1905年のメジャーリーグベースボール

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以下は、メジャーリーグベースボール(MLB)における1905年のできごとを記す。1905年4月14日に開幕し10月14日に全日程を終えた。前年中止となったワールドシリーズがこの年から復活した。

ナショナルリーグニューヨーク・ジャイアンツ2年連続優勝し、アメリカンリーグフィラデルフィア・アスレチックスが優勝した。

ワールドシリーズはニューヨーク・ジャイアンツがフィラデルフィア・アスレチックスを4勝1敗で破り優勝した。

できごと[編集]

  • アメリカン・リーグは3割打者が2人だけという投高打低のシーズンであった。この年、フィラデルフィア・アスレチックスルーブ・ワッデル は27勝10敗、防御率1.48、奪三振数287で投手三冠を手中にした。1902年から1907年まで6年連続でアメリカン・リーグの最多奪三振を記録し、前年の奪三振349個のメジャリーグ記録はその後61年間破られなかったし、ワッデルの投手人生で最高の成績であった。そのワッデルの活躍でアスレチックスは1905年のワールドシリーズに駒を進めた。しかしワッデルはこの最高の年のワールドシリーズに出場できなかった。移動中の列車の中でチームメイトとふざけあっているうちに転倒し、肩を怪我して出場できなかったのである。彼の行動は予測がつかないほど突飛でその奇行癖は有名であった。しかしアスレチックス監督のコニー・マックは後年「チーム史上最高の投手」と言い、そのカーブとストレートの球威はこの20世紀初頭のメジャーリーグの華であったと言われている。
  • ナショナル・リーグのクリスティ・マシューソン は、1903年にはリーグ最多奪三振とともに30勝を達成、1905年まで3年連続で「30勝、最多奪三振」を記録し、リーグを代表する投手となっていた。この年はワッデルと同じくナショナルリーグの投手三冠を手中にし、特に防御率はそれまでで最高の1.28(1909年には1.14)であった。

ワールドシリーズの復活[編集]

  • 1903年に野球界の秩序を守るための機関としてアメリカン・リーグとナショナル・リーグの会長と委員長とで構成されるナショナル・コミッション(全国委員会)が設置された。1905年にこの全国委員会にニューヨーク・ジャイアンツのオーナーであるジョン・T・ブラッシュから両リーグのチャンピオンチーム同士によるシリーズの開催規約が提案された。前年のボストン・アメリカンズとのワールドシリーズを拒否したブラッシュであったが、その直後からファンや新聞の批判、そして自分のチームの選手からも抗議を受けて考え方を変えて、自ら新しいワールドシリーズの要綱を考えて、コミッションによる管轄、収入の分配方法、選手の出場選手の資格など、その規定の基本的な部分の多くは現在まで受け継がれているものであった。今日「ブラッシュ・ルール」と呼ばれるこの規約案は全国委員会で決定し、「世界選手権シリーズ」が正式に発足した。ジョン・マグローと懇意であった巨人軍の創立者でもあり後にセントラル・リーグ会長となった鈴木惣太郎はその著書「アメリカ野球史話」の中で、この「ブラッシュ・ルール」に基づく1905年のワールドシリーズの開催を第1回とするのが正しい、と主張している。
  • そのワールドシリーズでは、ジャイアンツのクリスティ・マシューソンが3試合に登板して3試合とも完封という離れ業をやってのけて、ワールドシリーズで同じ年に3完封を記録したのはマシューソンが唯一である。そして同じジャイアンツのジョー・マクギニティも完封で1勝し、対するアスレチックスのチーフ・ベンダーも完封で1勝して、全5試合とも完封試合であり、投手力が威力を発揮したシリーズとして語り継がれている。

最終成績[編集]

レギュラーシーズン[編集]

アメリカンリーグ[編集]

チーム 勝利 敗戦 勝率 G差
1 フィラデルフィア・アスレチックス 92 56 .622 --
2 シカゴ・ホワイトソックス 92 60 .605 2.0
3 デトロイト・タイガース 79 74 .516 15.5
4 ボストン・アメリカンズ 78 74 .513 16.0
5 クリーブランド・ナップス 76 78 .494 19.0
6 ニューヨーク・ハイランダース 71 78 .477 21.5
7 ワシントン・セネタース 64 87 .424 32.0
8 セントルイス・ブラウンズ 54 99 .353 40.5

ナショナルリーグ[編集]

チーム 勝利 敗戦 勝率 G差
1 ニューヨーク・ジャイアンツ 105 48 .686 --
2 ピッツバーグ・パイレーツ 96 57 .627 9.0
3 シカゴ・カブス 92 61 .601 13.0
4 フィラデルフィア・フィリーズ 83 69 .546 21.5
5 シンシナティ・レッズ 79 74 .516 26.0
6 セントルイス・カージナルス 58 96 .377 47.5
7 ボストン・ビーンイーターズ 51 103 .331 54.5
8 ブルックリン・スーパーバス 48 104 .314 56.5

ワールドシリーズ[編集]

  • アスレチックス 1 - 4 ジャイアンツ
10/ 9 – ジャイアンツ 3 - 0 アスレチックス
10/10 – アスレチックス 3 - 0 ジャイアンツ
10/12 – ジャイアンツ 9 - 0 アスレチックス
10/13 – アスレチックス 0 - 1 ジャイアンツ
10/14 – アスレチックス 0 - 2 ジャイアンツ

個人タイトル[編集]

アメリカンリーグ[編集]

打者成績[編集]

項目 選手 記録
打率 エルマー・フリック (CLE) .308
本塁打 ハリー・デービス (PHA) 8
打点 ハリー・デービス (PHA) 83
得点 ハリー・デービス (PHA) 93
安打 ジョージ・ストーン (SLA) 189
盗塁 ダニー・ホフマン (PHA) 46

投手成績[編集]

項目 選手 記録
勝利 ルーブ・ワッデル (PHA) 27
敗戦 フレッド・グレイド (SLA) 25
防御率 ルーブ・ワッデル (PHA) 1.48
奪三振 ルーブ・ワッデル (PHA) 287
投球回 ジョージ・マリン (DET) 347⅔
セーブ ジム・ブキャナン (SLA) 2

ナショナルリーグ[編集]

打者成績[編集]

項目 選手 記録
打率 サイ・セイモアー (CIN) .377
本塁打 フレッド・オドウェル (CIN) 9
打点 サイ・セイモアー (CIN) 121
得点 マイク・ドンリン (NYG) 124
安打 サイ・セイモアー (CIN) 219
盗塁 アート・デブリン (NYG) 59
ビリー・マローニー (CHC)

投手成績[編集]

項目 選手 記録
勝利 クリスティ・マシューソン (NYG) 31
敗戦 ビック・ウィリス (BSN) 29
防御率 クリスティ・マシューソン (NYG) 1.28
奪三振 クリスティ・マシューソン (NYG) 206
投球回 アーヴ・ヤング (BSN) 378
セーブ クラウディ・エリオット (NYG) 6

出典[編集]

  • 『アメリカ・プロ野球史』 69P参照  鈴木武樹 著  1971年9月発行  三一新書
  • 『米大リーグ 輝ける1世紀 ~その歴史とスター選手~』 43P参照 週刊ベースボール 1978年6月25日増刊号 ベースボールマガジン社
  • 『オールタイム 大リーグ名選手 101人』22P参照 「ルーブ・ワッデル」 1997年10月発行 日本スポーツ出版社 
  • 『メジャーリーグ ワールドシリーズ伝説』 86P参照 1905-2000 上田龍 著  2001年10月発行 ベースボールマガジン社

外部リンク[編集]