大平貴之

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
大平 貴之
国籍 日本の旗 日本
生誕 1970年3月11日(46歳)
日本の旗 日本神奈川県川崎市
最終学歴 日本大学大学院修士課程
業績
専門分野 プラネタリウム
所属機関 ホリプロ
勤務先 有限会社大平技研
プロジェクト 宇宙オープンラボ[注 1]
スカイプラネタリウム[注 2]
設計 アストロライナー
メガスター
ホームスター
マイスター
SPACE BALL
受賞歴 日本イノベーター大賞優秀賞
文部科学大臣表彰 科学技術賞
テンプレートを表示

大平 貴之(おおひら たかゆき、1970年(昭和45年)3月11日 - )は日本エンジニアプラネタリウムクリエイター。ギネスワールドレコーズ認定された光学式プラネタリウム「メガスター」シリーズ、世界初の家庭用プラネタリウム「ホームスター」シリーズ、移動式宇宙体感シアター「SPACE BALL」などの開発者。

日本大学第二高等学校日本大学生産工学部機械工学科卒業。日本大学大学院理工学研究科精密機械工学専攻修了。株式会社ソニー生産技術部門を経て、有限会社大平技研代表取締役2005年日本イノベーター大賞優秀賞、2006年文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞。

本項では大平の人物紹介などの他、大平の自伝エッセイが原作となったテレビドラマ「星に願いを〜七畳間で生まれた410万の星〜」についても記述する。

来歴・人物[編集]

1970年神奈川県川崎市に生まれる[2]。小学校の頃からプラネタリウム作りを始め、日本大学生産工学部機械工学科に進学。途中1年間休学し、小さなメーカーでバイトをしながら製作資金を稼ぎ、製品作りの基礎を学ぶ[3]在学中の1991年に、個人製作のプラネタリウムとしては前代未聞のレンズ投影式プラネタリウム「アストロライナー」を完成させ、話題となる[4]

日本大学大学院理工学研究科精密機械工学専攻を経て、ソニーに就職、生産技術部門に配属される[5]。光磁気記録を応用したロータリーエンコーダの開発に従事するが[6][7]、プラネタリウム製作にかける情熱は冷めることがなく、仕事が終わってからプラネタリウム作りを続けた。1998年には、当時世界最高の170万個の恒星を投影することが可能な、重量わずか30キログラムの移動式プラネタリウム「アストロライナー2(後のメガスター)」を個人で完成させた[5]

2000年頃に退職を申し出るが、経緯を説明した所ソニーで事業化が検討されることになる。メガスターの上映会には取締役会議長であった大賀典雄、会長であった出井伸之も参加したほどであったが、組織での開発に行き詰まり、2003年にはソニーを退社してフリーとなる。退社当時の社長であった安藤国威は大平の退社を社内報のコラムで取り上げ、退社に至ったことへの自省を綴った。また、大平にとってもソニーでの事業化の検討はその後の事業展開に好影響を与えていた[5]

2005年3月にはベンチャー企業である有限会社大平技研を設立し、代表取締役に就任。セガトイズと共同で、家庭用プラネタリウム「ホームスター」を開発した。『大人の科学Vol.9』付録のピンホールプラネタリウムの監修も行った(ピンホール原版は大平の手による)[8]。その後もメガスターIIをはじめとする様々なプラネタリウムを開発・製作するかたわら、メガスターやメガスターIIを用いて自ら全国各地で投影活動、プラネタリウム開発の際のコンサルティング活動なども行っている。

また、東京大学特任講師(2005年10月 - ?)[3]和歌山大学客員教授[9]相模女子大学客員教授( - 2014年8月)[10]も務めており、和歌山大学では光学機器の研究も行っていた。六本木ヒルズ52Fで2012年11月から開催の「スター・クルーズ・プラネタリウム」に総合プロデューサーとして参加したりもしている[11]

2016年1月より放映のテレビアニメノルン+ノネットに星空データを提供している。[12]

業績[編集]

開発実績[編集]

  • 学生時代
    プラネタリウム用NC工作機械[4]、レンズ式プラネタリウム「アストロライナー」
  • 光学式プラネタリウム「メガスター」シリーズ
    MEGASTAR、MEGASTAR IIA、MEGASTAR IIB、MEGASTAR FUSION
  • 家庭用プラネタリウム「ホームスター」シリーズ
    HOMESTAR、HOMESTAR PRO、HOMESTAR PURE、HOMESTAR SPA、HOMESTAR EXTRA
  • ピンホールプラネタリウム「マイスター」
    大人の科学マガジン」No.9の付録[8]
  • 移動式宇宙体感シアター「SPACE BALL」
    世界初の移動型宇宙体感シアターで、直径約10メートルの球体内部に最新型メガスターで投影する[13]

著書[編集]

(単著)

(監修)

  • マーカス・チャウン、ホヴァート・シーリング 『Twitter宇宙講座』 不二淑子 翻訳、大平貴之 監修、ブックマン社、2013年7月。ISBN 978-4893088062

スタッフ協力[編集]

受賞歴[編集]

メディア出演[編集]

テレビ番組出演[編集]

テレビCM出演[編集]

  • ネスカフェゴールドブレンド「違いを楽しむ人-満天のプラネタリウム」篇(2005年)
  • ネスカフェゴールドブレンド「星振る大地」篇(2006年)

星に願いを〜七畳間で生まれた410万の星〜[編集]

自伝エッセイ『プラネタリウムを作りました。―7畳間で生まれた410万の星』を原作に、ディズニーと共同制作という世界初の試みによるドラマ2005年8月26日にフジテレビ金曜エンタテイメント枠で『金曜エンタテイメント特別企画』として放送された。本放送から一年後、CS放送局ディズニー・チャンネルの『マジカル・ワールド・オブ・ディズニー』枠で2006年9月に放送された(その一年後の2007年7月にも再放送された)。その際、金曜エンタテイメント枠で放送されたことにならないようにする関係上、オープニングタイトルの『金曜エンタテイメント特別企画』の部分は消されている。

『星に願いを』というタイトルにあやかって、『ピノキオ』の主題歌である「星に願いを」がドラマの挿入歌及び主題歌として使われており、さらに他のディズニー作品の主題歌や挿入歌もBGMとして使われている(DVDでは主題歌を除いてBGMの大半が別の物に差し替えられている)。

DVDが2006年7月7日にフジテレビとブエナビスタホームエンターテイメント(現:ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント)から発売された(特典映像は放映当日に放映された放映直前スペシャル)。さらに、本放送では尺の都合でカットされた未公開シーンがある。本編映像は16:9だが、放映直前スペシャルの映像は4:3となっている。

ストーリー[編集]

幼少期のある経験から一人でプラネタリウム作りに専念する青年、大平貴之。学会の資料を作って欲しいと大平に頼む宇宙物理学者の武田邦明(たけだ くにあき)。そして、大平の初めての友達で、大平がプラネタリウム作りに専念するきっかけを作った佐藤陽子(さとう ようこ)。3人は時に失敗をしながらも、プラネタリウム作りの手伝いをしながら、大平は大きく成長していく。ところが、武田と佐藤はある問題に直面していた。大平はその事に何も気づかないままで…。

登場人物[編集]

大平貴之
主人公で、後に世界一のプラネタリウムクリエイターとなる青年。第一工科大学の大学生で、5年後に社会人としてトラストエンジニアリング(ソニーに相当する)に入社する傍ら、プラネタリウム作りに没頭する。
幼少期はいじめられっ子で友達が一人もいなかったが、陽子と出会ったことで彼の唯一の友達になったことでプラネタリウム作りを決意する。
一つのことに熱中すると、周りのことがあまり見えない点を持っており、焦ると相づちを3回繰り返す癖も持っている。
また、星の知識に関しては物語開始時にはかなり乏しいものであり、武田から初対面の際に指摘されていた。
武田邦明
東京理工大学の助手。イギリスからの帰りの飛行機で偶然貴之と出会い、彼にバイトと称して学会の資料作りを頼み込むが、自分を差し置いてプラネタリウム作りに没頭していたため、武田は苛立ちを覚えていた。
当初は学会後に北米への海外派遣が予定されていたが、女性の助手の両親が教授の研究費の援助をしたことで取りやめになってしまい、それと同時に大学を辞めてしまう。
子供の時の夢は宇宙飛行士になることだった(本放送ではカットされたが、DVDでそのシーンが存在する)。
佐藤陽子
貴之の小学校時代からの唯一の友達。写真館の娘でもある。
幼稚園の先生になるのが夢だったが、最愛の祖父・保(たもつ)[16]脳梗塞で倒れたことで店を継ぐことになった。
その後、福岡で親戚が務めているホテル内の写真館で働くことになって貴之と別れるが、祖父のカメラが故障したことで実家へ急遽戻り、貴之と再会した。
山崎信也
社会人となった貴之の上司。
貴之の国際プラネタリウム会議(IPC)に参加するために有給を取ることに反対するが、広重の後押しもあって承諾した。
広重満
社会人となった貴之の上司で、部長。
野心家でもあり、貴之の開発したメガスターの特許を会社で買い取ろうとしていたが、山崎によって阻止された。
若宮崇令
貴之の行きつけの科学館の館長で、実在する人物。貴之とは幼い頃からの付き合い。
毛利衛
日本科学未来館の館長で、宇宙飛行士。若宮同様、実在する人物。
貴之の会社でのテレビモニターに登場し、その後IPCでのシーンにおいて貴之の前に現れ、プラネタリウムの感想を述べ、握手を交わした。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

現実との相違点[編集]

  • アストロライナーの発表時期が1995年になっている。
  • アストロライナーのボディカラーが白色になっている(実際のアストロライナーのボディカラーは緑色)。2008年に明石市立天文科学館で開催されたプラネタリウム展では、彼が実際に製作した本物のアストロライナーとともに、ドラマ収録に使われたアストロライナーも展示された。
  • 中心人物である佐藤陽子、武田邦明はドラマ用に考案された架空の人物である[注 4]

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

  1. ^ 宇宙航空研究開発機構との共同研究[1]
  2. ^ 六本木ヒルズ森タワーで開催[1]
  3. ^ 受賞理由 - 「世界最高性能可搬型プラネタリウムによる科学技術の理解増進[3]
  4. ^ 後に大平自身がある番組でドラマの話題に触れた際「実際にはこんな浮いた話はなかった」と自虐的に語っている[要出典]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g 客員教授教員紹介 2014.
  2. ^ 大平貴之 2003, 著者紹介.
  3. ^ a b c d 産業技術記念館館報 2006, p. 3.
  4. ^ a b 大平貴之 2003.
  5. ^ a b c 日経エレクトロニクス 2014.
  6. ^ 飛田和輝、大平貴之、梶谷誠、金森哉吏、明愛国「光磁気記録を応用したロータリエンコーダの試作」、『精密工学会誌』第67巻第1号、2001年1月、 pp.96-100。
  7. ^ 飛田和輝、大平貴之、梶谷誠、金森哉吏、明愛国「光磁気記録を応用したロータリエンコーダの試作(第2報) -光磁気記録式ロータリエンコーダの補正転写記録-」、『精密工学会誌』第67巻第12号、2001年、 pp.1976-1980。
  8. ^ a b 大人の科学マガジン Vol.09(プラネタリウム)”. 学研出版サイト. 学研. 2015年12月5日閲覧。
  9. ^ リクナビNEXT 2013.
  10. ^ 大平貴之客員教授の退任について”. News&Topics. 相模女子大学 (2014年8月4日). 2015年3月24日閲覧。
  11. ^ 【特集4】スタークルーズ プラネタリウム” (2013年10月23日). 2014年2月13日閲覧。
  12. ^ アニメ「NORN9 ノルン+ノネット」に星空データ提供。1/7からTOKYO MX他で放送開始!
  13. ^ japan.internet.com 編集部 (2012年10月5日). “移動式大型宇宙体感シアター「SPACE BALL」が始動、体験イベントが全国で展開”. 2014年2月13日閲覧。[リンク切れ]
  14. ^ 最高の星空を求めてアルマ望遠鏡建設予定地を訪れる。アルマ通信 (2011年10月13日). “2011年10月13日 プラネタリウムクリエイター大平貴之さん、アルマ訪問”. 2011年12月12日閲覧。
  15. ^ 株式会社テレビ東京ホールディングス (2013年7月22日). “大好評!移動式宇宙体感シアター「SPACE BALL」注目のベイエリア・豊洲で開催!星空の彼方 宇宙の果てへ旅立つ”. 2014年2月13日閲覧。
  16. ^ DVD 2006, 字幕.

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

(講演動画)

(プロフィール)