コンテンツにスキップ

ケン・マスターズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ケン・マスターズ
ストリートファイターシリーズのキャラクター
初登場 ストリートファイター(1987年)
デザイナー SHOEI(ストリートファイターII[1]
日本語音声
岩永哲哉(1995年 - 2005年)
岸祐二(1999年 - 現在)
英語音声
ルーベン・ラングダン(2009年 - 2018年)
デヴィッド・マトランガ英語版(2023年 - 現在)
詳細情報
別名
性別 男性
職業 マスターズ家当主[2]
格闘家[2]
格闘スタイル 暗殺拳をルーツとした格闘術
出身 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
日本の旗 日本[3][4][5]
テンプレートを表示

ケン・マスターズは、カプコン対戦型格闘ゲームストリートファイターシリーズ」に登場する架空の人物。主役であるリュウ親友かつライバル的存在であり、彼と共にシリーズ全作品に登場している。

アーケードゲームの初代『ストリートファイター』(以下『ストI』と表記)で対戦時の2P側のプレイヤーキャラクターとして初登場。『ストI』では漢字で「」の表記が使用されていたが、その続編にあたる『ストリートファイターII』(以下『ストII』と表記)から主にカタカナで「ケン」と表記されるようになり[注 1]、以後定着している。名前は『ストI』のプランナーである松本裕司から取られる予定だったが、語感を考慮した結果「拳(ケン)」となった[9]

フルネームの「ケン・マスターズ」は劇場版アニメ『ストリートファイターII MOVIE』(以下『ストII MOVIE』と表記)での設定が『ストリートファイターZERO』(以下『ストZERO』と表記)シリーズの『ストZERO2』・『ストZERO3』、および『ストリートファイターIV』(以下『ストIV』と表記)以降のナンバリング作品でゲーム本編に取り入れられたもの[注 2]

『ストII』で日本出身[3]だがアメリカ代表と設定され、『ストリートファイターIII』(以下『ストIII』と表記)でも出身は日本[4][5]の設定だったが、『ストZERO2』・『ストZERO3』や、『ストIV』以降のナンバリング作品ではアメリカ出身でアメリカを代表する財閥の御曹司とされている。ケンは後になってから設定が変更されることが多く、国籍や家族構成などにナンバリング間で齟齬が生じている[注 3]。ケン個人に当てはまるかは明確でないものの、ストリートファイターシリーズで「キャラクターの生い立ちや世界観などの細かい設定ができたのは『ZERO』から」[12]とされる。

キャラクターデザイン

[編集]

外観

[編集]

『ストI』以来、長く伸ばしたブロンドヘアと黒い眉毛に、赤色の道着がトレードマーク。

ケンの金髪について、『ストリートファイター6』(以下『スト6』と表記)ディレクター中山貴之は『ストII』シリーズ初期のディレクター西谷亮[注 4]から脱色していることを確認したという[15]。『スト6』でケンの生やしている無精髭は設定画やゲーム内グラフィックでは髪色より暗い茶色、もしくは髪と同色のベースに黒のタッチで表現される[16][17][18][19][注 5]。ただし剛拳に弟子入りしていた少年期であっても、ゲーム公式の描写ではケンの髪は常に金髪である[20][21][注 6][注 7]
一方、『ストZERO』の開発スタッフは金髪である理由を質問された際に「じつはクォーターの日系アメリカ人という噂があります」[24]と、地毛であることを前提とした回答をしている。
なお、地毛は黒であり金髪は中学生の時に両親が離婚しかけて非行に走ったために染めたものだとする俗説が有名だが、『ストII』の謎本である『ストII 波動拳の謎』[25]掲載のネタ的憶測を初出とするものであり(後述)、中山も『ストII 波動拳の謎』は髪色の情報源としていない[15]

道着は裾や袖がきちんと縫われていることもあれば[注 8][26]、リュウと同様に裾や袖が大きく破けていることもある[注 9]

瞳の色は基本的に茶色。だが設定画で茶色としているナンバリング作品でも青く彩色しているイラストが多々ある他、『ストIV』では3Dモデルの瞳が青色になっている。また、『スト6』では設定画やゲーム内グラフィックなどで瞳の色を青色に統一している。

あきまんは「ケンは描き手によって表情が変化する、特定のイメージに縛られないキャラクター」とコメントしている[26]。キャラクターデザインは、実在のアメリカ人格闘家で、漫画『四角いジャングル』に登場していた頃のベニー・ユキーデが参考にされている[26]

『ストII MOVIE』の回想シーンや『ストZERO』では金髪を腰まで届くほど伸ばしており、赤いリボンで先の方を縛っている。この赤いリボンは、後にリュウの鉢巻として受け継がれている(後述)。

ストリートファイターV』(以下『ストV』と表記)では髪がポニーテールになった他、道着を上半身肌脱ぎにし、道着と同色の差しが入った黒のスポーツウェア姿で、足に黒のレッグガードを着用し、黒のグローブを着用している。

『スト6』では訳あって潜伏生活を送っているため、従来の道着ではなく、焦げ茶色の作業服、黒いタンクトップ、赤いズボン、黄色いスニーカーを着用している。また、口周りに無精髭が生えている。

格闘スタイル

[編集]

リュウと同じく暗殺拳をルーツとした格闘術の使い手で、「波動拳」、「昇龍拳昇竜拳)」、「竜巻旋風脚」といった必殺技を使いこなす。

リュウと比べ「昇龍拳」や足技、攻めの能力に長けている。スーパーコンボなどの上位技も「昇龍拳」の強化版や、連続で蹴りを繰り出すものが多い。「昇龍拳」はリュウがアッパーと膝蹴りをほぼ同時に繰り出すのに対し、ケンはアッパーで相手を屈ませた後に膝蹴りを叩き込んでいるとされる[27]

『ストI』および初代『ストII』ではリュウとほぼ同じ性能だったが、同じキャラクターでの対戦が可能になった『ストリートファイターIIダッシュ』からは「昇龍拳」や「竜巻旋風脚」を中心に性能の差別化が図られ[28]、『スーパーストリートファイターII』以降の作品では強「昇龍拳」で拳に炎のエフェクトを纏うようになった。『ストV』以降の作品では炎を纏う技が増加し、「電撃のリュウ」「炎のケン」という個性が際立っている。

キャラクター設定

[編集]

経歴

[編集]

家族の設定がない『ストI』以外では、日本とアメリカの両方にルーツを持つキャラクターだが、家族構成はナンバリングなどによって異なる。『ストZERO2』・『ストZERO3』と、『ストIV』以降のナンバリング作品では、実家は「マスターズ財団」を運営する財閥で、ケンは御曹司とされる[注 3]。同門出身でシリーズの主人公であるリュウとは、生まれも育ちも違い性格も対照的だが、長年ともに修業を積んだ親友であり最大のライバルである。

『スーパーストリートファイターII X』以降[注 10]の作品では剛拳の弟子として暗殺拳をルーツとする格闘術を学んだされる。幼い頃に彼のもとへ弟子入りして、人里離れた山奥で格闘家への道を歩む。そこで同じく弟子入りしていた少年・リュウと出会い、武芸の鍛錬だけでなく作務もこなしながら[21]、ともに修行の日々を過ごす。ケンが弟子入りするまでの経緯はゲーム本篇では明らかにされていない。中平正彦の漫画『RYU FINAL』では、父の書庫で見つけた文献が入門するきっかけとなった。

山を下りた後はアメリカへ渡り、武者修行を始めた。数々の格闘大会で優勝し、「全米格闘王」の異名で一目置かれる存在となる。『ストII』のエンディングでイライザと結婚し、式を挙げた。アメリカ西海岸に居を構える[31]。後にマスターズ財団の次期後継者として実質的なトップに就く[注 11]。『ストZERO3』時点では、政界に顔がきき一流のマネージャーでもある叔父から経営の才を見込まれて経営学を学ぶようアプローチをかけられるも、格闘を優先して断っていた[33]

家庭や仕事を持ったことで格闘家としての闘志が揺らぐことがあり、ひたすら格闘にのみ打ち込むリュウに引け目を感じてしまうときさえあった。しかし多くの格闘家たちとの闘いや自分を支えてくれる家族の存在を力に変えることで、自分のやり方で自分の強さに磨きをかけ、リュウと再戦を果たすという目的を見つけ出す。『ストIV』のエンディングにて、イライザは無事出産を果たし、ケンは晴れて父親となる。『ストIII』の時期には息子・メルもすくすくと成長し、不本意ながら弟子も取っていた。

順風満帆なケンだったが、『スト6』では社会的成功と裏腹の多忙や重責から生じた隙をつかれ、陥れられてしまう。ある事件のテロリストの首謀者という嫌疑をかけられたため、家族の元を離れ、地位を捨てて潜伏する。

人物像

[編集]

リュウとは対照的に、社交的で派手好きな色男。軟派で軽い性格だが、浮世離れした性格のリュウに比べると、常識的でもある。若い頃の勝利セリフには挑発的なものが多く、自信過剰でビッグマウスともとれる発言も見受けられるが、それも磨いてきた実力あってこそのものである。

武者修行のために渡ったはずのアメリカでイライザと出会い、『ストII』では心安らいで血腥い世界から遠ざかってしまうが同じく海外へ武者修行に出たリュウから手紙を受け取ったことで闘志が再燃する[注 12][3][35][36]。この経緯を知ったリュウからは「女なんぞにうつつを抜かしおって」と少々腹を立てられた[37]

『ストII』ではイライザ以外にゲーム公式としての女性関係の設定・描写は存在しないが、ゲームファンの間では軟派野郎[38]とのイメージが浸透。『ストZERO3』では女性キャラクターに対する勝利セリフにナンパめいたものが含まれる。またメディアミックス作品やクロスオーバーゲームではプレイボーイとして描かれる場合がある。『ポケットファイター』のエンディングでは『ヴァンパイア』シリーズのモリガンと買い物をしている所を運悪くイライザに見つかってしまい、ケンカになった。

時系列順で『ストIV』以降の作品では、マスターズ財団の次期後継者として実質的なトップに就いていた[注 11]。『スト6』で地位を捨てる直前の役職は副理事長兼理事長代行。『ストIII』では弟子にショーンがいるものの、元々弟子を取るつもりはなく、強引に押しかけられた経緯もあって持て余し気味。そのために当初はリュウにショーンを押し付けるなどしていたが、『ストIII 3rd STRIKE』ではケン自身が本格的に指導をしている様子。『ストIII 2nd IMPACT』では自分と妻イライザの顔がペイントされたクルーザーを所有しており、ホームステージにこのクルーザーが登場する。漫画『RYU FINAL』にも同様のものが登場し、リュウやショーンから恥ずかしがられた。

ジャスティス学園』シリーズでは、「ケン・マスターズ格闘術」という名称で格闘技の通信教育にも携わっており、同作のキャラクターである若葉ひなたと委員長がこれを受講して格闘技を身に着けている。同作の「熱血青春日記」にて、この通信空手の教材には実際に炎を出すための方法や空中で連続回転する方法などは一切書かれていないことが判明しており、ひなたは「技名に炎が付いているから」などの理由だけで自力で手足から火を出せている。

実写映画『ストリートファイター 暗殺拳』(以下『暗殺拳』と表記)では、原作の明るく好青年な性格と比較すると、特に序盤では生意気で焦りがちで未熟な部分が目立ち、英語版『ストII』(後述)に近い性格に描かれている。幼い頃に母が亡くなってケンは荒れ、父親は経営の舵取りがうまくいかなくなってしまい、父母の知己である剛拳の道場に預けられる。リュウに初対面で不意討ちをするものの即座のボディブローで返り討ちにされた。ぎこちない出会いとはなったが、やがて兄弟同然の関係を築く。波動の修行で苦戦した際に剛拳が隠しているものと知りながらも古びた手帳の型を真似て波動拳を出すが、手帳の持ち主は豪鬼でありケンの真似た型は殺意の波動を扱うためのものであったため、剛拳から厳しく戒められ、剛拳の実弟である豪鬼と殺意の波動の存在を明かされた。『暗殺拳』は唯一ケンが殺意の波動を使った作品であるだけでなく、リュウよりも先に使った作品でもある。

リュウとの関係

[編集]

シリーズの主役的キャラクター・リュウとは幼い頃から剛拳のもとで修行を積んだ間柄であり、彼と最も関係の深いキャラクターの1人である。

リュウが巻いている赤い鉢巻は、ケンがかつて髪留めに使っていたリボンである。『ストII MOVIE』で額を怪我したリュウへの手当てで使用するシーンが描かれた後、ゲーム本編にも『ストZERO2』のエンディングでリュウに渡すシーンとして取り入れられた。また、同映画内で行われた互いの拳を軽く当て合う挨拶は、後の多くの作品でも登場することとなる。

『ストII』では闘いから離れていたブランクがあり、ファイターとしての能力値はリュウとまったく互角であるものの、やや隙が目立つ[3]。リュウと同門であるために彼と比較されることが多く、リュウが他のファイターから概ね高い評価を得ているのに対し、ケンはリュウよりも潜在能力が低いと判定されることや、「技こそリュウに似ているが実力は劣る」と厳しい評価を受けることが多い。しかし、どの作品でもリュウの良きライバルとして設定されており、『ストIII 3rd STRIKE』では、彼とともに自分の方が勝ち星は上と主張している。

メディアミックス作品ではリュウが殺意の波動に目覚めた際のストッパーとしての役割を担わされることが多い。中平正彦の漫画『ストリートファイターZERO』では、「リュウが殺意の波動に目覚めたときには彼を殺してでも止めるように」と、剛拳から言いつかっている。OVA『ストリートファイターZERO - THE ANIMATION -』では、リュウ本人からもし自分が殺意の波動に目覚めたら殺してくれるよう頼まれた。『暗殺拳』では、殺意の波動に呑まれかけ「滅・波動拳」を放とうとしたリュウを渾身の昇龍拳で止めている。この時、初めて炎の昇龍拳を発動させ、ケンは自身の腕を火傷している。修行を終えて剛拳と別れる際に波動に耐えられる籠手を受け取り、兄として殺意の波動に染まりつつある弟を助けるという剛拳の果たせなかった願いも託された。

洗脳

[編集]

漫画(神崎将臣)版『ストリートファイターII -RYU』では、ベガに忠誠を誓う新四天王の一人として登場。嵐の夜に殺された友人チョウの死と洗脳用麻薬「DOLL」の真相を探るために人工島SHADへ向かったケンとリュウだったが、ケンは調査中に捕まり洗脳されてしまう。記憶を封じられたケンは命令通りに試合前のリュウを襲撃して棄権に追い込んだ。その後、一度は洗脳から抜け出して記憶を呼び覚ますが、決勝前夜のベガに私闘を挑もうとしたケンの元に駆けつけたリュウの前で再び洗脳状態にされてしまい、豹変したケンはリュウへと襲い掛かる。

『ストII MOVIE』では、強くなってからの再戦を約束して別れ、全米格闘王にまで至ったにもかかわらずリュウとの再戦が叶わずにいる焦燥感をベガにつけ込まれて洗脳され、リュウに襲い掛かった。しかし、不完全な洗脳であったため、リュウとの戦闘中、かつて自身がリュウに巻いた鉢巻を見たことで自我を取り戻す。『ストリートファイターZERO3』でのリュウのCPU戦でも同様の展開があり、サイコパワーの洗礼を受けたケンがリュウの前に立ちはだかる。

SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』では通常のケンも登場するが、隠しキャラクターとして「洗脳されたケン」(通称「洗脳ケン」)という形でも登場する。「神武滅殺」の最後に放つ「昇龍拳」に『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズのオロチ一族が見せるような髑髏の浮かぶ気を放っていることから、オロチの力を持っているようにも見えるが、同作に登場するオロチ一族であるゲーニッツは洗脳ケンに対し特別な反応はしていない。一方でシャドルー四天王のバルログはサイコパワーに言及しており、ここでもベガによりサイコパワーを注入されていることがわかる。この洗脳ケンは『ウルトラストリートファイターII』にも登場する。

NAMCO x CAPCOM』で春麗が犯罪超人ドッペル(『キャプテンコマンドー』の敵キャラクター)が変身したケンに襲われたときには、真っ先に洗脳の可能性を疑っていた。『PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』でもベガのサイコパワーによって洗脳され、敵として登場する場面がある。

その他

[編集]
  • カプコンが1990年ファミリーコンピュータで発売した『2010 ストリートファイター』の北米版であるNES版『Street Fighter 2010: The Final Fight』では、主人公が『ストI』から時を経て科学者となった未来のケン本人という設定になっている。ファミコン版『2010』ではケビン・ストレイカーという全くの別人が主人公だったが、NES版ではこの変更に合わせてストーリーも全く異なるものへ変更されている(ただし、グラフィックは同じである)。『ストII』発売前の作品のため、この作品でのケンの設定は後のシリーズとは繋がりがない。
  • 英語版の『ストII』には誤訳や日本語版と無関係な内容が多数含まれ、各キャラクターの背景を書いた冊子[注 12]でも、初期バージョンではケンの項目が日本語版と全く異なる内容になっている。日本からアメリカへ武者修行のため渡ったという説明がなく(版によっては国籍はアメリカと表記)、リュウと同門であるという説明もなく、それ以外のリュウやイライザに関する記述も削除されている。その代わりに書かれているのが、才能はあるが無礼で傲慢で常に自分を史上最強の戦士だと思い知らせようとし相手を倒した後嘲笑う、という内容である。また、リュウの項目には友はいないと書かれている[注 13][注 14]
    英語版以外の各欧州言語版も同様の内容である。
  • 『ストII』のCPUが使う昇龍拳を多用する戦法は「ドラゴンダンス」と呼ばれ、『熱唱!!STREET FIGHTER II』における楽曲の歌詞や、『ストリートファイター X 鉄拳』の称号にもなっている。
  • ゲーメスト編集部による『ストII』のその後をケンの手紙という形で描いた『FAREWELL FIGHTERS』では、ケンの子供は一卵性双生児で、髪の色はそれぞれ黒、金髪とされていた[44]が、公式設定ではない。『FAREWELL FIGHTERS』は一卵性双生児で髪の色が異なる以外にも、ダルシムが日本企業の重役をせっかんして意識不明に、バイソンが映画俳優となり男女二役に挑戦、などの内容が並ぶネタ記事であり、担当ライターは編集後記で『ストII』のキャラクター設定に想像の余地がないのが不満だった、やったもん勝ち、と述べている[45]。双子については後に『スパIV』の開発ブログ内の質問コーナーで正式に否定された[46]
  • 『ストII 波動拳の謎』は「ゲーメスト編集部 ストII愛好会」を著者とする謎本である。謎本とはフィクションなどの愛好家による非公式で多くは無許可の考察本であり、90年代に大流行したが、ブーム拡大に従って粗製乱造による考察の質の低さでも知られるようになっていく。『波動拳の謎』はこのイメージを逆手に取った謎本のパロディ的な形式を取っており、興味を引くトピックと無根拠で突飛で悪ノリしたネタ的憶測の本文から構成される。ケンの髪色に関する一節はゴシップ記事のパロディでもあり、ごく短い文章の中でインタビュイーの設定ぶれも起きるなど、さらにネタ度を高める工夫がなされている。『波動拳の謎』は設定資料集の類ではなく、株式会社カプコンは著者・監修・協力のいずれにもクレジットされていない。収録されている極端なリュウの貧乏ネタも後に西村キヌとSHOEIからそんな設定を作った覚えはないと否定された[47]。しかし「ストリートファイターシリーズ」の公式の書籍も手掛けたゲーメスト編集部が著者であるため、通常の謎本とは違って出版自体は許諾を得ており、公式の図版やゲーム画面が豊富に引用されている。また株式会社カプコンから「この本は『彼らの違った一面を考えたい』という皆様の熱い気持ちに答えることのできる一冊であったと考えます」[48]とのコメントが寄せられた。
  • 香港映画『シティーハンター』ではケンに扮したゲイリー・ダニエルズが、春麗に扮したジャッキー・チェンと戦うというパロディシーンが存在する。
  • 新 鬼武者 DAWN OF DREAMS』では、条件を満たすと天海のコスチュームとしてケンの格好になるものが登場する。また、『戦国BASARA4 皇』では千利休の特別衣装としてケンのコスチュームが登場する。
  • 漫画家の伊藤真美はケンのファンであり、彼女の漫画にはケンがクローズアップされている。

担当声優

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 『ストII』シリーズと『ストZERO』では、移植版ソフトの取扱説明書や公式の設定資料集、開発スタッフ完全協力の攻略本兼資料本などで「拳」の表記も使われていた[3][6][7][8]。だが『ストZERO2』以降「拳」の表記はなくなる。
  2. ^ 「ケン・マスターズ」というフルネームは1993年にアメリカで発売されたG.I.ジョーとのコラボ人形で既に使用されており[10]、これが初出と考えられる。
  3. ^ a b 『COMPLETE FILE STREET FIGHTER II』によれば、生まれも育ちも日本で、母方の祖父がアメリカ人であるクォーターで、武者修行のため母の祖国アメリカへ渡った[3]という設定だった。アニメ映画『ストII MOVIE』での「ケン・マスターズ」というフルネームや「全米格闘王」という肩書き、TVアニメ『ストII V』でも同じフルネームで、マスターズ家が大富豪であり、父親がアメリカ人で母親が日本人とされたこと、などがゲーム本編の設定に影響を与えている。『スト6』では、公式前日談漫画『Days of the Eclipse』[11]でケンの父親は「マスターズの男」でマスターズ家の先代当主であるとされ、ゲーム本編でもケンがマスターズ財団を大きくしたのは父親だと言及している。ゲーム本編とパラレルなメディアミックス作品では、中平正彦によるコミカライズシリーズのケン・マスターズは、6歳の時に父親の書庫で暗殺拳について英語で記された古い文献を読んだことが入門のきっかけであることからアメリカ人かつ英語ネイティブであり、同じく子どもの頃からこの文献のファンだった父親も非明示的にアメリカ人として描かれている。実写映画『暗殺拳』でも父親がマスターズ・コーポレーション(日本語字幕ではマスターズ財団)を経営するアメリカ人であり、母親は「ユキ」という名(日本語字幕に訳出なし)で日本人であることを示唆されている。
  4. ^ 西谷が株式会社カプコンストリートファイターシリーズのディレクターを務めたのは1991年3月発売の『ストII』、1992年4月発売の『ストII'』、1992年6月発売のスーパーファミコン版『ストII』の3作[13]。この時期はケンの名は「拳」と漢字でも表記されており、クォーターあるいはハーフとしてアメリカ人の血を引くという設定の記述は存在しなかった。またリュウとケンの流派が暗殺拳をルーツとした格闘術で剛拳の弟子として幼い頃から人里離れた山奥で修行生活を送っていたという設定も存在しなかった。なおカプコン退社の後に西谷が手掛けたストリートファイターシリーズも存在する。自ら設立した株式会社アリカで先駆的な3D格闘ゲームを開発し、IPを借りる形で1996年12月に『ストリートファイターEX』としてリリース[14]
  5. ^ ゲーム外のイラストや漫画では毛量が少ない場合などに地肌に黒のタッチで表現されることがある。
  6. ^ ケンの息子のメルも3歳で『ストIII』に登場して以来、ゲーム内グラフィックや設定画では、金髪で基本的に眉毛の色は黒である[22][23]。ただし眉毛も金色に彩色される場合もある他、ゲーム外のイラストや漫画などでは髪色と同様の表現をされる場合も多い。
  7. ^ メディアミックス作品では、TVアニメ『ストII V』のケンは髪を茶色に彩色されている。それ以外は『ストII MOVIE』の少年期の回想なども含めて金髪である。
  8. ^ 『ストII』、『ストリートファイターEX』、『ストIV』以降の作品など。
  9. ^ 『ストZERO』、『ストIII』など。
  10. ^ 『スーパーストリートファイターII X』で登場した名すら不明な隠しボスである「拳を極めし者」の正体が数か月後に発表され、その際に暗殺拳の設定も公開された。「拳を極めし者」が豪鬼という名であること、豪鬼の実兄・剛拳がリュウとケンの師であること、彼らの流派が暗殺拳もしくはそれをルーツとした格闘術であること、などの設定が明らかになった。[29]
    ただし剛拳の存在自体はこれ以前からほぼ確定していた。神崎将臣による漫画『ストリートファイターII -RYU』の第4話の回想で初登場するリュウとケンの師は剛拳という名であり、単行本第1巻の巻末にカプコンへ師匠登場の伺いを立てたところラフスケッチなどの設定資料を提供されたことが書かれている[30]。豪鬼の正体発表に伴って剛拳の設定がゲーム本編でも確定し、背景が補強された、という経緯である。またゲームでは『ストZERO』で初めて描かれた剛拳の姿と巻末のラフスケッチは、細部こそ変更されているものの、おおよそ一致する。
  11. ^ a b 『ストIV』時点で、公式前日談アニメ『ストリートファイターIV〜新たなる絆〜[32]ではC.ヴァイパーから「マスターズ財閥のトップ」として「マスターズグループ」の経営戦略のコメントを求められ、ハカンの勝利セリフでは「マスターズの社長さん」と呼ばれている。なお企業グループ財団はイコールではなく、財団のトップは社長でなく理事長や会長である。『スト6』では、公式前日談漫画『Days of the Eclipse』[11]でケンの父親がマスターズ家先代当主で、マスターズ財団現理事長で、存命であることがわかる。
  12. ^ a b アーケードゲームである『ストII』は各キャラクターの背景がゲーム内でなくリーフレットに記載されている[34]仕様である。『ストII』のスーパーファミコンへの移植版ではリーフレットとほぼ同じ文章が紙の取扱説明書に記載されている。他の移植版でもバージョンごとに文章が変更されているが多くは同様の内容である[6]。背景の内容は『COMPLETE FILE STREET FIGHTER II』にも収録。
  13. ^ 日本の公式監修でのリュウの交友関係は「友人は世界中にいる」[39]、「親友のケン」[39]、である
  14. ^ 派生作品や移植版などで後に出た冊子では徐々に修正が加えられていく。
    北米版スーパーファミコンであるSNES版の『ストII』では、リュウと師が同じだという説明はあるが師の名はシェンロン(Sheng Long)とされる。リュウやイライザに関する記述は追加されたが、日本語版のイライザに恋するあまり闘いから遠ざかったという意味合いとは異なりビーチでガールフレンドとサボっていたとされ、リュウと良きライバルだという説明もない。
    さらに後のバージョンの冊子ではシェンロンに関する記述は削除されて2人は松濤館流空手の門下生とされ、相手を倒した後嘲笑うという部分も削除され、リュウとの関係の記述は増えたものの好敵手や親友ではなくかつての練習相手(old training partner)となっている。また、リュウの項目には友はいないと書かれている。[40]
    さらに後のバージョンではリュウの項目がわずかな友がいて最も関係が深いのはケンだと書き換えられたが、ケンの項目ではかつての練習相手という表現のままである[41]
    1992年製の北米版設定資料集である『STREET FIGHTER STYLE GUIDE』でも冊子とほぼ同一の文章やイラストが使用されている[42][43]

出典

[編集]
  1. ^ ストリートファイターII開発者インタビュー | ゲスト | 活動報告書 | CAPCOM:シャドルー格闘家研究所”. 2025年9月16日閲覧。
  2. ^ a b CAPCOM:STREET FIGHTER V 公式サイト:ケン2015年11月26日閲覧
  3. ^ a b c d e f 『COMPLETE FILE STREET FIGHTER II』発行:カプコン、発売:朝日ソノラマ、1992年12月30日、49頁。 
  4. ^ a b 『ALL ABOUT シリーズ Deluxe Vol.2 ALL ABOUT ストリートファイターIII THE CHARACTERS』電波新聞社、1997年1月25日、93頁。 
  5. ^ a b 『ALL ABOUT シリーズ Vol.19 ALL ABOUT ストリートファイターIII THE FIGHTING BIBLE』電波新聞社、1997年6月10日、240頁。 
  6. ^ a b Super Street Fighter II - The New Challengers” (PDF). 任天堂株式会社. 2026年2月15日閲覧。
  7. ^ STREET FIGHTER II' PLUS - SEGA セガ” (PDF). 株式会社セガ. 2026年3月7日閲覧。
  8. ^ 『ALL ABOUT シリーズ Vol.11 ALL ABOUT ストリートファイターZERO』電波新聞社、1995年10月25日、42頁。 
  9. ^ 『ストリートファイター アートワークス 極』カプコン、2012年12月17日、435頁。 
  10. ^ Ken Masters (v1) G.I. Joe Action Figure - YoJoe Archive”. 2026年1月17日閲覧。
  11. ^ a b コミックス「Days of the Eclipse」|STREET FIGHTER 6(ストリートファイター6)|CAPCOM”. 株式会社カプコン. 2026年2月8日閲覧。
  12. ^ 不知火プロ(編集)『ストリートファイターエターナルチャレンジ: 永遠の挑戦者たち』発行:カプコン、発売:双葉社、2003年7月5日、256頁。 
  13. ^ 西谷 亮インタビュー Part3”. ゲーム文化保存研究所 (2020年1月25日). 2026年2月15日閲覧。
  14. ^ 西谷 亮インタビュー Part4”. ゲーム文化保存研究所 (2020年1月30日). 2026年2月15日閲覧。
  15. ^ a b takaNakayamaの2024年2月15日のツイート、2026年2月6日閲覧。
  16. ^ カプコン「ストリートファイター6」開発チーム(監修)/ウェッジホールディングス(編著)『ストリートファイター6ワールドガイド』双葉社、2024年3月16日、61,63,100,141-142頁。 
  17. ^ Street Fighter 6 Preview - A Deep Dive Into Ken's New Look - Game Informer”. Game Informer (2022年11月9日). 2026年2月6日閲覧。
  18. ^ takaNakayamaの2022年11月11日のツイート、2026年2月6日閲覧。
  19. ^ デザインチームによるOutfit3のご紹介!|開発コラム|STREET FIGHTER 6(ストリートファイター6)|CAPCOM”. CAPCOM (2023年11月22日). 2026年2月6日閲覧。
  20. ^ カプコン「ストリートファイター6」開発チーム(監修)/ウェッジホールディングス(編著)『ストリートファイター6 ワールドガイド』双葉社、2024年3月16日、137頁。 
  21. ^ a b Prologue14(剛拳)”. STREET FIGHTER IV (ストリートファイターIV):PlayStation3版/Xbox360版 ストリートファイターIV ビギニング. 株式会社カプコン. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年2月12日閲覧。
  22. ^ 『ALL ABOUT ストリートファイター3 THE FIGHTING BIBLE ALL ABOUTシリーズVol.19』電波新聞社、1997年6月10日、123頁。 
  23. ^ カプコン「ストリートファイター6」開発チーム(監修)/ウェッジホールディングス(編著)『ストリートファイター6 ワールドガイド』双葉社、2024年3月16日、109,141頁。 
  24. ^ 『ALL ABOUT シリーズ Vol.11 ALL ABOUT ストリートファイターZERO』電波新聞社、1995年10月25日、274頁。 
  25. ^ ゲーメスト編集部 ストII愛好会『ストII 波動拳の謎』新声社、1994年6月9日、12-13頁。 
  26. ^ a b c 『ストリートファイター X 鉄拳 アートワークス』カプコン、2012年4月5日、86頁。 
  27. ^ 『ALL ABOUT シリーズ Deluxe Vol.2 ALL ABOUT ストリートファイターIII THE CHARACTERS』電波新聞社、1997年1月25日、98頁。 
  28. ^ 『月刊ゲーメスト増刊 ストリートファイターIIダッシュ』新声社、1992年9月30日、39頁。 
  29. ^ 『月刊ゲーメスト No.118』新声社、1994年6月30日、12頁。 
  30. ^ 『ストリートファイターII RYU』 1巻、徳間書店、1993年、148頁。 
  31. ^ 『ALL ABOUT ストリートファイター3 THE FIGHTING BIBLE ALL ABOUTシリーズVol.19』電波新聞社、1997年6月10日、84頁。 
  32. ^ ストリートファイターIV~新たなる絆~ | カプコンタウン”. 株式会社カプコン. 2026年2月12日閲覧。
  33. ^ 『ALL ABOUT シリーズ Vol.21 ALL ABOUT ストリートファイターZERO3』電波新聞社、1998年11月30日、31頁。 
  34. ^ CAPCOM_AWTの2024年12月26日のツイート、2026年2月8日閲覧。
  35. ^ 『Street Fighter II:THE WORLD WARRIOR』株式会社カプコン、1991年。「リュウを良きライバルと認め、おたがいに強くなったころ再び会おうと約束した。アメリカへ武者修行に来たはずのケンだったが、血なまぐさい過去は忘れて、恋人との甘いひと時に浸っていた。しかし、リュウからの一通の手紙が、彼の眠れる格闘家の、熱き血潮を沸騰させたのだ!『よし、昇龍拳百本3セットだ!待ってろよ!リュウ』」 
  36. ^ 『Street Fighter II:THE WORLD WARRIOR』株式会社カプコン、1991年。「真の格闘家を目指す為、さすらいの旅をしている。ライバルのケンがアメリカへ武者修行をしに行ったと聞き海外へ向かう。果たして、今回の旅で真の格闘家になれるのか……」 
  37. ^ 『COMPLETE FILE STREET FIGHTER II』発行:カプコン、発売:朝日ソノラマ、1992年12月30日、72頁。 
  38. ^ 『月刊ゲーメスト増刊 ストリートファイターII』新声社、1991年10月1日、83頁。 
  39. ^ a b 『ALL ABOUT シリーズ Deluxe Vol.2 ALL ABOUT ストリートファイターIII THE CHARACTERS』電波新聞社、1997年1月25日、21頁。 
  40. ^ Street Fighter II' Turbo: Hyper Fighting - Nintendo” (PDF). 任天堂株式会社. 2026年2月15日閲覧。
  41. ^ US_Super-Street-Fighter-II” (PDF). 株式会社セガ. 2026年2月15日閲覧。
  42. ^ takaNakayamaの2020年4月19日のツイート、2026年3月9日閲覧。
  43. ^ takaNakayamaの2020年4月19日のツイート、2026年3月9日閲覧。
  44. ^ 『月刊ゲーメスト増刊 ストリートファイターIIダッシュ』新声社、1992年9月30日、26-27頁。 
  45. ^ 『月刊ゲーメスト増刊 ストリートファイターIIダッシュ』新声社、1992年9月30日、148頁。 
  46. ^ 第18回:開発スタッフが質問に答えますコーナー”. SAIKYO BLOG. 株式会社カプコン (2010年2月16日). 2021年1月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年2月20日閲覧。
  47. ^ 不知火プロ(編集)『ストリートファイターエターナルチャレンジ: 永遠の挑戦者たち』発行:カプコン、発売:双葉社、2003年7月5日、130-131頁。 
  48. ^ ゲーメスト編集部 ストII愛好会『ストII 波動拳の謎波動拳の謎』新声社、1994年6月9日、1頁。 
  49. ^ 『ALL ABOUT シリーズ Vol.19 ALL ABOUT ストリートファイターZERO2』電波新聞社、1996年6月30日、321頁。 
  50. ^ 『ALL ABOUT シリーズ Vol.15 ALL ABOUT スーパーパズルファイターIIX』電波新聞社、1996年8月30日、122頁。 
  51. ^ 『ALL ABOUT シリーズ Vol.18 ALL ABOUT ストリートファイターEX』電波新聞社、1997年3月25日、258頁。 
  52. ^ 『ALL ABOUT シリーズ Vol.18 ALL ABOUT ストリートファイターEX』電波新聞社、1996年3月25日、188頁。 
  53. ^ 『ALL ABOUT シリーズ Vol.21 ALL ABOUT ストリートファイターZERO3』電波新聞社、1998年11月30日、398頁。 
  54. ^ NAMCO x CAPCOM公式サイト、キャラクター2”. 2025年9月25日閲覧。
  55. ^ 『ALL ABOUT シリーズ Vol.19 ALL ABOUT ストリートファイターIII THE FIGHTING BIBLE』電波新聞社、1997年6月10日、285頁。 
  56. ^ 『GAMEST MOOK vol.194 STREET FIGHTER III 3rd STRIKE Fight for the Future -CONCLUSION STEP/MASTER THE SECRET-』新声社、1999年、30頁。 
  57. ^ McDonaldsJapanの2025年11月19日のツイート、2025年11月27日閲覧。