長編劇場アニメ『風の谷のナウシカ』(3月11日公開)が公開中であった。
- ^ この時には監督の宮崎駿、ルパン役の山田康雄、不二子役の増山江威子がスタジオに招かれ、司会の愛川欽也と対談を行っている。
- ^ 当時、『ルパン三世』シリーズの映画化としては本作以来6年ぶり3作目となる長編劇場アニメ『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』(7月13日公開、監督・鈴木清順、吉田しげつぐ)の公開が控えていた。
- ^ 今回で初のノーカット放送が実現し、以後ノーカット放送が定着する。
- ^ 初HDリマスター版放送
- ^ 広島テレビのみ、セ・リーグクライマックスシリーズファイナルステージ第3戦・広島×DeNAを急遽延長したため同16日に振替。
出典
- ^ ルパン三世 カリオストロの城 - 文化庁日本映画情報システム
- ^ “カリオストロの城、フランスで「ついに上映」公開から40周年、「単純に驚いた」と話題”. J-CASTニュース. 株式会社ジェイ・キャスト (2019年2月8日). 2019年2月9日閲覧。
- ^ “「日本で放映されてから40年、フランスでついに『ルパン三世 カリオストロの城』の上映が実現しました。…」”. フランス政府留学局・日本支局Twitter. キャンピュス・フランス・ジャポン (2019年2月7日). 2018年8月18日閲覧。
- ^ BAUDOUIN ESCHAPASSE (2019年1月23日). “Pourquoi il faut voir Le Château de Cagliostro de Miyazaki(宮崎の『カリオストロの城』を見なければならない理由)/【予告映像】”. Le Point Pop . ル・ポワン. 2019年2月9日閲覧。
- ^ Mathieu Macheret (2019年1月23日). “« Le Château de Cagliostro » : aux origines du style Miyazaki”. ル・モンド 2019年2月10日閲覧。
- ^ a b 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社、2006年、27頁。ISBN 4845906872
- ^ a b c d e 叶精二『宮崎駿全書』28頁。
- ^ 宮崎駿著『出発点―1979〜1996』
- ^ 「アニメージュ’84年10月号」押井守版『ルパン三世』製作決定特集、押井守×宮崎駿×大塚康生の座談会
- ^ 宮崎駿が押井守を監督として推薦した。
- ^ 押井守版ルパン三世
- ^ “初公開から35年!『カリオストロの城』デジタルリマスター版の劇場公開が決定!”. シネマトゥデイ (2014年4月22日). 2014年4月22日閲覧。
- ^ “『ルパン三世 カリオストロの城』デジタルリマスター版で劇場上映”. ORICON STYLE (2014年4月22日). 2014年4月22日閲覧。
- ^ 奇跡の実現!映画『ルパン三世 カリオストロの城』40周年!巨大スクリーンで全編上映&大野雄二率いるオーケストラの生演奏でシネマコンサートとして蘇る! 2019年6月20日 ファミ通.com
- ^ “【8/21(金)より】池袋・グランドシネマサンシャインにて劇場版2作品を上映!”. ルパン三世. 2020年10月27日閲覧。
- ^ “映画『ルパン三世 カリオストロの城』MX4D版が全国公開 -シート振動、風、ストロボ等、特殊効果満載”. www.fashion-press.net. 2020年5月6日閲覧。
- ^ “「ルパン三世 カリオストロの城」が4D版でスクリーンに!ルパンと屋根を大ジャンプ!? 新予告編公開”. アニメ!アニメ!. 2020年5月6日閲覧。
- ^ “『ルパン三世 カリオストロの城』4DX、期間限定上映決定! | グランドシネマサンシャイン池袋”. www.cinemasunshine.co.jp. 2020年10月27日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/cs_ikebukuro/status/1320908074597699584”. Twitter. 2020年10月27日閲覧。
- ^ “ルパン三世 カリオストロの城:島本須美“クラリス”が「おじさま、私も連れてって」生披露 宮崎駿監督との思い出は…”. MANTANWEB (2019年11月9日). 2019年11月9日閲覧。
- ^ 指揮官を担当。劇場公開時のパンフレットの「声の出演」表記より。
- ^ 劇場公開時のパンフレットの「声の出演」表記より。
- ^ 衛士の1人を担当。劇場公開時のパンフレットの「声の出演」表記より。
- ^ 召し使いの1人を担当。劇場公開時のパンフレットの「声の出演」表記より。
- ^ インターポールの長官も担当。劇場公開時のパンフレットの「声の出演」表記より。
- ^ ゴート札の印刷主任も担当。劇場公開時のパンフレットの「声の出演」表記より。
- ^ “FIRE TREASURE (炎のたからもの) / Bobby”. レコチョク. 2016年1月17日閲覧。
- ^ NHK-FM「アニソンアカデミー」第219回、2018年1月6日(土)
- ^ COCX-32227 『ルパン三世 カリオストロの城 ミュージックファイル』大野雄二インタビュー、コロムビアミュージックエンタテインメント、2003年5月21日発売。
- ^ 朝日新聞デジタル:小林七郎、背景美術を語る - 小原篤のアニマゲ丼 - 映画・音楽・芸能
- ^ a b 「コラムでふりかえる2001年映画界10大ニュース」『キネマ旬報』2002年(平成14年)2月下旬号、キネマ旬報社、2002年、181頁。
- ^ 『SUPER SURPRISE』 2010年2月8日(日本テレビ放送網)放送より。
- ^ 大塚康生『作画汗まみれ』(p.185)より
- ^ 『ルパン三世よ永遠に-山田康雄メモリアル-』パイオニアLDC
- ^ 「次元は30年来のよき相棒 小林清志」『別冊宝島852号 ルパン三世 PERFECT BOOK PartII TV版パート2 ストーリー解析編』宝島社、2003年、p.122
- ^ ASIN B000FGG5NK, Lupin the III: The Castle of Cagliostro
- ^ 森卓也『シネマ博物誌』[要ページ番号]
- ^ 久美薫『宮崎駿の時代 1941~2008』[要ページ番号]
- ^ a b c d e 編集 本多健治『100てんランド・アニメコレクション③ルパン三世カリオストロの城』双葉社、1981年8月16日、82,84-85頁。
- ^ 月刊『ホビージャパン』1976年4月号P14の記事より。
- ^ 『双葉社スーパームック アニメコレクション ルパン三世カリオストロの城』 (ISBN 978-4575471694)※再販版 双葉社:刊 1999年(再販版)/1981年(初版刊行). に設定画が掲載されており、「ローターに、ラムジェットがついていて、ヘリ的能力も若干持っている。」と記述されている。
- ^ 「1981年東宝ビデオ総合カタログ」1981年、東宝株式会社、p2
- ^ 「ビデオコレクション1982」1981年、東京ニュース通信社、「週刊TVガイド」臨時増刊12月2日号、p80、p176
- ^ 宮崎駿『あれから4年…クラリス回想』徳間書店
- ^ やはり存在した90分版カリオストロの城
- ^ カリオストロの城DVDが、2枚組みになって発売延期、AV Watch、2001年2月16日
- ^ VAP、「カリオストロの城」の映像をMPEG-4 AVCに変更、AV Watch、2008年9月29日
- ^ 2014/08/06 ジブリがいっぱいCOLLECTION 『ルパン三世 カリオストロの城』DVD/ブルーレイディスク 発売!、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン、2014年4月1日
- ^ 「カリオストロの城」が最新HDマスター使用でディズニーから再BD化、AV Watch、2014年4月1日
- ^ 「ルパン三世 カリオストロの城」が4Kに。7月24日 UHD BD発売、Impress Watch AV Watch、2019年3月20日
- ^ “劇場公開40周年の『ルパン三世 カリオストロの城』が、“新作以上”のクオリティで帰還!4K ULTRA HDで再加速する魅力 - 映画 Movie Walker”. Movie Walker. 2020年5月6日閲覧。
- ^ “第34回毎日映画コンクール”. 毎日新聞. 2016年1月17日閲覧。
- ^ a b c d e f 叶精二『宮崎駿全書』25頁。
- ^ 叶精二『宮崎駿全書』30頁。
- ^ “金曜ロードショー『ルパン三世 カリオストロの城』はリモコンのdボタンをプッシュ!”. 日刊テラフォー (2010年10月7日). 2016年9月24日閲覧。
- ^ a b c “「ルパン三世 カリオストロの城」14.5%!根強い人気”. スポニチアネックス. (2015年1月19日) 2015年1月20日閲覧。
- ^ “『ルパン三世 カリオストロの城』をより楽しむため、知っておきたい3つのポイント”. おたぽる (2015年1月16日). 2015年7月13日閲覧。
- ^ “『金曜ロードSHOW!』で「ルパン祭り」 10・7から3週連続”. ORICON STYLE (2016年9月23日). 2016年9月24日閲覧。
- ^ “「ルパン三世 カリオストロの城」15回目でも12.4%!根強い人気”. スポニチ Sponichi Annex. (2016年10月17日) 2017年1月23日閲覧。
- ^ “【金曜ロードSHOW】『ルパン三世 カリオストロの城』1月19日テレビ放送決定!”. T-SITE (2018年1月5日). 2018年1月12日閲覧。
- ^ “ルパン三世 カリオストロの城:16回目放送も視聴率11.0%と人気衰えず”. マイナビニュース. (2018年1月22日) 2018年1月23日閲覧。
- ^ “ルパン三世「カリオストロの城」17度目10・2%”. 日刊スポーツ. (2020年11月24日) 2020年12月8日閲覧。
- ^ 「銭形警部」放送記念!ついに「カリオストロの城」登場!
- ^ AbemaTVで「ルパン三世 カリオストロの城」とTVスペシャル5作品を無料配信
- ^ ノンクレジットだが、本文冒頭部分に辻真先の執筆と記されている。
- ^ [tonbori堂アニメ語り 『ルパン三世』LPレコード『ルパン・トーク・ルパン』|Web-tonbori堂アネックス https://tonbori.blogspot.com/2017/06/tonbori-lp.html?m=1]
- ^ 湖の古代都市は観光地になっているためか観光客らしき人が登場した。
- ^ 日本の姫路城も!死ぬまでに行きたい“世界の名城”って
- ^ 田中芳樹『アップフェルラント物語』後書きより[要文献特定詳細情報]。また田中の最初の長篇『白夜の弔鐘』で登場する女性「クラリス」の名前は、本作のヒロインから取られている(梶尾真治による文庫版解説より)。
- ^ ウェブ報知 2005年11月15日 (Webarchive)
参考文献
- 『アニメージュ』徳間書店、1980年1月号
- 本作の特集号。東宝宣伝部から「前作より低年齢向けとして宣伝した」とコメント。
- 『アニメージュ』徳間書店、1981年1月号
- 宮崎駿とおかだえみこの対談記事。モーリス・ルブラン作品と江戸川乱歩作品をモチーフにしたこと、中年の意識で描いたことが語られる。
- 『アニメージュ』徳間書店、1981年8月号
- 宮崎駿特集号。宮崎自身による自身の作品歴における位置付けと海外での評価。
- アニメック編集部編『カリオストロの城大事典』ラポート、1982年
- 『ルパン三世カリオストロの城』双葉社、1999年 ISBN 4575471690
- ムック型資料集。
- 『作画汗まみれ 増補改訂版』大塚康生 / 徳間書店、2001年 ISBN 4198613613
- 本作の作画監督による制作の裏話。山田康雄との裏話など。
- 『スタジオジブリ絵コンテ全集第II期・ルパン三世カリオストロの城』宮崎駿 / 徳間書店、2003年 ISBN 4198616663
- 『リトル・ニモの野望』大塚康生 / 徳間書店、2004年 ISBN 4198618909
- 東京ムービー新社のアメリカでのプロモーションに本作が使用されたことなど。
- 『キネマ旬報』キネマ旬報社、2004年8月下旬号
- 創刊85周年特集として各ジャンルのオールタイムベストテンを発表。映画評論家による投票で選定。
- 『大塚康生インタビュー アニメーション縦横無尽』実業之日本社、2006年 ISBN 4408612553
- 従来、通説とされてきた本作のモチーフと見なされていた『TV第1シリーズ』のエピソードに関する新事実など。
外部リンク
- ルパン三世 カリオストロの城 - 金曜ロードショー(2008年5月2日放送分)
- ルパン三世 カリオストロの城 - 金曜ロードショー(2010年10月8日放送分)
- ルパン三世 カリオストロの城 - 金曜ロードショー(2012年3月30日放送分)
- ルパン三世 カリオストロの城 - 金曜ロードSHOW!(2015年1月16日放送分)
- ルパン三世 カリオストロの城 - 金曜ロードSHOW!(2016年10月14日放送分)
- ルパン三世 カリオストロの城 - 日本映画データベース
- ルパン三世 カリオストロの城 - allcinema
- ルパン三世 カリオストロの城 - KINENOTE
- ルパン三世 カリオストロの城 - MOVIE WALKER PRESS
- ルパン三世 カリオストロの城 - 映画.com
- ルパン三世 カリオストロの城 - オールムービー(英語)
- ルパン三世 カリオストロの城 - IMDb(英語)
- ルパン三世 カリオストロの城 デジタルリマスター版 予告編
- ルパン三世 カリオストロの城 [4D版]
- ルパン三世 カリオストロの城 フランス公開版 予告編(フランス語 字幕版)
- ルパン三世 カリオストロの城 フランス公開版 予告編(フランス語 吹替版)
ルパン三世の劇場映画 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
通番 | 題名 | 公開日 | 監督 | 脚本 | 主題歌 | 歌手 | 興行収入 |
実写版第1作 | 念力珍作戦 | 1974年8月3日 | 坪島孝 | 長野洋 | 恋のチャンス | ポピーズ | |
ブローアップ上映 | ベネチア超特急 | 1978年3月18日 | 御厨恭輔 | 今野鑲 | ルパン三世のテーマ ルパン三世 愛のテーマ |
- | |
アニメ版第1作 | ルパンVS複製人間 | 1978年12月16日 | 吉川惣司 | 大和屋竺 吉川惣司 |
ルパン音頭 | 三波春夫 | 9.15億円 |
アニメ版第2作 | カリオストロの城 | 1979年12月15日 | 宮崎駿 | 宮崎駿 山崎晴哉 |
炎のたからもの | ボビー | 6.1億円 |
アニメ版第3作 | バビロンの黄金伝説 | 1985年7月13日 | 鈴木清順 吉田しげつぐ |
大和屋竺 浦沢義雄 |
MANHATTAN JOKE | 河合奈保子 | |
アニメ版第4作 | 風魔一族の陰謀 | 1987年12月18日 | (不在) | 内藤誠 | セラヴィと言わないで | 麻倉未稀 | |
アニメ版第5作 | くたばれ!ノストラダムス | 1995年4月22日 | 白土武 | 柏原寛司 伊藤俊也 |
愛のつづき | 坂上伊織 | |
アニメ版第6作 | DEAD OR ALIVE | 1996年4月20日 | モンキー・パンチ | 柏原寛司 | Damegeの甘い罠 | media youth | |
アニメ版特別作品 | ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE | 2013年12月7日 | 亀垣一 | 前川淳 | (主題歌なし) | 42.6億円 | |
アニメ版第7作 | LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標 | 2014年6月21日 | 小池健 | 高橋悠也 | Revolver Fires | Gary Stockdale | |
実写版第2作 | ルパン三世 | 2014年8月30日 | 北村龍平 | 水島力也 | (主題歌なし) | 24.5億円 | |
アニメ版第8作 | LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門 | 2017年2月4日 | 小池健 | 高橋悠也 | SATORI | Rob Laufer | 7200万円 |
アニメ版第9作 | LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘 | 2019年5月31日 | Innocent deceiver | TAKUMI iwasky | |||
アニメ版第10作 | THE FIRST | 2019年12月6日 | 山崎貴 | GIFT | 稲泉りん | 11.6億円 |