裏番組

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裏番組(うらばんぐみ)とは、ある放送局の番組と同じ時間帯に同じ地域で受信できる他局の番組のことを指す業界用語である。1969年から放送された日本テレビ系列『コント55号の裏番組をぶっとばせ!』がきっかけで、この言葉は一般的にも認知されるようになった。地上デジタル放送の開始以降に普及した電子番組表に対応したテレビにおいて、その時間に各放送局で放送されている番組を一覧する機能が「裏番組」「裏番組表」などと呼称されている場合も多く、また同時期に普及した複数の番組を録画できる録画機を「裏番組録画可」などと称して販売することもあるため、一般に「裏番組」という言葉が触れる頻度は高くなってきている。

裏番組への重複出演[編集]

基本的に芸能人は“裏番組と重複出演してはいけない”という、業界における暗黙のルール(紳士協定)がある。万が一重複しそうな場合は以下のような調整が行われる。

  • 出演時間をずらす
  • 裏番組が(民放の場合のみだが)CM中の間だけ出演する
  • 編集を行い、極力出演していないように見せる(画像をカットすることが困難な場合はモザイク処理をするなど)
  • その放送分のみ出演自体を自粛する
  • どちらか一方が生放送の場合は重複する時間帯だけ退場して、他の出演者に番組進行などを担当させる
  • (片方が1時間番組、もう一方が30分番組などのように放送時間の尺が異なる裏番組同士の場合)尺(=放送時間)の長い番組の方には重複しない時間帯だけ出演する

またレギュラー番組を持つ芸能人がその番組の放送時間の裏の特別番組などに出演する際は、その放送局が所在する地名を放送局を表す隠語のようにして表現することもある。例えば番組の司会者により「芸能人Aは渋谷に旅に出ているため、今日はお休みです」などと説明があった場合、この芸能人Aは渋谷NHK放送センターが所在するNHKで何らかの番組へ出演し、その番組と時間が重複するため番組を休むことを示している。同様に、時間が重複している番組のタイトルの一部や、タイトルや出演者を想起させるフレーズが用いられることもある。

かつては本人だけではなく、同じ芸能事務所に所属する芸能人の裏番組出演も極力避けるようにしていた[1][2]が、吉本興業が本格的[東京進出してからは、所属する人数が多数になるため、調整が難しくなってきたことなどから自主規制は特に行われなくなった。ジャニーズ事務所などはゲスト出演も極力時間帯が重複しないようにしているが、2015年現在、ジャニーズ事務所のタレントがレギュラー番組などを多数受け持つようになっている現状では、重複するようになってきている[3]

年末年始の特別番組や、芸能事務所所属ではない文化人出身の芸能人については、裏番組と重複出演をしても放送局から寛容的に扱われる場合もあるという[4]。年末年始の特別番組における重複出演の顕著な例としては、2000年の大晦日に出演時間をずらしつつ4局に跨って裏番組に出演したビートたけしの例がある(NHK第51回NHK紅白歌合戦」・TBS第42回日本レコード大賞」・フジテレビ「FNS年末スペシャル」・テレビ朝日「ビートたけしの世界はこうしてダマされた!?」の4番組)。重複出演が忌避される理由は「特定の芸能人目当てにテレビを見ている視聴者が多く、重複出演を許容すると視聴者に対するテレビCMの宣伝効果や、視聴率測定に大きな影響を及ぼす恐れがあるため」という根拠に基づくものである。芸能人の場合、スケジュール調整に失敗して重複出演となってしまった場合、スポンサーから放送局や芸能事務所へクレームが付くため、その対策として裏かぶり出演を自主規制している。しかし文化人などについてはその人を目当てとして視聴されることが少ないため、スポンサーからのクレームが付きにくいと考えられているからである。 現職の放送局所属アナウンサーが、裏番組と重複出演となるケースもある。詳細は「小林麻耶」の項を参照。

出演ができるケース[編集]

  • テレビ同士でもNHK及び民放ネットワーク5系列同士の出演ではない場合(少なくとも一方がBSCS独立局に該当する場合)[5]。ただしBS放送同士、CS放送同士、独立局同士の裏かぶり、東京都内の局である東京メトロポリタンテレビジョンと民放ネットワーク5系列での裏かぶり[6]は忌避される場合がある。
  • 地上波同士でも、2局またはそれ以上の放送局で同じ内容を放送する場合(サイマル放送の一種。いずれもかつて行われていた、民放同時ネットの『ゆく年くる年』、5いっしょ3ちゃんねる加盟局での23時台同時ネットなど。)。
  • 地上波放送でも、一部の地域でキー局とは異なる日時に放送(遅れ放送)されているために、本来は重複出演とならないものが当該地域に限り重複出演となってしまう場合[7]
  • スポーツ中継延長や特別番組編成による延長などで、どちらか一方の番組が通常の放送時間よりも繰り下げられた結果重複出演となってしまった場合。
  • 少なくとも一方の番組が再放送や遅れネットの場合。ただし、ダイジェスト番組である『笑っていいとも!増刊号』との裏かぶり[8]など、忌避される場合がある。
  • 重複している番組の一方が映画である場合[9]
  • テレビアニメ吹き替えによる洋画、ナレーションなどで声優やナレーターによる声の重複[10]。または一方が声のみでもう一方が芸能人としての顔出し出演の場合。

脚注[編集]

  1. ^ このルールが原因で、1970年代には日本テレビ渡辺プロダクションの対立が起き、他の事務所を巻き込む大規模なものとなった。詳細は『スター誕生!』『NTV紅白歌のベストテン』参照。
  2. ^ アサヒ芸能増刊「女子アナ」vol.3、お天気キャスターに関する項目より
  3. ^ 例として、2015年3月30日放送のフジテレビ「SMAP×SMAP」の2時間14分スペシャルと日本テレビ月曜から夜ふかし」の2時間スペシャルでの、SMAP全員などの多数のジャニーズ事務所所属タレントと、関ジャニ∞村上信五などがある。
  4. ^ 週刊文春』2013年7月11日号
  5. ^ 例として、2015年4月より日曜午後にテレビ朝日でレギュラー放送を開始した『路線バスで寄り道の旅』に出演の徳光和夫は、同じ時間帯に2015年4月以前から『BSイレブン競馬中継』(BS11)・『JRA競馬中継』(テレビ神奈川千葉テレビ放送テレビ埼玉、いずれも独立局)に不定期出演している。
  6. ^ 例として、『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系列)に福島県のケンミンスターとして頻出の梅沢富美男は、2012年以降同時間帯に生放送の『ニッポン・ダンディ』→『バラいろダンディ』にレギュラー出演しているため、2時間特番など重複しない時間帯の出演に限られるようになった。
  7. ^ 例として、月曜19時台にフジテレビで放送されている『ネプリーグ』に和田アキ子がゲスト出演した回において、関西地区(関西テレビ)では同番組が日曜正午から遅れネットであるため、同時間帯にTBS系列(関西地区ではMBSにネット)で放送されている『アッコにおまかせ!』の裏番組となったケースなどがある。
  8. ^ 当時出演していた爆笑問題は、増刊号と同じ時間に放送の『サンデージャポン』のMCであるため、爆笑問題が出演するコーナーは『サンデージャポン』終了後の数十分の間で放送される。
  9. ^ 例として、2009年4月9日に放送された『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系列)の「グルメチキンレース・ゴチになります!」の当時のレギュラーであった船越英一郎は、同じ時間にTBS系列で放送されていた映画『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』に、モー子(演:酒井若菜)の父親役で映画に出演しているため、重複出演となったケースがある。しかし例外として2014年5月31日の『土曜プレミアム』(フジテレビ系列)にて『ハッピーフライト』を放送する予定であったが、出演者の一人である綾瀬はるかが『嵐にしやがれ』にゲスト出演するため同年9月20日に放送延期されたことがある。
  10. ^ ただし、『大改造!!劇的ビフォーアフター』が特番編成で18時台より放送される場合、ナレーターの加藤みどりが裏番組『サザエさん』に出演しているため、番組開始時刻の18時56分より『サザエさん』が終了する18時59分までの3分間は司会の所ジョージ等の出演者のトークにより繋ぐ対応をしていた(開始当初から、番組が加藤みどりのナレーションから始まる構成のため)が、2015年現在は行っていない。

関連項目[編集]