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「パンチアウト!!」の版間の差分

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;[[ゲーム&ウオッチ]]版
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:1984年7月31日にマイクロVSシステムで発売された作品。元々のタイトル名は「ボクシング」であったが後期発売分では「パンチアウト!!」に変更された。
:1984年7月31日にマイクロVSシステムで発売された作品。元々のタイトル名は「ボクシング」であったが後期発売分では「パンチアウト!!」に変更された。
;[[さわるメイド イン ワリオ]]
;[[さわるメイドインワリオ]]
:プチゲーム「ファミコン コントローラ2」で本作にそっくりな架空のボクシングゲームの画面が登場する。
:プチゲーム「ファミコン コントローラ2」で本作にそっくりな架空のボクシングゲームの画面が登場する。
;[[おどるメイド イン ワリオ]]
;[[おどるメイド イン ワリオ]]

2023年4月25日 (火) 11:36時点における版

パンチアウト!!』(Punch-Out!!)は、任天堂1980年代に発売したアーケード及びファミリーコンピュータボクシングゲーム。ファミコン版には景品版と一般販売版がありタイトルは景品版は『パンチアウト!!』、一般販売版は実際のボクサー、マイクタイソンとのタイアップにより『マイクタイソン・パンチアウト!!』となっている。

後に景品版はWii、ニンテンドー3DSWii Uのバーチャルコンソール、Nintendo Switchファミリーコンピュータ Nintendo Switch Onlineでも配信された。

アーケード版

パンチアウト!!
Punch-Out!!
ジャンル スポーツアクションボクシング
対応機種 アーケード
開発元 任天堂開発第三部
発売元 任天堂
プロデューサー 竹田玄洋
デザイナー 宮本茂
人数 1人
発売日 日本の旗 1984年
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
テンプレートを表示

『パンチアウト!!』シリーズの第1作目。元々『パンチアウト!!』はニンテンドー・オブ・アメリカの意向が大きく反映された作品で、製作は日本ながらグラフィックやキャラクターはかなり米国受けを意識したデザインとなっている。実際にも世界各国で人気を博した作品であり、その後の続編はいずれも各国向けに製作されている。

2018年3月30日にハムスターが展開している『アーケードアーカイブス』のひとつとしてNintendo Switchで配信開始。

システム

プレイヤーは主人公を操作し、対戦相手の繰り出すパンチをかわしつつ対戦相手をKOさせるためパンチを繰り出す。パンチの回避方法はスウェー、パンチは頭部・腹部*右手・左手を打ち分けられるほか、条件を満たすと大ダメージのアッパーカットが繰り出せる。3分1ラウンドだが、判定はなくタイムアップするとゲームオーバーとなる。

アーケード版は、得点およびステータス表示画面と自キャラクターおよび敵キャラクター動作表示画面の2画面筐体。キャラクター表示画面は自キャラクター背面頭部付近からの俯瞰構図になっており、自キャラクターはワイヤーフレーム表示されている。

マリオドンキーコングが観客として登場している。

対戦相手

GLASS JOE(グラス・ジョー)
フランスパリ出身。最弱の相手で1周目は特徴がないが、2周目ではかなりの強敵となっている。
ファミコン版では金髪になっている。スーパーファミコン版では、ほぼ同じ扱いの「ガビー・ジェイ(出身地とイニシャルが同じ)」がいる。Wii版にも登場する。
PISTON HURRICANE(ピストン・ハリケーン)
キューバハバナ出身。上下交互に攻撃を仕掛ける「ハリケーンラッシュ」が必殺技。特に2周目では攻撃回数が増えており、ガードしている間にタイムアップになってしまうこともある。
ファミコン版には登場していないが、ほぼ同じ性質を持つ「ピストン本田」がいる。スーパーファミコン版では、大幅なデザインチェンジがなされている。
BALD BULL(ボールド・ブル)
トルコイスタンブール出身。後ろに下がったあと、飛び跳ねながら主人公に近づき強烈なアッパーを放つ「ブルチャージ」が必殺技。2周目では飛び跳ねる途中で一時停止するというフェイントもある。
アーケード版の続編を除く全ての作品に登場しており、まさにシリーズにおいての敵選手を代表するキャラクターである。
KID QUICK(キッド・クイック)
アメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリン出身。名前の通り小柄で、段々に攻撃スピードが上がっていくという特徴を持つ。
後の作品には一切登場していないが、Wii版には彼の特徴を引き継いでリファインされたような、ディスコ・キッドというキャラクターがいる。
PIZZA PASTA(ピッツァ・パスタ)
イタリアナポリ出身。クリンチを仕掛けて来ることがあり、レフェリーのブレイクのコールで離れた瞬間にアッパーカットを出す。またダウンから起き上がって急にラッシュを仕掛けるなど、厄介な対戦相手である。
キッド・クイック同様彼自身は後の作品には一切登場していないが、スーパーファミコン版にはほぼ同じ性質を持つアラン・ライアンという選手が登場している。
MR. SANDMAN(Mr.サンドマン)
アメリカ合衆国・ペンシルベニア州フィラデルフィア出身。世界チャンピオンであり、本作のラストボス。三連続のアッパーカットは非常に強力。
ボールド・ブルと同じくアーケード版の続編を除く全ての作品に登場している。

なお1周クリア後はチャンピオン防衛戦扱いでプレイヤーが負けるまでゲームが続くが、対戦相手の行動パターンも増え1周目に比べて難易度が増す。

ファミリーコンピュータ版

パンチアウト!!
Punch-Out!!
ジャンル スポーツアクションボクシング
対応機種 ファミリーコンピュータ
開発元 任天堂開発第三部
発売元 任天堂
ディレクター 竹田玄洋
デザイナー 竹田玄洋
和田誠
音楽 山本健誌
兼岡行男
中塚章人
人数 1人
発売日 パンチアウト!!(景品版)
日本の旗 1987年
マイクタイソン・パンチアウト!!
アメリカ合衆国の旗 1987年10月18日
日本の旗 1987年11月21日
欧州連合の旗 1987年12月15日
Punch-Out!! Featuring Mr.Dream
アメリカ合衆国の旗 1990年8月2日
欧州連合の旗 1990年8月15日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
売上本数 世界 約300万本[1]
テンプレートを表示

アーケード版『PUNCH OUT!!』の移植作品。任天堂の公式企画「第2回 ファミリーコンピュータ ゴルフトーナメント」(ファミリーコンピュータ ディスクシステムゴルフJAPANコース』『ゴルフUSコース』を使用したスコアランキング大会)上位入賞者および全参加者に対する抽選の当選者への景品用に制作・配布された。こちらはやや大きめ(ファミリーベーシックと同サイズ)の金色のカートリッジとなっている。

後に当時ボクシングヘビー級チャンピオンだったマイク・タイソンを最終対戦相手として追加し、『マイクタイソン・パンチアウト!!』のタイトルで1987年11月21日に一般販売された。こちらは通常と同じサイズの黒色のROMカセットとなっている。[2]日本国外のみ、1990年にマイク・タイソンを後述のMr.ドリームという架空のボクサーに差し替えたうえで、『Punch-Out!! Featuring Mr.Dream』として再発売された。


GC用ソフト『どうぶつの森+』でプレイできるものと2007年4月3日よりWiiで配信、2012年2月1日よりニンテンドー3DSで配信、2013年6月5日よりWii Uで配信のバーチャルコンソール版は日本国外再版を移植したものである。これは権利問題、および後にタイソンが起こした様々な不祥事(詳しくは、マイク・タイソン#プロボクサー時代を参照)によるもののためである。条件付きで『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』の名作トライアルというモードで体験版が収録されている上に、ニンテンドーeショップに接続することで購入することができる。2019年4月10日にはNintendo Switchで配信のファミリーコンピュータ Nintendo Switch Onlineにてプレイ可能なタイトルとして景品版が収録された。

マリオがレフェリーとして登場している。

主人公リトル・マックを操りチャンピオン目指して対戦相手を撃破するのが目的。

システム

試合は3分3ラウンド(実際には時計の進みが速く3分よりも短い)。打撃を受け体力ゲージが0に達するとダウン。ダウン中10カウントでKO。同一ラウンド内3度のダウンあるいは試合中5度のダウンを喫するとTKO負けとなる。

3ラウンド内で決着がつかなかった場合、審判による判定にもつれ込むが、 ホームタウンディシジョンでマックに不利な判定として、試合時の得点が一定以上でなければ負けになる。
勝利に必要な得点は対戦相手によって異なり、中には絶対に得点判定での勝利ができない相手もいるため、基本的にKO、あるいはTKOを目指すことになる。

W. V. B. A.のMINOR CIRCUIT、MAJOR CIRCUIT、WORLD CIRCUITの3ステージがあり、各ステージではランカーとの対戦およびチャンピオンとの対戦が行われる。チャンピオンに勝利すると訓練ムービーが流れた後10桁の数字が表示され、次回ゲーム開始時にこの数字を入力すると次のステージからゲームが開始できる。

本作でのアクションは攻撃が「左右のボディブロー、左右の顔面パンチ、アッパーカット」の3つ、回避が「スウェー、ブロック、AC版では行えなかったダッキング(しゃがみ)」の3つ。

キャラクターの体力は相手の打撃を受けることで減少するが、インターバル中にセレクトボタンを押す事で一試合に一回だけ回復可能である(アーケード版では不可能)。一部相手の特定攻撃には一撃でマックの体力を全て奪い去る威力があり、また逆に相手によっては特定のタイミングでのアッパーカットやパンチ一発でダウンを奪うことができる場合もある。自キャラクター・マックのステータスには体力のほかにスタミナを示すハートアッパーカット使用可能回数を示すスターがある。ハートは打撃を受けるあるいは打撃をガードされることにより減少し、相手の打撃を連続的に回避することで回復する。スターは特定のタイミング(相手が油断している場合やカウンター打撃を与えた場合など)に獲得でき、アッパーカットを放つたびに1つ消費される。

許される敗戦は二回までで、WORLD CIRCUITのチャンピオンになるまでに通算して三回負けるとゲームオーバーとなる。敗北数はパスワードにも記録され、帳消しは一切できない。


登場人物

リトル・マック
アメリカ合衆国・ニューヨーク州ブロンクス出身。本作の主人公。喧嘩っ早い白人青年。黒いランニングシャツを着用している。
対戦相手の2分の1ほどの大きさしかない。体格差の設定に関してFC版では理由説明がなされていなかったが、後述のWii版においては身長172センチメートルと設定され「アメリカ人としては背が低いが飛びぬけて小さいわけではなく、対戦相手が巨大である」となっている。
ドック・ルイス
マックのトレーナーである黒人男性。以前は有名なヘビー級ボクサーだったが、引退後は酒浸りの毎日を送っていた。しかしリトル・マックとの偶然の出会いをきっかけに酒を断ち、彼をボクシングチャンピオンにするために立ち上がる。
ラウンド間に対戦相手の情報を教えてくれるが、「JOIN THE NINTENDO FUN CLUB TODAY! MAC!(訳:任天堂ファンクラブにでも入るか、マック!)」や「DANSIN LIKE A FLY BEAT LIKE A MOSQUITO!(訳:ハエのように舞い、蚊のように刺せ!)」など冗談を言うこともある。

対戦相手

対戦相手はファミコン版の市販バージョンのみ登場するマイク・タイソン、日本国外再版およびVC版のみ登場するMr. ドリームを除いて10人。ゲーム中複数回対戦する相手もおり、その際には行動パターンが変化する。また、グラフィックの顔以外のパーツが共有されておりグラフィック・モーション上コンパチに当たるキャラクターが2人ずつ存在している。以下、該当するキャラクターを「○○タイプ」と表記する。

グラス・ジョー(GLASS JOE) - グラス・ジョータイプ
フランス・パリ出身、38歳、110パウンド、1勝99敗1KO。最初の相手だけあって非常に弱い。
フォン・カイザー(VON KAISER) - フォン・カイザータイプ
西ドイツベルリン出身、42歳、144パウンド、23勝13敗10KO。「ドイツの鋼鉄マシーン」という異名を取る(VC版HPより)。
ピストン本田(PISTON HONDA) -オリジナル(一般販売版では ピストン本田タイプ)
日本東京出身、28歳、174パウンド、26勝1敗18KO。リーゼントヘアに太い眉毛が特徴。
ドン・フラメンコ(DON FLAMENCO) - グラス・ジョータイプ
スペインマドリード出身、23歳、152パウンド、22勝3敗9KO。マリオの髪型を気に入っているらしい。
キング・ヒッポ(KING HIPPO) - オリジナル
南太平洋・ヒッポーアイランド出身、18勝9敗18KO。年齢、体重不詳。王冠を被った巨漢のボクサーで、鉄壁の防御を誇る。
攻略のヒントは、インターバル時のドックのアドバイスに隠されている。パンチを受けるとズボンが脱げる演出がある。
なお、彼は自分の体重が重すぎて自力で起き上がれないため1回ダウンさせればこちらの勝利となる。
グレート・タイガー(GREAT TIGER) - フォン・カイザータイプ
インドボンベイ出身、29歳、132パウンド、24勝5敗3KO。父親は名の知れた魔術師だったらしい。
ボールド・ブル(BALD BULL) - ボールド・ブルタイプ
トルコ・イスタンブール出身、36歳、298パウンド、34勝4敗29KO。ドック・ルイスを馬鹿にしている。
ソーダ・ポピンスキー(SODA POPINSKI) - ソーダ・ポピンスキータイプ
ソビエト連邦モスクワ出身、35歳、237パウンド、33勝2敗24KO。酒豪のため、身体が真っ赤になっているが、試合前に飲んでいるのはソーダである。唯一のサウスポー。
Mr. サンドマン(Mr. SANDMAN) - ボールド・ブルタイプ
アメリカ合衆国・ペンシルベニア州フィラデルフィア出身、31歳、284パウンド、27勝2敗21KO。
スーパー・マッチョマン(SUPER MACHOMAN) - ソーダ・ポピンスキータイプ
アメリカ合衆国・カリフォルニア州ハリウッド出身、27歳、242パウンド、35勝0敗29KO。自身の肉体を気に入っている。ラリアットのような大振りの連続パンチが強烈。
マイク・タイソン(MIKE TYSON) - ピストン本田タイプ
アメリカ合衆国・ニューヨーク州キャッツキル出身、21歳、220パウンド、31勝0敗27KO。『マイクタイソン・パンチアウト!!』のみに登場する。
Mr. ドリーム(Mr. DREAM) - ピストン本田タイプ
ドリームランド(夢の国?)出身、99勝0敗99KO。日本国外再版およびVC版『パンチアウト!!』のみに登場。

なお、マイク・タイソンとMr. ドリームの台詞は同じである。

対戦順

ステージはW. V. B. A.のMINOR CIRCUIT、MAJOR CIRCUIT、WORLD CIRCUITに分かれており、それぞれランカーとの対戦を行いランク1位の選手に勝利するとチャンピオンとの対戦となる。チャンピオンに勝利すると次のステージへと進む。敗北するとその前の相手に戻される。なお、『マイクタイソン・パンチアウト!!』および各国の版・VC版においてはWORLD CIRCUITチャンピオンになった後にDREAM MATCHが待っている。

THE W. V. B. A. MINOR CIRCUIT
グラス・ジョー(GLASS JOE)
試合開始直後はまったく攻撃してこない上、ガードがとても甘いため、がら空きの部分にパンチを打ち込むだけで当たる事が多い。
30秒くらい経ったらステップバックした後に挑発を行い、その後フックやストレートを放ってくる。
どれも非常に遅く、避ける事もカウンターを入れることも簡単。
フォン・カイザー(VON KAISER)
グラスジョーと比べるとガードが固いため、やみくもにパンチしても対処されてしまう(というよりグラス・ジョーのガードが非常に甘い)。
ジャブをうってくる直前に首を振る癖がある。本格的にゲームに慣れるための相手ともいえる。
ピストン本田(PISTON HONDA)
眉毛が動くとストレートを放つ兆候であり、ステップバック後はストレートを連打する。
ピストン本田から何もしていない状態のガードの固さがほとんど完璧な状態になるので、適当な攻撃はほぼ通じない。
THE W. V. B. A. MAJOR CIRCUIT
ドン・フラメンコ(DON FLAMENCO)
主人公がパンチを繰り出すとカウンターにアッパーカットを放ってくる。
キング・ヒッポ(KING HIPPO)
何もしていない時のガードは完璧で、闇雲にパンチを打っているだけでは絶対にダメージを与えられない。
攻撃のチャンスは腕を振り上げた時。
グレート・タイガー(GREAT TIGER)
額の宝石が光るとパンチを放ってくる兆候。ステップバック後に分身パンチを放ってくる。
ボールド・ブル(BALD BULL)
長いステップバックした後に突進、一撃必殺のアッパーカットを放ってくる。
THE W. V. B. A. WORLD CIRCUIT
ピストン本田(PISTON HONDA)
開始直後にストレートを連発。その後アッパーカットの連発をしてくる。
ソーダ・ポピンスキー(SODA POPINSKI)
連続フックと強烈なアッパーカットを放ってくる。
ボールド・ブル(BALD BULL)
長いステップバックと短いステップバックの必殺パンチを放ってくる他に、スターパンチか必殺パンチのカウンターでしかダウンしない。
ドン・フラメンコ(DON FLAMENCO)
ストレートとフックを放ってくる。一度目の対戦よりも攻撃的。
Mr. サンドマン(Mr. SANDMAN)
鋭いアッパーカットの3連発は非常に強力。また、ガードも固く、こちらのパンチを回避してから反撃もしてくる。
スーパー・マッチョマン(SUPER MACHOMAN)
体をねじって強烈なフックと2種類の回転パンチを放ってくる。
DREAM MATCH
マイク・タイソン(MIKE TYSON)
1ラウンド目前半の連続アッパーはいずれも一撃でダウンするため、まずはそれを凌ぎきらねばならない。その後もかなりの速さでストレートやジャブなどを打ってくる。
Mr. ドリーム(Mr. DREAM)
行動パターンはマイク・タイソンと同じ。

Wii版

PUNCH-OUT!!
ジャンル スポーツアクションボクシング
対応機種 Wii
開発元 Next Level Games
発売元 任天堂
人数 1 - 2人
メディア Wii用12cm光ディスク
ダウンロード販売
発売日 Wii版
日本の旗 2009年7月23日
アメリカ合衆国の旗 2009年5月18日
欧州連合の旗 2009年5月22日
オーストラリアの旗 2009年8月27日
ダウンロード版
日本の旗 2015年6月24日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
ESRB:E10+(Everyone 10+)
PEGI:12+
OFLC:PG(Parental General)
デバイス ヌンチャク対応
バランスWiiボード対応
売上本数 世界 114万本[3]
その他 Mii対応
テンプレートを表示

2009年にWiiにおいてリメイクがなされた。カナダの企業であるNext Level Gamesが開発している。画面は3Dでトゥーンレンダリングを用いる。Wii.comやみんなのニンテンドーチャンネルで、FC版の大ファンだったという芸人・バカリズムのプレイ動画を公開した。

2015年6月24日より、Wii Uニンテンドーeショップでダウンロード版の販売が開始された(Wii UのWii互換機能を応用したもの)。

システムの変更点

  • マック(プレイヤー)がTKO、または規定回数ダウンによるKOになるダウン時、一定確率で踏ん張ってダウンを回避し、戦闘続行する。
  • スーパーパンチアウト!!のように、回避行動が全ての攻撃を避けれなくなった。そのため、敵の攻撃に合った回避行動を選ぶ事が必要になった。
  • アッパーカットが「スターパンチ」となり、回数の蓄積ができなくなった。発動条件のスターはFC版と同様特定のタイミングでのパンチで獲得できるが、スターパンチを発動するか、相手のパンチにヒットしてしまうとすべて失われる。
    • その代わり獲得したスター数に応じて、スターパンチの威力が変動し、最大3個でのスターパンチは何も考えずに打った通常ヒットでも相手にかなりの大ダメージを与えることができる。
    • また、相手ごとに特定箇所にカウンターによるダウン確定ポイントが存在し(一定以上の星の数のスターパンチが条件になることも)、中には決めた瞬間、相手を一発KOできるポイントもある。一例を挙げるとグラス・ジョーは挑発した後の元の位置に戻る瞬間にパンチを当てるとダウンが確定し、MAXスターパンチで決めると一発KOになる。
  • ワールドサーキットまでを一通り制覇すると「チャンピオン防衛戦」となり、これまでの相手が強化された状態で再登場する。行動パターンの追加・変更・強化の他に攻撃速度が上がり、殆どの相手がパンチにディレイでタイミングをずらしたり、フェイントをかけてくる。
    • 防衛戦をクリアすると、3敗するまでランダムに相手が登場し続ける「ラストスタンド」に突入。3回負けるとエンディングとなる。ラストスタンドはドンキーコングを含めた防衛戦仕様の対戦相手全員からランダムに選出される。対戦中はポーズ画面やホームボタンででリトライなどの対戦を抜ける行為が不可能。また、エンディング後のエキシビジョンモードにもドンキーコングとの対戦が追加される。
    • ラストスタンドで一定回数勝利すると、すべての攻撃が一撃ダウンになるチャンピオンモードがエキシビジョンモードで選択可能になる。

登場人物

キャラクターに関しては一部新たに設定し直された要素がある。各選手ごとに身長や体重についても設定された他、登場人物は出身地に対応した言語を喋るようになった。

リトル・マック(Little Mac)
- Matt Hardy
アメリカ合衆国ブロンクス出身、17歳。身長172cm、体重48kg。
設定では対戦相手全員よりも小柄であり、この設定と遠近法によりFC版であった極端な体格の差を忠実に再現している。
対戦モードでは「ギガ・マック」という変身形態が登場。相手プレイヤーから一定数のカウンターヒットを決めると筋骨隆々しい姿に変身・巨大化。この時はシングルプレイにおける相手選手さながらの巨大キャラクターとなり、スタミナ消費なしで高威力の一撃を発揮できるが、避けられると大きな隙を晒し、シングルプレイ同様のラッシュを決められてしまう。
ドック・ルイス(Doc Louis)
声 - Riley Inge
リトル・マックのトレーナー兼セコンドであり、元ヘビー級ボクサー。性格の陽気さが強調され、試合時のジョークの種類も増加。チョコバーが好物とされ、ジョークに関しても食べ物ネタが多い。
日本国外限定のWiiウェア版ではスパーリングの相手を務める。現役時代から全く衰えていないフットワークを見せ、マックよりも数段強力な一撃必殺のスターパンチを繰り出す。体力が減ってくるとチョコバーを食べて体力を回復する。チョコバーを弾き飛ばされると激怒し、服を一枚脱いで本気になる。
グラス・ジョー(Glass Joe)
声 - Christian Bernard
フランスパリ出身、38歳、1勝99敗1KO。身長178cm、体重49kg。
対戦相手ではもっとも小柄で、リトル・マックの体格に近い。気弱そうな顔つきで凄まじいまでの敗戦戦績を持っている。一度だけKO勝ちしているようだが、相手が誰かは不明。テーマ曲はフランス国歌である「ラ・マルセイエーズ」。
ダウンを取られるまではあまり攻撃的ではないが、パンチの予備動作がかなり大きいためスキを突きやすい。時折FC版同様に試合中にステップバックして距離を取り、挑発してくる。試合前のムービーでは紅茶を飲みながらフランスパンを食べる描写が見られる(ムービー内では実際に食べているわけでは無くただフランスパンを掲げているのみ)。
避けてラッシュを決める・カウンターパンチでスターを獲得するという本作のスタイルはこの時点で散りばめられている。
2周目以降(チャンピオン防衛戦)での再戦においては弱点のアゴを防御するべくヘッドギアを装備しているため、普通にアッパーするだけではヘッドギアで防がれてしまう。試合前のムービーでは医者からヘッドギアを付けるように言われていた。また、攻撃スピードの上昇に加えディレイアッパーも織り交ぜるようになる。
フォン・カイザー(Von Kaiser)
声 - Horst Laxton
ドイツベルリン出身、42歳、23勝13敗10KO。身長183cm、体重65kg。
試合直前でも靴磨きを欠かさない紳士。「ドイツの鋼鉄マシーン」の異名を持ち、試合前のムービーでは子供にボクシングを教えている(ムービー内ではわざと負けている)。テーマ曲は「ワルキューレの騎行」。テーマ曲と合わさり、その雰囲気は紳士というより軍人のそれである。
ジャブを打つ前に体を震わせるクセがあり、ダウンを奪うと素早いアッパーも放つようになるが首を震わせるのは同様。「ドイツの鋼鉄マシーン」の異名にちなんでか、動作の度に機械の音が鳴る。
スターパンチには弱く、気絶している最中にスターパンチを当てると一撃でダウンする。
対戦相手としてはまだ序の口ではあるが、グラス・ジョーと比べると明らかにガードが固く、パンチが早い為、目に言えて手強くなっている。この段階での相手はそれなりのゲーム慣れが必要となる。
2周目以降ではヘアースタイルを角刈りに変え、より軍人に近い風貌となる。試合前のムービーではバリカンで髪を剃っていた。
体を震わせない右ジャブや、アッパーの構えから何もしないフェイントを織り交ぜてくる。加えてダウン復帰直後に全体重をかけて一撃必殺のパンチを放つようになる。
また、気絶している最中のスターパンチは3スターでないと一撃ダウンしないようになっている。
ディスコ・キッド(Disco Kid)
声 - Donny Lucas
アメリカ合衆国・ブルックリン出身、20歳、4勝12敗2KO。身長191cm、体重95kg。
新登場キャラクター。ダンサーからボクサーに転向した、ダンスを愛する陽気な黒人青年。パフォーマンスに派手なポーズを取るほか、クセのあるフックが特徴。ダンスの腕前は相当なものらしく、試合前のムービーでは、数多くのトロフィー(踊る人間や音符が装飾されている)を所持している描写がある。
肝心のボクシングの実力は発展途上のようで、ジャブをブロックされると痛がる仕草を見せ、試合中に踊り出したり、決めポーズを取ったりと、何かと自分を格好良く見せたがる目立ちたがり屋が災いし、隙が多い。戦績はカイザーよりも下である。
2周目以降では髪が伸びて小さなアフロヘアーに変化し、ボクササイズに通ったことで衣装とパフォーマンスがエアロビクスのようになる。ジャブをブロックされても痛がる仕草が無くなった他、より素早く、トリッキーなパンチを打つようになり、1周目には無かった必殺技として、挑発後にラッシュを叩き込む「ディスコアタック」が追加されている。
キング・ヒッポー(King Hippo)
声 - サウンド加工音声(担当:Scott McFadyen
南太平洋・ヒッポーアイランド出身、18勝9敗18KO。年齢・身長・体重ともに不明。
マイナーサーキットのチャンピオン。非常に大きな体格で肥満体であるうえ、台詞を喋らずに唸り声のようなものを上げたりと、怪人らしい雰囲気が強くなった。
体格通りの大食いで、試合前のムービーでは食料を一日中食い続けている。
FC版よりガードは甘いがそれでも非常に固く、闇雲にパンチを打っても防がれてダメージを与えられない(場合によってはガードしてそのままカウンターしてくる)。攻撃のチャンスは口を開けて腕を振り上げた時で、ここからカウンター攻撃を狙うことが重要になる。
FC版と同様に、一回ダウンを奪うだけでKO勝ちとなる(その際今作では倒れ際にロープで体重を受け止めきれず、そのままリングから転落してしまう)が、その代わり体力が劇的に増しており、結果として必要なパンチ数は他の選手とあまり変わらない他、基本的にダウンを奪った回数と経過時間で敵の行動が変化する今作において、唯一残り体力で行動パターンが変化する。
特定のタイミングでカウンターを当てると一撃でダウン扱いになるが、この場合2度決めないとKOにはならない(1度目は王冠がどこかへ飛んで行くだけで、本人はロープで体重を受け止めることに成功。体力を回復し、ロープの反動で復帰してくる)。
2周目以降では王冠が大きくなり、腹部を防御するために、マンホールの蓋を3枚のテープで張り付けている。試合前のムービーでは腹部を守るものを探している中、マンホールを見つけたという描写がある。マンホールの蓋によりまともにダメージが与えられないため、まずはマンホールの蓋をはがす必要がある。当然ながら一撃ダウンポイントも大きく変更されている。
ピストン・ホンドー(Piston Hondo)
声 - 高橋研二
日本東京出身、28歳、26勝1敗18KO。身長188cm、体重78kg。
FC版における「ピストン本田」から名前が変更された(「ホンドー」の漢字表記は明かされていない)。一人称は「拙者」、KO時に「無念…」と言う、試合開始直前に名乗りを上げて礼を行うなど、一際武士道を意識した表現が増えた。出身と声優設定の関係上、彼のみ日本語で喋る。また、挑発の代わりに「礼!」とお辞儀をしたり、殴られると寿司卵焼きを出す、「さくらさくら」がテーマ曲になっているなど、外国から見た日本のイメージを随所で醸し出している(試合前のムービーでも座禅をしている)。
伝統のラッシュ攻撃(名称は「ホンドーラッシュ」)は健在。スウェーやダッキングでは凌げないためブロックを多用する必要があり、こちらのスタミナはかなり多く設定されている。
この試合から強力な必殺技などを持ち合わせるボクサーが登場し始めるので、「オーソドックスな動きをする対戦相手」としては最初の難関といえる強さを備えている。
戦績とミスター・サンドマンのデモを見ればわかるが、1敗はサンドマンのもので、実は戦績が作中の選手の中で三番目に良い(そんな好戦績にも拘らず、なぜメジャーサーキット3位なのかは不明)。
2周目以降ではグローブとトランクスの色が白に、鉢巻の「一番」の文字が赤から黒に変わる。ムービーでは真剣白羽取り、新幹線と競争など真面目に特訓をしている一方で、寿司の大食いに挑戦したり、休憩としてお茶を飲みながら束の間の一時を過ごすなど、別の一面も描かれている。また、試合開始直前には座禅の状態から居合切りの如く、残像が見えるほどの高速のラッシュを行う。
ジャブにカウンターしようとすると素早くかわして反撃を行う、アッパーの予備動作中にステップを踏んで向きを変える、ホンドーラッシュは眉毛を動かすだけのフェイントも混ぜるなど、よりテクニカルな動きで翻弄してくる。
ベア・ハッガー(Bear Hugger)
声 - Richard Newman
カナダブリティッシュコロンビア州サーモンアーム出身、32歳、17勝12敗10KO。身長191cm、体重199kg。
『スーパーパンチアウト!!』から登場のキャラクター。キング・ヒッポー並みの巨体やヒゲ面、鮭やハチミツを好むなど、まさに熊そのものといった選手(試合前のムービーでは野生の熊とトレーニングしている)。髭の色がAC版、SFC版の黒から薄い茶色に変更されている。試合中にしばしばマックをおちょくるような態度を見せて挑発する。得意技は名前そのままベアハッグで、およそ2発でマックをダウンさせる威力がある。
パンチは大振りだが体力が多く、通常のラッシュでは体力を削りにくい。一転してスターパンチには弱く、スター1つでも大ダメージを与えられる。
2周目以降では頭にニット帽を被っており、その中にはボクシンググローブを付けたリスがいる。試合前のムービー中で途中からその存在は確認できるが、いつリスと仲良くなったのかは不明。ベアハッグなど各種攻撃にフェイント・ディレイをかけてくる他、普通のパンチだけではラッシュが2回しか掛けられず、スターパンチを気絶中に当てることでようやく長いラッシュが掛けられるようになる。
なお、キング・ヒッポーを除いた他の選手の出身地は実在のものであるのに対し、彼のサーモンアームという都市は架空のものである(英語版ではブリティッシュコロンビア州にあることが確認できる)。
グレート・タイガー(Great Tiger)
声 - Sumit Seru
インドムンバイ出身、29歳、24勝5敗3KO。身長181cm、体重59kg。
奇術師らしさがFC版よりも強調され、リングに上がる際に空中浮遊や瞬間移動を使用する。分身攻撃は左右から幻影と連続攻撃を放つようになった。その為、ムービーでも宮殿の中から空中浮遊しながら登場している。
ラッシュを掛けられる回数が全体的に少なく、パンチの頻度も低いため体力を削りにくい。ダウンを取るとカウンターが不可能なジャブも繰り出すようになり、確実な攻撃が求められる。
2周目以降ではグローブと虎柄のトランクスが白くなり、額の宝石の色によって4種の攻撃を打ち分けるほか、色を利用した予備動作なしの連続パンチも習得。さらに分身攻撃が「スーパーマジックアタック」となり、FC版を思わせるようなリング奥から孤を描く複数回攻撃に変化する。
ドン・フラメンコ(Don Flamenco)
声 - Juan Amador Pulido
スペインマドリード出身、23歳、22勝3敗9KO。身長186cm、体重68kg。
メジャーサーキットのチャンピオン。所々キザな性格が垣間見える。ムービーでは闘牛を吹っ飛ばすほどのアッパーを繰り出しており、女性からの人気も高いようである。テーマ曲は「カルメン」。
FC版と同様に、挑発でマックのパンチを誘い、カウンターを行うことを主軸としたスタイルがメインになり、必殺技はフラメンコの様に手を叩いてからの3連続右フックを放つ「ローズアタック」。
髪型が大きく変わったが、FC版と同様カツラである。ある程度攻撃を受けていると、頭を反らしたことで後ろに飛んで行ってしまう。カツラを飛ばされると激怒し、今までの受け身中心のファイトスタイルから一変して、暴れ牛の如く攻撃的なスタイルになる。この状態はラウンド終了かマックをダウンさせるまで続く。
2周目以降では色調が黒になる(持参している薔薇も黒くなる)。ムービーでは自分を倒したマックに強い恨みを持つようになり、彼のポスターを滅茶苦茶に破った後、リベンジをするために特訓に励んでいる。新たに裏拳を使うほか、カウンターが時折連続攻撃に派生する。「ローズアタック」は左右のフックを打ち分けるようになり、ダウンを取るたびに攻撃回数が増える(最大5回)。今度は激怒するとラウンド終了まで攻撃的なスタイルは収まらない。
2周目以降のフラメンコに敗北すると、フラメンコの持つ黒いバラは恨みを晴らしたためか1周目の赤いバラに戻る。
アラン・ライアン(Aran Ryan)
声 - Stephen Webster
アイルランドダブリン出身、23歳、18勝10敗16KO。身長186cm、体重72kg。
SFC版『スーパーパンチアウト!!』から登場のキャラクター。同作品初登場で本作に登場した選手の中では、彼のみキャラクターイメージや戦法が別人のように変化し、かなり凶悪な面構えとなり、勝つためならグローブに蹄鉄を仕込む・反則技のヘッドバットを行うようなラフプレーも辞さない卑劣な悪役ボクサーに変貌した。そのうえ試合前のムービーでは訓練生の脇腹を羽根で擽ってトレーニングを妨害し、さらにマックのポスターに筆で落書きをするなどイタズラも多く行っている。当然観客からの評判は最悪で、ブーイングが飛び交っている。
フットワークは全選手中最高クラスでかなり機敏に動き回り、定位置(リトル・マックの正面)にいないことが多く、殆ど左右どちらかの隅にいる。今までの選手と違いパンチ後の隙を突いてパンチを食らわせると、パンチの威力を利用し、わざと左右に大袈裟に吹っ飛んで逃げる。そのためラッシュに持ち込むことができず、カウンターパンチのみでしか大ダメージが与えられない。
数字の7に何かと関連付けられており、こちらのスタミナが全試合中最小の7、ダウンした際必ず7カウントで立ち上がる、ラッシュは7発までと統一されている。
2周目では、1周目で使用していた紫色のグローブの指先が破けたため、緑色のグローブに新調している。ロープに上らずに頭突きをしたり、肘でエルボー、破けてしまった青色のグローブをゴミ箱から拾った縄で結びつけ、それをカウボーイのロープの如く振り回すなど、反則技がさらに多くなっている。インターバルでは客席から物を投げられるなど、観客のブーイングもいっそう激しくなっており、ルイスでさえも驚愕している。
ラッシュ中に急にカウンターアッパーを出す、こちらのカウンターパンチ後に派生攻撃を行うなどよりトリッキーになった。
ダウンすると一週目では反撃しようとして空振りしそのまま倒れていたが、二週目では倒れながら縄付きグローブで道連れを狙ってくる。最後の一撃が頭部か腹部かによって縄付きグローブの軌道が縦か横に変化するため、それに合わせてスウェーやダッキングで避けるか、カウンターで迎撃しなければならない。
ソーダ・ポピンスキー(Soda Popinski)
声 - Ihor Mota
ロシアモスクワ出身、35歳、33勝2敗24KO。身長199cm、体重107kg。
試合中にもソーダを飲もうとするほどの無類のソーダ好きで、飲まれると体力を回復されてしまう。その為、試合前のムービーでは雪の中でソーダを運び、ソーダを飲みながらスピードバッグを打ち、気が付けばソーダの空ボトルで足の踏み場が無くなっている。テーマ曲はロシア民謡の「ヴォルガの舟唄」で、唯一ボーカルが入っている。
パンチの種類は少ないがスピードが速く、フックとアッパーを素早く見分けて回避しなければならない。一度ダウンを取ると通常のフックとは回避方向が逆のステップフックも織り交ぜるようになり、よりパターンの把握が重要になる。
ダウンから起き上がったり、ソーダを飲むのを邪魔されたり、スターパンチを喰らった直後は必ず連続アッパーを繰り出してくる。殴られるとソーダのブクブク音と泡が出る。
2周目以降ではグローブとパンツの色が紫になる。研究によりソーダの性能が向上してあり(ムービーでもトラックを、結び付けた鎖を歯で噛んで引っ張れるようになっている)、ソーダを飲む度に攻撃スピードが段々速くなっていく。ポピンスキー自身もラッシュをかけにくい体質と化しているが、ドックのアドバイスにそれを打ち破るヒントが隠されている。
ボールド・ブル(Bald Bull)
声 - Erse Yagan
トルコイスタンブール出身、36歳(日本語版公式サイトでは年齢の記述が無い)、34勝4敗29KO。身長188cm、体重135kg。
猪突猛進な性格。試合前のムービーではあまりにしつこいパパラッチに憤慨し、遂には冷静さを失ってモスクから追い出すシーンがある。試合開始直前でもコーナーに頭突きをしたり、自分の頭を殴っているなど、非常に凶暴な一面を見せている。
伝統である一撃必殺攻撃「ブルチャージ」は健在。蒸気機関車のごとく鼻から湯気を噴き、身体を真っ赤にして突進してアッパーを放つ技になっており、これを2~3回ほどか繰り返す。
手元で拳を回してからのストレートや頭を振ってからのアッパーなど素早いが特徴的なパンチが目立つ。ボディブローには弱くジャブより少し多くのダメージを与えられるが、そこでラッシュが終わってしまう。
2周目以降ではトランクスが深紅に変わり、ムービーでは特訓で正面から猛牛に突き飛ばされても倒れず、堪えられるようになっている。FC版の2回戦同様通常のパンチではダウンせず、即座に体力を回復して立て直してしまうため、ダウンさせるにはスターパンチでトドメを刺す必要がある。
ブルチャージもスピードに磨きをかけており回避が難しい上、FC版と違い、カウンターを狙う場合もスターパンチでないと同様に体力が必ず残る。
スーパー・マッチョマン(Super Machoman)
声 - Mike Inglehart
アメリカ合衆国・ハリウッド出身、27歳、35勝1敗29KO。身長194cm、体重109kg。
デザイン面でかなり大きなアレンジがされている。財力で人気を得ており、本人もスター気取りである。ムービーでは浜辺で女性の目の前でトレーニングに励み、金でアクセサリーを買うシーンが見られる。身体を日焼けさせ、銀髪(これはアーケード版『スーパーパンチアウト』のデザインがモデル)に金の装飾を身に付け、サングラスを愛用。歯の一部は金歯である。ボディビル演出が多く、試合前の大胸筋を動かすパフォーマンスの他に、試合中もポージングを行う。
全試合の2/3以上をKOで勝利、敗北はサンドマン戦の1回のみなど、ワールドサーキットに出場できるだけの実力はあるが、人気の理由が財力のみのためか評判は良くないようで、観客からはブーイングされている(マッチョマン本人はさほど気にしてはいない)。
シリーズ通しての必殺技である回転パンチは、本作では回転ラリアットということになっている。さらに強力な3連続ラリアットもあり、この攻撃の際にはサングラスを付けた後に派手なアクションと共にフラッシュが焚かれるという演出が入る。
2周目以降では人気をすっかりマックに取られて憤慨し、リベンジのために特訓に励む場面が描かれている。しかし、スポットライトからも避けられ、観客からはさらにブーイングを浴び、インターバルにはトマトなどの物を投げつけられるなど、散々な扱いを受けている。パンツの色が青になっているほかに、ポージングの種類が増え、新技として大振りのビッグアッパーカットを繰り出してくる。また、必殺の3連続ラリアットはフラッシュやサングラスがなくなって動作が素早くなるうえに、FC版同様で一撃で即ダウンとなる。
なお、KO敗北時には再びスポットライトで照らされるようになり、満足そうにポージングを行っている。
ミスター・サンドマン(Mr. Sandman)
声 - Riley Inge
アメリカ合衆国・フィラデルフィア出身、31歳、31勝0敗31KO。身長196cm、体重128kg。
FC版ではスーパー・マッチョマンよりも先に登場する相手だったが、今回はAC版と同じく、ワールドサーキットのチャンピオンとなっており、さらに今までマックが倒してきた選手全員からKOを奪ってきたという設定が追加されている。入場シーン、テーマ曲のメタル調アレンジなど、キャラクターイメージが全体的に威厳のあるものになっており、1,2周目ともに最後の対戦相手としてマックの前に立ちはだかる。
眠りをもたらす同名の妖精に因み、彼にとって相手を倒すことは「寝かしつける」ことであり、必殺技の3連続アッパーにも「ドリームランドエクスプレス」という象徴的な名前を与えられている。試合前のムービーで最後に倒されたスーパー・マッチョマンが「Z」を出して寝ている(倒れている)ほか、自らも殴られると「Z」を出し、ダウンする際にもベッドメリーのようなオルゴール音がわずかに流れる。
全体的な能力、特にパンチの速さが突出しており、更にフェイントを巧みに使い分けて翻弄するなど、世界チャンピオンに相応しい実力を誇る。
2周目以降では髪型がモヒカンのようになり(髪の生えている部分が上から見ると「Z」の字を模したような形になっている)、見た目とファイトスタイル・攻撃スピードがFC版のマイク・タイソンを思わせるものに強化。片目でウィンクをした後には「ドリームランドエクスプレス」を上回る超高速のアッパーカットを放つ。1ラウンド中2ダウンまで追い詰めると、この超高速アッパーでラッシュをかけてくる。
チャンピオンの座を奪われたことには相当憤慨しており、試合前のムービーではマックのポスターを見るなり激昂し、ポスターを貼られた建物ごとパンチで粉砕する場面が見られる。
ドンキーコング(DK)
声 - 長嶝高士
出身・年齢・身長・体重、戦績の全てが不明。『マリオシリーズ』および『ドンキーコングシリーズ』から特別出演のキャラクター。
BGMも『パンチアウト!!』のテーマ曲アレンジと言うよりも、『スーパードンキーコング』シリーズに近い曲調となっている。
チャンピオン防衛戦以降に行う、ラストスタンド編またはエキシビジョンで対戦できる、Wii版における真のチャンピオン。戦闘スタイルはドン・フラメンコに似た受け身中心のスタイルだが、プレイヤーの行動で攻撃パターンが変化する特徴を持つ。
数種類の挑発アクションでこちらの攻撃を誘い、トリッキーな動きで同時パンチや連続パンチなど強力なカウンター攻撃を次々と繰り出すが、その一方で顔に自身のネクタイが張り付いて慌てる演出など、原作同様にとてもコミカルである。

Doc Louis's Punch-Out!!

Doc Louis's Punch-Out!!
ジャンル Boxing(ボクシング)
対応機種 Wii(Wiiウェア
開発元 Next Level Games
発売元 任天堂
人数 1人
メディア ダウンロード販売
発売日 アメリカ合衆国の旗 2009年10月27日
対象年齢 ESRB:E10+
テンプレートを表示

Doc Louis's Punch-Out!!』は、北米におけるクラブニンテンドーの2009年度プラチナ会員特典として発表されたWiiウェア用の非売品ソフトである(日本での2008年度プラチナ会員特典であった「スーパーマリオの帽子(Mario Hat)」と選択式)[1]

タイトルのとおりドッグ・ルイスがメインの作品で、セコンドであるルイスと戦うことができる。通常のWii版と基本システムは同様である。だが、ドッグ・ルイス関連の内容のみのため、モード数は大幅に減少している。

備考

上述してきたようにFC版の一般販売版とWii版においては、ラウンド間のインターバルで対戦相手のセリフとリトルマックとドッグ・ルイスの会話がそれぞれ表示される。内容は様々で、以下のようなエピソードもある。

  • 内容の中には攻略のヒントになっているものもあり、そのためFC版においては説明書とは別にソフトに附属している小冊子(辞書)で内容を確認できた。
  • FC版に存在したドッグ・ルイスの台詞の一種「JOIN THE NINTENDO FUN CLUB TODAY! MAC!」は北米でNOAが1987年から1988年の間に開設し、アメリカのゲーム雑誌・Nintendo Powerの前身となった『Nintendo Fun Club』のことを指している。
  • 「任天堂のファンクラブ」ネタは、Wii版においては「Join the NINTENDO Fun… I mean, Club NINTENDO Today! Mac!(ニンテンドーファン…じゃなくて、クラブニンテンドーに入るんだ、マック!)」や「Join Club NINTENDO Today! Mac!(さあ、クラブニンテンドーに入ろう、マック)」などクラブニンテンドーに絡んだネタになっている。
    • なおWii版以前に発売された『キャプテン★レインボー』に存在するリトルマックとのFC版『パンチアウト!!』風の模擬戦でも、インターバル間会話でクラブニンテンドー関連ネタが既に登場していた(ローマ字表記で「CLUB NITENFDO NI HAIRAHENNO?(クラブニンテンドーに入らへんの?)」とひかりが言い「CLUB NITENFDO NI BOKU MO HAIRITAI!(クラブニンテンドーにボクも入りたい!)」とリトルマックが言い返すという内容)。

続編及び関連作品

続編

アーケード版の正当続編。反則技を使う相手が多い。
  • 1985年 アームレスリング
日本国外でのみリリースされたアームレスリングゲームであり、番外編に位置する作品。本作のボールド・ブルがゲスト出演している(ただし覆面を被っており、「Mask-X」という名前で登場している)他、本作のサウンドが一部取り入れられている。
反則技を使用する選手がほとんどで、異種格闘技戦の色が強くなっている。

関連作品

ゲーム&ウオッチ
1984年7月31日にマイクロVSシステムで発売された作品。元々のタイトル名は「ボクシング」であったが後期発売分では「パンチアウト!!」に変更された。
さわるメイドインワリオ
プチゲーム「ファミコン コントローラ2」で本作にそっくりな架空のボクシングゲームの画面が登場する。
おどるメイド イン ワリオ
プチゲーム「パンチアウト」が登場。Wiiリモコンを上下させてレフリー(マリオ)のカウントをとる動作をするという内容である。また、ボクシングが題材のボスゲーム「ダブルパンチ」では対戦相手が本作の敵選手を意識したデザインとなっている。
キャプテン★レインボー
リトルマックが登場している。特定のイベント後には原作を意識した演出が多数なされたリトルマックとのボクシングミニゲームをすることもできる。なお、模擬戦におけるリトルマックの必殺技はスターアッパーではなく、スーパー・マッチョマンの攻撃を髣髴とさせるスピンパンチとなっている。元世界チャンピオンという設定は同じだが、大幅に太って別人のような姿になってしまった。
スーパーマリオメーカー
操作キャラクターを変更できるシステム「キャラマリオ」の一種としてリトル・マックが登場する。
ルイージマンション3
舞台となるホテル「ラストリゾート」の8階「スタジオフロア」の一室で、リトル・マック、ドック・ルイス、ミスター・サンドマンの3人が描かれたポスターが飾られている。
なお、この作品の開発はWii版『PUNCH-OUT!!』の開発元でもあるNext Level Gamesが手掛けている。

大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ

大乱闘スマッシュブラザーズX
本作の主人公リトルマックが『X』ではアイテム「アシストフィギュア」で出現するお助けキャラの一体として登場している。担当声優は日本版、日本国外版共通で江川央生。小さいが本作同様ワン・ツー攻撃が素早く、アッパーカットも強力。グラフィック、顔つきなどは3D化に伴い、FC版から大幅にリニューアルされている。また、BGM「ファミコンメドレー」では本作の訓練ムービーのBGMが一部組み込まれている。
大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U
2014年2月14日に『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』の公式HPにおいて主人公・リトルマックが発売前に参戦が発表された[4]。担当声優は鳥海浩輔。ボクサーの性能通りの拳だけで戦う。身体が小さい設定が強調され[5]、設定上リトルマックより背が低いはずのシュルクより小さい(シュルク自身が設定より長身に描写されているのもある)。
無類の地上戦特化ファイターとして設定されており、地上に立っている間はパワー・スピード共にかなり優れた性能を持つ。一部攻撃には相手の攻撃のダメージを受けても怯まずそのまま攻撃する特性があるなど、地上攻撃は総じて強力な性能を持ち、本来動きが鈍重な重量級ファイターにも匹敵する威力を有する。更に固有能力としてアーケード版準拠の「KOゲージ」を持っており、相手の攻撃を受けたりダメージを与えることでゲージが溜まっていく。このゲージがMAXになってから一定時間中は通常必殺ワザが「KOアッパーカット」に変化し、最後のきりふだに匹敵する文字通り必殺の攻撃を繰り出せる。
反面、空中戦は非常に苦手であり、崖の外の空中から地上に復帰する能力も低く、相手の攻撃でふっとばされやすくもある。全ての空中通常攻撃が総じて攻撃力が低いのみならず隙も大きい他、名前の頭に「苦手○○」という名称まで付けられている[6]。そのため、相手の攻撃で足場外に飛ばされたらそれだけで致命傷になる可能性が非常に高い。日本語版参戦PVでもドック・ルイスがマックの空中性能の悪さについてしゃべっている。
このことから、両極端な性能であると桜井政博は語っている[5]
最後のきりふだにより、Wii版『パンチアウト!!』の「ギガマック」に変身することが可能。
キャラクターのカラーバリエーションにジャージ姿や『スーパーパンチアウト』版がある他、今作では通常のモデルと「ワイヤーフレーム」版の両モデルが存在し[7]、両モデルにそれぞれ同じ衣装のカラーが8種類ずつ用意されているため、参戦キャラクター最多の16種類のカラーが存在する[6]
セコンドのドック・ルイスも演出で登場。日本国外版ではWii版と同一の声優が担当しているが、日本語版では新たに小山剛志による日本語音声が当てられている。アピールの際にマックに声援を送ったり、勝利時にも姿を見せる。
フィギュアにはリトル・マック、ドック・ルイスのほか、Wii版のグラス・ジョー、ボールド・ブル、ミスター・サンドマンが登場している。今回の参戦で『週刊ファミ通』においてファイターの原作である、ファミコン版『パンチアウト!!』が紹介された[8]
オンライン対戦では、リトル・マックの勝率が著しく低いことが明らかにされており、桜井は「このキャラクターが強い」と思ったプレイヤーたちが挙って使い、返り討ちにあった結果と語っている[9]
『大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』のリトル・マックのamiiboが発売されている[10]

脚注

注釈

出典

  1. ^ Nintendo has Singlehandedly has revived the video game industry”. p. 13 (1989年10月16日). 2021年9月22日閲覧。
  2. ^ 同社のファミコン用ROMカセットでのリリースは「マッハライダー」以来。
  3. ^ 2020CESAゲーム白書 (2020 CESA Games White Papers). コンピュータエンターテインメント協会. (2020). ISBN 978-4-902346-42-8 
  4. ^ 大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U 公式HP
  5. ^ a b 週刊ファミ通 2014年3月13日号「桜井政博のゲームについて思うこと」より。
  6. ^ a b エンターブレイン『大乱闘スマッシュブラザーズfor NINTENDO 3DSファイティングパーフェクトガイド・極』より。
  7. ^ 『大乱闘スマッシュブラザーズ (for Nintendo 3DS / Wii U)Direct 2014、4、9プレぜーテンション映像』より。
  8. ^ 週刊ファミ通2014年11月6日号「Enjoy!3DS+Wii U LIFE!!vol.161 スマブラ3DS参戦ファイターの作品をバーチャルコンソールで遊ぼう」より。
  9. ^ 週刊ファミ通 2012年11月27・12月4日合併号「桜井政博のゲームについて思うこと」より。
  10. ^ amiibo リトル・マック (大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ)|Nintendo”. 任天堂. 2015年10月4日閲覧。

日本国外版ページ

関連項目

外部リンク