ピクロス (ゲームソフト)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
ピクロス
ジャンル パズルゲーム
開発元 ジュピター
エイプ
HAL研究所立体ピクロス
発売元 任天堂
ジュピター(ピクロスeシリーズ)
1作目 マリオのピクロス
1995年3月14日
最新作 ピクロスe9
2018年8月8日
テンプレートを表示

ピクロスPicross)は任天堂およびジュピターが発売したパズルゲームシリーズの総称。この名称はピクチャー・クロスワードを略した造語である。1995年ゲームボーイソフト『マリオのピクロス』が発売され、以降シリーズ化された。

概要[編集]

ペンシルパズルお絵かきロジックコンピュータゲーム化した上で、独自のアレンジを加えている。小学館の学年別学習雑誌などではゲームソフト発売前よりピクロスの名で掲載されたが、商標は任天堂が取得している[1]。開発元は主にジュピター、『立体ピクロス』シリーズはHAL研究所

基本ルールはお絵かきロジックに準拠するが、ゲームモードによっては制限時間までに絵を完成できなければタイムオーバーとなるルール(『ピクロスNP』シリーズまでは持ち時間を全て使い切ったその時点でゲームオーバー、『ピクロスDS』以降は制限時間を超えても続行可能だが完成後のご褒美は単色の絵になる)、間違ったマスを削ると持ち時間が減算または加算されるペナルティ、ヒントとして縦横それぞれ一列の解答を表示する「ヒントルーレット」、マスの試し置き機能などが用意される。

マリオのピクロス』『マリオのスーパーピクロス』『ピクロス2』では探検家考古学者に扮したマリオワリオが、古代遺跡の石盤に隠された絵を解読する設定にされた。そのためお絵かきロジックにおいてマスを塗りつぶす行為は、これらのゲームではハンマーとピックで「削る」と表現される。『ピクロスDS』以降はマリオなどのキャラクターが登場する作品が、出題される問題に合わせた数種類の背景デザインが用意された。

鉛筆消しゴムを必要とせず問題は何度でも楽しめ、短い時間で気軽に遊べる内容が人気となり、シリーズ第1弾として1995年に発売された『マリオのピクロス』は、世界合計の売上げでミリオンセラーを記録した[2]

1995年当時発売ソフトが減り衰退に向かっていたゲームボーイは翌年の『ポケットモンスター』発売後に再び活気を取り戻したが、その下地には『マリオのピクロス』の好調な売れ行きがあった。この動向から、当時本作のプロデューサーを務め、後に株式会社ポケモン代表取締役社長へ就任した石原恒和は「ゲームボーイ、ちゃんと生きてるじゃないか」と評価し、『ポケモン』にも期待をかけた。さらに任天堂がゲームボーイの改良機『ゲームボーイポケット』の発売を促した要因の1つにもなった[3]

シリーズ作品一覧[編集]

以下の年月日は日本国内の発売日または放送日となる。

マリオのピクロス
1995年3月14日発売、ゲームボーイ
第1作。ゲーム内のBGMや古代文明の探索を連想させる設定は後の作品へ流用された。日本版の製品パッケージおよび広告には「オトナのパズル。」のキャッチフレーズが表記された。
タモリのピクロス
1995年4月23日[4] - 9月2日放送、スーパーファミコンサテラビューデータ放送番組
タモリラジオ番組『サバチーチカレッジ タモロス博士のサンデーゼミナール』を聴きながら遊ぶパーソナリティ番組として放送された。ただしゲーム内にタモリは登場しない。ゲームデータの放送はラジオの放送時間外にも行われ、ラジオ番組を聴かずに遊ぶこともできた。放送終了後も『サンデーゼミナール』が終了する1996年3月まで再放送された。
マリオのスーパーピクロス
1995年9月14日発売、スーパーファミコン
『タモリのピクロス』のプログラムと問題を流用し市販作品として仕上げた。ヒントと制限時間のない上級者向けのゲームモード「ワリオのスーパーピクロス」、2人協力プレイを導入。
ピクロス2
1996年10月19日発売、ゲームボーイ
4分割された30マス四方の大きな絵を解く形式とされた。キャラクターを操作して問題を探すマップ画面、問題を解きながら隠された文章を推理するサブゲーム「クイックピクロス」を導入。こちらもスーパーゲームボーイを使用することで2人協力プレイが可能。
サテラdeピクロス
1997年11月30日 - 12月27日放送、スーパーファミコン・サテラビューデータ放送番組
同年度に実施された月替わりイベントゲーム企画「マンスリーイベント」の1997年12月分作品として放送。複数の問題を解き共通するテーマを当てる懸賞を実施した。
ピクロスNP Vol.1 - Vol.8
1999年4月1日 - 2000年6月1日発売、スーパーファミコン・ニンテンドウパワー書き換え専用ソフト
ニンテンドウパワーのみで供給される新作ソフトとして偶数月に1作ずつ、全8作発売。任天堂キャラクターを起用した特集問題、サテラdeピクロスと同様の懸賞問題、2人対戦モードを設けた。
ピクロスDS
2007年1月25日発売、ニンテンドーDS
ピクロスNPから約7年ぶりの作品となった。従来のボタン操作に加えタッチペンによる操作、ニンテンドーWi-Fiコネクションによる通信対戦、問題の追加・交換などの新要素を導入。過去シリーズからの選抜問題も追加配信された。
立体ピクロス
2009年3月12日発売、ニンテンドーDS
従来のピクロスシリーズから外観・ルールを変更。縦・横・奥行き3方向のヒント数字をもとに、立方体のブロックを壊して立体図形を完成させる形式となる。「○」で囲まれたヒント数字は1個間を空け、「☐」で囲まれたヒント数字は2個以上間を空けるルール。
ピクロスe
2011年7月27日配信開始、ニンテンドー3DS、配信元:ジュピター
ニンテンドーeショップダウンロード販売ソフト。初心者向けのナビゲーション機能や、解像度の向上に伴う操作性の向上(15マス四方までだが、拡大モードが必要なくなった)がされている。
ピクロスe2
2011年12月28日配信開始、ニンテンドー3DS、配信元:ジュピター
ニンテンドーeショップのダウンロード販売ソフト。『ピクロスe』シリーズ第2弾。
前作同様初心者向けのナビゲーション機能や150問の新規問題に加えて、新モード「ミクロス」(問題の塗りマスに入り込み、中にある問題を解いて、より緻密なイラストを完成させるピクロス)を搭載。
クラブニンテンドーピクロス
2012年9月13日配信開始、ニンテンドー3DS
クラブニンテンドー会員特典として配信していたニンテンドー3DS用ダウンロードソフト。クラブニンテンドーのポイント(80ポイント)を交換することで入手できる。主なシステムは『ピクロスe』『e2』に同じ。任天堂キャラクターの問題が多く収録されている。
ピクロスe3
2013年6月12日配信開始、ニンテンドー3DS、配信元:ジュピター
ニンテンドーeショップのダウンロード販売ソフト。『ピクロスe』シリーズ第3弾。
新モード「メガピクロス」(2列にまたがるヒント数字のあるピクロス)を含め、全150問を収録。
ピクロスe4
2013年11月20日配信開始、ニンテンドー3DS、配信元:ジュピター
ニンテンドーeショップのダウンロード販売ソフト。『ピクロスe』シリーズ第4弾。
『e2』の「ミクロス」と『e3』の「メガピクロス」の新作を収録しているほか、新たに20×15マスの問題が登場。
また『e』~『e3』のセーブデータがある場合、それらに収録されていた問題の一部をメガピクロスとして遊ぶことができる。
ピクロスe5
2014年6月11日配信開始、ニンテンドー3DS、配信元:ジュピター
ニンテンドーeショップのダウンロード販売ソフト。『ピクロスe』シリーズ第5弾。
基本的には『e4』とほぼ同じだが、各モードの問題配分が調整されている。
クラブニンテンドーピクロス+
2014年10月10日配信開始、ニンテンドー3DS
クラブニンテンドー2014年度プラチナ会員特典として配信していたニンテンドー3DS用ダウンロードソフト。100問の新作問題が収録されている。
ピクロスe6
2014年12月24日配信開始、ニンテンドー3DS、配信元:ジュピター
ニンテンドーeショップのダウンロード販売ソフト。『ピクロスe』シリーズ第6弾。
1つの問題を「ピクロス」「メガピクロス」のどちらで遊ぶかが選択できるようになった。
カタチ新発見!立体ピクロス2
2015年10月1日発売、ニンテンドー3DS
立体ピクロスの続編。数字が青とオレンジの2色に分けられ、従来のようにブロックを壊すだけでなくブロックを正しく塗り分けるルールが追加されている。対応するamiiboで問題を追加できる。
ポケモンピクロス
2015年12月2日配信開始、ニンテンドー3DS、発売元:株式会社ポケモン
ニンテンドーeショップのダウンロード販売ソフト。『ポケットモンスター』シリーズの世界観に則した内容で、問題は全て同シリーズに関したもの。
独自の要素として、ゲーム内で集めたポケモンが問題を解く手助けをしてくれる。基本プレイ無料で、アイテム課金として「ピクロイト」をニンテンドーeショップで購入できる。
なお、1999年にゲームボーイ・ゲームボーイカラー共通ソフトとして同名のゲームの画面写真が公開されたが、発売は取り消されていた。
マイニンテンドーピクロス ゼルダの伝説トワイライトプリンセス
2016年3月17日発売、ニンテンドー3DS
マイニンテンドーのギフト(景品)として配信されているソフト。当初は2016年10月1日17時までの限定配信の予定であったが後に期間が無期限に変更された[5]。『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』をテーマにした問題が収録されている[6]
チュートリアルには原作のキャラクター・ミドナが登場する。また、問題をクリアするとMiiverseで使えるハンコが獲得できる。
ピクロスe7
2016年4月27日配信開始、ニンテンドー3DS、配信元:ジュピター
ニンテンドーeショップのダウンロード販売ソフト。『ピクロスe』シリーズ第7弾。
タッチペン入力方法が2種類に増え、マーク入力機能機能による仮塗りができるようになった。また20x15の問題もメガピクロスで遊ぶことができるようになったため、ピクロス150問は全てメガピクロスでも遊ぶことができる。
ピクロスS
2017年9月28日発売、Nintendo Switch、配信元:ジュピター
ニンテンドーeショップのダウンロード販売ソフト。携帯型ゲーム機以外での新作発売は、『ピクロスNP Vol.8』以来約17年ぶりとなる。
『ピクロスe』シリーズのシステムを基本的に継承しているほか、2人同時プレイが可能。
なお、Nintendo Switch本体のタッチスクリーンを用いる操作には対応していない。
ピクロスe8
2017年12月20日配信開始、ニンテンドー3DS、配信元:ジュピター
ニンテンドーeショップのダウンロード販売ソフト。『ピクロスe』シリーズ第8弾。
システムは前作『e7』と同様。
サンリオキャラクターズピクロス
2018年4月25日配信開始、ニンテンドー3DS、配信元:ジュピター
ニンテンドーeショップのダウンロード販売ソフト。サンリオのキャラクターに関する問題が収録されている。問題をクリアするともらえる「シール」はゲーム画面の背景に貼ることができる。
ピクロスS2
2018年8月2日配信開始、ニンテンドー3DS、配信元:ジュピター
ニンテンドーeショップのダウンロード販売ソフト。
解いた問題の画像が複数合わさって一つの大きな画像が完成するという、「ミクロス」モードに類似した新モード「クリップピクロス」のほか、カーソルの移動中にマスの数をカウントする機能や矛盾列を表示する機能などが新たに追加された。
ピクロスe9
2018年8月8日配信開始、ニンテンドー3DS、配信元:ジュピター
ニンテンドーeショップのダウンロード販売ソフト。『ピクロスe』シリーズ第9弾。
システムは『e7』『e8』と同様。公式サイトの説明文では本作について「集大成」と銘打っている。

評価[編集]

評価
集計結果
媒体結果
Metacritic(e)73/100[22]
(e2)68/100[23]
(e3)66/100[24]
(e4)68/100[25]
(e5)70/100[26]
(e6)72/100[27]
(S)67/100[28]
レビュー結果
媒体結果
Computer and Video Games(e2)7/10[7]
Edge(e)7/10[8]
Eurogamer(e)8/10[9]
ファミ通(NP1)29/40[10]
NintendoLife(e)8/10[11]
(e2)8/10[12]
(e3)7/10[13]
(e4)7/10[14]
(e5)7/10[15]
(e6)7/10[16]
(e7)7/10[17]
(S)6/10[18]
Nintendo World Report(e)6/10[19]
(e2)5.5/10[20]
Official Nintendo Magazine(e)82%[21]
ピクロスNP Vol.1
ファミ通クロスレビューでは8、7、7、7の29点[10]。レビュアーは、ルールが簡単でヒントもあり初心者でも安心、問題も戦略性が高く簡単なものから難題もありセンスもいいと評し、低価格であることも好意的に評価したが、一方で、問題のエディット機能や対戦モードのギミックがほしかったとの要望や、元ネタを知らないと分からない問題への不満を述べている[10]
ピクロスe
Nintendo World Reportでは6/10のスコアで、初心者に優しいヒントシステムや2つの操作オプションを高評した一方で、シンプルすぎる表現や革新性の欠如、本体の立体視機能を活かし切れていないことを短所として挙げている[19]Eurogamerのレビュアーはアナログコントローラーによる操作がスピーディーで一番だったと述べた[9]Official Nintendo Magazine UKのレビュアーは『ピクロスDS』でグループ別に設定されていた背景画像とBGMが『e』では共通のシンプルなものになっていることを不満点として指摘しつつ、新規プレイヤーには低価格で最高のバージョンであるとしている[21]Nintendo LifeのレビュアーもBGMについて同様の意見を述べているほか、パズルが最大でも15×15マスで他の巨大パズルに比べて小さいため過去作ほど楽しめないとも評している[11]Edgeでは直近のものよりコンテンツが少ないが低価格でインターフェースが洗練されていると評した[8]
ピクロスe2
Nintendo World Reportでは5.5/10のスコアで、タッチペンオプションで快適に操作できることを評価しパズルの数の豊富さを賞賛したが、多くの問題において難易度が低いことを指摘している[20]Computer and Video Gamesのレビュアーは『ピクロスDS』より少し劣っていると評している[7]


出典[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ ピクロス - 日本商標登録番号 第4069661号・第4109456号、スーパーピクロス - 日本商標登録番号 第4219683号
  2. ^ 商品情報 ゲームソフト」 株式会社ジュピター。
  3. ^ 畠山けんじ・久保雅一 『ポケモン・ストーリー』 日経BP社2000年、166頁。
  4. ^ ゲーム業界ロジックの旅|任天堂「タモリのピクロス」
  5. ^ マイニンテンドーピクロス ゼルダの伝説トワイライトプリンセス提供期間変更のお知らせ”. 任天堂. 2016年9月23日閲覧。
  6. ^ マイニンテンドーピクロス ゼルダの伝説トワイライトプリンセス マイニンテンドー”. 任天堂. 2016年3月23日閲覧。
  7. ^ a b 3DS Review: Picross E2 review: A hidden gem”. Computer and Video Games. 2013年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月31日閲覧。
  8. ^ a b Picross E review”. Edge. 2012年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月31日閲覧。
  9. ^ a b John, Walker (2012年9月10日). “Picross E Review”. Eurogamer. 2018年7月31日閲覧。
  10. ^ a b c ファミ通No.555 1999年8月6日号 31ページ
  11. ^ a b Marcel, van Duyn (2012年9月10日). “Picross e Review (3DS eShop)”. Nintendo Life. 2018年7月31日閲覧。
  12. ^ Marcel, van Duyn (2013年1月31日). “Picross e2 Review (3DS eShop)”. Nintendo Life. 2018年7月31日閲覧。
  13. ^ Stephen, Kelly (2013年10月9日). “Picross e3 Review (3DS eShop)”. Nintendo Life. 2018年7月31日閲覧。
  14. ^ Tim, Latshaw (2014年5月7日). “Picross e4 Review (3DS eShop)”. Nintendo Life. 2018年7月31日閲覧。
  15. ^ Marcel, van Duyn (2014年11月26日). “Picross e5 Review (3DS eShop)”. Nintendo Life. 2018年7月31日閲覧。
  16. ^ Marcel, van Duyn (2015年8月12日). “Picross e6 Review (3DS eShop)”. Nintendo Life. 2018年7月31日閲覧。
  17. ^ Marcel, van Duyn (2015年8月12日). “Picross e7 Review (3DS eShop)”. Nintendo Life. 2018年7月31日閲覧。
  18. ^ Mitch, Vogel (2017年10月7日). “Picross S Review (Switch eShop)”. Nintendo Life. 2018年7月31日閲覧。
  19. ^ a b Mike, Sklens (2013年6月25日). “Picross e Review”. Nintendo World Report. 2018年7月31日閲覧。
  20. ^ a b Dave, Mellert (2013年7月29日). “Picross e2 Review”. Nintendo World Report. 2018年7月31日閲覧。
  21. ^ a b Picross-e review”. Official Nintendo Magazine UK. 2013年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月31日閲覧。
  22. ^ Picross e for 3DS Reviews”. Metacritic (n.d.). 2018年7月31日閲覧。
  23. ^ Picross e2 for 3DS Reviews”. Metacritic (n.d.). 2018年7月31日閲覧。
  24. ^ Picross e3 for 3DS Reviews”. Metacritic (n.d.). 2018年7月31日閲覧。
  25. ^ Picross e4 for 3DS Reviews”. Metacritic (n.d.). 2018年7月31日閲覧。
  26. ^ Picross e5 for 3DS Reviews”. Metacritic (n.d.). 2018年7月31日閲覧。
  27. ^ Picross e6 for 3DS Reviews”. Metacritic (n.d.). 2018年7月31日閲覧。
  28. ^ Picross S for Switch Reviews”. Metacritic (n.d.). 2018年7月31日閲覧。

外部リンク[編集]