1976年のワールドシリーズは、1976年10月16日から10月21日まで行われたメジャーリーグのワールドシリーズである。
第73回ワールドシリーズ。アメリカンリーグは西地区の覇者カンザスシティ・ロイヤルズを破り1964年以来12年ぶりの出場のニューヨーク・ヤンキース。ナショナルリーグは東地区の覇者フィラデルフィア・フィリーズを破りワールドシリーズ2連覇を狙うシンシナティ・レッズとの対戦となった。結果は4勝0敗でシンシナティ・レッズが2年連続4回目の優勝。
MVPは打率.533(15打数8安打)、2本塁打、6打点の成績をあげたジョニー・ベンチが初選出。同じ捕手のヤンキースのサーマン・マンソンも打率.529(17打数9安打)と活躍したが、この年初めてワールドシリーズで採用された指名打者において、レッズ(4試合ともダン・ドリーセン)の14打数5安打に対しヤンキース(ルー・ピネラ、カルロス・メイほか日替わり)が16打数で1安打と低迷。レッズは4試合ともメンバー・打順・守備位置が全て同じ野手9人のみの出場で4本塁打、7盗塁だったのに対しヤンキースは本塁打、盗塁ともに1と振るわず、攻撃力の差が明暗を分けた。
試合結果[編集]
表中のRは得点、Hは安打、Eは失策を示す。日付は現地時間。
第1戦 10月16日[編集]
チーム |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
H |
E |
ヤンキース |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
5 |
1 |
レッズ |
1 |
0 |
1 |
0 |
0 |
1 |
2 |
0 |
X |
5 |
10 |
1 |
- 勝: ドン・ガレット (1-0) 敗: ドイル・アレクサンダー (0-1)
- 本: CIN – ジョー・モーガン1号ソロ(1回アレクサンダー)
- 観客動員数: 54,826人 試合時間: 2時間10分
- レッズは初回にモーガンのソロで先制。直後の2回にヤンキースはグレイグ・ネトルズの犠飛で追いつくが、3回裏レッズは3塁打のデーブ・コンセプシオンをピート・ローズが中堅への犠飛で返し再び勝ち越し。6回裏にトニー・ペレスの適時打で2点差とすると、続く7回裏には左前打で出塁したジョージ・フォスターを続くベンチが右翼への3塁打で返しヤンキース先発アレクサンダーをKO。さらに代わったスパーキー・ライルがシーザー・ジェロニモの打席で暴投し、ベンチが生還し5-1。レッズは先発ガレットから8回途中ペドロ・ボーボンにつなぎ、ヤンキースの反撃を断ち第1戦に快勝。
第2戦 10月17日[編集]
チーム |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
H |
E |
ヤンキース |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
2 |
0 |
0 |
3 |
9 |
1 |
レッズ |
0 |
3 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
4 |
10 |
0 |
- 勝: ジャック・ビリンガム (1-0) 敗: キャットフィッシュ・ハンター (0-1)
- 観客動員数: 54,816人 試合時間: 2時間33分
- レッズは2回、2塁打で出塁のドリーセンがフォスターの適時打で生還し先制。1死後ベンチが2塁打、続くジェロニモが歩き1、2塁からコンセプシオンが右中間に適時打を放ち、ベンチが生還し2点目。さらにコンセプシオンが2盗、ローズが歩き1死満塁とするとケン・グリフィーが中堅に犠飛を放ち3点目。3点を追うヤンキースは4回表にネトルズの適時打で1点を返すと、7回表には先頭のウィリー・ランドルフが中前打で出塁、続くフレッド・スタンリーが左翼線に2塁打を放ちランドルフが生還し1点差。1死後ロイ・ホワイトの左前打で1、3塁となったところでレッズは先発フレッド・ノーマンからビリンガムに交代するが、続くサーマン・マンソンの2ゴロ封殺の間にスタンリーが生還しついに同点。ヤンキース先発ハンターは9回もマウンドに立ったが、2死後グリフィーの遊ゴロを遊撃手スタンリーが悪送球しグリフィーは2塁へ。モーガンが敬遠で歩き1、2塁とすると、続くペレスの左前打でグリフィーが生還しサヨナラ、レッズはホームで連勝。
第3戦 10月19日[編集]
- 連勝で敵地に乗り込んだレッズの勢いは衰えず、2回表、2塁内野安打と2盗のドリーセンをフォスターの右中間へのグラウンドルールダブルで返しまず1点。続くベンチの2塁内野安打で無死1、3塁となり、ジェロニモの遊ゴロ併殺崩れの間にフォスターが生還し2点目、さらに盗塁で2塁に進んだジェロニモをコンセプシオンが左前打で返し3-0。4回表にはドリーセンのソロで4点差となる。ヤンキースはその裏、オスカー・ギャンブルの適時打で1点を返すと、7回裏にはメイソンのソロで2点差、さらに2死1、2塁と反撃するが、先発ザクリーをリリーフしたマカネニーに後続を断たれる。直後の8回表にレッズはモーガンとフォスターの適時打で2点を加え勝負あり。ヤンキースは9回裏に2死1、2塁と最後の抵抗を見せるも4番クリス・チャンブリスが左飛に倒れ、レッズが早くも連覇に王手。
第4戦 10月21日[編集]
- 後がないヤンキースは1回にチャンブリスの2塁打でマンソンが一塁から長駆生還しこのシリーズで初めて先制、3回にも2死満塁のチャンスを迎えるが5番DHメイが左直に倒れ3者残塁。すると直後の4回、レッズはモーガンが四球と盗塁で2塁に進むと2死後フォスターの左前打で生還し同点、さらに続くベンチが左翼ポール直撃の2ランを放ち3-1と逆転。ヤンキースも5回にマンソンの中前打で1点差に追い上げるが、その後は毎回走者を出しながら9残塁で追いつくことができず、1点差のまま9回へ。9回表、レッズは先頭のペレスが四球のあと、続くドリーセンの打席で先発フィゲロアが暴投しペレスは2塁へ。この直後、ヤンキース監督のマーチンが一塁塁審のブルース・フローミングと口論の末退場処分となる一幕があった。結局ドリーセンも四球で歩き無死1、2塁となり、監督代行のヨギ・ベラはフィゲロアに代わりディック・ティドローを投入。1死1、3塁で打席に入ったベンチは初球を叩くと、打球は塀際でジャンプした左翼手ホワイトのグラブを僅かに越えてスタンドに入る決定的な3ラン。さらにジェロニモが右翼線、続くコンセプシオンが左翼線に放ったゴロの打球をいずれも観客が取ってしまい(判定はいずれもグラウンドルールダブル)とどめの1点が入った。9回裏、戦意喪失のヤンキースはマカネニーの前にあえなく2死となると、最後はホワイトが左飛に倒れゲームセット。当時最強と謳われた「ビッグレッドマシン」はNLCSに続きヤンキースも4連勝で一蹴しLCS導入以降初のポストシーズン全勝を果たし、ナショナルリーグの球団としては1922年のニューヨーク・ジャイアンツ以来2球団目となるワールドシリーズ連覇を達成した。
参考文献[編集]
シンシナティ・レッズ |
球団 |
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歴代本拠地 |
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永久欠番 |
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レッズ球団殿堂 |
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ワールドシリーズ優勝(5回) |
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ワールドシリーズ敗退(4回) |
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リーグ優勝(9回) |
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できごと |
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傘下マイナーチーム |
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ニューヨーク・ヤンキース |
フランチャイズ |
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歴代本拠地 |
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永久欠番 |
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ワールドシリーズ優勝 (27) |
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ワールドシリーズ敗退 (13) |
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リーグ優勝 (40) |
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できごと |
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傘下マイナーチーム |
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