マット・ケンプ

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マット・ケンプ
Matt Kemp
ロサンゼルス・ドジャース #27
Matt Kemp 2016.jpg
サンディエゴ・パドレス時代
(2016年6月22日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 オクラホマ州オクラホマ郡ミッドウェスト・シティ英語版
生年月日 (1984-09-23) 1984年9月23日(33歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手
プロ入り 2003年 MLBドラフト6巡目(全体181位)でロサンゼルス・ドジャースから指名
初出場 2006年5月28日 ワシントン・ナショナルズ
年俸 $21,750,000(2018年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

マシュー・ライアン・ケンプMatthew Ryan Kemp, 1984年9月23日 - )は、アメリカ合衆国オクラホマ州オクラホマ郡ミッドウェスト・シティ英語版出身のプロ野球選手外野手)。MLBロサンゼルス・ドジャース所属。愛称は「The Bison」(ザ・バイソン)。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

オクラホマ州のミッドウェスト・シティ高等学校英語版時代には野球バスケットボールの両方で頭角を現す[2]。高校時代のバスケットボールチームのチームメイトには、NBAボストン・セルティックスに所属するシェルデン・ウィリアムスがいた。

プロ入りとドジャース時代[編集]

2003年MLBドラフト6巡目(全体181位)でロサンゼルス・ドジャースから指名され、6月5日に契約。

2006年5月28日ワシントン・ナショナルズ戦でメジャーデビュー。メジャー初安打を記録した。同年7月1日ドジャー・スタジアムでのフィラデルフィア・フィリーズ戦で、ガビン・フロイドからメジャー初本塁打を放つと、翌日、翌々日の試合でも本塁打を放ち、メジャー昇格後10日で4本塁打という鮮烈なデビューを飾った。これは球団史上初、メジャーリーグ全体でも史上5人目の快挙であった[3]。その後、一旦は傘下のAAA級ラスベガス・フィフティワンズに降格するも、9月1日ロースター拡大後は再びメジャーに昇格。最終的に打率.253・7本塁打・23打点・6盗塁という成績を残す[4]

2007年は開幕をメジャーで迎えるが、4月9日コロラド・ロッキーズ戦で、打球を追ってドジャースタジアムのフェンスに激突するというアクシデントによる負傷で故障者リスト入り[3]。怪我から復帰後は、AAA級ラスベガスでの調整を経て6月8日にメジャーに復帰[3]。その後は好調を維持し、最終的に98試合の出場ながら打率.342という好成績を残す。また、本塁打、盗塁も初めて二桁に到達した[4]

2008年は当初右翼のレギュラーとして期待されていたが、アンドリュー・ジョーンズの故障もあって中堅に回る。4月28日-5月4日の週間MVPにも選ばれ[3]、完全にレギュラーの地位を確保した。6月3日のロッキーズ戦で、相手捕手のヨービット・トレアルバと乱闘騒ぎを起こして退場処分となり、4試合の出場停止処分を受けた[5]事もあったが、最終的には155試合に出場し、打率.290・18本塁打・76打点・35盗塁の好成績を収めた[4]

2009年は、自己ベストのシーズンを送った。出場試合数159を含めて、得点・安打・三塁打・本塁打・四球・打率・出塁率・長打率・死球・犠飛などの各部門で前年を上回る数字を残し、逆に盗塁死・三振をどちらも減少させた[4]。特に本塁打と打点はそれぞれ、25本・100打点のラインをクリアした[4]。シーズン終了後のMVP投票では10位にランクイン[6]し、11月11日ゴールドグラブ賞[7]、11月12日にシルバースラッガー賞を受賞した[8]

2010年は全162試合にフル出場し、自己ベストを更新する28本塁打を記録したが、打率2割5分、打点90をクリアできなかった[4]。また、盗塁では成功19に対して失敗が15と、盗塁成功率が大幅に低下し、自己ワーストの170三振を喫した[4]

2011年は、前年とは大きく変わって、好成績を収めた。この年は初めてオールスターゲームに選出された。9月26日には9月3週目の週間MVPに選出された[9]。惜しくも三冠王は逃したものの、本塁打王打点王と二冠を達成し、3割・40本・40盗塁まであと1本塁打に迫った。11月2日に自身2度目のゴールドグラブ賞[10]、同じく2度目のシルバースラッガー賞を受賞[11]し、10月24日に自身初のハンク・アーロン賞を受賞[12]11月4日にはプレイヤーズ・チョイス・アワーズの優秀選手賞を受賞した[13]11月18日に8年1億6000万ドルでドジャースと契約延長。これはケビン・ブラウンの7年1億500万ドルを大きく上回る球団史上最高額であり、MLB全体でも史上7番目の大型契約となる[14]MVP投票ではライアン・ブラウンに次いで2位だったが、後にブラウンの禁止薬物使用が発覚するとブラウンのMVPは剥奪されるべきだと批判した[15]

2012年は、大型契約を結んだ後と言う事もあり大きな期待がかかった。期待通りに開幕から好調で本塁打を量産。しかし、5月30日ミルウォーキー・ブルワーズ戦で左ハムストリングを負傷し、翌日故障者リスト入りした[16]7月13日に復帰した[17]が、その後は調子を落とし、最終的には106試合の出場で打率.303・本塁打23本・打点69・9盗塁に終わった。

2013年7月21日のナショナルズ戦で左足首を捻挫。その後もプレーしていたが状態が悪化し、オフの10月21日に左足首を手術した。2014年シーズンの開幕には間に合う見込みと球団が発表した[18]

2014年3月19日に前年の手術の影響で15日間の故障者リスト入りし、開幕後の4月4日にリストから外れた。戦列復帰後、外野の3ポジションを転々としながら150試合に出場。打率.287・25本塁打・89打点という成績をマークし、それぞれ25本塁打・80打点のラインを3年ぶりにクリアした。一方で脚力が衰え、出場試合数がここ3年で最多だったにもかかわらず、成功率62%で8盗塁に終わった。オールスター以降に調子を上げ、64試合で打率.309・17本塁打・54打点と打ちまくり、本塁打と打点の多くを後半戦で稼いだ[19]

パドレス時代[編集]

2014年12月18日ヤズマニ・グランダルジョー・ウィーランドザック・エフリンとのトレードで、ティム・フェデロビッチと共にサンディエゴ・パドレスへ移籍した[20]

2015年8月14日のロッキーズ戦においてサイクル安打を達成した (自身だけでなく、チームとしても初のサイクル安打達成者であった) 。同じくこの年チームに加入したジャスティン・アップトンと共に打線の中軸に座り、154試合に出場し、リーグ4位の100打点を挙げた。

2016年もライトのレギュラーで100試合に出場し、打率.262・23本塁打・69打点・OPS0.774を記録。

ブレーブス時代[編集]

2016年7月30日にエクトル・オリベラとのトレードで、アトランタ・ブレーブスへ移籍した[21]。ブレーブス加入後はバッティングの調子が上がり、56試合で打率.280・12本塁打・39打点・1盗塁・OPS0.855という好成績をマーク。パドレスとの合算では、156試合の出場で打率.268・35本塁打・108打点・1盗塁を記録した。

2017年は119試合に出場し、打率.276、19本塁打、64打点を記録したが、リーグワーストの25併殺打を喫した。

ドジャース復帰[編集]

2017年12月16日スコット・カズミアーチャーリー・カルバーソンエイドリアン・ゴンザレス及び金銭とのトレードでドジャースへ復帰した[22]

プレースタイル・人物[編集]

193cm、102kgの巨漢ながら、アフリカ系アメリカ人選手の例に漏れず、高い身体能力を持ち、長打力、走力、守備力を併せ持つ次世代のスーパースター候補であった。特に走力があり、2011年シーズンは自己最多となる40盗塁をマークした。最大の欠点は選球眼の悪さで、毎年三振率が非常に高い。2008年シーズンは出場試合数とほぼ同じ153三振を喫し、2010年は170個の三振を喫した。一方で四球の数は少なく、出塁率もそれほど高くない。しかし、2007年シーズンには既定打席未到達ながら打率.342をマークするなど、ミート力も兼ね備えている。 2009年シーズンは打率3割、30本塁打、30盗塁に近い成績を残し、ドジャースの近未来の核であることを証明している。なお、その活躍が認められオールスターでは「最後の4人」に選出されるも本選出場を逃す(出場したのはフィリーズのシェーン・ビクトリーノ)。 2011年は四球の数も増加し.399と4割近い出塁率を記録。打率.324、本塁打39本、打点126、盗塁40個と活躍したことで オフに大型契約を結ぶなどスーパースターへの階段を一気に駆け上がった。

愛称のThe Bison(ザ・バイソン)は、メジャー昇格後2試合目となる2006年5月29日のブレーブス戦の4回、ケンプが二盗を決めた際に、テレビ放送で解説を務めていた往年の名投手ドン・サットンが「バッファローがダイヤモンドを駆け回っているようだ。」と表現したのが切っ掛けである。この表現は、ケンプの大柄な体格と相まって一気に浸透した。後に、“Buffero”(バッファロー)の愛称は北米でより一般に野牛を意味する“Bison”(バイソン)と改められた。 オクラホマ州出身だが、シーズンオフの間もロサンゼルスに居を構えている。

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2006 LAD 52 166 154 30 39 7 1 7 69 23 6 0 0 3 9 1 0 53 1 .253 .289 .448 .737
2007 98 311 292 47 100 12 5 10 152 42 10 5 0 3 16 0 0 66 6 .342 .373 .521 .894
2008 155 647 606 93 176 38 5 18 278 76 35 11 1 3 46 6 1 153 11 .290 .340 .459 .799
2009 159 667 606 97 180 25 7 26 297 101 34 8 0 6 52 6 3 139 14 .297 .352 .490 .842
2010 162 668 602 82 150 25 6 28 271 89 19 15 0 9 53 4 4 170 14 .249 .310 .450 .760
2011 161 689 602 115 195 33 4 39 353 126 40 11 0 7 74 24 6 159 16 .324 .399 .586 .986
2012 106 449 403 74 122 22 2 23 217 69 9 4 0 3 40 8 3 103 10 .303 .367 .538 .906
2013 73 290 263 35 71 15 0 6 104 33 9 0 0 3 22 3 2 76 11 .270 .328 .395 .723
2014 150 599 541 77 155 38 3 25 274 89 8 5 0 6 52 3 0 145 21 .287 .346 .506 .852
2015 SDP 154 648 596 80 158 31 3 23 264 100 12 2 0 8 39 0 5 147 17 .265 .312 .443 .775
2016 100 431 409 54 107 24 0 23 200 69 0 0 0 6 16 3 0 100 8 .262 .285 .489 .774
ATL 56 241 214 35 60 15 0 12 111 39 1 0 0 6 20 3 1 56 9 .280 .336 .519 .855
'16計 156 672 623 89 167 39 0 35 311 108 1 0 0 12 36 6 1 156 17 .268 .304 .499 .803
2017 115 467 438 47 121 23 1 19 203 64 0 2 0 1 27 5 0 99 25 .276 .318 .463 .781
通算:12年 1541 6283 5726 866 1634 308 37 259 2793 920 183 63 1 64 466 66 25 1466 163 .285 .338 .488 .826
  • 2017年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績[編集]



中堅(CF) 左翼(LF) 右翼(RF)




































2006 LAD 29 37 0 3 0 .925 11 18 1 1 1 .950 10 8 1 1 0 .900
2007 6 8 0 0 0 1.000 - 88 129 2 4 1 .970
2008 101 209 10 1 3 .995 - 63 97 6 2 0 .981
2009 158 367 14 2 4 .995 - 7 10 0 0 0 1.000
2010 158 330 3 5 2 .985 - -
2011 159 345 11 5 5 .986 - -
2012 105 208 7 1 1 .995 - -
2013 70 133 2 5 0 .964 - -
2014 41 75 1 4 0 .950 44 60 1 1 0 .984 59 92 5 2 2 .980
2015 SDP - - 149 269 10 8 2 .972
2016 - - 97 165 8 2 2 .989
ATL - 54 110 1 1 1 .991 -
'16計 - 54 110 1 1 1 .991 97 165 8 2 2 .989
2017 - 103 148 3 1 2 .993 -
通算 827 1712 48 26 15 .985 212 336 6 4 4 .988 473 770 32 19 7 .977

タイトル[編集]

表彰[編集]

記録[編集]

背番号[編集]

  • 27 (2006年 - )

脚注[編集]

  1. ^ Matt Kemp Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2016年6月22日閲覧。
  2. ^ Mike Baldwin (2012年4月2日). “Dodgers' Matt Kemp's choice to play baseball was the right one” (英語). NewsOK. 2017年12月18日閲覧。
  3. ^ a b c d MLB公式プロフィール参照。2017年12月18日閲覧
  4. ^ a b c d e f g Baseball-Reference参照。2017年12月18日閲覧
  5. ^ ドジャース・ケンプらに出場停止SANSPO.COM
  6. ^ Baseball Awards Voting for 2009” (英語). Baseball Reference. 2014年2月11日閲覧。
  7. ^ “Kemp and Hudson Capture Rawlings Gold Gloves” (英語) (プレスリリース), MLB.com (Los Angeles Dodgers), (2009年11月11日), http://losangeles.dodgers.mlb.com/news/press_releases/press_release.jsp?ymd=20091111&content_id=7653764&vkey=pr_la&fext=.jsp&c_id=la 2014年2月11日閲覧。 
  8. ^ “Ethier and Kemp win Silver Slugger Awards” (英語) (プレスリリース), MLB.com (Los Angeles Dodgers), (2009年11月12日), http://losangeles.dodgers.mlb.com/news/press_releases/press_release.jsp?ymd=20091112&content_id=7660672&vkey=pr_la&fext=.jsp&c_id=la 2014年2月11日閲覧。 
  9. ^ “Matt Kemp of the Los Angeles Dodgers named National League Player of the Week” (英語) (プレスリリース), MLB.com (Los Angeles Dodgers), (2011年9月26日), http://losangeles.dodgers.mlb.com/news/press_releases/press_release.jsp?ymd=20110926&content_id=25225052&vkey=pr_la&fext=.jsp&c_id=la 2014年2月11日閲覧。 
  10. ^ “Andre Ethier, Matt Kemp and Clayton Kershaw capture Rawlings Gold Gloves” (英語) (プレスリリース), MLB.com (Los Angeles Dodgers), (2011年11月2日), http://losangeles.dodgers.mlb.com/news/print.jsp?ymd=20111102&content_id=25866134&vkey=pr_la&c_id=la 2017年12月18日閲覧。 
  11. ^ “Matt Kemp wins second career Silver Slugger Award” (英語) (プレスリリース), MLB.com (Los Angeles Dodgers), (2011年11月2日), http://losangeles.dodgers.mlb.com/news/print.jsp?ymd=20111102&content_id=25877356&vkey=pr_la&c_id=la 2017年12月18日閲覧。 
  12. ^ “Jose Bautista, Matt Kemp Win the 2011 Hank Aaron Award” (英語) (プレスリリース), MLB.com (Los Angeles Dodgers), (2011年10月24日), http://losangeles.dodgers.mlb.com/news/press_releases/press_release.jsp?ymd=20111024&content_id=25776912&vkey=pr_la&fext=.jsp&c_id=la 2014年2月11日閲覧。 
  13. ^ “Matt Kemp And Clayton Kershaw Win Players Choice Awards For National League Outstanding Player/Pitcher” (英語) (プレスリリース), MLB.com (Los Angeles Dodgers), (2011年11月4日), http://losangeles.dodgers.mlb.com/news/print.jsp?ymd=20111104&content_id=25898696&vkey=pr_la&c_id=la 2017年12月18日閲覧。 
  14. ^ Ken Gurnick (2011年11月18日). “Dodgers finalize Kemp's eight-year deal” (英語). MLB.com. 2017年12月18日閲覧。
  15. ^ Matt Kemp thinks Ryan Braun should be stripped of 2011 MVP award” (英語) (2013年7月24日). 2016年1月11日閲覧。
  16. ^ “odgers place Kemp on disabled list; recall Castellanos” (英語) (プレスリリース), MLB.com (Los Angeles Dodgers), (2012年5月31日), http://losangeles.dodgers.mlb.com/news/print.jsp?ymd=20120531&content_id=32560558&vkey=pr_la&c_id=la 2017年12月18日閲覧。 
  17. ^ “Dodgers reinstate Matt Kemp and Andre Ethier from the DL, option Elian Herrera and Scott Van Slyke” (英語) (プレスリリース), MLB.com (Los Angeles Dodgers), (2012年7月13日), http://losangeles.dodgers.mlb.com/news/print.jsp?ymd=20120713&content_id=34889034&vkey=pr_la&c_id=la 2017年12月18日閲覧。 
  18. ^ Ken Gurnick (2013年9月22日). “Kemp undergoes ankle surgery; return uncertain” (英語). MLB.com. 2017年12月18日閲覧。
  19. ^ BASEBALL-REFERENCE.com Matt Kemp 2014 Batting Gamelog
  20. ^ “Padres acquire OF Matt Kemp, C Tim Federowicz and cash considerations in five-player trade with Los Angeles Dodgers” (英語) (プレスリリース), MLB.com (San Diego Padres), (2014年12月19日), http://m.padres.mlb.com/news/article/104465314/padres-acquire-of-matt-kemp-c-tim-federowicz-and-cash-in-trade-with-dodgers 2015年1月8日閲覧。 
  21. ^ パドレス、ブレーブスとのトレード成立 元二冠王M.ケンプ放出”. iSM. Yahoo! JAPAN (2016年7月31日). 2016年8月2日閲覧。
  22. ^ Braves & Dodgers complete 5-player trade” (英語). MLB.com (2017年12月16日). 2017年12月17日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]