2016年のワールドシリーズ

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2016年のワールドシリーズ
Chicago Cubs championship celebration.jpg
最終第7戦に勝利して108年ぶりの優勝を決め、喜びを爆発させるカブスの選手たち
チーム 勝数
シカゴ・カブスNL 4
クリーブランド・インディアンスAL 3
シリーズ情報
試合日程 10月25日–11月2日
観客動員 7試合合計:27万7603人
1試合平均:03万9658人
MVP ベン・ゾブリスト(CHC)
責任審判 ジョン・ハーシュベック
ALCS CLE 4–1 TOR
NLCS CHC 4–2 LAD
チーム情報
シカゴ・カブス(CHC)
シリーズ出場 71年ぶり11回目
GM ジェド・ホイヤー
監督 ジョー・マドン
シーズン成績 103勝58敗・勝率.640
NL中地区優勝
分配金 選手1人あたり36万8871.59ドル[1]
クリーブランド・インディアンス(CLE)
シリーズ出場 19年ぶり06回目
GM マイク・チャーノフ
監督 テリー・フランコーナ
シーズン成績 094勝67敗・勝率.584
AL中地区優勝
分配金 選手1人あたり26万1804.65ドル[1]
全米テレビ中継
放送局 FOX
実況 ジョー・バック
解説 ジョン・スモルツ
平均視聴率 13.1%(前年比4.4ポイント上昇)
ワールドシリーズ
 < 2015 2017 > 

2016年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第112回ワールドシリーズ(112th World Series)は、10月25日から11月2日にかけて計7試合が開催された。その結果、シカゴ・カブスナショナルリーグ)がクリーブランド・インディアンスアメリカンリーグ)を4勝3敗で下し、108年ぶり3回目の優勝を果たした。

MLB全30球団で最も長く107年間シリーズ優勝から遠ざかっているカブスと、その次に長く67年間遠ざかっているインディアンスとの対戦で[2]、結果はカブスが不名誉な記録に終止符を打った。第6戦・第7戦と敵地で連勝して1勝3敗からの逆転優勝を成し遂げたのは、今回のカブスがシリーズ史上37年ぶり4球団目である[3]シリーズMVPには、最終第7戦の延長10回に勝ち越し適時打を放つなど、7試合で打率.357・2打点OPS.919という成績を残したカブスのベン・ゾブリストが選出された。

この優勝によりカブスは、2017年のローレウス世界スポーツ賞・最優秀チーム部門を受賞した[4]。野球チームの受賞は、賞創設18年目で初である。

ワールドシリーズまでの道のり[編集]

両チームの2016年[編集]

10月19日にまずアメリカンリーグでインディアンス(中地区)が、そして22日にはナショナルリーグでカブス(中地区)が、それぞれリーグ優勝を決めてワールドシリーズへ駒を進めた。

ホームフィールド・アドバンテージ[編集]

7月12日にカリフォルニア州サンディエゴペトコ・パークで開催されたオールスターゲームは、アメリカンリーグナショナルリーグに4-2で勝利した。この結果、ワールドシリーズの第1・2・6・7戦を本拠地で開催できる "ホームフィールド・アドバンテージ" は、アメリカンリーグ優勝チームに与えられることになった。このオールスターには、インディアンスからはまず野手のフランシスコ・リンドーアと投手のダニー・サラザーが選出され、さらに他球団投手の出場辞退にともないコーリー・クルーバーが追加招集された[5]。一方のカブスからは、野手はアンソニー・リゾベン・ゾブリストクリス・ブライアントアディソン・ラッセル、そしてデクスター・ファウラーの計5人、投手はジェイク・アリエータジョン・レスターの2人が名を連ねた[6]。試合では、2回表一死無走者の場面でクルーバーとリゾの対戦があり、クルーバーが一ゴロに抑えている[7]

今シリーズ終了後、MLB機構と選手会との間で新たな労使協定が締結された。この新協定でホームフィールド・アドバンテージは2017年から、レギュラーシーズンの勝率がより高いほうのチームに与えられることになった[8]。ホームフィールド・アドバンテージをオールスターゲームの結果で決める制度は2003年に導入されたが、14年目の今回をもって廃止される。もしこの新規則が1年早く導入されていた場合は、今シリーズのホームフィールド・アドバンテージはカブスに与えられていたことになる[9]

両チームにまつわる "呪い"[編集]

インディアンスのファンが "ビリー・ゴートの呪い" 継続を願い、第1戦当日のプログレッシブ・フィールドに連れてきた2匹のヤギ

両チームともシリーズ制覇から見放されてきた期間が長いだけに、その歴史は球団に何らかの "呪い" がかけられた結果の産物である、とまことしやかに語られてきた。インディアンスにかけられたとされるのが "ロッキー・コラビトの呪い" であり、カブスにかけられたとされるのが "ビリー・ゴートの呪い" である[10]

コラビトの呪いは、オハイオ州クリーブランドの地元紙『プレイン・ディーラー』記者テリー・プルートが、1994年出版の著作で提唱したもの[11]。コラビトは1955年9月にインディアンスでデビューすると、1958年から2年連続で40本塁打・110打点を記録、特に1959年には本塁打王のタイトルを獲得し、チームが首位から5.0ゲーム差の2位につける原動力となった。しかし1960年のシーズン開幕直前に、インディアンスはトレードでコラビトを放出する。コラビト本人が認めるように当時のGMフランク・レインとコラビトの間には確執があり[12]、さらにチーム随一の人気選手であるコラビトに対してレインが嫉妬していたことが、このトレードの遠因となったとされる[11]。それ以降インディアンスは長い低迷期に突入し、1960年から1993年までの34シーズン中で首位とのゲーム差を11.0以内で終えたのが、選手会のストライキによる短縮シーズンとなった1981年の一度だけという有様に陥った。あまりの弱小ぶりに、1989年には映画『メジャーリーグ』の舞台となったほどであった[13]。その後、1995年からは一転して5年連続の地区優勝を果たし、1995年1997年にはワールドシリーズに進出するがいずれも敗退。1997年のシリーズでは、最終第7戦で1点リードを9回に追いつかれ、延長戦の末にサヨナラ負けを喫している。今回はそれ以来19年ぶりのシリーズ出場となる。

ビリー・ゴートの呪いは、1945年のワールドシリーズ第4戦で起きたとされる故事に由来する。ビリー・サイアニスという男が、イリノイ州シカゴで "ビリー・ゴート・タヴァーン" という居酒屋を営んでいた。彼はマーフィーと名付けたヤギを店のマスコットとして飼っており、そのマーフィーとともに第4戦を観戦しようとチケットを2枚購入してリグレー・フィールドへ赴いたが、マーフィーの悪臭を理由に入場を断られた。サイアニスは激怒し「カブスはもう勝てない。この球場がヤギの入場を認めない限り、ワールドシリーズでの優勝は二度とない」と言い放った[14]。するとカブスは、その日から本拠地で開催された4試合のうち3試合に敗れ、2勝1敗から逆転をくらってシリーズ優勝を逃したのみならず、翌1946年以降はシリーズへの進出すら果たせなくなった。1969年には8月16日時点での最大9.0ゲーム差を1か月でひっくり返されてポストシーズン進出を逃し、2003年にはあとアウト5つで58年ぶりのシリーズ進出という場面から観客のファウルフライ捕球妨害をきっかけに逆転負け、2015年のリーグ優勝決定戦ではヤギと同名のダニエル・マーフィーに4試合連続で本塁打を浴び1勝もできず、と悲劇的な敗退を繰り返す。しかし2016年は、奇しくも46年前にサイアニスが亡くなった日と同じ10月22日に、リーグ優勝決定戦突破と71年ぶりのシリーズ進出を決めた[13]

両チームの過去の対戦[編集]

いずれのチームも第1回ワールドシリーズが開催された1903年より前に創設され、100年以上の歴史を有している。しかし、ワールドシリーズでこの両チームの対戦が実現したことは、今までに一度もなかった[15]。カブスの過去10回のシリーズ出場は1945年以前に集中しているが、その間にインディアンスがシリーズ出場を果たしたのは1920年の一度しかなく、そのときの対戦相手はブルックリン・ロビンス(のちのロサンゼルス・ドジャース)だった。 

1997年から始まったレギュラーシーズン中のインターリーグでは、両チームの対戦はこれまでに計18試合が行われており、その結果は9勝9敗の五分である[16]。直近の対戦は、2015年にそれぞれの本拠地で2試合ずつの計4試合が組まれており、ここも2勝2敗と互角だった。その4試合のうち、6月17日の試合ではカブスが17-0の大勝を収めており、これは零封試合としてはインターリーグ史上最大点差である[15]。一方、8月24日の試合でもカブスが勝利しているが、こちらは2x-1の接戦だった。この試合では先発投手が、インディアンスがコーリー・クルーバーでカブスがジョン・レスターと、今シリーズ第1戦と同じ顔合わせとなった。結果はクルーバーが11奪三振0与四球で7.2イニング1失点、レスターが4併殺打を含む16のゴロアウトで8.2イニング1失点と、ともに好投している[17]。レスターは相手走者との駆け引きが苦手で盗塁を多く許す投手として知られ、対するインディアンスは2016年のチーム盗塁数がリーグ最多となるなど走塁面に強みを持つ。シリーズを前に、インディアンス一塁コーチのサンディー・アロマー・ジュニアは「前回の対戦では走者をあまり出せなかったから、できることもそんなになかった」と振り返り、監督のテリー・フランコーナは「走塁が彼を攻略する足がかりになればいいけどね」と述べている[18]

ロースター[編集]

両チームの出場選手登録(ロースター)は以下の通り。

クリーブランド・インディアンス シカゴ・カブス
守備位置 背番号 出身 選手 年齢 ワールドシリーズ経験 守備位置 背番号 出身 選手 年齢 ワールドシリーズ経験
出場 優勝 出場 優勝
投手 37 アメリカ合衆国の旗 コディ・アレン 27 なし 投手 49 アメリカ合衆国の旗 ジェイク・アリエータ 30 なし
47 アメリカ合衆国の旗 トレバー・バウアー 25 なし 54 キューバの旗 アロルディス・チャップマン 28 なし
52 アメリカ合衆国の旗 マイク・クレビンジャー 25 なし 6 アメリカ合衆国の旗 カール・エドワーズJr. 25 なし
28 アメリカ合衆国の旗 コーリー・クルーバー 30 なし 52 アメリカ合衆国の旗 ジャスティン・グリム 28 なし
53 アメリカ合衆国の旗 ジェフ・マンシップ 31 なし 28 アメリカ合衆国の旗 カイル・ヘンドリックス 26 なし
34 アメリカ合衆国の旗 ザック・マカリスター 26 なし 41 アメリカ合衆国の旗 ジョン・ラッキー 38 3年ぶり3回目 2回
54 アメリカ合衆国の旗 ライアン・メリット 24 なし 34 アメリカ合衆国の旗 ジョン・レスター★◎ 32 3年ぶり3回目 2回
24 アメリカ合衆国の旗 アンドリュー・ミラー★◎ 31 なし 38 アメリカ合衆国の旗 マイク・モンゴメリー 27 なし
61 アメリカ合衆国の旗 ダン・オテロ 31 なし 56 ベネズエラの旗 ヘクター・ロンドン 28 なし
31 ドミニカ共和国の旗 ダニー・サラザー 26 なし 46 ドミニカ共和国の旗 ペドロ・ストロップ 31 なし
27 アメリカ合衆国の旗 ブライアン・ショウ 28 なし 37 アメリカ合衆国の旗 トラビス・ウッド 29 なし
43 アメリカ合衆国の旗 ジョシュ・トムリン 31 なし 捕手 40 ベネズエラの旗 ウィルソン・コントレラス 23 なし
捕手 10 ブラジルの旗 ヤン・ゴームズ 29 なし 47 ベネズエラの旗 ミゲル・モンテロ 33 なし
55 プエルトリコの旗 ロベルト・ペレス 27 なし 3 アメリカ合衆国の旗 デビッド・ロス 39 3年ぶり2回目 1回
内野手 22 アメリカ合衆国の旗 ジェイソン・キプニス 29 なし 内野手 9 プエルトリコの旗 ハビアー・バエズ 23 なし
12 プエルトリコの旗 フランシスコ・リンドーア 22 なし 17 アメリカ合衆国の旗 クリス・ブライアント 24 なし
1 ドミニカ共和国の旗 マイケル・マルティネス 34 なし 44 アメリカ合衆国の旗 アンソニー・リゾ 27 なし
26 アメリカ合衆国の旗 マイク・ナポリ 34 3年ぶり3回目 1回 27 アメリカ合衆国の旗 アディソン・ラッセル 22 なし
11 ドミニカ共和国の旗 ホセ・ラミレス 24 なし 18 アメリカ合衆国の旗 ベン・ゾブリスト 35 2年連続3回目 1回
外野手 6 アメリカ合衆国の旗 ロニー・チゼンホール 28 なし 外野手 6 アメリカ合衆国の旗 アルバート・アルモーラJr. 22 なし
4 アメリカ合衆国の旗 ココ・クリスプ 36 9年ぶり2回目 1回 8 アメリカ合衆国の旗 クリス・コグラン 31 なし
20 アメリカ合衆国の旗 ラージャイ・デービス 36 なし 24 アメリカ合衆国の旗 デクスター・ファウラー 30 なし
6 アメリカ合衆国の旗 ブランドン・ガイヤー 30 なし 22 アメリカ合衆国の旗 ジェイソン・ヘイワード 27 なし
30 アメリカ合衆国の旗 タイラー・ネイキン 25 なし 12 アメリカ合衆国の旗 カイル・シュワーバー 23 なし
指名打者 41 ドミニカ共和国の旗 カルロス・サンタナ 30 なし 68 キューバの旗 ホルヘ・ソレア 24 なし
シリーズ開幕を前に記者会見に臨むカブスのカイル・シュワーバー

インディアンスはリーグ優勝決定戦のロースターから投手を入れ替え、コディ・アンダーソンに代えてダニー・サラザーを登録した。サラザーは開幕から先発ローテーションの一角として投げ、前半戦は17試合104.2イニングで10勝3敗・防御率2.75の好成績を残し、オールスターゲームにも初めて選出された。しかしそのオールスター出場を右肘違和感のため辞退すると[19]、8月上旬にはその右肘の炎症で15日間の故障者リスト入り[20]。一度は復帰したものの9月上旬には右前腕部の張りを訴え、そのままレギュラーシーズンは投げずに終了、ポストシーズンでもリーグ優勝決定戦まではロースターを外れていた[21]。ワールドシリーズで復帰ということにはなったが、投手コーチのミッキー・キャラウェイは、サラザーの投球数は65球から70球が限度になるだろうとの見通しを示している[22]。アンダーソンは地区シリーズもリーグ優勝決定戦もロースターには入っていたが、一度も登板しないままサラザーに枠を譲ることになった。またインディアンスのローテーション投手ではもうひとり、カルロス・カラスコも9月中旬の試合で打球が直撃し右手小指を骨折しており、こちらは60日間の故障者リストに入ったため今シリーズでは復帰できない[23]

カブスはリーグ優勝決定戦のロースターから救援投手のロブ・ザストリズニーを外し、外野手のカイル・シュワーバーを登録した。シュワーバーは2015年6月にデビューすると、レギュラーシーズンでは69試合で16本塁打、ポストシーズンでは9試合で5本塁打を放っていた。しかし2016年は、開幕3試合目で外野守備中にデクスター・ファウラーと交錯し、左膝の前十字靭帯および外側側副靱帯断裂するという重傷を負っていた[24]。リハビリの結果、リーグ優勝決定戦のさなかに医師から打撃と走塁の許可が下りたため、シュワーバーは急遽チームの帯同を離れてアリゾナ・フォールリーグ(AFL)に合流し、シリーズ出場へ向けて最終調整を行うことになった[25]。AFLでは2試合の出場にとどまったものの、二塁へのスライディングを無事こなせたことや打球速度が110mph(約177.0km/h)を記録したことなどから、ロースター入りが決まった[26]。敵地プログレッシブ・フィールドでは指名打者として、本拠地リグレー・フィールドでは代打としての起用が見込まれる[22]。ザストリズニーは左投手で、リーグ優勝決定戦では対戦相手のロサンゼルス・ドジャースに左打者が多いことからロースター入りしていたが[27]、登板機会は結局なかった。

試合結果[編集]

2016年のワールドシリーズは10月25日に開幕し、途中に移動日を挟んで9日間で7試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月25日(火) 第1戦 シカゴ・カブス 0-6 クリーブランド・インディアンス プログレッシブ・フィールド
10月26日(水) 第2戦 シカゴ・カブス 5-1 クリーブランド・インディアンス
10月27日(木) 移動日
10月28日(金) 第3戦 クリーブランド・インディアンス 1-0 シカゴ・カブス リグレー・フィールド
10月29日(土) 第4戦 クリーブランド・インディアンス 7-2 シカゴ・カブス
10月30日(日) 第5戦 クリーブランド・インディアンス 2-3 シカゴ・カブス
10月31日(月) 移動日
11月01日(火) 第6戦 シカゴ・カブス 9-3 クリーブランド・インディアンス プログレッシブ・フィールド
11月02日(水) 第7戦 シカゴ・カブス 8-7 クリーブランド・インディアンス
優勝:シカゴ・カブス(4勝3敗 / 108年ぶり3度目)

第1戦 10月25日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによるハイライト動画(英語、5分26秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シカゴ・カブス 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 7 0
クリーブランド・インディアンス 2 0 0 1 0 0 0 3 X 6 10 0
  1. : コーリー・クルーバー(1勝)  : ジョン・レスター(1敗)  
  2. :  CLE – ロベルト・ペレス1号ソロ・2号3ラン
  3. 審判:球審…ラリー・バノーバー、塁審…一塁: クリス・グッチオーネ、二塁: ジョン・ハーシュベック、三塁: マービン・ハドソン、外審…左翼: トニー・ランダッゾ、右翼: ジョー・ウェスト
  4. 試合時間: 3時間37分 観客: 3万8091人 気温: 50°F(10°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com / FanGraphs

第2戦 10月26日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによるハイライト動画(英語、4分40秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シカゴ・カブス 1 0 1 3 0 0 0 0 0 5 9 0
クリーブランド・インディアンス 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 4 2
  1. : ジェイク・アリエータ(1勝)  : トレバー・バウアー(1敗)  
  2. 審判:球審…クリス・グッチオーネ、塁審…一塁: ジョン・ハーシュベック、二塁: マービン・ハドソン、三塁: トニー・ランダッゾ、外審…左翼: ジョー・ウェスト、右翼: ラリー・バノーバー
  3. 試合時間: 4時間4分 観客: 3万8172人 気温: 43°F(6.1°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com / FanGraphs

第3戦 10月28日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによるハイライト動画(英語、4分21秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
クリーブランド・インディアンス 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 8 1
シカゴ・カブス 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 0
  1. : アンドリュー・ミラー(1勝)  : カール・エドワーズ・ジュニア(1敗)  S: コディ・アレン(1S)  
  2. 審判:球審…ジョン・ハーシュベック、塁審…一塁: マービン・ハドソン、二塁: トニー・ランダッゾ、三塁: ジョー・ウェスト、外審…左翼: サム・ホルブルック、右翼: クリス・グッチオーネ
  3. 試合時間: 3時間33分 観客: 4万1703人 気温: 62°F(16.7°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com / FanGraphs

第4戦 10月29日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによるハイライト動画(英語、5分21秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
クリーブランド・インディアンス 0 2 1 0 0 1 3 0 0 7 10 0
シカゴ・カブス 1 0 0 0 0 0 0 1 0 2 7 2
  1. : コーリー・クルーバー(2勝)  : ジョン・ラッキー(1敗)  
  2. :  CLE – カルロス・サンタナ1号ソロ、ジェイソン・キプニス1号3ラン  CHC – デクスター・ファウラー1号ソロ
  3. 審判:球審…マービン・ハドソン、塁審…一塁: トニー・ランダッゾ、二塁: ジョー・ウェスト、三塁: サム・ホルブルック、外審…左翼: クリス・グッチオーネ、右翼: ジョン・ハーシュベック
  4. 試合時間: 3時間16分 観客: 4万1706人 気温: 59°F(15°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com / FanGraphs

第5戦 10月30日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによるハイライト動画(英語、5分59秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
クリーブランド・インディアンス 0 1 0 0 0 1 0 0 0 2 6 1
シカゴ・カブス 0 0 0 3 0 0 0 0 X 3 7 0
  1. : ジョン・レスター(1勝1敗)  : トレバー・バウアー(2敗)  S: アロルディス・チャップマン(1S)  
  2. :  CLE – ホセ・ラミレス1号ソロ  CHC – クリス・ブライアント1号ソロ
  3. 審判:球審…トニー・ランダッゾ、塁審…一塁: ジョー・ウェスト、二塁: サム・ホルブルック、三塁: クリス・グッチオーネ、外審…左翼: ジョン・ハーシュベック、右翼: マービン・ハドソン
  4. 試合時間: 3時間27分 観客: 4万1711人 気温: 50°F(10°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com / FanGraphs

第6戦 11月1日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによるハイライト動画(英語、4分24秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シカゴ・カブス 3 0 4 0 0 0 0 0 2 9 13 0
クリーブランド・インディアンス 0 0 0 1 1 0 0 0 1 3 6 1
  1. : ジェイク・アリエータ(2勝)  : ジョシュ・トムリン(1敗)  
  2. :  CHC – クリス・ブライアント2号ソロ、アディソン・ラッセル1号満塁、アンソニー・リゾ1号2ラン  CLE – ジェイソン・キプニス2号ソロ
  3. 審判:球審…ジョー・ウェスト、塁審…一塁: サム・ホルブルック、二塁: クリス・グッチオーネ、三塁: ジョン・ハーシュベック、外審…左翼: マービン・ハドソン、右翼: トニー・ランダッゾ
  4. 試合時間: 3時間29分 観客: 3万8116人 気温: 71°F(21.7°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com / FanGraphs

第7戦 11月2日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによるハイライト動画(英語、7分9秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R H E
シカゴ・カブス 1 0 0 2 2 1 0 0 0 2 8 13 3
クリーブランド・インディアンス 0 0 1 0 2 0 0 3 0 1 7 11 1
  1. : アロルディス・チャップマン(1勝1S)  : ブライアン・ショウ(1敗)  S: マイク・モンゴメリー(1S)  
  2. :  CHC – デクスター・ファウラー2号ソロ、ハビアー・バエズ1号ソロ、デビッド・ロス1号ソロ  CLE – ラージャイ・デービス1号2ラン
  3. 審判:球審…サム・ホルブルック、塁審…一塁: クリス・グッチオーネ、二塁: ジョン・ハーシュベック、三塁: マービン・ハドソン、外審…左翼: トニー・ランダッゾ、右翼: ジョー・ウェスト
  4. 試合時間: 4時間28分 観客: 3万8104人 気温: 69°F(20.6°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com / FanGraphs

優勝記念パレード[編集]

青く染まったシカゴ川
市街地を通過するパレードの様子
クリス・ブライアントは、腰にチャンピオンベルトを巻いてパレードに参加した。このベルトは、プロレス団体のWWEがカブス優勝を記念して製作・贈呈した、同団体世界王座ベルトのレプリカである[28]

シリーズ終了から一夜明けた11月3日の正午前、シカゴ市長ラーム・エマニュエルが記者会見で、カブスの優勝記念パレードが翌4日に開催されることを発表した[29]。パレードの開催日について市側は当初、週明け月曜日の7日を希望していた。優勝決定により多くの人が夜の街に繰り出した結果、警察当局が3日未明まで雑踏警備にあたっており、パレード開催が翌4日では彼らの負担が大きいというのがその理由である[30]。実際にこのとき、優勝を祝う喧騒のなかで14人が逮捕され35人が救急搬送されている[31]。一方、球団側は4日開催を求めた。こちらは選手が一日でも早くオフの休暇に入りたがっていることに加え、7日からは各球団の幹部が集まるGM会議がアリゾナ州スコッツデールで始まり、パレードが7日開催では編成代表セオ・エプスタインらが参加できなくなるためだった[29]。最終的に市側が折れて、パレードの開催日は4日に決まった。コースは、本拠地球場リグレー・フィールドを午前10時に出発してアディソン通りを東へ進み、ミシガン湖に突き当たったところで右に曲がって南下、ミシガン通りコロンバス通りを経てグラント・パーク着、というものである。グラント・パークは、2008年11月の大統領選挙バラク・オバマがおよそ24万人の聴衆を前に勝利演説をした場所であり[32]アイスホッケーNHLシカゴ・ブラックホークスによる2010年以降の3度の優勝時にもパレードの終着点となるなど[33]、過去にも人が多く集まるイベントの開催地となった実績がある。今回も、エマニュエルの記者会見に先立つ3日早朝から、ステージ設営や仮設便所設置など記念式典の準備が始まっていた[30]

イリノイ州知事ブルース・ローナーは、パレードが行われる4日を「世界王者シカゴ・カブスの日」とすると発表した[34]。カブスのファンは3日、アーニー・バンクスハリー・ケリーなど既に亡くなっている球団OBの墓にお供え物をしたり、リグレー・フィールドの煉瓦壁に親戚の故人の名前を書き込んでいったりと、カブスの優勝を見届けることなくこの世を去った人々を思い思いの形で鎮魂した[35]。ファンにとって今回の優勝はただ嬉しいだけではなく、それを分かち合うことができなかった故人に思いを馳せるという点で、少しほろ苦いものでもあった[36]2003年のリーグ優勝決定戦ファウルフライ捕球妨害を起こし大バッシングを浴びたスティーブ・バートマンは、選手たちに集まるべき注目が自分へ向けられると祝福ムードに水が差されるのでパレードを観には行かないが、カブスの優勝にはとても喜んでいるとの声明を代理人弁護士を通じて発表した[37]。夜にはオバマがジョー・マドンに祝福の電話をかけ、自分が大統領を退任する2017年1月までにホワイトハウスを訪問しないか、とカブスを招待した[38]スティーブ・グッドマンが1984年に発表したカブス応援ソング『ゴー、カブス、ゴー』はインターネット上での再生数が一気に伸び、ストリーミング配信大手 "Spotify" ではこの曲がバイラルチャートの第22位に登場した[39]チャンス・ザ・ラッパーは自身の代表曲『ノー・プロブレム』と『ゴー、カブス、ゴー』のマッシュアップ曲を "SoundCloud" に投稿し[40]プライベートバンク劇場ではミュージカルハミルトン』上演終了後のカーテンコールで出演者が『ゴー、カブス、ゴー』を歌った[41]

市の発表では、パレード当日は警察当局による巡回が未明の午前3時頃から始まることになっていた[29]。しかし実際に日付が変わると、午前2時頃には早くもファンがグラント・パークの周りに集まりだした[42]。さらにアディソン通りでも、ファンが席取りする姿は日の出前から見られた[43]。街に朝日が昇った午前7時15分頃には、シカゴ川に染料が流され、川がカブスのチームカラーである青一色に染まった[44]。シカゴ川に染料で色をつけること自体は、毎年3月 "聖パトリックの祝日" の時期に行われている。シカゴにはアイルランド系アメリカ人が多く住むため、アイルランド守護聖人パトリキウス(聖パトリック)の命日を祝うこの時期に、アイルランドのナショナルカラーである緑に川を染めるのが恒例行事となっている。しかし、地元スポーツチームの優勝を祝うために川を染めたというのは、これまでに前例のないことだった[45]シカゴ交通局(CTA)やメトラなどの鉄道事業者は予想される混雑に対応するため、臨時ダイヤを編成してこの日の運行本数を増やし、また自転車車内持ち込みを制限するなどの対応策を決めていた[46]。それでも午前8時30分頃には最大31分の遅れが発生したほか[47]、一部の列車はこれ以上乗客を乗せられないと判断して一部の停車駅を通過する措置をとった[48]。これまでの一日の最多乗客数は、CTAのシカゴ・Lが約90万人でメトラが約43万人だったが、この日はそれぞれがそれを上回る約110万人と約46万人を記録した[49]。アディソン通りでは、警備にあたる警察官までもがカブスの勝利を祝う旗をはためかせていた[43]

選手たちは午前8時40分頃からリグレー・フィールドに集まり始め、球場内で記念撮影に興じていた[50]。ただ、球場周辺が多数の人出で渋滞となり、一部の選手が巻き込まれて遅刻したため、パレードは開始予定時間から45分ほど遅れての出発となった[51]。この日は空も晴れ、気温も60°F(約15.6°C)ほどと、シカゴには珍しい秋晴れの日となった[52]。パレードには選手やコーチ陣、エプスタインらフロントとその家族のほか、ライン・サンドバーグケリー・ウッドといった球団OBたち[53]地元イリノイ州選出の連邦議会上院議員やエマニュエルら政治家なども参加し[50]、総勢42台のバスで市内を進んでいった[54]。ファンは少しでもいい視界を確保しようと街路樹や建物の窓のへりによじ登り[55]デビッド・ロスが通過するときには「グランパ(おじいちゃん)!」と声援を送った[56]。ミシガン湖沿いでは高速道路に入ったので沿道のファンはまばらだったが、対向車線では北進していた車がパレードを見ようと速度を落としたため、渋滞が発生した[50]。一行が高速道路を下り、ミシガン通りのマグニフィセント・マイルと呼ばれる区間にさしかかると、沿道は再びファンで埋め尽くされた。ジェイク・アリエータはミシガン通りの光景を目にして「この人の多さにはグッとくるものがあるね」と述べた[57]。エプスタインを乗せた車両が通ると、ファンは「セーオ、セーオ、セーオ」と彼の名を連呼し[58]、選手のなかではシリーズMVPベン・ゾブリストに特に大きな歓声が集められた[51]。一行がミシガン通りを通過してシカゴ川を渡りきったあとには、ファンの何人かが橋からシカゴ川に飛び込んだ[59]

グラント・パーク入口に集まっていたファンは、午前8時15分頃の開門と同時になだれ込んだ[50]。彼らの待つところにパレード一行が到着し、記念式典が始まったのは午後に入ってからである[60]。マドンはステージ上から大観衆を見渡すと、この式典をウッドストック・フェスティバルになぞらえ「カブストック2016によく来たな! リッチー・ヘブンスがこの場にいたらなぁ、と思うよ」と声をあげた[61]。球団専属ラジオアナウンサーのパット・ヒューズは観衆に「みんな、仕事や学校にはちゃんと行ったか?」と問いかけ、"No" という返事が聞こえると「心配はいらないぞ、上司も先生もここに来てるからな」と話した[62]。実際に平日の日中にもかかわらず、パレードや記念式典の観衆のなかには、児童や学生と思しき若者や彼らを含む家族連れの姿も多く見られた[43]。というのも、シカゴの学区が管轄する公立学校はもともとこの日、教職員が学校改善策を検討する日として授業を休講することになっていたのである[29]。ただ、学区管轄外で休講予定のない学校でも、遅刻・欠席の数が普段の数倍にのぼった事例は少なからずあった[62]ジョン・レスターはヒューズからマイクを受け取ってのスピーチで "shit" と放送禁止用語を口走ってしまい「子供の前ではまずかったね」と謝った[52]。全体的に浮かれた空気で式典が進むなか、アンソニー・リゾは涙を見せた。彼はチームの裏方や選手の妻ら家族に感謝の言葉を述べたあと、ロスについて触れ、時折言葉を詰まらせながら「より良き人間でいるためにどうすべきか、フィールドの内外でたくさん教えてもらった。彼には一生感謝するよ、彼は永遠のチャンピオンとしてフィールドを去るんだ」と称賛した[61]。そのロスは全選手中最後に登場すると「自撮りさせてもらってもいいか? みんな、手を挙げてくれ」と呼びかけ、観衆を背景にチームメイトも入れた自撮り写真を撮影し、のち自身のTwitterに投稿した[63]。その後、カントリー歌手のブレット・エルドレッジが登壇して『ゴー、カブス、ゴー』を歌い、『伝説のチャンピオン』をBGMに選手たちがコミッショナーズ・トロフィーを高々と掲げて式典が締めくくられた[50]

セレモニー[編集]

試合前のアメリカ合衆国国歌星条旗』独唱・重唱・演奏と始球式セブンス・イニング・ストレッチにおける『私を野球に連れてって』独唱、および『ゴッド・ブレス・アメリカ』独唱を行った人物・グループは、それぞれ以下の通り。『ゴッド・ブレス・アメリカ』は、これまではセブンス・イニング・ストレッチで『私を野球に連れてって』の前に歌われてきたが、今シリーズでそうなったのは第1戦のみである。第2戦が降雨見込みのために試合開始を1時間繰り上げた影響で『ゴッド・ブレス・アメリカ』独唱もセブンス・イニング・ストレッチから試合前に移動となり、第3戦以降もそのまま試合前の独唱が続いた。

試合 国歌独唱・重唱・演奏 始球式 『ゴッド・ブレス・アメリカ』独唱 『私を野球に連れてって』独唱
第1戦 レイチェル・プラッテン[64] ケニー・ロフトン[65] アリソン・ジョーンズ
アメリカ空軍曹長)[66]
オルガン演奏
第2戦 ロキャッシュ[67] カルロス・バイエガ[68] エリック・サリバン
アメリカ空軍曹長)[66]
第3戦 パトリック・スタンプ
フォール・アウト・ボーイ[69]
ビリー・ウィリアムズ[70] ウェイン・メスマー[71] ビル・マーレイ[72]
第4戦 ジョン・ヴィンセント[73] ファーガソン・ジェンキンス
グレッグ・マダックス[74]
ジュリアナ・ゾブリスト
(カブス内野手ベンの妻)[75]
ヴィンス・ヴォーン[76]
第5戦 ウェイン・メスマー[77] ライン・サンドバーグ[78] ウェイン・メスマー[79] エディ・ヴェダー
パール・ジャム[80]
第6戦 ハンター・ヘイズ[81] デニス・マルティネス[82] ブリアナ・メアリー・シャイニク
アメリカ陸軍上等兵)[83]
オルガン演奏
第7戦 クリーブランド管弦楽団
弦楽部門[84]
ジム・トーミ[85] エミリー・メイヤー
アメリカ海兵隊中尉)[86]
第6戦の観客入場前にサウンドチェックを行うハンター・ヘイズ

インディアンスがシリーズ進出を決めると、同球団の本拠地プログレッシブ・フィールドで開催される試合の始球式に、俳優のチャーリー・シーンが名乗りを上げた。シーンはインディアンスを舞台とした1989年の映画『メジャーリーグ』に、制球難の豪速球投手リッキー・ボーン役で出演していた。そのためファンの間でシーンの登場を望む声が高まり、これを受けてシーンもTwitterで「もしお呼びがかかれば光栄だね」と述べていた[87]。しかしMLB機構は、インディアンスの球団史を彩った名選手を既に人選済みだとして、シーンの登場を否定した[88]。それでもシリーズが最終第7戦までもつれると、シーンは地元の実業家に招かれてプログレッシブ・フィールドへ観戦に訪れた[89]。6回表終了後、場内に映画のテーマ曲『恋はワイルド・シング』が流れ、電光掲示板にシーンの姿が映し出されると、観客から歓声があがった[90]

MLBの球場において『私を野球に連れてって』は、事前に録音されたものを流したり、オルガン奏者が弾いたりするのが一般的である。しかしカブスの本拠地リグレー・フィールドでは、放送席の一角に毎試合 "Guest Conductor"(客演指揮者)との名目でゲストを招き、歌わせるのがならわしとなっている[91]。元々は球団専属アナウンサーのハリー・ケリーが観客といっしょに歌うのが球場名物だったが、ケリーが1998年2月に亡くなってからは特定の人物を後継者とせず、試合ごとにゲストを呼ぶ方式がとられるようになった。第3戦のマーレイはダフィー・ダックの物真似をしながら一曲を歌い切り[92]、第5戦のヴェダーは「デビッド・ロスにこの歌を捧げる。(この年限りで引退する)彼のリグレーでの最後の試合なんだ、みんなで彼のために歌おうぜ」と観客に呼びかけるなど[93]、それぞれに趣向を凝らした内容となった。

テレビ中継[編集]

アメリカ合衆国[編集]

FOXがリグレー・フィールドの外に設置した仮設スタジオ

アメリカ合衆国におけるテレビ中継はFOXが放送した。実況はジョー・バックが、解説はジョン・スモルツが、フィールドリポートはケン・ローゼンタールトム・バードゥッチが、それぞれ務めた。FOXは過去2年の中継では解説者にハロルド・レイノルズとバードゥッチのふたりを起用していたが、今回はバードゥッチをフィールドレポートに配置転換し、元選手の解説者としてレイノルズに代えてスモルツを起用した。スモルツは前年のシリーズにおいて、アメリカ合衆国外向け英語放送の解説を担当していた[94]。また試合前にはケビン・バークハート進行のコーナーがあり、フランク・トーマスピート・ローズアレックス・ロドリゲスらが出演して試合の見所などを語った。FOXがスポンサー企業に販売したCM放送枠の価格は、30秒あたり56万5000ドルと推定されている[95]

全7試合の平均視聴率は13.1%で、前年から4.4ポイント上昇した[96]。シリーズを通しての、全米および出場両チームの本拠地都市圏における視聴率等は以下の通り。

試合 日付 全米 イリノイ州など
シカゴ
オハイオ州
クリーブランド
視聴率 占拠率 視聴者数 視聴率 占拠率 視聴率 占拠率
第1戦[97][98] 10月25日(火) 11.3% 20% 1940万人 34.1% 51% 46.5% 65%
第2戦[97][99] 10月26日(水) 10.2% 18% 1740万人 35.4% 52% 38.9% 55%
第3戦[97][100] 10月28日(金) 11.0% 20% 1940万人 35.1% 57% 39.2% 60%
第4戦[97][101] 10月29日(土) 9.3% 18% 1670万人 30.1% 52% 39.8% 62%
第5戦[97][102] 10月30日(日) 13.1% 21% 2360万人 42.8% 60% 48.6% 66%
第6戦[97][103] 11月01日(火) 13.3% 23% 2340万人 40.2% 59% 40.5% 59%
第7戦[97][104] 11月02日(水) 21.8% 37% 4000万人 51.2% 71% 48.6% 69%
平均[97] 13.1% 23% 2340万人 不明 不明 不明 不明

第5戦の裏番組としてNBCは、アメリカンフットボールNFL中継『サンデーナイトフットボール』(SNF)を放送した。SNFは、2006年の放送開始から4年間はワールドシリーズがある週の放送を見合わせていたが、2010年以降は放送実施に転じていた。その結果2015年までの6年間で、シリーズ中継のほうが裏番組のSNFより多くの視聴者を獲得したのは、2011年の一度しかなかった。しかし2016年は、FOXのシリーズ第5戦が視聴率13.1%・視聴者数2360万人だったのに対し、NBCのSNFは10.2%・1800万人にとどまり、シリーズ中継が5年ぶりにSNFを上回る成績を残した[105]。このときSNFで中継されたのは、ダラス・カウボーイズフィラデルフィア・イーグルスというNFC東地区所属どうしのライバル対決であり、試合内容も23-23の同点で延長戦へ突入するという熱戦だった。それにもかかわらずシリーズ中継のほうが高視聴率を記録した理由として、シリーズの注目度が元々高かったことに加えて、以下のようなNFL側のマイナス要因も挙げられている。

  • この日に限らず全体的に、NFL中継の視聴率が前年と比べて低迷傾向にある。SNFは前年同時期比で、平均視聴率が13.8%から11.1%に、平均視聴者数が2370万人から1950万人に落ち込んでいる[105]。その原因として、以下のようなことが挙げられる[106]
  • この日のNFLは、イギリスの首都ロンドンでも試合を開催していた。そのため朝・昼・夜とNFL中継が続き[注 1]、視聴者もさすがに飽きたとみられる[107]
Good news, Chicago!! We all want to focus on the @cubs bringing home a win, so we'll hold the show tonight! Go Cubs!!
(シカゴに朗報!! カブスが優勝するところをみんなが観たがっているので、我々の番組は今夜の放送を延期します! ゴー・カブス!!)
シカゴ P.D.』出演者
ソフィア・ブッシュTwitter[108]

第5戦にカブスが勝利したことで第6戦の開催が決まると、FOXのライバル局のうちCBSが11月1日の番組編成を改めた。FOXによる第6戦中継の裏でCBSは、ドラマNCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』シーズン14・第7話→『BULL / ブル 法廷を操る男』第6話→『NCIS: ニューオーリンズ』シーズン3・第6話の初回放送を予定していたが、全てを過去のエピソードの再放送に切り替えた[109]。さらにシリーズが最終第7戦までもつれ込むと、CBSとNBCの2局が11月2日の編成に手を加え、ドラマの初回放送を翌週に延期する代わりに再放送を流した。CBSは『クリミナル・マインド FBI行動分析課』シーズン12・第5話を同作のシーズン11・第7話に、NBCは『ブラインドスポット タトゥーの女』シーズン2・第8話→『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』シーズン18・第6話→『シカゴ P.D.』シーズン4・第6話を『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』シーズン18・第1話および第2話→『シカゴ P.D.』シーズン4・第2話に変更した[108]

この放送は2017年5月9日に発表された第38回スポーツ・エミー賞において、最優秀中継特別番組賞を受賞した[110]

2015年:
第50回スーパーボウル
CBS
スポーツ・エミー賞
最優秀中継特別番組賞

2016年
2017年:

日本[編集]

日本での生中継の放送は、日本放送協会(NHK)衛星放送チャンネル "BS1" で行われた。実況は浅井僚馬が、解説は小早川毅彦斎藤隆が務めた[111]。斎藤は、シリーズの結果について「両チームに力の差はなかったと思います。ほんのわずかな差が勝者と敗者を分けました」と評したうえで、特にリグレー・フィールドを包んだ「言葉では表現できないほど」の熱気や「歴史の重み」を感じ、シリーズ制覇がいかに難しいものであるかを再認識したという[112]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ロンドンでの試合の開始時刻は、現地時間の午後1時30分である。これはアメリカ合衆国の東部夏時間では午前9時30分となる。

出典[編集]

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外部リンク[編集]