チャンピオンリング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

チャンピオンリング (championship ring) はMLBNFLNBAなどのアメリカメジャースポーツやNCAAなどカレッジスポーツにおいてポストシーズンを制した球団が記念に製作する指輪のこと。近年は日本でもプロ野球、プロバスケットボール、アメリカンフットボール等で優勝記念品として制作される事例が増えている。

概要[編集]

球技などの団体戦に於いては、優勝チームに贈られるトロフィーやフラッグなどが「チーム」にひとつだけ授与される為、プレイヤー個人に贈られるチャンピオンズリング(Champions ring)は、選手にとっての誇りとプライドの最高の記念品となっている。ダーツやポーカー、ロディオなどの個人競技でもチャンピオンリングが作られる場合がある。

元々は北米で学業を卒業した際に贈られるカレッジリングがスポーツ界にも応用されたもので、記録達成などのものと合わせて「スポーツリング」と呼ぶ。

その年のチャンピオンシップ(ワールドシリーズスーパーボウルNBAファイナルなど)にロースター登録された選手のみならず、シーズン中にトレードされた選手や、レギュラーシーズン中に出場したもののリスト落ちした選手などにも与えられることが多い。コーチやチームスタッフ、フロントにまで与えられることもある。

近年は日本のプロスポーツでもチャンピオンリングを製作するようになってきた。

その製法と特徴[編集]

金型鋳造法によって、1個ずつハンドメイドで作られる。現代のジュエリー製造で主流の大量生産が前提の「ロストワックス製法」とは違う古典的な製法で、効率性や地金表面の繊細さには劣るが、以下のようにチャンピオンリングに適した製法である為。

チャンピオンリングでは、サイドパネルと呼ばれるリング側面彫刻に、選手個人名・背番号・シーズン中やプレーオフでの記録などを個人別に刻み込む為、全員がまったく同じデザインでは無い。チームスタッフやオーナー、スポンサーもチャンピオンリングが配分されるが、それらも選手とは別デザインとなっている。ファン向けに販売されるレプリカも別のデザインの場合がある。

「記録や文字を他人に見せる」為のリングなので、必然的に大型になる。14ゴールドが地金の主流だが、リングの総重量が50-80g程度がアメリカのチャンピオンリングでは標準的な重さである。また、ロストワックス製法では文字や模様が凹んで表現されるが、金型製法だと文字や模様が出っ張って強調され、且つロゴマークなどの再現性が高い。金型鋳造は硬貨や勲章等と同様な為、文字とマークを強調する事に適している為でもある。 また、ロストワックス製法では石膏を用いて鋳造する為、1個当り30gを越えるような重量のリングを複数個鋳造する事は、物理的に難しいとされる。

もうひとつの特徴に豪華なラインストーン使いがある。オーセンティック(選手・コーチ向けの非売品)では、ダイヤモンドなど宝石が使用され、レプリカ(ファン向け販売用)には人工石キュービックジルコニア)が使われ、1個のリングに50-100個近い小粒のラインストーンが付けられている。

2000年・2009年のニューヨーク・ヤンキースのチャンピオンズリングには、ロゴをあしらったエンブレムの下に見えないように、チームカラーに一番近いとされる板状のプルートパーズを敷き込むなど、手の込んだものもある。

北米[編集]

MLB[編集]

MLBでは機構やリーグが公式に製作や認定する訳ではなく、球団が製作する一種の記念品である。 あくまでも記念品であり、授与基準は各球団に任されている。だからといって価値が下がるという性質のものでもない。実際にチャンピオンリングを持っているというだけで人だかりができるほどであるという。また、球団は、同リングのレプリカをファンへも販売しており、ライセンスビジネスの重要な1アイテムとなっている。なおワールドシリーズでは敗れた球団で、リーグのチャンピオンリングが製作される場合もある[1]。大規模な授与式も行われ、多くの場合は優勝した翌年のシーズン最初のホーム戦の試合前に行われる。

もっとも多く所持しているのは元ニューヨーク・ヤンキースのキャッチャーヨギ・ベラで、その数は10個である。

MLBチャンピオンリングを所有している日本人


選手以外では、サンフランシスコ・ジャイアンツブルペン捕手を務める植松泰良と鍼灸トレーナーを務める小川波郎2010年2012年2014年に獲得している。

ワールドシリーズ・チャンピオンリング。左からヤンキース2000年・ヤンキース1999年・エンジェルズ2002年・マーリンズ1997年。

NFL[編集]

スティーラーズのスーパーボウル・リング。2006年の第40回を制した際のもの

NFLでは、「スーパーボウル・リングSuper Bowl ring)」と呼ばれる。プレーオフを勝ち抜いた優勝チームに機構から1個あたり5,000米ドル×150個分までの「スーパーボウル・リング用賞金」が支給され、各チーム毎に工夫を凝らしたチャンピオンリングを製作している。

なお、敗者チームにも150個分までのリング制作費用が支給されるが、制限事項として1個当たりの価格が勝者チームの半分以下となるように定められており[2]、この費用を用いてカンファレンスチャンピオンリングが製作され、スーパーボウルリングと同様に選手や関係者に授与される。

作られたスーパーボウル・リングの授与式は、翌シーズン最初のホームゲームやファンミーティングなどの際に行われ、ホームのファン達の目の前で昨年の優勝ロースター(選手)やチーム関係者達に授与、栄誉を祝福される重要なセレモニーとなっている。その大規模さと派手さ、スタジアムの興奮度合いはさすがにアメリカのプロスポーツで1番人気を誇るだけあって、MLB、NBAのチャンピオンリングセレモニーの比では無いと言われる。

スーパーボウル・リングを最も多く所持しているのは、ニール・ダーレンで、サンフランシスコ・フォーティナイナーズで5個(選手及びスタッフとして)、デンバー・ブロンコスで2個(GMとして)の計7個。

スーパーボウル・リングを獲得した日本人

2006年にピッツバーグ・スティーラーズのトレーナー磯有理子が日本人として初めて獲得したが、職業上の理由により代わりにペンダントとして授与された。

NBA[編集]

NBAでは、チャンピオンリングの製作段階まで機構が関与。プレーオフで優勝した球団に対し、翌シーズン最初のホームゲームでコミッショナーから贈呈される。

NBAチャンピオンリングを最も多く所持しているのはビル・ラッセルの11個である。

日本[編集]

プロ野球[編集]

日本プロ野球 (NPB) において日本一となった球団がチャンピオンリングを制作する事がある(2005年千葉ロッテマリーンズ2007年中日ドラゴンズ2009年2012年読売ジャイアンツ2011年2014年2015年福岡ソフトバンクホークスなど)。

ワールドベースボールクラシック[編集]

  • 第1回WBC日本チーム優勝の際に、日本プロフェッショナル野球組織 (NPB) が選手・監督に与えるチャンピオンリングを銀座天賞堂に注文した。
  • 第2回WBC日本2連覇を記念して、WBCの日本ライセンス会社から公式商品としてチャンピオンリングが発売された。

プロバスケットボール[編集]

日本プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)では2008 - 09シーズンよりNBAに倣い、リーグ公式リングサプライヤーより優勝した球団にチャンピオンリングを贈呈することになった。中心に「bj」ロゴを配して、シーズンの年号及び「CHAMPIONS」の文字で周囲を飾るデザインとなっている。選手・コーチ・スタッフのみならずブースター向けにも限定販売される。贈呈式は翌シーズン開幕前のプレシーズンで行われる。同シーズンチャンピオンとなった琉球ゴールデンキングスが初代チャンピオンリング獲得球団となった。それまでの3シーズンはペンダントを贈呈していた。それ以降、bjリーグがNBLと統合される2016年までに、琉球が最多の4回、浜松・東三河フェニックスが3回、横浜ビー・コルセアーズが1回、獲得した。

一方、日本バスケットボールリーグでは、リーグでのチャンピオンリング贈呈は行われていないが、2010年にプロチームであるリンク栃木ブレックスが初優勝を記念してチャンピオンリングを制作した。後身たるNBL発足後、リーグより優勝チームにチャンピオンリングが贈呈されることが制度化され、東芝ブレイブサンダース神奈川(2013-14、2015-16シーズン)、アイシンシーホース三河(2014-15シーズン)が獲得している。

bjリーグとNBLの統合により誕生したBリーグでもチャンピオンリングは贈呈されており、栃木ブレックスが最初に獲得している。

Wリーグでも制作するチームは存在する。

アメリカンフットボール[編集]

アメリカンフットボールは、日本のアマチュアスポーツの中で最もチャンピオンリングが盛んな競技である。ライスボウル甲子園ボウルの優勝チームは、ほぼ必ずと言っていいほどチャンピオンリングを製作している。オービックシーガルズ鹿島ディアーズ、学生チームでは関西学院大学ファイターズ日本大学フェニックス立命館大学パンサーズなどの強豪チームの優勝時在籍選手達は、ほとんどが所有していると言われる。

大相撲[編集]

第68代横綱朝青龍明徳は2010年の引退相撲にてタニマチよりチャンピオンリングが贈呈された[3]

脚注[編集]

  1. ^ 『SHINJO 夢をありがとう―新庄剛志と過ごしたアメリカ滞在記・北海道観戦記』 小島克典 (廣済堂出版 2007年3月) 159p - 161p
  2. ^ NFL JAPAN 4.スーパーボウル・リング
  3. ^ 第68代横綱 朝青龍チャンピオンリング

関連項目[編集]