アメリカ英語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

アメリカ英語(アメリカえいご、: American English)は、アメリカ合衆国で使用されている英語方言米語米国語とも呼ばれる。

概要[編集]

主にイギリスで話されるイギリス英語に比べると地域方言の差は小さい。アメリカ英語は大きく北部の方言と南部の方言に分けられ、東海岸西海岸によっても違いがある。また多人種国家であるため、黒人英語など人種・階層ごとの言葉の違い(社会方言)も複雑である。メディアなどで使用される標準的な英語(General American)は中西部の方言が元になっている。

アメリカ英語のほうがイギリス英語よりも新しいと思われがちだが、アメリカ英語は、エリザベス1世時代の英語を基にしているためアメリカ英語の方が古い形を保っている場合がある。

例:getの過去分詞がgotten、forgetの過去分詞がforgotten。ask、dance、fastの発音、stopなどのɔをɑと発音するなど。

今日ではイギリス英語の影響が強かったイギリス連邦諸国にもアメリカ英語の影響がみられる。日本では太平洋戦争以前の英語教育ではイギリス英語が中心だったが、戦後はアメリカ英語が中心となった。

ノア・ウェブスターらによって綴り字が簡略化されている。

例:イギリス英語: colour(英)→アメリカ英語: colorイギリス英語: catalogueアメリカ英語: catalogイギリス英語: centreアメリカ英語: centerラテン語の名残であるæeに簡略化など

主な方言[編集]

North American English dialect regions.jpg

ウィリアム・ラボフらの研究に基づく北米英語の大まかな地域区分[1]

  1. Canadian English/カナダ英語
  2. Western American English - 様々な方言が含まれているが、代表的な特徴は「cot」などの[ɑː]と「caught」などの[ɔː]が統一され、話し手はその聞き分けもできなくなっていることである。カリフォルニア州ではイントネーションは肯定文の終わりでも上がり、さらにカリフォルニア州南部では語彙などにスペイン語の影響がある。
  3. Upper Midwest American English - ミネソタ訛りなど。
  4. Inland Northern American English - シカゴなど五大湖沿岸部(アメリカ合衆国側)の訛り。北部都市母音推移(Northern Cities Vowel Shift)が特徴的。
  5. Midland American English
  6. Southern American English/南部アメリカ英語 - 母音を引き伸ばして発音すること(drawl)や、二人称複数でyou all(y'all)を用いることで知られる。
  7. Pittsburgh English
  8. Mid-Atlantic American English
  9. New York City English - ブルックリン訛りなど。
  10. New England English (Southeastern New England)
  11. New England English (Western New England)
  12. New England English (Northeastern New England) - ボストン訛りなど。
  13. Canadian Maritime English

このほか、ハワイ州で話される英語(Hawaiian Pidgin)は、本土から離れた地理的環境と、アジア・太平洋諸島地域をはじめとする移民の影響から、独特の単語や言い回しが非常に多い(ピジン語も参照)。

出典[編集]

  1. ^ The Atlas of North American English (2006).
  •  早川勇『ウェブスター辞書と明治の知識人』春風社、2007(アメリカ英語に言及) 

関連項目[編集]