1884年のメジャーリーグベースボール

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以下は、メジャーリーグベースボール(MLB)における1884年のできごとを記す。

アメリカン・アソシエーションではニューヨーク・メトロポリタンズが、ナショナルリーグではプロビデンス・グレイズが、ユニオン・アソシエーションではセントルイス・マルーンズが優勝。

できごと[編集]

  • ユニオン・アソシエーションが創設されるが、この年限りでわずか1年で解散した。しかしこの新しい動きへの対抗策としてアメリカン・アソシエーションは球団数を増やし、前年の8チームから12チームに増加した。結果、全球団が赤字となり、また首都ワシントンではユニオン・アソシエーションにも、アメリカン・アソシエーションにもワシントン・ナショナルズという同名の球団が複数併存する事態となった。そしてアメリカン・アソシエーションのワシントン・ナショナルズはシーズン途中で解散したため、リッチモンド・バージニアンズが交代して加盟し、後半の試合を行った。結局この年のアメリカン・アソシエーションは13球団となった。
  • 1884年8月28日、ニューヨーク・ゴッサムズ対フィラデルフィア・クエイカーズ戦で、ゴッサムズの投手ミッキー・ウェルチは1回先頭打者から3回まで「9者連続三振」という記録を打ち立てた。この記録は1970年にニューヨーク・メッツのトム・シーバーが10者連続三振を記録するまで、その後80年以上もメジャーリーグ記録として残ることになった。ただし9人目の打者が「振り逃げ」だったため、当時の公式記録に三振として記載されないという誤りがあり、そのため、ウェルチの9者連続三振の記録は認知されないままになっていたが、1941年になってハリー・シモンズという野球史研究家がこの間違いを指摘し、ウェルチの記録は達成後50年以上たってようやく日の目を見ることになった。
  • プロビデンス・グレイズはユニオン・アソシエーション創立の影響を受け、二枚看板の一人だったチャーリー・スウィーニーがシーズン途中で移籍してしまったため、もう一人のエースだったチャールズ・ラドボーン はこの事態を逆手に取り、「残り試合を全て投げる」ことを条件にFA権の獲得を球団と交渉したという。スウィーニーの退団後にラドボーンは以降37試合連続で先発し、18連勝を含めて32勝を上げた。彼は8月7日から9月18日までの40日間で26勝1分けの成績を上げている。そしてこの年ラドボーンの登板回数は実に75試合になり(73試合に先発し全試合完投。抑えで2試合登板)、シーズン通算で60勝を挙げただけでなく、奪三振441、防御率も1.38を記録、投手部門の三冠を手中にする。(この年は勝率とセーブ数もトップ)投手三冠王とセーブ王の同時獲得は史上初の快挙で投手全タイトル制覇(当時はタイトルではないものもある)を達成し、勝率でもトップになったため、史上初の投手主要5部門制覇(投手五冠王)を達成した。但し公式記録は60勝だが後に調査した結果、先発で5回まで投げた投手を勝利投手とせず、6回から投げたラドボーンを勝利投手としたケースがあってこの場合はラドボーンをセーブに変更するなどして、この年の勝利数は59勝になった。
  • この年のシーズン終了後、ナショナルリーグの優勝チームプロビデンス・グレイズと、アメリカン・アソシエーションの優勝チームニューヨーク・メトロポリタンズの間で、10月23日から25日の3日間、両チームによる3連戦がニューヨーク州マンハッタンポロ・グラウンズで行われ、プロビデンス・グレイズが3連勝した。この試合は全米選手権(The Championship of the United States)の名称で開催されたが、後にワールドシリーズとされている。(19世紀のワールドシリーズ)ポストシーズンに年間王者を決めるのはこれが初めてであった。
  • ユニオン・アソシエーション優勝チームのセントルイス・マルーンズは参加していない。そしてユニオン・アソシエーションがこの年限りで解散したが、セントルイス・マルーンズは翌1885年にナショナルリーグに加盟している。
  • 投手の投球動作に関しての制限がすべて撤廃された。
  • 1879年に始まった「打者は«ボール»を9つ見逃せば1つの塁を与えられる」(九球)は、その後1880年に(八球)となり、1881年に(七球)となり、この年1884年に(六球)となった。1889年に四球となって現在に至っている。

最終成績[編集]

アメリカン・アソシエーション[編集]

チーム 勝利 敗戦 勝率 G差
1 ニューヨーク・メトロポリタンズ 75 32 .701 --
2 コロンバス・バックアイズ 69 39 .639 6.5
3 ルイビル・エクリプス 68 40 .630 7.5
4 セントルイス・ブラウンズ 67 40 .626 8.0
4 シンシナティ・レッドストッキングス 68 41 .624 8.0
6 ボルチモア・オリオールズ 63 43 .594 11.5
7 フィラデルフィア・アスレチックス 61 46 .570 14.0
8 トレド・ブルーストッキングス 46 58 .442 27.5
9 ブルックリン・アトランティックス 40 64 .385 33.5
10 リッチモンド・バージニアンズ 12 30 .286 30.5
11 ピッツバーグ・アレゲニーズ 30 78 .278 45.5
12 インディアナポリス・フージャーズ 29 78 .271 46.0
13 ワシントン・ナショナルズ 12 51 .191 41.0

ナショナルリーグ[編集]

チーム 勝利 敗戦 勝率 G差
1 プロビデンス・グレイズ 84 28 .750 --
2 ボストン・ビーンイーターズ 73 38 .658 10.5
3 バッファロー・バイソンズ 64 47 .577 19.5
4 ニューヨーク・ゴッサムズ 62 50 .554 22.0
4 シカゴ・ホワイトストッキングス 62 50 .554 22.0
6 フィラデルフィア・クエイカーズ 39 73 .348 45.0
7 クリーブランド・ブルース 35 77 .312 49.0
8 デトロイト・ウルバリンズ 28 84 .250 56.0

ユニオン・アソシエーション[編集]

チーム 勝利 敗戦 勝率 G差
1 セントルイス・マルーンズ 94 19 .832 --
2 ミルウォーキー・ブルワーズ 8 4 .667 35.5
3 シンシナティ・アウトロー・レッズ 69 36 .657 21.0
4 ボルチモア・モニュメンタルズ 58 47 .552 32.0
5 ボストン・レッズ 58 51 .532 34.0
6 シカゴ・ブラウンズ 41 50 .451 42.0
7 ワシントン・ナショナルズ 47 65 .420 46.5
8 フィラデルフィア・キーストーンズ 21 46 .313 50.0
9 セントポール・ホワイトキャップス 2 6 .250 39.5
10 アルトゥーナ・マウンテンシティー 6 19 .240 44.0
11 カンザスシティ・ユニオンズ 16 63 .203 61.0
12 ウィルミントン・クイックステップス 2 16 .111 44.5

個人タイトル[編集]

アメリカン・アソシエーション[編集]

打者成績[編集]

項目 選手 記録
打率 デーブ・オル (NYP) .354
本塁打 ジョン・レイリー (CIN) 11
打点 デーブ・オル (NYP) 112
得点 ハリー・ストービー (PHA) 124
安打 デーブ・オル (NYP) 162

投手成績[編集]

項目 選手 記録
勝利 ガイ・ヘッカー (LOU) 52
防御率 ガイ・ヘッカー (LOU) 1.80
奪三振 ガイ・ヘッカー (LOU) 385
投球回 ガイ・ヘッカー (LOU)) 670.2
セーブ フランク・マウンテン (COL) 1
ハンク・オーデイ (TOL)
オイスター・バーンズ BAL)


ナショナルリーグ[編集]

打者成績[編集]

項目 選手 記録
打率 キング・ケリー (CHC) .354
本塁打 ネッド・ウィリアムソン (CHC) 27
打点 キャップ・アンソン (CHC) 102
得点 キング・ケリー (CHC) 120
安打 エズラ・サットン (BSN) 162
ジム・オルーク (BUF)

投手成績[編集]

項目 選手 記録
勝利 チャールズ・ラドボーン (PRO) 59
防御率 チャールズ・ラドボーン (PRO) 1.38
奪三振 チャールズ・ラドボーン (PRO) 441
投球回 チャールズ・ラドボーン (PRO) 678.2
セーブ チャールズ・ラドボーン (PRO) 2
ジョン・モリル (BSN)

ユニオン・アソシエーション[編集]

打者成績[編集]

項目 選手 記録
打率 フレッド・ダンラップ (STM) .412
本塁打 フレッド・ダンラップ (STM) 13
得点 フレッド・ダンラップ (STM) 161
安打 フレッド・ダンラップ (STM) 185

投手成績[編集]

項目 選手 記録
勝利 ビル・スウィーニー (BLU) 40
防御率 ジム・マコーミック (COR) 1.54
奪三振 ヒュー・デイリー (CPI/WHS) 483
投球回 ビル・スウィーニー (BLU) 538.0
セーブ ビル・テイラー (SLM) 4

参考・出典[編集]