1960年のワールドシリーズ

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1960年のワールドシリーズ
チーム 勝数
ピッツバーグ・パイレーツNL 4
ニューヨーク・ヤンキースAL 3
シリーズ情報
試合日程 10月5日–13日
観客動員 7試合合計:34万9813人
1試合平均:04万9973人
MVP ボビー・リチャードソン(NYY)
のちの殿堂表彰者 ロベルト・クレメンテ(PIT外野手)
ビル・マゼロスキー(PIT内野手)
ケーシー・ステンゲル(NYY監督)
ヨギ・ベラ(NYY捕手)
ホワイティー・フォード(NYY投手)
ミッキー・マントル(NYY外野手)
ネスター・チャイラク(審判員)
チーム情報
ピッツバーグ・パイレーツ(PIT)
シリーズ出場 33年ぶり05回目
GM ジョー・L・ブラウン
監督 ダニー・マートー
シーズン成績 95勝59敗・勝率.617
分配金 選手1人あたり8417.94ドル[1]
ニューヨーク・ヤンキース(NYY)
シリーズ出場 02年ぶり25回目
GM ジョージ・ワイス
監督 ケーシー・ステンゲル
シーズン成績 97勝57敗・勝率.630
分配金 選手1人あたり5214.64ドル[1]
全米テレビ中継
放送局 NBC
実況 第7戦は試合の前半をボブ・プリンスが、後半をメル・アレンが担当[2]。その他の試合は映像の現存が確認できないため詳細不明
ワールドシリーズ
 < 1959 1961 > 

1960年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第57回ワールドシリーズ(57th World Series)は、10月5日から13日にかけて計7試合が開催された。その結果、ピッツバーグ・パイレーツナショナルリーグ)がニューヨーク・ヤンキースアメリカンリーグ)を4勝3敗で下し、35年ぶり3回目の優勝を果たした。

両チームの対戦は、1927年以来33年ぶり2回目。7試合を通して、得点はヤンキースの55得点に対しパイレーツは27得点、打率はヤンキースの.338に対してパイレーツは.256、本塁打はヤンキースの10本に対してパイレーツは4本、といずれもヤンキースが圧倒していた[3]。しかしパイレーツは、敗れるときは10点以上の大差をつけられる一方で3点差以内の接戦はものにして、3勝3敗でシリーズの行方を最終第7戦までもつれ込ませると、その第7戦にはビル・マゼロスキーサヨナラ本塁打で勝利して優勝を決めた。ワールドシリーズでのサヨナラ本塁打は3年ぶり4度目で[4]、サヨナラ本塁打による優勝決定は史上初[5]、最終第7戦に限れば2018年現在も史上唯一である[注 1]

シリーズMVPには、第3戦でシリーズ史上最多の1試合6打点を挙げるなど、7試合で打率.367・1本塁打・12打点・OPS 1.054という成績を残したヤンキースのボビー・リチャードソンが選出された。2018年現在、シリーズ敗退チームからのMVP選出もまた、今回が史上唯一である。

試合結果[編集]

1960年のワールドシリーズは10月5日に開幕し、途中に移動日を挟んで9日間で7試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月05日(水) 第1戦 ニューヨーク・ヤンキース 4-6 ピッツバーグ・パイレーツ フォーブス・フィールド
10月06日(木) 第2戦 ニューヨーク・ヤンキース 16-3 ピッツバーグ・パイレーツ
10月07日(金) 移動日
10月08日(土) 第3戦 ピッツバーグ・パイレーツ 0-10 ニューヨーク・ヤンキース ヤンキー・スタジアム
10月09日(日) 第4戦 ピッツバーグ・パイレーツ 3-2 ニューヨーク・ヤンキース
10月10日(月) 第5戦 ピッツバーグ・パイレーツ 5-2 ニューヨーク・ヤンキース
10月11日(火) 移動日
10月12日(水) 第6戦 ニューヨーク・ヤンキース 12-0 ピッツバーグ・パイレーツ フォーブス・フィールド
10月13日(木) 第7戦 ニューヨーク・ヤンキース 9-10x ピッツバーグ・パイレーツ
優勝:ピッツバーグ・パイレーツ(4勝3敗 / 35年ぶり3度目)

第1戦 10月5日[編集]

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 1 0 0 1 0 0 0 0 2 4 13 2
ピッツバーグ・パイレーツ 3 0 0 2 0 1 0 0 X 6 8 0
  1. : バーノン・ロー(1勝)  : アート・ディトマー(1敗)  S: ロイ・フェイス(1S)[注 2]  
  2. :  NYY – ロジャー・マリス1号ソロ、エルストン・ハワード1号2ラン  PIT – ビル・マゼロスキー1号2ラン
  3. 審判:球審…ダスティ・ボーゲス(NL)、塁審…一塁: ジョニー・スティーブンス(AL)、二塁: ビル・ジャッコウスキー(NL)、三塁: ネスター・チャイラク(AL)、外審…左翼: スタン・ランズ(NL)、右翼: ジム・ホノチック(AL)
  4. 試合時間: 2時間29分 観客: 3万6676人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース ピッツバーグ・パイレーツ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 T・クーベック 1 B・バードン
2 H・ロペス 2 D・グロート
3 R・マリス 3 B・スキナー
4 M・マントル 4 D・スチュアート
5 Y・ベラ 5 R・クレメンテ
6 B・スコウロン 6 S・バージェス
7 C・ボイヤー 7 D・ホーク
8 B・リチャードソン 8 B・マゼロスキー
9 A・ディトマー 9 V・ロー
先発投手 投球 先発投手 投球
A・ディトマー V・ロー

第2戦 10月6日[編集]

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 2 1 2 7 3 0 1 16 19 1
ピッツバーグ・パイレーツ 0 0 0 1 0 0 0 0 2 3 13 1
  1. : ボブ・ターリー(1勝)  : ボブ・フレンド(1敗)  S: ボビー・シャンツ(1S)[注 2]  
  2. :  NYY – ミッキー・マントル1号2ラン・2号3ラン
  3. 審判:球審…ジョニー・スティーブンス(AL)、塁審…一塁: ビル・ジャッコウスキー(NL)、二塁: ネスター・チャイラク(AL)、三塁: ダスティ・ボーゲス(NL)、外審…左翼: スタン・ランズ(NL)、右翼: ジム・ホノチック(AL)
  4. 試合時間: 3時間14分 観客: 3万7308人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース ピッツバーグ・パイレーツ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 T・クーベック 1 B・バードン
2 G・マクドゥガルド 2 D・グロート
3 R・マリス 3 R・クレメンテ
4 M・マントル 4 R・ネルソン
5 Y・ベラ 5 G・シモリ
6 B・スコウロン 6 S・バージェス
7 E・ハワード 7 D・ホーク
8 B・リチャードソン 8 B・マゼロスキー
9 B・ターリー 9 B・フレンド
先発投手 投球 先発投手 投球
B・ターリー B・フレンド

第3戦 10月8日[編集]

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ピッツバーグ・パイレーツ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0
ニューヨーク・ヤンキース 6 0 0 4 0 0 0 0 X 10 16 1
  1. : ホワイティー・フォード(1勝)  : ウィルマー・ミゼル(1敗)  
  2. :  NYY – ボビー・リチャードソン1号満塁、ミッキー・マントル3号2ラン
  3. 審判:球審…ビル・ジャッコウスキー(NL)、塁審…一塁: ネスター・チャイラク(AL)、二塁: ダスティ・ボーゲス(NL)、三塁: ジョニー・スティーブンス(AL)、外審…左翼: ジム・ホノチック(AL)、右翼: スタン・ランズ(NL)
  4. 試合時間: 2時間41分 観客: 7万0001人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ピッツバーグ・パイレーツ ニューヨーク・ヤンキース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・バードン 1 B・サーブ
2 D・グロート 2 R・マリス
3 R・クレメンテ 3 M・マントル
4 D・スチュアート 4 B・スコウロン
5 G・シモリ 5 G・マクドゥガルド
6 H・スミス 6 E・ハワード
7 D・ホーク 7 B・リチャードソン
8 B・マゼロスキー 8 T・クーベック
9 W・ミゼル 9 W・フォード
先発投手 投球 先発投手 投球
W・ミゼル W・フォード

第4戦 10月9日[編集]

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ピッツバーグ・パイレーツ 0 0 0 0 3 0 0 0 0 3 7 0
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 1 0 0 1 0 0 2 8 0
  1. : バーノン・ロー(2勝)  : ラルフ・テリー(1敗)  S: ロイ・フェイス(2S)[注 2]  
  2. :  NYY – ビル・スコウロン1号ソロ
  3. 審判:球審…ネスター・チャイラク(AL)、塁審…一塁: ダスティ・ボーゲス(NL)、二塁: ジョニー・スティーブンス(AL)、三塁: ビル・ジャッコウスキー(NL)、外審…左翼: スタン・ランズ(NL)、右翼: ジム・ホノチック(AL)
  4. 試合時間: 2時間29分 観客: 6万7812人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ピッツバーグ・パイレーツ ニューヨーク・ヤンキース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・バードン 1 B・サーブ
2 D・グロート 2 T・クーベック
3 R・クレメンテ 3 R・マリス
4 D・スチュアート 4 M・マントル
5 G・シモリ 5 Y・ベラ
6 S・バージェス 6 B・スコウロン
7 D・ホーク 7 G・マクドゥガルド
8 B・マゼロスキー 8 B・リチャードソン
9 V・ロー 9 R・テリー
先発投手 投球 先発投手 投球
V・ロー R・テリー

第5戦 10月10日[編集]

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ピッツバーグ・パイレーツ 0 3 1 0 0 0 0 0 1 5 10 2
ニューヨーク・ヤンキース 0 1 1 0 0 0 0 0 0 2 5 2
  1. : ハービー・ハディックス(1勝)  : アート・ディトマー(2敗)  S: ロイ・フェイス(3S)[注 2]  
  2. :  NYY – ロジャー・マリス2号ソロ
  3. 審判:球審…ダスティ・ボーゲス(NL)、塁審…一塁: ジョニー・スティーブンス(AL)、二塁: ビル・ジャッコウスキー(NL)、三塁: ネスター・チャイラク(AL)、外審…左翼: スタン・ランズ(NL)、右翼: ジム・ホノチック(AL)
  4. 試合時間: 2時間32分 観客: 6万2753人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ピッツバーグ・パイレーツ ニューヨーク・ヤンキース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・バードン 1 G・マクドゥガルド
2 D・グロート 2 R・マリス
3 R・クレメンテ 3 B・サーブ
4 D・スチュアート 4 M・マントル
5 G・シモリ 5 B・スコウロン
6 S・バージェス 6 E・ハワード
7 D・ホーク 7 B・リチャードソン
8 B・マゼロスキー 8 T・クーベック
9 H・ハディックス 9 A・ディトマー
先発投手 投球 先発投手 投球
H・ハディックス A・ディトマー

第6戦 10月12日[編集]

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 1 5 0 0 2 2 2 0 12 17 1
ピッツバーグ・パイレーツ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 7 1
  1. : ホワイティー・フォード(2勝)  : ボブ・フレンド(2敗)  
  2. 審判:球審…ジョニー・スティーブンス(AL)、塁審…一塁: ビル・ジャッコウスキー(NL)、二塁: ネスター・チャイラク(AL)、三塁: ダスティ・ボーゲス(NL)、外審…左翼: スタン・ランズ(NL)、右翼: ジム・ホノチック(AL)
  3. 試合時間: 2時間38分 観客: 3万8580人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース ピッツバーグ・パイレーツ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 C・ボイヤー 1 B・バードン
2 T・クーベック 2 D・グロート
3 R・マリス 3 R・クレメンテ
4 M・マントル 4 D・スチュアート
5 Y・ベラ 5 G・シモリ
6 B・スコウロン 6 H・スミス
7 E・ハワード 7 D・ホーク
8 B・リチャードソン 8 B・マゼロスキー
9 W・フォード 9 B・フレンド
先発投手 投球 先発投手 投球
W・フォード B・フレンド

第7戦 10月13日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
ヨギ・ベラが6回表に3点本塁打を放ち、ヤンキースが5-4と逆転(50秒)
8回裏、ロベルト・クレメンテの適時内野安打でパイレーツが6-7と1点差に迫る(38秒)
クレメンテの次打者ハル・スミスに3点本塁打が出て、パイレーツが9-7と再逆転(1分10秒)
9回表、ミッキー・マントルの適時打でヤンキースが1点差に追い上げる(22秒)
ベラが一ゴロに倒れるも一塁走者マントルの好走塁で併殺を免れ、ヤンキースが土壇場で9-9の同点に追いつく(54秒)
9回裏、ビル・マゼロスキーのサヨナラ本塁打でパイレーツの優勝が決定(1分45秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 0 1 4 0 2 2 9 13 1
ピッツバーグ・パイレーツ 2 2 0 0 0 0 0 5 1x 10 11 0
  1. : ハービー・ハディックス(2勝)  : ラルフ・テリー(2敗)  
  2. :  NYY – ビル・スコウロン2号ソロ、ヨギ・ベラ1号3ラン  PIT – ロッキー・ネルソン1号2ラン、ハル・スミス1号3ラン、ビル・マゼロスキー2号ソロ
  3. 審判:球審…ビル・ジャッコウスキー(NL)、塁審…一塁: ネスター・チャイラク(AL)、二塁: ダスティ・ボーゲス(NL)、三塁: ジョニー・スティーブンス(AL)、外審…左翼: スタン・ランズ(NL)、右翼: ジム・ホノチック(AL)
  4. 試合時間: 2時間36分 観客: 3万6683人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース ピッツバーグ・パイレーツ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・リチャードソン 1 B・バードン
2 T・クーベック 2 D・グロート
3 R・マリス 3 B・スキナー
4 M・マントル 4 R・ネルソン
5 Y・ベラ 5 R・クレメンテ
6 B・スコウロン 6 S・バージェス
7 J・ブランチャード 7 D・ホーク
8 C・ボイヤー 8 B・マゼロスキー
9 B・ターリー 9 V・ロー
先発投手 投球 先発投手 投球
B・ターリー V・ロー

評価[編集]

ハードボール・タイムズ』のクリス・ジャフは2011年10月、歴代のポストシーズン各シリーズについて、面白さの数値化を試みた。「1点差試合は3ポイント、1-0の試合ならさらに1ポイント」「サヨナラゲームは10ポイント、サヨナラが本塁打によるものならさらに5ポイント」「7試合制のシリーズが最終戦までもつれれば15ポイント」などというように、試合経過やシリーズの展開が一定の条件を満たすのに応じてポイントを付与することで、主観的ではなく定量的な評価を行った。その結果、今シリーズは84.5ポイントを獲得した。2011年リーグ優勝決定戦まで計262シリーズの平均45ポイントを上回っており、また1960年代10年間では最高の数字だった[6]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ワールドシリーズ優勝決定サヨナラ本塁打は、33年後の1993年トロント・ブルージェイズジョー・カーターが史上2本目を放っている。ただしカーターのはマゼロスキーと異なり、第6戦で記録されたものだった。
  2. ^ a b c d MLBにおいてセーブが公式記録となったのは1969年のことである。そのため、今シリーズでのセーブは参考記録である。

出典[編集]

  1. ^ a b "World Series Gate Receipts," Baseball Almanac. 2018年12月2日閲覧。
  2. ^ Richard Sandomir, "In Bing Crosby’s Wine Cellar, Vintage Baseball," The New York Times, September 23, 2010. 2018年12月2日閲覧。
  3. ^ AP, "Smith’s Homer Vs. Yankees Was Series’ Biggest – Briefly," CBS New York, October 11, 2010. 2018年12月2日閲覧。
  4. ^ Matt Snyder, "A look at all 15 walk-off home runs in World Series history," CBSSports.com, October 18, 2013. 2018年12月9日閲覧。
  5. ^ Gregor Chisholm, "After two decades, Carter's homer resonates / World Series-winning drive, just the second of its kind, hasn't faded into history," MLB.com, October 21, 2013. 2018年12月9日閲覧。
  6. ^ Chris Jaffe, "The top ten postseason series of all-time," The Hardball Times, October 24, 2011. 2018年12月9日閲覧。

外部リンク[編集]