ファンタシースター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ファンタシースター
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 セガ・マークIII[MkIII]
セガ・マスターシステム(海外)[SMS]
メガドライブ[MD]
セガサターン[SS]
ゲームボーイアドバンス(海外)[GBA]
PlayStation 2[PS2]
携帯アプリ(iアプリEZアプリS!アプリ
開発元 セガ RD4
発売元 セガ
人数 1人
メディア MkIII:4Mbitカセット
MD:カセット
SS:CD-ROM1枚
PS2:CD-ROM1枚
発売日 日本の旗MkIII:1987年12月20日
アメリカ合衆国の旗カナダの旗SMS:1988年
欧州連合の旗SMS:1988年
日本の旗MD:1994年4月2日
日本の旗SS:1998年4月2日
アメリカ合衆国の旗カナダの旗GBA:2001年
日本の旗PS2(リメイク版):2003年8月28日
日本の旗PS2(移植版):2008年3月27日
日本の旗VC:2009年4月21日
欧州連合の旗VC:2009年8月14日
アメリカ合衆国の旗カナダの旗VC:2009年8月31日
テンプレートを表示

ファンタシースター』(Phantasy Star)は、1987年12月20日セガが発売したセガ・マークIIIマスターシステムロールプレイングゲーム(以下、RPG)。セガが自社企画で作成した初のRPGでもある。

以後、続編が制作され、「ファンタシースターシリーズ」としてセガを代表するシリーズ作品の一つとなった。

概要[編集]

本作は、4M大容量カートリッジの触れ込みで鳴り物入りで発売されたSFファンタジーRPG。当時としては珍しいSFファンタジーを融合させた世界観や、主人公が女性であること、3つの惑星を渡り歩く壮大なプレイフィールド、フルアニメーションで動く敵キャラクター、滑らかな3Dダンジョンなどが特徴だった。BGMはFM音源対応。ただし海外版とメガドライブ用復刻版はFM音源未対応。マークIII本来のPSG音源でも秀逸なサウンドが堪能出来る。

メガドライブ1994年4月2日に復刻版が発売(元々は『ファンタシースター 千年紀の終りに』発売時のプレゼントキャンペーン用だったが、その後のユーザからの強い希望で一般発売された)、2003年8月28日PlayStation 2セガエイジス2500シリーズとしてリメイク版が発売された。またドコモのiアプリを皮切りに携帯アプリとしても配信されている。日本では2009年4月21日よりWiiバーチャルコンソールで配信されている。要600Wiiポイント

ストーリー[編集]

アルゴル太陽系第一惑星パルマは、国王ラシークの元に繁栄を極めていた。そんな中で不気味な噂が流れ始める。国王ラシークが永遠の命と引き替えにアルゴル太陽系を邪教の者に売り渡してしまったと。そしてそれを裏付けるように、各惑星に異形の者の姿が現れ始める。

カミニート居住区に住む15歳の少女アリサは、ラシークの企みを探っていた兄のネロを目の前で殺されてしまう。悲しみにうちひしがれるアリサは、やがて兄のショートソードを胸に抱き、兄の意志を継ぎラシークを倒してアルゴルに平和を取り戻すことを誓う、こうしてアリサは悲しみを乗り越え、宇宙を駆ける冒険へと旅立つのであった。

ゲームシステム[編集]

通常フィールドや街・村は、いわゆる「ドラクエタイプ」の2Dで表示され、対してダンジョン内部は『ウィザードリィ』『ブラックオニキス』と同じ3Dダンジョンである。ダンジョンには、サーチライトかそれに代わる明かりがないと、真っ暗で内部を移動することができないものがある。

3Dダンジョンでは、アニメーションパターンの限界で、真横にドアがあっても表示されずに正面を向くまでわからない。中にはこの仕組みを逆手に取ってドア探しをさせるダンジョンも存在する。

戦闘シーンでは1種類の敵が最大8体まで同時に出現する(表示されるのは1体のみ)。敵を全滅させると必ず宝箱を落としていき、お金やアイテムを得るためには宝箱を開ける必要がある。ただし偶にトラップが仕掛けられており、そのまま開けるとキャラクターがダメージを受ける場合もある。HPが0になったキャラクターは死んだ状態となり、教会かマジックで復活させるまで行動不能となる。パーティ全員のHPが0になるとゲームオーバーである。

なお、このゲームはセーブポイントという概念が無く、所構わずどこででもセーブが出来てしまう。その為、ダンジョンの奥地で瀕死の状態で体力回復やダンジョン脱出の術もない状態でセーブを行うと、そのまま取り返しが付かなくなり、最悪手詰まりで最初から解き直しになってしまうという仕様上の問題がある。これについては後に林田が「その頃はRPGの作り方をよく知らなかった」と弁明している[1]

登場人物[編集]

パーティに参加するキャラクター[編集]

アリサ(Alicer Landeel)
この物語の主人公。ラシークの企みを探っていた兄ネロを殺され、仇討ちの旅に出る。女性でありながら剣を持ち戦い、マジックも使いこなすなど、オールマイティーな能力を持つ。出生にも秘密があり、その名前はシリーズ全作で登場することになる。余談になるが発売当時のテレビCMではショートソードと盾を持ったアリサのコスプレをした少女が登場した。
ミャウ(Myaw)
タイロンと共に旅をしていた人間の言葉を話せるジャコウネコ。一匹でいたところを捕獲され、ペットショップで10億メセタの値で売られているところをアリサに助けられる。各種クローを装備して戦い、防御系のマジックも覚える。終盤ではある能力が目覚め、パーティを最終決戦の地へ導く。石化されたタイロンを元に戻す薬・アルシュリンを持っているがネコ科動物の手の構造上、自分ではビンの蓋を開けられないためアリサに助けを求める。
タイロン(Tylon)
ミャウと共に旅をしていた戦士。メデューサ退治を引き受けるものの、逆に返り討ちに遭い石化させられてしまう。戦士であるゆえ、重量の大きい斧や、敵全体を攻撃できる銃をパーティ中唯一装備する事ができる。
ルツ(Lutz)
修行中のエスパー。修行中であるゆえ仲間になるよう求めても拒まれるが、あるアイテムを見せることで仲間になる。高いMPと攻撃・防御ともに豊富なマジックを持つ。『ファンタシースターII 還らざる時の終わりに』でも重要な役割で登場する等、初代シリーズ全体を通して物語の鍵を握る人物。後の作品である『ファンタシースターユニバース』に登場するイズマ・ルツとの関連性は不明。

その他のキャラクター[編集]

スエロ
アリサの良き理解者。無償で宿を提供してHPを回復してくれるので、序盤では頻繁にお世話になる。
ネキセ
アリサの兄・ネロからアイテムを預かっていて、それをアリサに渡してくれる、また重要な情報も教えてくれる。
モタビア星総督
モタビア星を支配する総督。ラシークと対立していてアリサ達をバックアップしてくれる。初めて面会する際には、ある手土産が必要。
タジム
ルツの師匠。卒業試験と称してルツに戦いを挑んでくる。
ルベノ博士
牢獄に捕らえられている博士、助け出すことでアリサ達の重要な協力者となるが、相当な変わり者なので色々と振り回される羽目になる。
ハプスピー
アルゴル太陽系の惑星間を移動するスペースシップを操縦するロボット。物語の中盤は、このロボット探しが中心になる。

アルゴル太陽系[編集]

冒険の舞台となるアルゴル太陽系は、太陽(アルゴル)を中心に周回する3つの惑星で構成される。ゲームをクリアするには、3つの惑星全てを渡り歩き攻略する必要がある。

第1惑星パルマ
物語の中心となる惑星。地球と同じく豊かな水と緑に恵まれ、文明も古くから発達して、今ではモタビア星、デゾリス星に進出、開拓するに至っている。
第2惑星モタビア
スペースポートが開設されて間もない発展途上の星。公転周期が長く第1惑星パルマと交差して太陽の周りを回っている。星全体が砂漠化しており、巨大なアリ地獄が点在している。モタビアンと呼ばれる先住民族が住んでいる。
第3惑星デゾリス
太陽から最も遠い星で地表の大半が氷で覆われている。デゾリアンと呼ばれる先住民族が住んでいる。

主要な街[編集]

パルマ星居住区
ゲームのスタート地点。スペースポートとムーブロードで繋がれた二つの居住区から構成される。
  • カミニート居住区
アリサやスエロの家がある居住区。ゲーム序盤の拠点になる。
  • パロリト居住区
カミニート居住区の南西にある居住区の一画。カミニート居住区からは敵に遭遇せずに移動できる。
  • スペースポート
モタビア星行きの定期便が出ている。入口をロボットポリスがガードしていて、ロードパスないと入港できない。
シオンの港町
パルマ星居住区の東にある港町。「秘密の物」が裏で売買されている。
首都パセオ
モタビア星のスペースポートとムーブロードで繋がっているモタビア星の玄関口。モタビア星総督の家もここにある。

乗り物[編集]

スペースシップを除く乗り物を使用すると、通常の徒歩よりも速く移動することができ、また敵との遭遇率も低くなる。ただし狭い場所での移動には使用できない。

フロームーバー
水上を走行できるホバークラフト。陸続きになっていない小島などへ移動することができる。溶岩の上も移動できる。
ランドマスター
砂漠上の走行を想定された輸送車。広幅のキャタピラでモタビア星のアリ地獄を突破することができる。
アイスデッカー
巨大なドリルを備えた砕氷車両。デゾリス星の氷を粉砕しながら走行する事が出来る。
スペースシップ
アルゴル太陽系の惑星間を移動するための宇宙船。スペースポート発着の定期便を利用する場合はパスポートが必要。
スペースシップでの離着陸では、その星のマップが高速スクロール表示され、まだ見ぬ土地のマップを垣間見ることが出来た。

主な開発スタッフ[編集]

  • 企画・シナリオ:林田浩太郎(オサール・コウタ)
  • アシスタントコーディネーター:青木千恵子(お手紙チエ)、森本三樹(ゲーマーみき)
  • デザイン:小玉理恵子(フェニックスりえ)
  • 敵キャクターデザイン:大島直人
  • 音楽:上保徳彦(Bo)
  • プログラマー:中裕司(MUUUU YUJI)

関連商品[編集]

書籍[編集]

セガ・ゲーム マニュアルアタックブック ファンタシースター&アフターバーナー
徳間書店発行の「テレビランドわんぱっく」別冊の攻略本。おそらく唯一のファンタシースター攻略本である。本作とマークIII版『アフターバーナー』の二本立てだが、誌面の9割は本作の攻略で占められている。パルマ星、モタビア星、デゾリス星の全ダンジョンマップが折り込み付録で付いている。
ゲームブック
ファンタシースター1 - 3が発売
SPEC
セガ・プレイヤーズ・エンジョイ・クラブの略。セガのファンクラブおよびその会報誌。ファンタシースターシリーズの開発に関わったデザイナーによる漫画を掲載していた。なお、全8号で終了したが、書籍『ファンタシースター公式設定資料集』で「幻の第9の号」の一部が掲載された。
PHANTASY STAR COLLECTION 完全保存版オールスターレビュー
1993年12月1日にセガ・ロック座の通販のみで売られたイラスト集。この本に掲載されているイラストのほとんどはSEGA AGES/ファンタシースターコレクションおよびSEGA AGES2500 Vol.32 ファンタシースター コンプリートコレクションのギャラリーモードで閲覧可能。
ファンタシースター公式設定資料集
ソフトバンクから1995年に刊行。I - IVの設定資料を載せている。ただしIIIについてはほとんど触れられていない。

サウンドトラック[編集]

単体でサウンドトラックは市販されていない。 セガコン-THE BEST OF SEGA GAME MUSIC-などのセガのさまざまなゲームから収録したアルバムにも数曲収録されている。

PHANTASY STAR COLLECTION サウンド・コレクションI
1993年11月1日にセガ・ロック座の通販のみで発売。CD2枚組でDISC1にI - IIIの基板音源、DISC2にアレンジを収録している。IのFM音源版、IIのスタッフロール、IIIの機械洞窟のBGMは未収録。
PHANTASY STAR COLLECTION サウンド・コレクションII
1993年12月1日にセガ・ロック座の通販のみで発売。IVのアレンジアルバム。
ファンタシースター ファーストシリーズ・コンプリートアルバム
2008年3月27日にセガダイレクト通販専売商品として発売。CD4枚組でI - IVの基板音源を完全収録。IはPSG音源とFM音源の両方を収録し、IIは国内版のほかに海外版のBGMも収録している。また、セガサターン版ファンタシースターコレクションや、メガドライブ専門誌の付録CDに収録されていた各作品のアレンジ曲も網羅。

海外版[編集]

ファンタシースターは日本語版の他、英語版(北米・欧州向け)、ポルトガル語版(ブラジル向け。Tectoyがローカライズ化)、韓国語版(韓国向け。サムスン電子がローカライズ化)が存在する。この内、韓国語版のみタイトル画面もオリジナルの物を使用している。

また、上記に加え非公式版(いわゆるROMハック版)で、フランス語版、ドイツ語版、ロシア語版がそれぞれ存在する。いずれも英語版をベースとしている。

国内版との違い[編集]

登場人物の変更

以下の人物名が変更された

  • アリサ(Alisa Landeel) - アリサからAlisへ名称が変更された。(韓国語版は「리샤 (Risha)」)
  • タイロン(Tylon) - タイロンからOdinへ名称が変更された。(韓国語版は「타론 (Taron)」)
  • ルツ(Lutz) - ルツからNoahへ名称が変更された。(韓国語版は「파파 (Papa)」
  • 他、敵や呪文の名前、アイテム名で異なるものも存在する。

FM音源非対応

  • 海外版はFM音源に非対応であり、PSG音源で再生される。
  • 2009年10月現在、英語版でFM音源に対応させる方法は、SMS Power!というサイトで配布されている、セガ・マークIII用日本語版への英語翻訳改造のIPSパッチ当てのみであり、通常の市販されている物でFM音源に対応している物は無い。なお、このIPSパッチは純粋な "Japanese to English" で作成されているので、このパッチを適用した場合は登場人物名等も日本語版と同じ名称になる。

発売国[編集]

北米・欧州・ブラジル・オセアニアの他、香港・韓国でも発売された。

トリビア[編集]

  • かつて新聞記者が『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』を取材するため、ゲーム雑誌の編集部を訪れた際に、隣で動いていた本作の滑らかに動く3Dダンジョンを見て、「さすがはドラゴンクエストIIだ」と勘違いされたという逸話がある。
  • 1994年に発売されたメガドライブ復刻版は、実は中に入っているのはマークIII用のROMで、それをメガドライブのマークIII互換モードで動かしているだけである。BGMがFM音源で鳴らないのも、メガドライブのマークIII互換モードがFM音源に対応していないからである。
  • 開発中バージョンではバックアップメモリによるセーブの他に、パスワードによるセーブも用意されていた。しかし容量が圧迫したため最終的にカットされた。仮にパスワードセーブが残ったとしても、パスワードは数十文字になった筈である。また、開発中は仮のBGMとしてアウトランの曲が使用されていた(ダンジョン内で「マジカルサウンドシャワー」、街の中で「ラストウェーブ」など)[2]
  • 初期プロットでは、アルゴル太陽系の惑星は4つあった(母星「アルデバラン」、砂の星「デゾリス」、闇と氷の星「デゾリス」、霧の星「レクシオン」[3])。これも容量の関係で3つに減らされた[1]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ a b c 『ファンタシースターの世界 ファンタシースターを作った人たち』徳間書店、1993年(雑誌 66596-86)
  2. ^ 月刊Beep 1988年1月号 p.15(日本ソフトバンク、雑誌 17659-1)
  3. ^ 月刊Beep 1987年11月号 p.51(日本ソフトバンク、雑誌 17659-11)

外部リンク[編集]