ジェイソン・ヘイワード

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ジェイソン・ヘイワード
Jason Heyward
シカゴ・カブス #22
Jason Heyward.jpg
ブレーブス時代(2011年2月28日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ニュージャージー州リッジウッド英語版
生年月日 (1989-08-09) 1989年8月9日(28歳)
身長
体重
6' 5" =約195.6 cm
240 lb =約108.9 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 外野手(主に右翼手
プロ入り 2007年 ドラフト1巡目(全体14位)でアトランタ・ブレーブスから指名
初出場 2010年4月5日シカゴ・カブス
年俸 $17,500,000(2016年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
2010年4月5日、メジャー初打席初本塁打を放ったヘイワード

ジェイソン・A・ヘイワードJason A. Heyward, 1989年8月9日 - )は、アメリカ合衆国ニュージャージー州リッジウッド英語版出身のプロ野球選手右翼手)。MLBシカゴ・カブスに所属。

ニックネームは、名前を短縮して「J-Hay(ジェイヘイ)」。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

1989年ニュージャージー州リッジウッド英語版で生まれ、2歳の時にジョージア州マクダナーへ移り住む。5歳から野球を始めたが、アメリカンフットボールは「危険なスポーツ」であるという理由で、両親が一度もプレーさせなかった[2]アトランタ・ブレーブスのファンとして育ったが、憧れていた選手はケン・グリフィー・ジュニアデレク・ジーターだった[3]。地元のヘンリー・カウンティ高校英語版では一塁手として活躍し、オールアメリカンに選出された[4]。卒業後はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)への進学が決まっていた[3]

プロ入りとブレーブス時代[編集]

2007年MLBドラフト1巡目(全体14位)でブレーブスから指名を受け、契約金170万ドルでプロ入りした。

入団当初から期待は大きく、1年目から「ベースボール・アメリカ」の球団内プロスペクトランキングで3位に入った。2008年はA級ローム・ブレーブス英語版からスタートし、120試合で打率.323、11本塁打OPS.873を記録。シーズン終盤にA+級マートルビーチ・ペリカンズ英語版へ昇格した。この頃には既にマイナーリーグ全体でもトップクラスの有望株として評価されるようになり、大リーグ公式サイト選定のプロスペクトTOP50で3位に入った[5]

2009年は、19歳にして早くもメジャーのスプリングトレーニングに招待選手として参加。紅白戦では川上憲伸から特大の本塁打を放ち、「まだ19歳だなんて信じられない」と言わしめた[6]。シーズンはA+級マートルビーチからスタートし、49試合で打率.296・OPS.888の好成績を残してAA級ミシシッピ・ブレーブスに昇格。AA級ミシシッピでは47試合で打率.352・OPS1.057と打ちまくり、シーズン終盤にはAAA級グウィネット・ブレーブスに昇格した。7月には、マイナーリーグのオールスター「フューチャーズゲーム」にアメリカ合衆国代表として出場した[7]。シーズン終了後には、大リーグ公式サイトのプロスペクトTOP50で、スティーブン・ストラスバーグらを抑え1位に選ばれた[8]。また、ベースボール・アメリカUSAトゥデイ選定のマイナー年間最優秀選手賞を受賞した[3]

2010年はスプリングトレーニングで好成績を残し、開幕をメジャーで迎える。「7番・右翼」で出場したシカゴ・カブスとの開幕戦では、第1打席にカルロス・ザンブラーノから135メートルの特大3点本塁打を放ち、初打席初本塁打でデビューを飾り、ターナー・フィールドに詰めかけた5万3081人の大観衆を熱狂させた。4月には打率.240ながらも6本塁打・19打点の成績を残し、ア・リーグのオースティン・ジャクソンと共に月間最優秀新人に選ばれている[9][10]。7月にはオールスター選出も果たしたが、故障のため出場はできなかった。最終的な成績は打率.277、18本塁打、72打点、OPS.849で、新人王の投票ではバスター・ポージーに次ぐ2位に入った。91個の四球を選び、新人ながら卓越した選球眼を発揮した。また、ベースボール・アメリカ選定の最優秀新人に輝いた[11]

2011年は2年連続で開幕戦初打席での本塁打を記録。開幕戦でメジャー初打席初本塁打を記録し、翌年の開幕戦第1打席でも本塁打を放った選手は、2004年2005年松井稼頭央以来史上2人目である[12]2年目のジンクスにはまり、成績を大きく落としてしまった。

2012年三振が大きく増えたが、その分長打も増加し、自己最多の27本塁打を放った。守備でも全右翼手中トップのUZR+22.1、ジョシュ・レディックに次いで全右翼手中2位のDRS+20と大きく貢献し、ゴールドグラブ賞(右翼手部門)とフィールディング・バイブル・アワードを初受賞した[13]

2014年2月4日にブレーブスと総額1330万ドル+出来高の2年契約に合意した[14][15]。2年振りにゴールドグラブ賞を受賞した。

カージナルス時代[編集]

2014年11月17日シェルビー・ミラータイレル・ジェンキンスとのトレードで、ジョーダン・ウォルデンとともにセントルイス・カージナルスへ移籍した[16]

2015年は、8月4日以降プレーオフを含め全試合で3番ないし4番に座り[17]、自己最高となる打率.293をマークした。守備面では主に右翼(144試合)に就いたが、中堅も10試合守った。本職の右翼守備では、全右翼手中トップのDRS + 22を記録、センターでもDRS + 2を記録と、相変わらずのハイレベルな守備を披露し、2年連続3回目のゴールドグラブ賞フィールディング・バイブル・アワードの受賞を果たした。また、走塁面でも23盗塁に対して3盗塁死に留め、盗塁成功率はナショナルリーグ1位の88.5%を記録した。11月2日にFAとなった[18]

カブス時代[編集]

2015年12月15日、シカゴ・カブスと8年総額1億8400万ドルで契約した[19]

2016年はCFで自己最多となる24試合の出場を含む142試合に出場。CFと本職RFの合計でDRS+18、UZR20.4と例年通りの高い守備力を示し、3年連続4回目となるゴールドグラブ賞を受賞。

プレースタイル[編集]

抜群の身体能力を誇る超有望株。既にケン・グリフィー・ジュニアと比較する声も上がっており[20]、将来のブレーブスを背負うスーパースターになることは確実視されていた[21]。走攻守の全てにおいて秀でた5ツールプレーヤーであり、順調に育てば、デーブ・ウィンフィールドデーブ・パーカーのようなオールスター級の右翼手になると期待されている[8]チッパー・ジョーンズボビー・コックス監督は、ヘイワードをフレッド・マグリフと比較している[21][22]。左打者であるが、マイナーでの対左投手通算打率は.335で、対右投手の.312を上回っている[8]

特筆[編集]

両親は共に名門ダートマス大学の出身。大学バスケットの選手としても活躍した父はITT Corporation社の技術者電子工学)、母はGeorgia Power社のシステムアナリストであり、叔父はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でNCAA男子バスケットボールトーナメント優勝の経験を持つ。6歳下の弟が1人いる[22]

アトランタでは黒人(アフリカ系アメリカ人)が人口の6割を占めており、地元出身かつ黒人のスーパースター候補であるヘイワードへの期待は非常に大きい。メジャーでも屈指の人気球団であるブレーブスだが、現在は黒人のスター選手を欠いており、黒人コミュニティからの人気は高くない。黒人QBマイケル・ヴィックの登場でNFLアトランタ・ファルコンズの人気が沸騰したように、アトランタ市内でのブレーブス人気向上の起爆剤として、ヘイワードに大きな期待が集まっている。また、黒人のメジャーリーガーが減少傾向にあるという全米規模の事情もあり、ヘイワードの登場でその流れが変わることが期待されていた[23]

2016年ワールドシリーズ第7戦雨天中断時のヘイワードのスピーチ

”You know what,whatever’s happened up to this point in the game,we’ve got to forget about it.It’s over.We’re still the best team.We’re going to pull this thing out.We’re going to win this game.”は、インディアンスに傾きかけた流れを変えたとされる。

「あの言葉で全員がリラックスできた。雨で中断がなかったら負けていた」(ベン・ゾブリスト)[24]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2010 ATL 142 623 520 83 144 29 5 18 237 72 11 6 0 2 91 2 10 128 13 .277 .393 .456 .849
2011 128 456 396 50 90 18 2 14 154 42 9 2 0 3 51 4 4 93 7 .227 .319 .389 .708
2012 158 651 587 93 158 30 6 27 281 82 21 8 0 3 58 1 2 152 4 .269 .335 .479 .814
2013 104 440 382 67 97 22 1 14 163 38 2 4 1 0 48 1 8 73 7 .254 .349 .427 .776
2014 149 649 573 74 155 26 3 11 220 58 20 4 0 3 67 3 6 98 2 .271 .351 .384 .735
2015 STL 154 610 547 79 160 33 4 13 240 60 23 3 0 3 56 4 2 90 13 .293 .359 .439 .797
2016 CHC 142 592 530 61 122 27 1 7 172 49 11 4 1 2 54 0 5 93 12 .230 .306 .325 .631
通算:7年 977 4021 3535 507 926 185 22 104 1467 401 97 31 2 16 425 15 37 727 58 .262 .346 .415 .761
  • 2016年度シーズン終了時

獲得タイトル・表彰・記録[編集]

背番号[編集]

  • 22 (2010年 - )

脚注[編集]

  1. ^ Jason Heyward Contract, Salary Cap Details & Breakdowns” (英語). Spotrac.com. 2016年5月8日閲覧。
  2. ^ David O'Brien (2010年4月4日). “Heyward's dad told strapping son: No football” (英語). AtlaInta Journal Constitution. http://www.ajc.com/sports/atlanta-braves/heyward-s-dad-told-430406.html 2016年1月26日閲覧。 
  3. ^ a b c “Chat with Jason Heyward” (英語). SportsNation. ESPN. (2010年2月14日) 
  4. ^ Roster - AFLAC All-American High School Baseball Classic”. 2006年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月26日閲覧。
  5. ^ Jason Heyward Top 50 Prospects Profile” (英語). MLB.com. 2016年1月26日閲覧。
  6. ^ “川上、紅白戦で19歳トリオのパワーに脱帽”. ライブドアニュース. USA通信 (ライブドア). (2009年3月10日). http://news.livedoor.com/article/detail/4054047/ 2016年1月26日閲覧。 
  7. ^ “U.S. roster for Futures Game” (英語). ESPN. (2009年7月2日). http://sports.espn.go.com/mlb/allstar09/news/story?id=4301719 2016年1月26日閲覧。 
  8. ^ a b c 2010 Top 50 Prospects | Top 50 Prospects: No. 1 - Jason Heyward, OF, ATL - Video” (英語). MLB.com (2010年1月28日). 2016年1月26日閲覧。
  9. ^ Mark Bradley (2010年4月5日). “With one big-league swing, Jason Heyward makes a memory” (英語). Atlanta Journal Constitution. http://blogs.ajc.com/mark-bradley-blog/2010/04/05/with-one-big-league-swing-jason-heyward-makes-a-memory/ 2016年1月26日閲覧。 
  10. ^ Heyward hits a three-run home run. MLB.com.. (2010年4月6日). http://m.mlb.com/video/v7282459/chcatl-heyward-hits-threerun-homer-in-first-atbat 2016年1月26日閲覧。 
  11. ^ David O'Brien (2010年10月19日). “2010 Rookie Of The Year” (英語). BaseballAmerica. 2016年1月26日閲覧。
  12. ^ Jason Heyward Loves Opening Day!” (英語). The Hall of Very Good (2011年3月31日). 2011年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月26日閲覧。
  13. ^ Archived Stat of the Week” (英語). ACTA Sports (2012年10月25日). 2012年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月26日閲覧。
  14. ^ “Braves Agree to Terms with Outfielder Jason Heyward on Two-Year Contract” (英語) (プレスリリース), MLB.com (Atlanta Braves), (2014年2月4日), http://m.braves.mlb.com/news/article/67434312 2016年1月26日閲覧。 
  15. ^ Mark Bowman (2014年2月4日). “Freeman, Heyward sign; $130M for first baseman?”. MLB.com. 2016年1月26日閲覧。
  16. ^ Mark Bowman (2014年11月17日). “Braves acquire Miller, send Heyward, Walden to Cards” (英語). MLB.com. 2016年1月26日閲覧。
  17. ^ http://www.fangraphs.com/statsd.aspx?playerid=4940&position=OF&type=&gds=&gde=&season=2015
  18. ^ Transactions | cardinals.com” (英語). MLB.com (2015年11月2日). 2015年11月3日閲覧。
  19. ^ Cash Kruth (2015年12月5日). “J-Hey officially joins Cubs' young core” (英語). MLB.com. 2016年1月26日閲覧。
  20. ^ 芝山幹郎 (2010年4月11日). “ヘイワードとグリフィーJr.。~鮮烈デビューの大物ルーキー~”. Sports Graphic Number Web. 文藝春秋. 2016年1月26日閲覧。
  21. ^ a b David O'Brien (2010年2月14日). “Chipper compares prospect Heyward to McGriff” (英語). The Atlanta Journal-Constitution. http://www.ajc.com/news/sports/baseball/chipper-compares-prospect-heyward-to-mcgriff/nQcW4/ 2016年1月26日閲覧。 
  22. ^ a b Peter Gammons (2010年3月9日). “Gammons: Heyward works hard to play hard”. MLB.com. 2016年1月26日閲覧。
  23. ^ In Atlanta, Jason Heyward is the new face of the future (cont.)” (英語). Sports Illustrated (2009年9月16日). 2009年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月26日閲覧。
  24. ^ http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20161114/bbl1611140830001-n2.htm

外部リンク[編集]