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; カヨコ・アン・パタースン(Kayoko Ann Patterson)
; カヨコ・アン・パタースン(Kayoko Ann Patterson)
: 演 - [[石原さとみ]]
: 演 - [[石原さとみ]]
: 米国大統領[[特使]]。日本人の祖母をもち、英語と日本語のバイリンガル。父親は[[アメリカ合衆国上院|上院議員]]。来日中は男性のSP(演:[[マフィア梶田]])が同行している
: 米国大統領[[特使]]。日本人の祖母をもち、英語と日本語のバイリンガル。父親は[[アメリカ合衆国上院|上院議員]]。

=== 巨災対メンバー ===
=== 巨災対メンバー ===
; 「はぐれ者」森 文哉
; 森 文哉
: 演 - [[津田寛治]]
: 演 - [[津田寛治]]
: [[厚生労働省]][[医政局]]研究開発振興課長(医系[[技官]])。
: [[厚生労働省]][[医政局]]研究開発振興課長(医系[[技官]])。<!--巨災対設立時の自身の挨拶のうち「はぐれ者」というカットで登場。-->
; 「一匹狼」尾頭 ヒロミ(おがしら ヒロミ)
; 尾頭 ヒロミ(おがしら ヒロミ)
: 演 - [[市川実日子]]
: 演 - [[市川実日子]]
: [[環境省]][[自然環境局]]野生生物[[課長補佐]]、立川への移管後は課長代理。
: [[環境省]][[自然環境局]]野生生物[[課長補佐]]、立川への移管後は課長代理。<!--巨災対設立時の森の発言のうち「一匹狼」というカットで登場。-->
; 「変わり者」立川 始
; 立川 始
: 演 - [[野間口徹]]
: 演 - [[野間口徹]]
: 資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力政策課長。
: 資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力政策課長。<!--巨災対設立時の森の発言のうち「変わり者」というカットで登場。-->
; 「オタク」安田 龍彥
; 安田 龍彥
: 演 - [[高橋一生]]
: 演 - [[高橋一生]]
:[[文部科学省]][[研究振興局]]基礎研究振興課長。
:[[文部科学省]][[研究振興局]]基礎研究振興課長。<!--巨災対設立時の森の発言のうち「オタク」というカットで登場。-->
; 「問題児」小松原 潤
; 小松原 潤
: 演 - [[三輪江一]]
: 演 - [[三輪江一]]
: 外務省総合外交政策局長。
: 外務省総合外交政策局長。<!--巨災対設立時の森の発言のうち「問題児」というカットで登場。-->
; 「鼻つまみ者」竹尾 保
; 竹尾 保
: 演 - [[小松利昌]]
: 演 - [[小松利昌]]
: 国土交通省危機管理・運輸安全政策審議官。
: 国土交通省危機管理・運輸安全政策審議官。<!--巨災対設立時の森の発言のうち「鼻つまみ者」というカットで登場。-->
; 「厄介者」袖原 泰司
; 袖原 泰司
: 演 - [[谷口翔太]]
: 演 - [[谷口翔太]]
: 官邸内統幕運用第1課長(実在しない役職)。
: 官邸内統幕運用第1課長(実在しない役職)。<!--巨災対設立時の森の発言のうち「厄介者」というカットで登場。-->
; 「学会の異端児」間 邦夫
; 間 邦夫
: 演 - [[塚本晋也]]
: 演 - [[塚本晋也]]
: 国立城北大学大学院生物圏科学研究科[[准教授]]。
: 国立城北大学大学院生物圏科学研究科[[准教授]]。<!--巨災対設立時の森の発言のうち「学界の異端児」というカットで登場。-->
; 根岸 達也
; 根岸 達也
: 演 - [[黒田大輔]]
: 演 - [[黒田大輔]]

2016年10月7日 (金) 17:42時点における版

シン・ゴジラ
ファイル:大田区対ゴジラ。.jpeg
「大田区対ゴジラ。」と表された商店街ののぼり
撮影箇所は実際にシン・ゴジラが撮影された商店街の一角
監督 庵野秀明(総監督)
樋口真嗣(監督・特技監督)
脚本 庵野秀明
製作 市川南
製作総指揮 山内章弘
出演者 長谷川博己
竹野内豊
石原さとみ
音楽 鷺巣詩郎
伊福部昭
撮影 山田康介
編集 庵野秀明
佐藤敦紀
制作会社 東宝映画
シネバザール
製作会社 東宝
配給 東宝
公開 日本の旗2016年7月29日
アメリカ合衆国の旗2016年10月11日(予定)
上映時間 119分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
英語
前作 ゴジラ FINAL WARS
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シン・ゴジラ』は、2016年平成28年)7月29日公開の日本映画。総監督・脚本は庵野秀明、監督・特技監督は樋口真嗣、主演は長谷川博己東宝製作のゴジラシリーズの第29作であり、『ゴジラ FINAL WARS』以来約12年ぶりの日本製作のゴジラ映画である。

製作

2014年公開の『GODZILLA ゴジラ』の世界的な大ヒットを受け、日本製ゴジラの製作が決定した[1]。総監督・脚本には庵野秀明、監督・特技監督には樋口真嗣がそれぞれ起用された。当初、庵野はオファーを固辞していたが、東宝の誠意と樋口の説得を受けて「一度きりの挑戦」として承諾した[2]

日本の『ゴジラ』シリーズでは初となる、フルCGで制作されるゴジラのデザインには、『巨神兵東京に現わる 劇場版』などで雛型模型を手掛けた竹谷隆之が起用された[3]。樋口から依頼を受けた際には詳細は知らされず、「背びれのある怪獣」とだけ伝えられていたという[3]。デザインの詳細は前田真宏のコンセプトスケッチを基に庵野、樋口、竹谷、尾上克郎が打ち合わせを行い、庵野はシン・ゴジラのコンセプトを「完全生物」と提示している[3]。また、庵野による命名のタイトル「シン・ゴジラ」には「新」「真」「神」などの意味が含まれているという[4]

プロデューサーの佐藤善宏は、本作のセリフついて「完成した映画でファンタジーなのはゴジラだけというくらい突きつめています」と述べている[5]。庵野は脚本の執筆段階から防衛省自衛隊に協力を依頼し、「実際にゴジラが現れた場合、自衛隊はどのように対処するのか」「ゴジラに対して武器の使用が認められるのか」などミーティングを繰り返し行い、事実に即した脚本に仕上げていったという[5][注 1]。劇中ではゴジラが「巨大不明生物」と呼称されているが、これはミーティングに出席した官僚の発言に由来している[5]。また、戦車による攻撃シーンの参考にするため、富士総合火力演習の撮影をしている[5]。この他に首相官邸や自衛隊基地をロケハンしているが、官邸職員からは「そのまま再現するのは控えてほしい」と忠告されたり、作戦本部など撮影が許可されない場所もあった[7]

音楽には、庵野が監督を務めた『ふしぎの海のナディア』『新世紀エヴァンゲリオン』で音楽を担当した鷺巣詩郎が起用された[8]。鷺巣によると、2015年1月1日に庵野夫妻との食事の席で参加を依頼されたという[8]。劇中では『エヴァンゲリオン』の音楽が使用された他に、伊福部昭の音楽も使用されている[8]。庵野は脚本執筆の段階で伊福部音楽を使用することを決めており、オリジナルのモノラル音源が使用された[8]

俳優の役作りについては、ミーティングの際に政治家や官僚の会話を録音して俳優に聞かせたうえで、「早口で、普段は使わない専門用語の多い言葉を流暢にかつ説得力を持って喋る」政治家や官僚のイメージを作るようにしたという[5]

ゴジラのモーションキャプチャーを担当したのは、狂言師野村萬斎である[9]。野村は「日本の映画界が誇るゴジラという生物のDNAに私が継承しております650年以上の歴史を持つ狂言のDNAが入ったという事で非常に嬉しく思っております」とコメントしている[10]

  • 2014年
    • 12月8日、東宝によりゴジラの新作映画の製作が発表された[1]
  • 2015年
    • 4月1日、総監督・脚本に庵野秀明、監督・特技監督に樋口真嗣が起用されたことが発表された[2]
    • 9月23日、タイトルが『シン・ゴジラ』であり、出演者が長谷川博己石原さとみ竹野内豊であることが発表された[4]
    • 11月2日、撮影が10月31日に終了したことを石原が公式LINEアカウントで報告した[11]
    • 12月10日、公開日が2016年7月29日に決定したこと、ティザービジュアル、特報、キャッチコピー「ニッポン対ゴジラ。」、ゴジラの体長がシリーズ最大の118.5メートルであることが発表された[12]
  • 2016年
ファイル:Godzilla's foot, Sunshine City, Ikebukuro, Tokyo 20160820.jpg
映画の宣伝のディスプレイ。サンシャインシティにて
    • 1月6日、本作に登場するゴジラを東宝スタジオで写した写真4枚がFacebook上に流出した[13]
    • 3月25日、本作の公開を記念して『GODZILLA ゴジラ』を含む史上初のシリーズ29作品を一挙上映する企画「シン・ゴジラ映画総進撃」が同年5月7日 - 6月17日に神保町シアターにて開催されることが発表された[14]
    • 4月14日、予告編が発表された。同時に、ゴジラの全身像、キャスト、スタッフも発表となった[15]
    • 7月1日、新予告編が一部の劇場限定で公開された[16]
    • 7月19日、完成報告会見が品川プリンスホテルで開催された[17]
    • 7月25日、ワールドプレミアが東京のTOHOシネマズ新宿にて開催され、会場前の歌舞伎町のセントラルロードにゴジラの体長と同じ118.5mのレッドカーペッドが設えられた。レッドカーペットイベント前にはひかれたセントラルロードが、同日をもって正式に「ゴジラロード」と名付けられることとなり、命名式がとり行われた[18]

スタッフ

あらすじ

2016年11月3日8時30分ごろ、東京湾羽田沖で大量の水蒸気が噴出、同時に海底を通る東京湾アクアラインでもトンネル崩落事故が発生。政府は原因を海底火山熱水噴出孔の発生と見て対応を進める。矢口蘭堂(やぐち らんどう)内閣官房副長官は、ネット上の一般人の動画や目撃報告から、いち早く巨大生物に因していると示唆するが、一笑に付される。しかし、間もなく巨大生物の尻尾部分がテレビ報道されたため、政府は認識を改める。巨大生物は多摩川河口から大田区内の呑川を這いずるように遡上し、蒲田で上陸、北進をはじめる。

対処方針は駆除と決まり、政府は自衛隊に害獣駆除を目的とした出動を要請する。巨大生物は北品川近くで変形、直立二足歩行を始める。自衛隊の攻撃ヘリコプターが攻撃位置に到着するが、付近に逃げ遅れた住民が発見され、攻撃は中止される。巨大生物は突然歩行を止め、京浜運河から東京湾へと姿を消す。巨大生物は上陸から2時間強で死者・行方不明者100名以上の被害を出した。

巨大生物の再度襲来に備え、矢口を事務局長とした「巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)」が設置される。被害地域で微量の放射線量の増加が確認され、巨大生物の行動経路と一致したことから、巨大生物が放射線源だと判明する。米国より大統領次席補佐官および大統領特使が極秘裏に来日し、巨大不明生物は海洋投棄された放射性廃棄物適応進化した、「ゴジラ (Godzilla)」と名付けられた生物であること、その生物を研究していた牧悟郎という学者が行方不明であること、牧が残した謎の暗号化資料等が日本側に提供される。巨災対は、ゴジラは体内の原子炉状の器官から活動エネルギーを得ており、そこから生じる熱は血液循環によって発散しているため、血液循環を阻害すればゴジラは生命維持のため自らスクラム停止・急激な冷却を行い、活動停止するはずであると結論づけ、血液凝固剤の経口投与によってゴジラを凍結させる「矢口プラン」(仮称)の具体検討を始める。

11月7日、前回の倍近い大きさとなったゴジラが鎌倉市に再上陸し、横浜市川崎市を縦断して武蔵小杉に至る。自衛隊は武蔵小杉から多摩川河川敷を防衛線とした、ゴジラの都内進入阻止のための総力作戦「タバ作戦」を実行するが、傷一つ付けることができず、突破されてしまう。ゴジラは大田区世田谷区目黒区へと進行する。米国からの大使館防衛を理由に爆撃機をグアムから日本に向かわせたとの通知を受けて、政府は正式に米国に攻撃支援を要請する。港区にまで進行してきたゴジラに対し、米軍爆撃機大型貫通爆弾によってゴジラに初めて傷を負わせることに成功するが、ゴジラは口から火炎や光線を、背部からも複数の光線を放射し始め、爆撃機をすべて撃墜し、港・千代田中央3区の市街地を破壊する。総理大臣官邸から立川広域防災基地へ避難するところであった総理大臣らが乗ったヘリコプターも光線によって撃墜され、総理を含め閣僚11名が死亡する。一方ゴジラは、東京駅構内で突然活動を停止する。

政府機能は立川に移転、総理大臣臨時代理も立てられ、矢口はゴジラ対策の特命担当大臣に任命される。米軍の爆撃で得られたゴジラの組織片の分析より、今後ゴジラは無性生殖によりネズミ算式に増殖でき群体化のおそれがあることや、個体進化により小型化や有翼化し、大陸間を超えて拡散する可能性が示唆された。また2週間後には活動再開すると予測された。国連安保理はゴジラへの熱核攻撃を決議し、住民360万人の疎開が行われる。巨災対は核攻撃ではなく矢口プランによるゴジラ停止の完遂を切望するが、ゴジラには元素を変換する能力もあったことが判明し、血液凝固剤が無力化される懸念が生じてしまった。その直後、それまで謎だった牧の暗号化資料の解読の糸口が見つかり、解読・解析結果からゴジラの元素変換機能を阻害する極限環境微生物の分子式が得られる。それを抑制剤として血液凝固剤と併せて投与することで解決の見通しが立った。

国連軍の熱核攻撃開始も間近に迫る中、矢口プランは、「ヤシオリ作戦」という作戦名で、日米共同作戦として開始される。無人運転の列車を使った爆弾でゴジラを起こし、次にエネルギー消耗のみを狙った米軍の無人航空機群による攻撃が、ゴジラが光線を出せなくなるまで続く。光線が途切れたところで付近の高層ビルをゴジラに向け爆破・倒壊させてゴジラを転倒させる。建設機械部隊とコンクリートポンプ車隊が近づきポンプ車のアームより累計数百キロリットルの血液凝固剤をゴジラの口内に流し込む。これらの繰り返しにより、ようやくゴジラの凍結に成功する。

その後、都心を汚染したゴジラの放射性物質は半減期が20日と短く、2 - 3年で影響がなくなる事が判明。復興の希望も見えたが、ゴジラが活動を再開した場合には、熱核攻撃の秒読みは再開され、58分46秒後に実施される。東京駅脇に凍りついたまま立ちつくすゴジラ。その尻尾の先端部には、背びれを持つ人型の小柄な生物数体が、生じかけたまま静止していた。

登場人物

(前列左から)庵野秀明、竹野内豊、長谷川博己、石原さとみ、高良健吾(後列左から)樋口真嗣、尾上克郎、市川実日子、大杉漣、塚本晋也、松尾諭

キャストは総勢328名が出演[15]。下記は主要な登場人物のみ抜粋。

主要人物

矢口 蘭堂(やぐち らんどう)
演 - 長谷川博己
内閣官房副長官(政務担当)。巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)事務局長を兼任。立川への移管後、巨大不明生物統合対策本部副本部長、特命担当大臣(巨大不明生物防災)を兼任。二世議員。39歳[21]。選挙区は山口3区[21][注 3]
赤坂 秀樹(あかさか ひでき)
演 - 竹野内豊
内閣総理大臣補佐官(国家安全保障担当)。立川への移管後は内閣官房長官代理に就任。42歳[21]
カヨコ・アン・パタースン(Kayoko Ann Patterson)
演 - 石原さとみ
米国大統領特使。日本人の祖母をもち、英語と日本語のバイリンガル。父親は上院議員

巨災対メンバー

森 文哉
演 - 津田寛治
厚生労働省医政局研究開発振興課長(医系技官)。
尾頭 ヒロミ(おがしら ヒロミ)
演 - 市川実日子
環境省自然環境局野生生物課長補佐、立川への移管後は課長代理。
立川 始
演 - 野間口徹
資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力政策課長。
安田 龍彥
演 - 高橋一生
文部科学省研究振興局基礎研究振興課長。
小松原 潤
演 - 三輪江一
外務省総合外交政策局長。
竹尾 保
演 - 小松利昌
国土交通省危機管理・運輸安全政策審議官。
袖原 泰司
演 - 谷口翔太
官邸内統幕運用第1課長(実在しない役職)。
間 邦夫
演 - 塚本晋也
国立城北大学大学院生物圏科学研究科准教授
根岸 達也
演 - 黒田大輔
原子力規制庁監視情報課長。
町田 一晃
演 - 吉田ウーロン太
経済産業省製造産業局長。

閣僚

大河内 清次
演 - 大杉漣
内閣総理大臣。ゴジラ2回目の出現時、搭乗したヘリが撃墜され死亡。
東 竜太
演 - 柄本明
内閣官房長官。ゴジラ2回目の出現時、搭乗したヘリが撃墜され死亡。
花森 麗子(はなもり れいこ)
演 - 余貴美子
防衛大臣。ゴジラ2回目の出現時、搭乗したヘリが撃墜され死亡。
里見 祐介
演 - 平泉成
農林水産大臣(ゴジラ1回目の出現時は外遊のため不在)、立川への移管後は生き残った閣僚や党幹事長に要請されて内閣総理大臣臨時代理となる。作中では、大河内からの論功行賞として大臣になったと言われている。
金井 内閣府特命担当大臣(防災担当)
演 - 中村育二
柳原 国土交通大臣
演 - 矢島健一
河野 総務大臣
演 - 浜田晃
関口 文部科学大臣
演 - 手塚とおる
片山 臨時外務大臣
演 - 嶋田久作
環境大臣
演 - 横光克彦

政府・行政機関関係者

志村 祐介
演 - 高良健吾
内閣官房副長官秘書官(防衛省)。
泉 修一(いずみ しゅういち)
演 - 松尾諭
保守第一党政調副会長、立川への移管後は内閣総理大臣臨時代理補佐官。
郡山 内閣危機管理監
演 - 渡辺哲
小塚 東京都知事
演 - 光石研
田原 東京都副知事
演 - 諏訪太朗
川又 東京都副知事
演 - 藤木孝
沢口 警察庁長官官房長
演 - 古田新太
警察庁刑事局局長
演 - モロ師岡
風越 新政務担当総理秘書官(外務省)
演 - 神尾佑
消防隊隊長
演 - 小出恵介

自衛隊関係者

財前 正夫
演 - 國村隼
統合幕僚長
矢島 統合幕僚副長
演 - 鶴見辰吾
東部方面総監幹部幕僚長
演 - 橋本じゅん
山岡 統合部隊指揮官
演 - 小林隆
西郷 タバ戦闘団長
演 - ピエール瀧
池田 第1戦車中隊長
演 - 斎藤工
第2戦車中隊長
演 - KREVA
芦田第2飛行隊第1小隊長
演 - 石垣佑磨
丹波一佐
第32普通科連隊長。ヤシオリ作戦を現地で指揮する。

その他

牧 悟郎
演 - 岡本喜八(写真のみの出演)
元城南大学統合生物学教授。日本の学会から追放されるようにして渡米し、将来出現すると予測されるゴジラの研究を米国で行っていた。
ベテラン官邸職員の小母さん
演 - 片桐はいり
早船(フリージャーナリスト)
演 - 松尾スズキ
新人記者
演 - 三浦貴大
古代生物学者
演 - 犬童一心
生物学者
演 - 原一男
海洋生物学者
演 - 緒方明
カヨコのボディガード
演 - マフィア梶田
カップルの女
演 - 前田敦子
ゴジラ
モーションキャプチャ - 野村萬斎[22]
正体不明の巨大生物。本作の序盤では、放射性廃棄物を食してエネルギー源とする生物だと考えられていたが、終盤で「熱核エネルギー変換生体器官を内蔵する混合栄養生物」、すなわち水や空気だけで生存・活動ができる生物だという推測に至った。巨大なオタマジャクシのような第1形態、ラブカのような頭をしており、上陸した両生類のような第2形態、覚束ない足取りだが二足歩行をはじめた第3形態、巨大化して顔つきも変わった第4形態がある[23]。第4形態の尻尾の先には「顔のようなもの」や「歯や骨のようなもの」が形成されている[23]

反響・興行・賞歴

2016年8月1日に発表された公開1週間目の映画観客動員ランキングでは、約41万人の動員で第1位を獲得、興行収入は約6億2500万円を記録した[24]。8月8日の興行通信社発表によると、公開2週目で2週連続1位となる累計動員約145万人・累計興行収入は約21億5064万円となった[25]。8月14日(公開17日間)に、累計動員約231万人・累計興収約33億8298万円となって2014年夏に公開されたハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』の最終興収約32億円を上回った[26]。その後、公開5週目を迎えた7月29日から8月28日までの公開1か月で累計動員360万人・累計興行収入53億円を突破、2016年公開の邦画実写映画1位を獲得した[27]。さらに9月6日までで累計動員420万8,608人・累計興行収入61億3,492万9,000円に達し、1992年公開の第19作『ゴジラvsモスラ』の累計動員約420万人を突破して平成シリーズ以降で最高の動員数となった[28]。公開7週目(9月10-11日)でベスト3圏外となったが、累計成績は動員450万5,022人、興収65億6,637万9,000円を記録した[29]。9月26日現在の累計成績は、興収73.7億円[30]

8月15日には発声可能上映(上映中の声出し、コスプレケミカルライトの持ち込みOK)が新宿バルト9で行われ、『アオイホノオ』などで知られる漫画家・島本和彦が出席、さらにこの日は庵野総監督もサプライズ登壇した[31]。また、8月24日には女性限定での上映イベント「女性限定鑑賞会議」が、出演した市川実日子、松尾諭、塚本晋也、片桐はいりが劇中衣装で登壇し、前述の発声可能上映同様の上映として開催された。なお、同イベントのチケットは販売開始3分で売り切れる程の人気となった[32][33]。この他、公開日から8月10日まで行われたIMAX上映も映画のヒットを受ける形で8月25日から9月9日まで再上映するほか[34]TOHOシネマズ新宿では8月26日に本作と庵野が監督を務めた『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』『巨神兵東京に現わる』の3作品を一挙上映する「ゴジラ・エヴァ・巨神兵 シン・チャンピオンまつり」を実施[35]、旧日本劇場時代からゴジラシリーズを上映してきたTOHOシネマズ日劇でも9月2日から15日までの大ヒット記念上映を行う[27]。9月15日の19時30分の回から、“発声可能上映”が、北海道から福岡まで日本全国26の劇場で上映開催された。TOHOシネマズ新宿では、庵野秀明総監督をはじめ、市川実日子、松尾諭、高橋一生と、さらにサプライズゲストとして長谷川博己が登壇した舞台あいさつを開催、その模様が全劇場に生中継された[36][37]ほか、ユナイテッド・シネマ札幌では同劇場のみの企画として島本和彦とSF作家の笹本祐一が登壇[38]、新宿と札幌の舞台挨拶のネット配信も行われた[39]

日本国外の公開は、台湾は、2016年8月12日劇場公開、香港シンガポールは、2016年8月25日劇場公開された[40]フィリピンで8月24日、タイで9月8日に、それぞれ劇場公開された[41]アメリカでは10月3日にはロサンゼルス、10月5日にはニューヨークでプレミア上映が予定されており、10月11日から18日まで限定で全米440館以上で上映予定[42]

評価

公開当時の日本の内閣総理大臣安倍晋三は本作の人気の理由を「自衛隊に対する国民の揺るぎない支持が背景にある」と分析した[43]

主なコラボレーション

パルコ渋谷の壁面オブジェ
新世紀エヴァンゲリオン
本作の総監督の庵野が同じく総監督を務めるアニメ作品。2016年4月1日に発表された「ゴジラ対エヴァンゲリオン」[44]の特設サイトにて、さまざまな商品やイラストが発表されている[45]
クレヨンしんちゃん
本作と同じく東宝の配給による劇場アニメ。2016年7月22日にテレビアニメ『クレヨンしんちゃん』とのコラボアニメ「しんちゃん対シン・ゴジラだゾ」が放送された[46]
スターフライヤー
北九州空港に本拠を置く日本の航空会社。本作のゴジラが機体に描かれたジェット機「シン・ゴジラジェット」が2016年12月まで就航し、機内では特別コラボグッズも販売される予定[47]
京王バス東「新宿WEバス」
新宿駅周辺を循環する路線バス。TOHOシネマズ新宿のある「ホテルグレイスリー新宿」停留所を経由する歌舞伎町ルートにて、2016年7月29日よりシン・ゴジラ仕様のラッピングバスを運行する。行き先表示にゴジラのシルエットが加わり、バス車内のショーケースにはゴジラのフィギュアを展示、車内放送や降車ブザー音ではゴジラの咆哮が流れる。[48]
パルコ
2016年8月7日より建て替えに伴い休業することが決まっていた渋谷パルコにて、建物壁面を突き破るようなゴジラのオブジェが制作された[49]

書籍

音楽

  • 『シン・ゴジラ音楽集』(2016年7月30日発売)
    • 発売2週目で8427枚(累積1.0万枚)を売り上げ、8月15日付オリコン週間アルバムランキングで前週34位→5位に急上昇した。『ゴジラ』関連作のアルバムTOP5入りは『GODZILLA THE ALBUM』は1998年5月25日付で5位を獲得して以来、18年3か月ぶり[50]。8月29日付オリコン週間アルバムランキングでは3位にランクインした[51]

脚注

注釈

  1. ^ 防衛庁時代に行われた机上研究では、実際にゴジラが出現した場合には「災害派遣を根拠とした出動及び有害鳥獣駆除による武器使用が可能」という結論が出されている[6]
  2. ^ ゴジラシリーズで「特技監督」という役職表記は、『ゴジラvsデストロイア』(1995年)の川北紘一以来21年ぶりである。
  3. ^ 庵野監督の故郷である山口県宇部市が含まれている選挙区である。

出典

  1. ^ a b “元祖「ゴジラ」完全新作として製作決定!2016年に12年ぶり復活”. 映画.com. (2014年12月8日). http://eiga.com/news/20141208/2/ 2015年9月26日閲覧。 
  2. ^ a b “庵野秀明総監督×樋口真嗣監督で「ゴジラ」!強力タッグが実現、過去最大の体長を予定”. 映画.com. (2015年4月1日). http://eiga.com/news/20150401/1/ 2015年9月26日閲覧。 
  3. ^ a b c 庵野秀明、エヴァからゴジラへ創造の裏側~『シン・ゴジラ』を作った男たち - こだわりのビジュアル”. シネマトゥデイ (2016年7月8日). 2016年8月19日閲覧。
  4. ^ a b “ゴジラ新作に長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ タイトルは「シン・ゴジラ」”. Sponichi Annex (スポーツニッポン). (2015年9月23日). http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2015/09/23/kiji/K20150923011187800.html 2015年9月23日閲覧。 
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  6. ^ ゴジラへの対処、研究していた=自衛隊出動、武器使用も可能−防衛省”. 時事通信 (2007年12月21日). 2016年7月15日閲覧。
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外部リンク