1989年のワールドシリーズ

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1989年のワールドシリーズ
チーム 勝数
オークランド・アスレチックスAL 4
サンフランシスコ・ジャイアンツNL 0
シリーズ情報
試合日程 10月14日–28日
観客動員 4試合合計:22万2843人
1試合平均:05万5711人
MVP デーブ・スチュワート(OAK)
ALCS OAK 4–1 TOR
NLCS SF 4–1 CHC
のちの殿堂表彰者 デニス・エカーズリー(OAK投手)
リッキー・ヘンダーソン(OAK外野手)
トニー・ラルーサ(OAK監督)
チーム情報
オークランド・アスレチックス(OAK)
シリーズ出場 02年連続13回目
GM サンディ・アルダーソン
監督 トニー・ラルーサ
シーズン成績 99勝63敗・勝率.611
AL西地区優勝
分配金 選手1人あたり11万4252.11ドル[1]
サンフランシスコ・ジャイアンツ(SF)
シリーズ出場 27年ぶり16回目
GM アル・ローゼン
監督 ロジャー・クレイグ
シーズン成績 92勝70敗・勝率.568
NL西地区優勝
分配金 選手1人あたり8万3529.26ドル[1]
全米テレビ中継
放送局 ABC
実況 アル・マイケルズ
解説 ジム・パーマーティム・マッカーバー
平均視聴率 16.4%(前年比7.5ポイント下降)[2]
ワールドシリーズ
 < 1988 1990 > 

1989年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第86回ワールドシリーズ(86th World Series)は、10月14日から28日にかけて計4試合が開催された。その結果、オークランド・アスレチックスアメリカンリーグ)がサンフランシスコ・ジャイアンツナショナルリーグ)を4勝0敗で下し、15年ぶり9回目の優勝を果たした。

カリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリアに本拠地を置く球団どうしの対戦で、両本拠地を結ぶ交通から "ベイブリッジ・シリーズ" や "バート・シリーズ" などと呼ばれた[3]。また、10月17日の第3戦開始前にベイエリア一帯をロマ・プリータ地震が襲ったため、10日間にわたってシリーズが中断したことでも知られる。優勝球団が全試合を通して1イニングも相手にリードを許さなかったのはシリーズ史上初と[4]、試合内容としてはアスレチックスの完勝だった。シリーズMVPには、第1戦と第3戦に先発登板して計16イニングを投げ、2勝0敗・防御率1.69という成績を残したアスレチックスのデーブ・スチュワートが選出された。

両チームの過去の対戦[編集]

アスレチックスとジャイアンツがシリーズで対戦するのは、1905年1911年1913年に次いで今回が76年ぶり4度目である。ただ当時は、アスレチックスがペンシルベニア州フィラデルフィアを、ジャイアンツがニューヨーク州ニューヨークを、それぞれ本拠地にしていた。そのため、両チームがともにベイエリアに移転してからは、今回が初対決となる。1905年はジャイアンツが、1911年と1913年はアスレチックスが、それぞれ優勝している。

試合結果[編集]

1989年のワールドシリーズは10月14日に開幕し、途中に移動日とロマ・プリータ地震による中断期間を挟んで15日間で4試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月14日(土) 第1戦 サンフランシスコ・ジャイアンツ 0-5 オークランド・アスレチックス オークランド・アラメダ・
カウンティ・コロシアム
1989年のワールドシリーズの位置(アメリカ合衆国内)
サンフランシスコ・ベイエリア
サンフランシスコ・ベイエリア
10月15日(日) 第2戦 サンフランシスコ・ジャイアンツ 1-5 オークランド・アスレチックス
10月16日(月) 移動日
10月17日(火)

10月26日(木)
第3戦 ロマ・プリータ地震により延期 キャンドルスティック・
パーク
10月27日(金) 第3戦 オークランド・アスレチックス 13-7 サンフランシスコ・ジャイアンツ
10月28日(土) 第4戦 オークランド・アスレチックス 9-6 サンフランシスコ・ジャイアンツ
優勝:オークランド・アスレチックス(4勝0敗 / 15年ぶり9度目)

第1戦 10月14日[編集]

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
サンフランシスコ・ジャイアンツ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 1
オークランド・アスレチックス 0 3 1 1 0 0 0 0 X 5 11 1
  1. : デーブ・スチュワート(1勝)  : スコット・ギャレルツ(1敗)  
  2. :  OAK – デーブ・パーカー1号ソロ、ウォルト・ワイス1号ソロ
  3. 審判:球審…リッチ・ガルシア、塁審…一塁: ポール・ランジ、二塁: ビック・ボルタジオ、三塁: ダッチ・レナート、外審…左翼: アル・クラーク、右翼: エリック・グレッグ
  4. 試合時間: 2時間45分 観客: 4万9385人 気温: 65°F(18.3°C)
    詳細: Baseball-Reference.com

第2戦 10月15日[編集]

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
サンフランシスコ・ジャイアンツ 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 4 0
オークランド・アスレチックス 1 0 0 4 0 0 0 0 X 5 7 0
  1. : マイク・ムーア(1勝)  : リック・ラッシェル(1敗)  
  2. :  OAK – テリー・スタインバック1号3ラン
  3. 審判:球審…ポール・ランジ、塁審…一塁: ビック・ボルタジオ、二塁: ダッチ・レナート、三塁: アル・クラーク、外審…左翼: エリック・グレッグ、右翼: リッチ・ガルシア
  4. 試合時間: 2時間47分 観客: 4万9388人 気温: 63°F(17.2°C)
    詳細: Baseball-Reference.com

ロマ・プリータ地震[編集]

第3戦は当初、ジャイアンツの本拠地キャンドルスティック・パークに舞台を移し、10月17日に開催される予定だった。しかし試合開始前の午後5時4分、サンアンドレアス断層の活動によってマグニチュード6.9の地震が引き起こされた[5]。球場も強い揺れに見舞われて停電し、試合は中止された。数日後、コミッショナーフェイ・ヴィンセントサンフランシスコ市長アート・アグノス、ジャイアンツの球団幹部らがシリーズ再開について議論した。そこではサンディエゴでの代替開催も協議されたが、サンフランシスコでシリーズが開催されるのは1962年以来27年ぶりとあって、ジャイアンツ球団オーナーのボブ・ルーリーが強硬に反対した[6]。結局、球場自体に大きな損傷はなく、シリーズは地震発生から10日後の27日に再開されることになった[4]

第3戦 10月27日[編集]

映像外部リンク
アスレチックス打線の1試合5本塁打。MLB.comによる動画(英語、2分33秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
オークランド・アスレチックス 2 0 0 2 4 1 0 4 0 13 14 0
サンフランシスコ・ジャイアンツ 0 1 0 2 0 0 0 0 4 7 10 3
  1. : デーブ・スチュワート(2勝)  : スコット・ギャレルツ(2敗)  
  2. :  OAK – デーブ・ヘンダーソン1号ソロ・2号ソロ、トニー・フィリップス1号ソロ、ホセ・カンセコ1号3ラン、カーネイ・ランスフォード1号ソロ  SF – マット・ウィリアムズ1号ソロ、ビル・ベイス1号3ラン
  3. 審判:球審…ビック・ボルタジオ、塁審…一塁: ダッチ・レナート、二塁: アル・クラーク、三塁: エリック・グレッグ、外審…左翼: リッチ・ガルシア、右翼: ポール・ランジ
  4. 試合時間: 3時間3分 観客: 6万2038人 気温: 62°F(16.7°C)
    詳細: Baseball-Reference.com

第4戦 10月28日[編集]

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
オークランド・アスレチックス 1 3 0 0 3 1 0 1 0 9 12 0
サンフランシスコ・ジャイアンツ 0 0 0 0 0 2 4 0 0 6 9 0
  1. : マイク・ムーア(2勝)  : ドン・ロビンソン(1敗)  S: デニス・エカーズリー(1S)  
  2. :  OAK – リッキー・ヘンダーソン1号ソロ  SF – ケビン・ミッチェル1号2ラン、グレッグ・リットン1号2ラン
  3. 審判:球審…ダッチ・レナート、塁審…一塁: アル・クラーク、二塁: エリック・グレッグ、三塁: リッチ・ガルシア、外審…左翼: ポール・ランジ、右翼: ビック・ボルタジオ
  4. 試合時間: 3時間7分 観客: 6万2032人 気温: 63°F(17.2°C)
    詳細: Baseball-Reference.com

評価[編集]

ESPNは2003年、1903年の第1回ワールドシリーズ開催から100周年となったのを記念して、過去100年のシリーズを順位づけした。その結果、今シリーズは97位だった[7]。98位はシカゴ・ホワイトソックスによる八百長ブラックソックス事件)があった1919年、99位と最下位はシリーズが開催すらされなかった1904年1994年だったため、真剣勝負で行われたシリーズのなかでは今シリーズが最低という位置づけとなる。

ハードボール・タイムズ』のクリス・ジャフは2011年10月、歴代のポストシーズン各シリーズについて、面白さの数値化を試みた。「1点差試合は3ポイント、1-0の試合ならさらに1ポイント」「サヨナラゲームは10ポイント、サヨナラが本塁打によるものならさらに5ポイント」「7試合制のシリーズが最終戦までもつれれば15ポイント」などというように、試合経過やシリーズの展開が一定の条件を満たすのに応じてポイントを付与することで、主観的ではなく定量的な評価を行った。その結果、同年のリーグ優勝決定戦まで計262シリーズの平均が45ポイントだったのに対して、今シリーズは5.8ポイントしか獲得できず、歴代のワールドシリーズのなかで最低点を記録した[8]

脚注[編集]

  1. ^ a b "World Series Gate Receipts," Baseball Almanac. 2014年4月24日閲覧。
  2. ^ "World Series Television Ratings," Baseball Almanac. 2014年4月20日閲覧。
  3. ^ MS, "Let Tony Bennett Sing the Anthem," CSMonitor.com, October 13, 1989. 2014年4月20日閲覧。
  4. ^ a b Horace Hinshaw, Pacifica Tribune, "Remembering World Series Earthquake," San Jose Mercury News, June 17, 2009. 2014年4月20日閲覧。
  5. ^ "Historic Earthquakes," USGS. 2014年4月20日閲覧。
  6. ^ Jorge L. Ortiz, USA TODAY, "20 years later, the earthquake that shook the baseball world," USATODAY.com, October 14, 2009. 2014年4月24日閲覧。
  7. ^ "THE WORLD SERIES 100th Anniversary," ESPN.com, October 19, 2003. 2014年4月20日閲覧。
  8. ^ Chris Jaffe, "The top ten postseason series of all-time," The Hardball Times, October 24, 2011. 2014年4月20日閲覧。

外部リンク[編集]