アメリカ合衆国下院

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アメリカ合衆国代議院
United States House of Representatives
第117期議会
Seal of the United States House of Representatives.svg
代議院紋章
Flag of the United States House of Representatives.svg
代議院旗
種類
種類
役職
ナンシー・ペロシ民主党)、
2019年1月3日より現職
多数党院内総務
ステニー・ホイヤー英語版(民主党)、
2019年1月3日より現職
少数党院内総務
ケビン・マッカーシー共和党)、
2019年1月3日より現職
多数党院内幹事
ジム・クライバーン英語版(民主党)、
2019年1月3日より現職
少数党院内幹事
スティーブ・スカリース英語版(共和党)、
2019年1月3日より現職
最長老議員
ドン・ヤング(共和党)、
2017年11月5日より現職
構成
定数435 (議決権を有する議員)
6 (議決権を有さない代表者)
(117th) US House of Representatives.svg
院内勢力
多数会派 (221)
  民主党 (221)

少数会派 (213)

  共和党 (213)

欠員 (1)

  欠員 (1)
(2021年11月4日現在)
任期
2年
選挙
単純小選挙区制
前回選挙
2020年11月3日
議事堂
United States House of Representatives chamber.jpg
下院本会議場
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ワシントンD.C.
合衆国議会議事堂
ウェブサイト
United States House of Representatives

アメリカ合衆国下院(アメリカがっしゅうこくかいん、: United States House of Representatives、略称: the House[注釈 1])は、アメリカ合衆国議会二院[1]のうち下院にあたる議院である[2]

アメリカ合衆国代議院(アメリカがっしゅうこくだいぎいん)とも翻訳される[3][4][5]

議席数は435で、各州に対して人口比率に応じて配分される。

語源[編集]

「上院 (upper house)」「下院 (lower house)」という言葉は、アメリカの首都がフィラデルフィアであった頃、議会が使用していた2階建ての公会堂(現在の独立記念館、当時の大きめな家屋と変わらないほどの小振りな建物)で、議員数の多い代議院 (House of Representatives) がその1階部分 (lower house) を、少ない元老院 (Senate) が2階部分 (upper house) を使用したことからこう呼ばれ始めたといわれる。

歴史[編集]

合衆国憲法を批准した11州から選出された議員65名で1789年に発足。当時の合衆国憲法は選挙権について規定せず、各州の定めにより、一定の財産を持つ自由民(ほとんどが白人)の男性のみが投票権を有した。一方で各州への議席配分は「納税義務なきインディアンを除く自由民男女の人数に、自由民以外の者(ほとんどが黒人奴隷)の人数に3/5を掛けた数を加えた数」に比例するとされた。男子普通選挙女性参政権を導入する州は徐々に増え、1856年までには全ての州で自由民男子による普通選挙が導入され、1868年発効の合衆国憲法修正第14条では国内で出生した全ての21歳以上の男子への選挙権付与が原則として義務付けられた。女性への参政権付与の義務化は合衆国憲法修正第19条の発効した1920年。ただし人種平等が実質化するのは1960年代公民権運動以降である。

院内勢力[編集]

南北戦争以降は共和党が多数党、民主党が少数党であることが多かったが、ニューディール時代に勢力が逆転し、1994年中間選挙を機に再度逆転している。

党派別下院議席割合
    連邦党(1789年-1824年)
  反政権党(1789年-1794年)
  民主共和党(1792年-1825年)
  ジャクソニアン(1825年-1848年)
  国民共和党(1824年-1834年)
  ホイッグ党(1834年-1860年)
  民主党(1828年-)
  共和党(1854年-)

構成[編集]

下院議員(representative)の任期は2年で、選挙のたびに全員が改選される[1]。解散はない。下院選挙は上院の1/3改選と同時に行われ、2回に1回は大統領選挙一般投票とも同時である。大統領選挙の無い年の選挙は中間選挙と呼ばれる。

議席定数は1911年に435議席で固定された[注釈 2]。10年に1度の国勢調査で報告される人口に基づきヒル方式で50州に配分される。2010年国勢調査に基づく配分では、7つの州[注釈 3]が最少の1議席ずつ、カリフォルニア州が最多の53議席を割当てられている。1967年制定の連邦法[6]により、選挙制度は小選挙区制のみとされる[注釈 4]。ほとんどの州は単純小選挙区制であるが、いくつかの州では二回投票制[7]や党派で分けない予備選挙を実質的な第一回投票とする制度[8]が採用され、メイン州では優先順位付投票が導入された[9]。州内の選挙区設定は人口が均等であることと人種差別的でないことが連邦法により要求されているが、具体的な区割りは州に任されており、州法で直接規定する場合と、州法で授権された独立した組織によって決定される場合がある。「代表なくして課税なし」の原則より、準州など州とみなされない合衆国領土についても、委員会のみに参加するオブザーバーの議員が数人いる。

選挙権は18歳以上の合衆国市民に付与される。被選挙権は7年以上合衆国市民である25歳以上に付与される。また選挙時に選出州の住民であることが求められる[1]

連邦議会議員は、憲法により不逮捕特権や免責特権が保証されているが、他の官職につくことが禁止されている[1]

州ごとの議席数割当

権能[編集]

合衆国憲法第1条第7節により予算案の先議権があるものの[1]、予算に関する下院の優越権は存在せずあくまで先議権のみである。これはイギリス議会慣習法を継承したもので、予算が平民への課税に基づくことによる。米国の予算案では予算決議(全体の歳入歳出案)、歳入関連法案、歳出関連法案が個別に討議され、先議権の対象となるのは税制や税率に関わる歳入関連法案である。もっとも委員会方式を採用しているため、実質的な討議は上下両院のそれぞれの委員会で行われ、上下両院で作成された委員会決議案をもとに下院本会議で調整し決議し、それを上院に回すこととなる。全体の歳入歳出バランスを確定する予算決議そのものは上下両院により維持される議会予算局が作成するものであり、議会の討議の前段階ですでに調整されているため、予算審議に入る際にはすでに「天から降ってくるもの」となっている。大統領の予算教書(行政管理予算局が作成)を議会は無視して良いのが前提であるが、大統領拒否権を通じて予算討議に影響を与える。

条約批准、高級官僚や裁判官の指名に対する承認権はないなどの点で上院に比べて権限は劣る。ただし、議会の最も重要な立法権については上院と同等の権限である。大統領選挙において選挙人を過半数獲得した候補がいない場合は下院が大統領を選出する権限を持つ(憲法修正12条)。大統領・副大統領その他の裁判官を含む連邦公務員に対する弾劾裁判では、下院の単純過半数の賛成に基づく訴追を受けて上院が裁判し、上院2/3多数の賛成により弾劾対象者を免職しうる。

議決手続き[編集]

1970年代以降、本会議の採決には電子投票が導入されている。多くの場合は15分間の投票時間が設定され、その間に議員は議場内に複数設けられた投票機械にIDカードを通し、賛否のボタンを押す。各議員の投票内容は議場内に掲げられたディスプレイに直ちに映し出され、賛否の票数はテレビ中継でもリアルタイムに流される。投票時間内であれば投票を訂正することも可能である。

この投票時間は議員間の取引きにも用いられ、議場内各所で立ち話をする姿が見られる。

役職[編集]

下院議長 (House Speaker、正式名:Speaker of the United States House of Representatives)
  • 点呼投票により選出され、党籍を有したまま活動する。上院や日本の国会などの議長と異なり、自らの判断により議事整理権を行使し、本会議での発言者を指名する。重要な局面では自ら演壇に立って議案への賛否を述べることもある。
  • 常任の仮議長や副議長はおらず、その都度ごとに議長が議員を仮議長(Speaker pro tempore)に指名して議事を委ねる。議長は自らに事故がある際に仮議長を務めさせる議員のリストをあらかじめ書記局に提出する。
  • 1947年大統領継承法(合衆国法典第3編第19条[10])により、下院議長は、副大統領に次いで大統領権限継承順位が第2位となる。正副大統領を共に欠いた場合には下院議員を辞職した上で大統領代行(Acting President)に就任し[10]、正副大統領が共に一時的な執務不能となった場合には、下院議員のまま大統領権限を臨時代行する。
下院院内総務 (House Majority/Minority Leader、正式名:Majority/Minority Leader of the United States House of Representatives)
  • 多数党院内総務と少数党院内総務が、それぞれの会派から選出される。リーダーという職名であるが、多数党の実質的なトップは議長であるため、多数党院内総務は会派のナンバー2の地位である。少数党院内総務は名実ともに会派のリーダーである。選挙の結果により多数党と少数党が入れ替わった場合、前少数党院内総務が議長に就き、逆に前議長が少数党院内総務になることがある。

議席と選挙区[編集]

議席数[編集]

第117議会英語版 2021年1月3日から2021年1月15日まで[注釈 5]

2021年1月15日から2021年2月7日まで[注釈 6]

2021年2月7日から2021年2月11日まで[注釈 7]

2021年2月11日から2021年3月10日まで[注釈 8]

2021年3月10日から2021年3月16日まで[注釈 9]

2021年3月16日から2021年4月6日まで[注釈 10]

2021年4月6日から2021年4月14日まで[注釈 11]

2021年4月14日から2021年5月11日まで[注釈 12]

2021年5月11日から2021年5月16日まで[注釈 13]

2021年5月16日から2021年6月14日まで[注釈 14]


2021年6月14日から2021年7月30日まで[注釈 15]

2021年7月30日から2023年1月3日まで[注釈 16]


(2021年7月30日時点)

選挙区[編集]

合計435の選挙区があり、うちアラスカ州サウスダコタ州デラウェア州ノースダコタ州バーモント州モンタナ州ワイオミング州の7つの州は全州区以外、ほかの43州は少なくとも2つの選挙区に分けられる。

選挙区 選挙区数 地図
アラバマ州 7 Alabama Congressional Districts, 113th Congress.tif
アラスカ州 1 AK01 109.png
アリゾナ州 9 Arizona Congressional Districts, 113th Congress.tif
アーカンソー州 4 Arkansas Congressional Districts, 113th Congress.tif
カリフォルニア州 53 California Congressional Districts, 113th Congress.tif
コロラド州 7 Colorado Congressional Districts, 113th Congress.tif
コネチカット州 5 Connecticut Congressional Districts, 113th Congress.tif
デラウェア州 1 Delaware at large.png
フロリダ州 27 Florida Congressional Districts, 113th Congress.tif
ジョージア州 14 Georgia Congressional Districts, 113th Congress.tif
ハワイ州 2 Hawaii Congressional Districts, 113th Congress.tif
アイダホ州 2 Idaho Congressional Districts, 113th Congress.tif
イリノイ州 18 Illinois Congressional Districts, 113th Congress.tif
インディアナ州 9 Pagecgd113 in.pdf
アイオワ州 4 Iowa Congressional Districts, 113th Congress.tif
カンザス州 4 Kansas Congressional Districts, 113th Congress.tif
ケンタッキー州 6 Kentucky Congressional Districts, 113th Congress.tif
ルイジアナ州 6 Louisiana Congressional Districts, 113th Congress.tif
メイン州 2 Maine Congressional Districts, 113th Congress.tif
メリーランド州 8 Maryland Congressional Districts, 113th Congress.tif
マサチューセッツ州 9 Massachusetts congressional districts large.pdf
ミシガン州 14 Michigan Congressional Districts, 113th Congress.tif
ミネソタ州 8 Minnesota Congressional Districts, 113th Congress.tif
ミシシッピ州 4 Mississippi Congressional Districts, 113th Congress.tif
ミズーリ州 8 Missouri Congressional Districts, 113th Congress.tif
モンタナ州 1 MT-Atlarge.gif
ネブラスカ州 3 Nebraska Congressional Districts, 113th Congress.tif
ネバダ州 4 Nevada Congressional Districts, 113th Congress.tif
ニューハンプシャー州 2 New Hampshire Congressional Districts, 113th Congress.tif
ニュージャージー州 12 New Jersey Congressional Districts, 113th Congress.tif
ニューメキシコ州 3 New Mexico Congressional Districts, 113th Congress.tif
ニューヨーク州 27 New York Congressional Districts, 113th Congress.tif
ノースカロライナ州 13 United States Congressional Districts in North Carolina, 2021 - 2023.tif
ノースダコタ州 1 NDAtlarge.gif
オハイオ州 16 Ohio's congressional districts in the 113th United States Congress.pdf
オクラホマ州 5 Oklahoma Congressional Districts, 113th Congress.tif
オレゴン州 5 Oregon Congressional Districts, 113th Congress.tif
ペンシルベニア州 18 Pennsylvania Congressional Districts, 113th Congress.tif
ロードアイランド州 2 Rhode Island Congressional Districts, 113th Congress.tif
サウスカロライナ州 7 South Carolina Congressional Districts, 113th Congress.tif
サウスダコタ州 1 SD-AtLarge.gif
テネシー州 9 Tennessee Congressional Districts, 113th Congress.tif
テキサス州 36 United States Congressional Districts in Texas, since 2013.tif
ユタ州 4 Utah Congressional Districts, 113th Congress.tif
バーモント州 1 VT 1.gif
バージニア州 11 VA 2016 Redistricting.png
ワシントン州 10 Washington(state) Congressional Districts, 113th Congress.tif
ウェストバージニア州 3 West Virginia Congressional Districts, 113th Congress.tif
ウィスコンシン州 8 Wisconsin Congressional Districts, 113th Congress.tif
ワイオミング州 1 WYAtlarge.png

現在の欠員に対する特別選挙の予定

オハイオ11区、15区 2021年11月2日

フロリダ20区 2022年1月11日[11]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ アメリカではこの House of Representatives の上の語をとった House が下院を表す語として一般に用いられている。
  2. ^ 1911年割当法(Public Law 62-5 1911年8月8日成立 legisworks.org サイト)で既存の州の議席数合計を433、アリゾナ準州ニューメキシコ準州が州昇格した際にそれぞれ1議席ずつ割り当てるとした。1959年にアラスカ準州とハワイ準州が州昇格した際には暫定的に437議席となったが、議席再配分時に435議席に戻された。
  3. ^ アラスカ州サウスダコタ州デラウェア州ノースダコタ州バーモント州モンタナ州ワイオミング州
  4. ^ 連邦法による規制が発効するまで、General ticket と称される、勝者総取り方式あるいは完全連記制に似た多数代表制を採用する州もあった。
  5. ^ ①ルイジアナ5区選出のルーク・レトロー共和党)が会期開始前に新型コロナウイルスで死去。特別選挙が2021年3月20日に行われる。②ニューヨーク22区の当選者が未確定。
  6. ^ ルイジアナ2区選出のセドリック・リッチモンド民主党)がバイデン政権に参加するために辞任。
  7. ^ テキサス6区選出のロン・ライト共和党)が新型コロナウイルスに感染し死去。
  8. ^ ニューヨーク22区の当選者がクラウディア・テニー共和党)に確定。
  9. ^ オハイオ11区選出のマーシア・ファッジ民主党)がバイデン政権に参加するために辞任。
  10. ^ ニューメキシコ1区選出のデブ・ハーランド民主党)がバイデン政権に参加するために辞任。
  11. ^ フロリダ20区選出のアルシー・ヘイスティングス議員(民主党)が死去。
  12. ^ ルイジアナ5区の特別選挙によりジュリア・レトロー氏(共和党)が就任。
  13. ^ ルイジアナ2区の特別選挙によりトロイ・カーター民主党)が就任。
  14. ^ オハイオ15区選出のスティーブ・スタイバーズ議員(共和党)がオハイオ州商工会議所会頭就任のため辞職。
  15. ^ ニューメキシコ1区の特別選挙によりメラニー・スタンスベリー民主党)が就任。
  16. ^ テキサス6区の特別選挙によりジェイク・エルジー共和党)が就任。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e アメリカ合衆国憲法 第1条及び修正第14条
  2. ^ アメリカ合衆国の議会制度 (PDF) 国立国会図書館 (2019年3月7日) 2021年1月21日閲覧。
  3. ^ 高校現代社会 新訂版,実教出版,p97
  4. ^ フォーラム現代社会,東京法令出版,p105
  5. ^ 最新政治・経済資料集 新版,第一学習社,p26
  6. ^ Public Law 90-196 1967年12月14日成立 合衆国政府印刷局サイト
  7. ^ 2018 elections and voter registration calendar ジョージア州州務省
  8. ^ Review Types of Elections ルイジアナ州州務省
  9. ^ Maine became the first state in the country Tuesday to pass ranked choice voting Boston.com (2016年11月10日)
  10. ^ a b 合衆国法典第3編第19条 3 U.S.C. § 19
  11. ^ Boyd, Dan; Boetel, Ryan. “Breaking: Haaland reportedly picked as Biden's interior secretary” (英語). Albuquerque Journal. https://www.abqjournal.com/1527840/haaland-reportedly-picked-as-bidens-interior-secretary.html 2020年12月17日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]