サンキュータツオ

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サンキュータツオ
本名 安部 達雄[1]
生年月日 (1976-06-21) 1976年6月21日(46歳)
出身地 日本の旗 日本 東京都杉並区
血液型 B型
身長 180 cm
言語 日本語
方言 標準語
最終学歴 早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学
コンビ名 米粒写経
相方 居島一平
事務所 ワタナベエンターテインメント
活動時期 1998年 -
現在の代表番組 東京ポッド許可局
過去の代表番組 荒川強啓 デイ・キャッチ!
公式サイト プロフィール
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サンキュータツオ1976年昭和51年〉6月21日 - )は、日本芸人日本語学者。漫才コンビ「米粒写経」のツッコミ。ワタナベエンターテインメント所属。一橋大学早稲田大学成城大学非常勤講師

来歴[編集]

東京都杉並区出身。家族は小学校2年時に父親がガンで亡くなっており、母親が奈良県大和郡山市出身で祖父は薬師寺に勤め仏像の研究をしていたので[2]、後述の仏像マニアに繋がる。きょうだいは姉が二人いる。

巣鴨中学校・高等学校卒業、早稲田大学第一文学部文学科文芸専修卒、同大学大学院文学研究科日本語日本文化専攻修士修了。学部では平岡篤頼に師事し、「早稲田文学」の学生編集委員だった[3]。大学院では中村明に師事[4][5]。中村が定年退職後は野村雅昭に師事した。博士後期課程単位取得満期退学

23歳の時にラジオ局1社のみ就職試験を受け、最終の11人まで残ったが採用に至らず、大学院に進んだ経緯がある[5][6]。早大在学時、大学の落語研究会の先輩であった現在の相方である居島一平に誘われ、米粒写経を結成しツッコミ担当[7]

国立国語研究所の「現代日本語書き言葉均衡コーパス」の構築にあたり、日本語のサンプリング作業を行うアルバイトをしていた時期がある[8]

芸人活動をメインとして、お笑いの学術的研究(専門は笑いにおけるレトリック[4])をしている[9][10][11][12]。元・日本初の大学院博士課程芸人と称され[13]、中学・高等学校国語科第一種教員免許取得し、文学修士として大学で教鞭も取っており、一橋大学、早稲田大学、成城大学非常勤講師[14][15]中央学院大学の元非常勤講師でもある。他にも母校である早大含め慶應義塾大学北海道大学近畿大学成城大学目白大学などで特別講義を行っている。2017年より朝日新聞書評委員を務めている[16]

広辞苑』の第七版では、載せるべきサブカルチャーの分野の言葉の選定を担当した[17]

人物[編集]

アニメ関係[編集]

  • 業界でも有名なアニメオタクとして知られる。また、国内有数の腐男子(『このBLがヤバい』選者)。
  • オタク芸人トークユニット「アニメ会」のメンバー(自身が制作するポッドキャスト後継番組『熱量と文字数』に出演)。
  • 作詞家畑亜貴、作曲家田代智一、作曲家田淵智也UNISON SQUARE GARDEN)などとも親交があり、畑のポッドキャスト(弱り目に祟られろレディオ)でアシスタントをしたり、トークライブを行ったりしている。
  • 新世紀エヴァンゲリオン』の渚カヲルの大ファンであり、2016年の携帯の待ち受けもカヲルである[24]

出演番組[編集]

テレビ[編集]

レギュラー
特番
  • 平成教育委員会2012!! 最強国語王決定戦SP(フジテレビ、2012年1月18日)
  • Jukugoawase(フジテレビ)
  • スナッチ!(フジテレビ)
  • その話ハイラセテ!(フジテレビ)
  • ゴッポンニ!(MBS)
  • アニマックス開局10周年記念特別番組 テレビアニメ45年史 なんでアニメはおもしろい!?(アニマックス、2008年)
アニメ
  • THE REFLECTION(NHK総合、2017年9月9日) - スレンダーマン 役

ラジオ[編集]

レギュラー

過去のレギュラー

ゲスト出演

特番
  • TBSラジオ開局60周年記念特別番組「東京ポッド許可局プレゼンツ ラジオとポッドキャストの間」(TBSラジオ 2011年5月21日 東京ポッド許可局で)
  • 「自由すぎるスポーツウォッチング ナナメ上から眺めるオリンピックの楽しみ方」(TOKYO FM、JFN 2014年8月4日 マキタスポーツとMC)
  • 「TOKYO FMホリデースペシャル AKIBANOISE 東京WiFi化計画! Supported by NTT東日本 光ステーション」(TOKYO FM 2014年3月21日 もふくちゃんとMC)
  • 「TOKYO FMサンデースペシャル ランティス祭り2014 〜つなぐぜ! アニソン の”わ”!〜」(TOKYO FM、2014年6月1日、単独MC)
  • 「新時代のコトバ会議」(TBSラジオ 2021年1月1日)

ストリーミング配信[編集]

ポッドキャスト[編集]

  • 熱量と文字数(ポッドキャスト)、「サンキュータツオ Presents 二次元音声マガジン」となっている。
  • アニメ会の『ヲタめし!』(ポッドキャスト、2013年2月まで)
  • 東京ポッド許可局(ポッドキャスト)
  • 畑亜貴の弱り目に祟られろレディオ(ポッドキャスト、2013年8月頃より)
  • 渋谷らくごのポッドキャスト(渋谷らくごではキュレーターを務めている[25]。2015年7月より配信開始)

著作[編集]

著書[編集]

  • 『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』(角川学芸出版)、2013年(2016年、角川文庫)
  • 『ヘンな論文』(角川学芸出版)、2015年(2017年、角川文庫文庫)
  • 『もっとヘンな論文』(角川学芸出版)、2017年
  • 『これやこの サンキュータツオ随筆集』(KADOKAWA)、2020年

共著[編集]

  • 『東京ポッド許可局〜文系芸人が行間を、裏を、未来を読む〜』(マキタスポーツプチ鹿島みちとの共著、新書館)、2010年
  • 『会話の授業を楽しくする コミュニケーションのためのクラス活動 40』(安部達雄名義、共著、スリーエーネットワーク)、2011年
  • 『日本語教師のための実践・作文指導』(安部達雄名義、共著、くろしお出版)、2015年
  • 『俺たちのBL論』(春日太一との共著、河出書房新社)、2016年(2018年、河出文庫)
  • 広辞苑 第七版』(サブカルチャー分野の執筆者、岩波書店)、2017年

連載[編集]

  • 『週刊現代』、「サウダージ あの日を旅する」のコーナー
  • 『DVD&ブルーレイ VISION』、「サンキュータツオのアニメ論考」
  • 『チャンピオンREDいちご』、「サンキュータツオのいちごのその後」
  • 『COMPASS』、「サンキュータツオのヒントの答え」
  • 讀賣新聞、「サンキュータツオの ただアニ!」
  • 『栄養と料理』、「このコトバ、国語辞典に聞いてみよっ」
  • 朝日新聞書評委員(2017-)

論文[編集]

  • 「笑いとことば--漫才における「フリ」のレトリック」文体論研究50号 2004年
  • 「漫才における「フリ」「ボケ」「ツッコミ」のダイナミズム」早稲田大学大学院文学研究科紀要51巻 2005年
  • 「漫才における「ボケ」の特質と形態的特徴」早稲田日本語研究13号 2005
  • 「漫才における「ツッコミ」の類型とその表現効果」国語学研究と資料28巻 2005
  • 「古今亭志ん朝の文体:八代目桂文楽「明烏」との比較を通して」国語学研究と資料30巻 2007
  • 「表現教育の可能性」成城大学共通教育論集9号 2016
  • 「漫才における装置としての観客 : ナイツオードリーを例に」文体論研究第66号 2020

その他[編集]

DVD/BD[編集]

脚注[編集]

  1. ^ [1] 早稲田大学第一文学部人文専修
  2. ^ サンキュータツオ 『もっとヘンな論文』株式会社KADOKAWA、2017-05  、164-167頁。 
  3. ^ 早稲田学報2014年4月号より
  4. ^ a b カミナリまなぶ、ジョイマン高木、サンキュータツオ 普通の大学生ってなんだ”. 早稲田ウィークリー. 2020年4月14日閲覧。
  5. ^ a b 早稲田大学と私 (後編)”. サンキュータツオ教授の優雅な生活 (2009年4月4日). 2022年9月18日閲覧。
  6. ^ 25歳という年齢。あなたは何をしていましたか?”. TBSラジオ (2021年8月1日). 2022年9月18日閲覧。
  7. ^ 彼女はひとり、なんの縁もない土地で、最後の望みをかけて闘病していた サンキュータツオ『これやこの』試し読み #2 幕を上げる背中”. カドブン. 2022年9月18日閲覧。
  8. ^ 特定領域研究「日本語コーパス」平成22年度研究成果報告書 『現代日本語書き言葉均衡コーパス』に含まれるサンプルおよび書誌情報の設計と実装” (PDF). 文部科学省科学研究費特定領域研究「日本語コーパス」データ班 (2011年2月). 2018年10月15日閲覧。
  9. ^ 安部達雄「漫才における「ボケ」の質的特徴と形態的特徴」『早稲田日本語研究』第13巻、早稲田大学日本語学会、2005年3月、61-72頁。 
  10. ^ 安部達雄「漫才における「ツッコミ」の類型とその表現効果」『国語学研究と資料』第28巻、国語学研究と資料の会、2005年3月、48-60頁。 
  11. ^ 安部達雄「漫才における「フリ」「ボケ」「ツッコミ」のダイナミズム」『早稲田大学大学院文学研究科紀要 第3分冊 日本文学演劇映像美術史日本語日本文化』第51巻、早稲田大学文学学術院、2006年2月、69-79頁。 
  12. ^ 安部達雄「古今亭志ん朝の文体 : 八代目桂文楽「明烏」との比較を通して」『国語学研究と資料』第30巻、国語学研究と資料の会、2007年9月、47-66頁。 
  13. ^ サンキュータツオ Thankyou Tatsuo | 現代ビジネス @gendai_biz”. 現代ビジネス. 2020年4月14日閲覧。
  14. ^ 「サンキュータツオ」 文化放送
  15. ^ [2]
  16. ^ サンキュータツオさんの書評|好書好日”. 好書好日. 2020年4月14日閲覧。
  17. ^ お笑い芸人「サンキュータツオ」が語る「私が『広辞苑』の項目執筆を依頼されたワケ」”. デイリー新潮. 2020年4月14日閲覧。
  18. ^ サンキュータツオ (2015年1月). “渋谷らくご公式読み物「どがちゃが」創刊号”. 渋谷らくご. ユーロライブ. 2020年11月2日閲覧。
  19. ^ 渋谷らくごホームページ”. 2017年3月23日閲覧。
  20. ^ 香山リカ氏乗っとり被害か?ツイッターを休止”. 日刊スポーツ (2015年5月1日). 2014年8月25日閲覧。
  21. ^ 香山リカ問題で謝罪のDHCプロデューサーとたかじん未亡人の関係…一緒にくまモンを”. ビジネスジャーナル (2015年5月10日). 2014年8月25日閲覧。
  22. ^ 香山リカ「降板騒動」のドロ沼” (2015年5月15日). 2014年8月25日閲覧。
  23. ^ https://www.youtube.com/watch?v=bAPLtH4OVjM
  24. ^ 【WOWOWぷらすと】声優・石田彰を語る。
  25. ^ 渋谷らくごホームページ”. 2015年12月9日閲覧。

外部リンク[編集]