アロルディス・チャップマン

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この名前は、スペイン語圏の人名慣習に従っています。第一姓(父方の)はチャップマン第二姓(母方の)はデラクルーズです。
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  • アロルディス・チャプマン
アロルディス・チャップマン
Aroldis Chapman
ニューヨーク・ヤンキース #54
Aroldis Chapman (27468479225).jpg
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国[1]
出身地 キューバの旗 キューバ
オルギン州オルギン
生年月日 (1988-02-28) 1988年2月28日(29歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 投左打
ポジション 投手
プロ入り 2010年 アマチュア・フリーエージェントとしてシンシナティ・レッズと契約
初出場 2010年8月31日 ミルウォーキー・ブルワーズ戦 
年俸 $15,000,000 (2017年)[2]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム キューバの旗 キューバ
WBC 2009年

アルベルティン・アロルディス・チャップマン・デラクルーズAlbertin Aroldis Chapman de la Cruz, 1988年2月28日[注釈 1] - )は、キューバ共和国オルギン州オギン出身のプロ野球選手投手)。左投左打。現在はMLBニューヨーク・ヤンキースに所属。メディアによってはチャプマンと表記されることもある[3][4][5][6][7]

MLB史上最速となる105.1 mph (169.1 km/h)の記録[8]を保持しギネス世界記録にも認定された。またMLBの速球ランキング上位はチャップマンが独占している。[9] 2014年7月11日にはリリーフとして歴代最高となる40試合連続奪三振を記録[10]記録は49試合まで伸ばした。2015年7月19日、史上最速通算500奪三振を達成。

経歴[編集]

キューバ時代[編集]

当初、ボクサー志望で、一塁手を経て投手へ転向するが、2005年ジュニア世代のリーグ戦の成績は2勝6敗・防御率4.27であった。

2005-06シーズンのセリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル出場。

2006-07シーズンには規定投球回数不足ながらリーグ最多奪三振のタイトルを記録した。

2007年7月に2007年パンアメリカン競技大会の野球キューバ代表に選出された。同大会では準優勝で銀メダルを受賞した。11月に第37回IBAFワールドカップのキューバ代表に選出される。同大会では大会最優秀左投手に選出された。

2009年3月にワールド・ベースボール・クラシックのキューバ代表に選出された[11]。第2ラウンドの日本戦で先発し、2回1/3を3失点で敗戦投手になる[12]。7月には第12回ワールドポート・トーナメントのキューバ代表に選出された。大会期間中にヨーロッパの小国アンドラ亡命した[13]

レッズ時代[編集]

レッズ時代 (2011年)

2010年1月10日シンシナティ・レッズと総額3025万ドルの6年契約を結んだ[14]。開幕はAAA級ルイビル・バッツで迎え、先発で起用されるも6月に0勝4敗・防御率5.84と不振に陥り、シーズン途中にクローザーへ転向。8月27日コロンバス・クリッパーズ戦で105mph(約169km/h)をマークした[15][注釈 2]8月31日にメジャーに昇格し、その日のミルウォーキー・ブルワーズ戦の8回にメジャー初登板。1回無安打、1奪三振、無失点でメジャーデビューを果たした。投球した8球のうち速球は6球で全て98mph(約158km/h)以上をマークし、最速は球場表示で102mph(約164km/h)を、テレビ中継では103mph(約166km/h)をマーク。翌日にはPITCHf/xで103.9mph(約167.2km/h)をマークし、ジョエル・ズマヤに次ぐ歴代2位の球速と公式に認定され[16]9月24日サンディエゴ・パドレス戦で史上最速となる105.1mph(約169.1km/h)を記録[17][注釈 3]。この時に打席に入っていたトニー・グウィン・ジュニアは「目の前を通り過ぎるまで見えなかった」とコメントした。

2011年4月18日ピッツバーグ・パイレーツ戦では、球場の表示で106mph(約170.6km/h)をマーク。しかし、テレビ中継の表示では105mph(約169km/h)、PITCHf/xでは102.4mph(約164.8km/h)と計時され、公式記録としては認定されなかった[18][19][20]。本人は「調子は良かった。でもスピードのことなんて気にしないで投げている」とコメントし、監督のダスティ・ベイカーは「彼は休み明け、106マイルを出しても不思議ではない」とコメントした[19]。この年の最高球速は103.4mph(約166.4km/h)[注釈 3]

2012年は開幕直後に抑えに回り、与四球率を前年よりも大幅に改善するなど38セーブを挙げた。この年の最高球速は102.7mph(約165.3km/h)[注釈 3]

2013年の最高球速は104.0mph(約167.4km/h)[注釈 3]

2014年1月28日にレッズと500万ドルの1年契約に合意した[21]スプリングトレーニング中の3月19日に行われたカンザスシティ・ロイヤルズ戦でサルバドール・ペレスの打球が顔面に直撃。翌日左目の手術を行い、投球練習までには10日から14日間かかり、実戦復帰には4週間から5週間かかる見込み[22]5月10日に故障者リストから外れた[23]。復帰後は例年どおりの調子を取り戻し、54試合に登板した。7月11日のパイレーツ戦で、リリーフとして歴代最高となる40試合連続奪三振を記録し、その後記録を49試合まで伸ばした。54イニングで106奪三振は、9イニングあたりの奪三振率は17.7であり、これは2012年にクレイグ・キンブレルが記録した16.7を上回り、歴代最高記録(50イニング以上が対象)である。この年の最高球速は103.8mph(約167.0km/h)[注釈 3]。また、シーズンを通してのフォーシームの平均球速が初めて100mphを超えた[注釈 3]

2015年7月19日、史上最速となる292イニングでの通算500奪三振を達成し、クレイグ・キンブレルが持っていた記録を更新した[24]

ヤンキース時代[編集]

2015年12月28日ケイレブ・コーザムエリック・ジャジーロ英語版ルーキー・デービス英語版トニー・レンダ英語版とのトレードで、ニューヨーク・ヤンキースへ移籍した[25]

2016年2月26日、前年オフに恋人に対して発砲8回と首を絞めたりしたなどのDVの容疑で開幕から30試合の出場停止となる処分を受けた[26]。4月30日にアメリカ合衆国市民権を取得[1]し、第4回WBCアメリカ合衆国代表選出を熱望していることを公表した[27]5月9日のロイヤルズ戦で復帰し、移籍後初登板。翌10日の同カードでは移籍後初セーブを挙げた[28]。チームでは7回を投げるデリン・ベタンセス、セットアッパーのアンドリュー・ミラー、抑えのチャップマンで勝ちパターンとして起用され、この3人をスリーコア[要出典]と呼称された。ヤンキースでは31試合の登板で20セーブ、防御率2.01の成績だった。

カブス時代[編集]

2016年7月25日アダム・ウォーレンら、マイナー選手3名とのトレードで、シカゴ・カブスへ移籍した[29]。カブスではヘクター・ロンドンが抑えを務めていたが、ロンドンはセットアッパーに配置転換され移籍後も抑えを務めた。移籍後は28試合で1勝1敗16セーブ、防御率1.01と好調を維持、シーズン通算では59試合で4勝1敗36セーブと5年連続30セーブを記録した。30試合の出場停止が響き、前年まで4年連続で達成していた100奪三振には届かなかった。ポストシーズンではサンフランシスコ・ジャイアンツとのディビジョンシリーズで4試合全てに登板。第3戦ではリードを守れず降板したが、それ以外ではセーブを挙げ、チームはリーグチャンピオンシップシリーズ進出を決めた。ロサンゼルス・ドジャースとのリーグチャンピオンシップシリーズでは4試合に登板。2点リードの8回無死満塁の場面で登板した第1戦では同点2点タイムリーを打たれセーブに失敗したが、それ以外の3試合では合計3回2/3をセーブこそつかなかったものの無失点に抑えた。クリーブランド・インディアンスとのワールドシリーズでは5試合に登板。1勝1セーブ、防御率3.52の成績だった。特に第5戦では1点リードの7回1死2塁の場面から登板し、2回2/3を無失点。4奪三振で締めてセーブを挙げた。11月3日にFAとなった[30]

ヤンキース復帰[編集]

2016年12月8日、ニューヨーク・ヤンキースと5年8600万ドルで契約に合意したと報じられ[31]、12月15日に正式に契約を結んだ[32]。これは救援投手としては史上最高額であった[33]

投球スタイル[編集]

スリークォーターから投げる最速105.1mph(約169.1km/h)・平均球速99-100mph(約159-161km/h)のフォーシームと平均87-88mph(約140-142km/h)のスライダーを9割超を占め、時折80mph台後半のチェンジアップを投げる[34]。奪三振率(K/9)が極めて高く、MLB通算奪三振率は15.2。その一方で細かな制球力に欠き、通算の与四球率(BB/9)は4.1。

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2005 - 2006 HOL 15 15 0 0 -- 3 5 0 -- .375 263 54.0 48 5 54 1 5 56 3 0 33 26 4.33 1.89
2006 - 2007 23 12 0 0 -- 4 3 7 -- .571 350 81.1 59 4 50 0 9 100 5 1 26 25 2.77 1.34
2007 - 2008 16 16 2 1 -- 6 7 0 -- .462 324 74.0 55 3 37 2 8 79 1 2 36 32 3.89 1.24
2008 - 2009 22 20 1 0 -- 11 4 0 -- .733 515 118.1 109 7 62 2 9 130 14 0 56 53 4.03 1.45
2010 CIN 15 0 0 0 0 2 2 0 4 .500 51 13.1 9 0 5 0 0 19 2 0 4 3 2.03 1.05
2011 54 0 0 0 0 4 1 1 13 .800 207 50.0 24 2 41 2 4 71 4 0 21 20 3.60 1.30
2012 68 0 0 0 0 5 5 38 6 .500 276 71.2 35 4 23 0 4 122 4 0 13 12 1.51 0.81
2013 68 0 0 0 0 4 5 38 0 .444 258 63.2 37 7 29 0 3 112 6 0 18 18 2.54 1.04
2014 54 0 0 0 0 0 3 36 0 .000 202 54.0 21 1 24 0 2 106 4 0 12 12 2.00 0.83
2015 65 0 0 0 0 4 4 33 0 .500 278 66.1 43 3 33 1 5 116 7 0 13 12 1.63 1.15
2016 NYY 31 0 0 0 0 3 0 20 0 1.000 120 31.1 20 2 8 0 0 44 2 1 8 7 2.01 0.89
CHC 28 0 0 0 0 1 1 16 0 .500 102 26.2 12 0 10 0 0 46 6 0 4 3 1.01 0.83
'16計 59 0 0 0 0 4 1 36 0 .800 222 58.0 32 2 18 0 0 90 8 1 12 10 1.55 0.86
CNS:4年 76 63 3 1 -- 24 19 7 -- .558 1452 327.2 271 19 203 5 31 365 23 3 151 136 3.74 1.45
MLB:7年 383 0 0 0 0 23 21 182 23 .523 1494 377.0 201 9 173 1 16 636 35 1 93 87 2.08 0.99
  • 2016年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録[編集]

背番号[編集]

  • 54 (2010年 - )

代表歴[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 1987年9月11日という情報もある[要出典]
  2. ^ スピードガンによる記録。
  3. ^ a b c d e f 投球測定装置PITCHf/xによる記録。

出典[編集]

  1. ^ a b [1] Aroldis Chapman (_thecubanmissile54) - Instagram (2016年4月30日) 2016年6月6日
  2. ^ Aroldis Chapman Contract, Salary Cap Details & Breakdowns” (英語). Spotrac. 2016年12月12日閲覧。
  3. ^ 第280幕 人類最速球男・チャプマンが抱える問題点
  4. ^ シンシナティ・レッズ アロルディス・チャプマン 背番号 54
  5. ^ 【MLB】球宴選出のY.セスペデス「キューバ人でもメジャーで輝ける」
  6. ^ 球宴で登板のA.チャプマン、右脚に違和感も「自分はだいじょうぶ」
  7. ^ ヤ軍GM 主力放出を示唆 チャプマン、ベルトラン、ミラー候補か
  8. ^ Chapman's 105-mph pitch was fastest ever | reds.com: News”. Cincinnati.reds.mlb.com (2010年9月25日). 2016年7月18日閲覧。
  9. ^ MLB Statcast Leaderboard
  10. ^ Randhawa, Manny (2014年7月12日). “Aroldis sets MLB record with K in 40th straight game”. MLB.com. 2014年7月12日閲覧。
  11. ^ 2009 Rosters” (英語). The official site of World Baseball Classic. 2015年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月18日閲覧。
  12. ^ '09 WORLD BASEBALL CLASSIC 試合結果 (第2ラウンド1組)[Game.1]キューバvs.日本 - 日本野球機構オフィシャルサイト
  13. ^ Doug Miller; Jesse Sanchez (2009年7月3日). “Cuban pitcher Chapman defects” (英語). MLB.com. 2016年12月12日閲覧。
  14. ^ Mark Sheldon (2010年1月10日). “Cuban star Chapman joins Reds” (英語). MLB.com. 2016年12月12日閲覧。
  15. ^ “チャプマン人類最速169キロ近日メジャー”. 日刊スポーツ. (2010年8月29日). http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20100829-671640.html 2011年3月21日閲覧。 
  16. ^ “チャプマン最速左腕認定 167・3キロ”. 日刊スポーツ. (2010年9月9日). http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20100909-676147.html 2011年3月21日閲覧。 
  17. ^ http://www.efastball.com/baseball/stats/fastest-pitch-speed-in-major-leagues/
  18. ^ MLB.com動画
  19. ^ a b チャップマン、171キロ出た!…スピードガン導入以降最速 スポーツ報知4月20日閲覧
  20. ^ チャプマン歴代最速球171キロは参考記録日刊スポーツ、2011年4月21日。
  21. ^ Mark Sheldon (2014年1月28日). “Chapman avoids arbitration, gets $5 million for 2014” (英語). MLB.com. 2016年12月12日閲覧。
  22. ^ Mark Sheldon (2014年3月20日). “Surgery successful, Chapman's recovery begins” (英語). MLB.com. 2016年12月12日閲覧。
  23. ^ Mark Sheldon (2014年5月10日). “Reds reinstate closer Chapman from DL” (英語). MLB.com. 2016年12月12日閲覧。
  24. ^ レッズのチャプマン、史上最速の500奪三振 大リーグ”. 日本経済新聞 (2015年7月20日). 2017年4月15日閲覧。
  25. ^ David Brown (2015年12月28日). “Yankees acquire closer Aroldis Chapman in trade with Reds”. CBS Sports. 2016年5月17日閲覧。
  26. ^ Chapman gets 30-game suspension from MLB” (英語). MLB.com (2016年3月1日). 2016年7月26日閲覧。
  27. ^ 史上最速の投手がWBC出場に意欲。母国キューバの代表入りは無理でも、その手があった (2016年5月6日) 2016年6月6日閲覧
  28. ^ Yankees rally past Royals 10-7 despite Cain's 3 homers
  29. ^ (英語) (プレスリリース), MLB.com (Chicago Cubs), (2016年7月25日), http://m.cubs.mlb.com/news/article/191639316/cubs-acquire-lhp-aroldis-chapman-from-new-york/ Cubs acquire LHP Aroldis Chapman from New York 2016年8月30日閲覧。 
  30. ^ MLB公式プロフィール参照。2016年12月16日閲覧。
  31. ^ Bryan Hoch (2016年12月8日). “Source: Yankees, Chapman agree to deal” (英語). MLB.com. 2016年12月12日閲覧。
  32. ^ Bryan Hoch (2016年12月15日). “Yankees finalize 5-year deal with Chapman” (英語). MLB.com. 2016年12月16日閲覧。
  33. ^ チャプマンが5年総額97億円でヤンキース復帰 救援投手史上最高額の契約に”. Full-Count (2016年12月8日). 2017年4月15日閲覧。
  34. ^ FanGraphs Pitch Type

関連項目[編集]

外部リンク[編集]