三振
三振(さんしん)とは、野球、ソフトボールにおいて打者が投手からストライクを3つ取られること、またそのときの記録である。英語ではStrike Out(略記SO)といい、スコアブックではK、またはS.Oと記す。
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[編集] 概要
1回の打席において、打者が3回ストライクを宣告されたときの記録を三振という。このとき、第3ストライクの投球を捕手が正規に捕球するか、後述する規則により第3ストライクの宣告を受けた打者が直ちに走者となれない場合には、打者はアウトになる。ここで第3ストライクの宣告は、直ちに打者のアウトを意味するとは限らないことに注意しなければならない(→振り逃げ)。
球審は、第3ストライクを宣告する際、「ストライク・スリー」とコールする。かつては「ストライク・バッターアウト」などのコールも用いられていたが、三振が即アウトではないことを考慮すると、「ストライク・バッターアウト」の宣告は、まだアウトになっていない打者に対して誤ってアウトを宣告してしまう恐れがある。そのため、打者がアウトになったかどうかの区別なく、第3ストライクにあたる投球に対しては全て、「ストライク・スリー」を宣告することとしている。
[編集] 規定
2ストライク後、次のような場合に三振が記録される。公式記録の上で状況による区別はないが、特に目的をもって記録をつけている者はその目的に応じてしばしば区別して記録する。
- 打者がバットを振ったが、空振りだった場合(空振り三振と呼ばれる)。
- ファウルチップだった場合。
- 打者が打とうとしなかった投球がノーバウンドでストライクゾーンを通過した場合(見逃し三振と呼ばれる)。
- バントをした打球がファウルボールになった場合(スリーバント失敗と呼ばれる)。
打席の途中で代打があり、1回の打席で複数の打者が出てきて最終的に三振に終わった場合は、第2ストライクが記録された時に打席に立っていた打者に三振が記録される。これは、打席に立った打者が2人であればもっとも多くストライクを受けたのは第2ストライクを受けた打者であることによると思われる。
無死または一死で、一塁には走者がいない場合、第3ストライクにあたる投球を捕手が正規に捕球出来ないと、打者はアウトではなく、打者走者となる。これを振り逃げといい、打者をアウトにするためには、内野ゴロ同様に、守備側は打者または一塁に触球しなければならない。それまでに打者が一塁に到達すれば、打者は走者となって一塁に生きることが出来る。振り逃げによる一塁出塁の成否に関わらず、打者には三振が、投手には奪三振が記録される(これにより、1イニングで4つ以上の三振が記録される場合がある。詳細は、振り逃げを参照)。
- 三振で打者がアウトになった直後に塁上の走者が盗塁に失敗、または離塁が大きかったために触球されてアウトになることを、俗に「三振ゲッツー(三振併殺)」という。この場合、打者には三振が記録されるが併殺打は記録されない。
[編集] なぜ'K'か?
スコアブック上で三振をKと表記する理由は諸説あり、今も明確にはなっていない。
- 「Knockout」のKを採ったとする説
- 現在はこれが最も有力である。「Strike out」の頭文字の「S」や「SO」をそのまま表記してしまうと、「Sacrifice(犠打)」や「Steal(盗塁)」、「StealOut(盗塁死=盗塁失敗)」と重複するためだと言われる。
- 「単なる偶然」説
- ルールブック編集者がアウトにする方法を適当に箇条書きした上で、アルファベットを一文字ずつ振っていき、その結果、偶然にも三振のところに「K」が振られたとする
ただし現在の公認野球規則において三振になった打者がアウトになることを規定しているのは、打者がアウトになる場合を列挙している6.05のうち(b)(c)(j)である。
[編集] 三振の評価
以前は三振が多くてもそれは思い切りの良い打撃の裏返しであり、打者の個性であると好意的に見られており、「ブンブン丸」などニックネームが付けられることもあった(逆に「大型扇風機」などと揶揄されることもあった)。三振が好意的に見られる傾向は打線の中軸を担う打者に対するものが多いが、このような打者はしばしば試合の大事な場面で決勝打を放つなどチームに貢献している選手であり、三振などの少々の失敗には目をつぶるという割り切った考え方に起因している。
しかし近年はセイバーメトリクスの発達により、投手の奪三振が高く評価されるようになり(前に打球を飛ばされなければ、必然的に打者を出塁させることもない)、相対的に打者として三振の多さは欠点の1つと見られるようになってきている。ただし、いわゆる早打ちの打者は三振数は少ないが必然的に四球も少なくなり、また強打者はある程度三振数が多くなる傾向があり、その点は留意が必要である。ただし四球数との比率、打席あたりの投球数などを考慮せず、下記の打数/三振比率が高いことだけで優れた打者の指標とすることはできない。四球が多く三振が少ない選手は高い評価を受けている。
空振り三振と見逃し三振は同じ三振であり分けて評価する必然性はないが、空振り三振は積極的な打撃の結果だが見逃し三振は消極的な打撃の結果であるとして、見逃し三振をより低く評価する者もいる。脇村春夫は高野連会長だった頃、春・夏の甲子園大会の閉会式における講評の中で、「しかし課題もあります。(中略)そして、相変わらずの多い、見逃し三振」とほぼ毎年・毎回のように語っていた。
[編集] 打数/三振比率 (At Bats per Strikeout)
メジャーリーグの野球記録では、打者に対する「三振のしにくさ」を評価する数値として、打数を三振数で割った係数が用いられる。この係数の特徴は打数を分子とすることで、四死球や犠打、失策の要素が影響せず、その打者の打撃がどれほど確実に投球を打ち返すかを表現している点である。 数値が大きいほどその打者は三振しにくい。評価基準は概ね、7.8ほどで良好、1を下回ると優秀であるとされている。また実際は打者の打率の高さともある程度の相関を持ち、いわゆる「コンタクトヒッター」ほど高い数値を示す。
[編集] 奪三振
奪三振(だつさんしん)は、投手が打者を三振に仕留めることで、投手に与えられる記録である。
上記の要領で打者に三振が記録されると同時に、投手には奪三振が記録される。対戦打者の三振と対戦投手の奪三振は必ず同数になる。
- 1イニングが3アウトで終了することから、1イニングで記録できる奪三振は3個が基本的な上限である。しかし、振り逃げが成功した場合、奪三振は記録されるが、アウトカウントは増加しない。振り逃げは条件さえ整っていれば1イニングに何度でも行うことが可能であるので、理論上は1イニングで何個でも奪三振が記録できることになる。
- 投手にとって三振を取ることは、打者の狙いを完全に外すことであり、投手対打者の対戦において投手の完勝と言える。特に奪三振の多い投手はドクターKなどと呼ばれ、強打者との対戦がクローズアップされるなど注目度が高い。
- 1人の打者との対決の途中に投手が交代し、最終的にその打者が三振した場合は、第3ストライクを取った投手に奪三振1が記録される。よって「奪三振1を記録するために必要な最少投球数」は「1球」ということになる。
[編集] 奪三振率
奪三振率とは投手が1試合(9イニング)完投したと仮定した場合の平均奪三振数である。すなわち次の式により求められる。
この値は投手のタイプの指標となり、少なければ打たせて取る投手、高ければ三振を取る投手と認識される。評価基準は、7.5から8.0であれば高い部類に入り9.0を超えると典型的な、三振を取る投手となる。年代別に見ると、奪三振率はメジャーリーグにおいては全体的に上昇する傾向にある[1]。
シーズンを通しての日本記録(規定投球回数達成者)は1998年の石井一久の11.047。大リーグ記録は2001年のランディ・ジョンソンの13.41。ちなみにシーズン奪三振世界記録を樹立した1968年の江夏豊は10.9696。
[編集] 奪三振の評価
日本のプロ野球では、1988年までシーズン最多奪三振が連盟表彰ではなく、さほど注目を集める数字ではなかった。しかし、1988年にロッテの小川博が右投手としては初、パリーグとしても初の「奪三振>投球回数」を記録したため注目され、翌年から連盟表彰のタイトルとなることが決まった。
さらに、1990年に野茂英雄がデビューし、本拠地の藤井寺球場では「『K』ボード」が配られファンが掲げたため、「K=三振」という認識が定着した。
近年のメジャーリーグでは、奪三振は野手の守備能力や運に左右されることのない投手の能力として、スカウティングで特に評価されている。
[編集] 三振に関する記録
[編集] 日本プロ野球
[編集] 通算記録
記録は2011年シーズン終了時点
| 順位 | 名前 | 所属 | 三振 | 順位 | 名前 | 所属 | 三振 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 清原和博 | オリックス・バファローズ | 1955 | 11 | 野村克也 | 西武ライオンズ | 1478 |
| 2 | 秋山幸二 | 福岡ダイエーホークス | 1712 | 12 | 大島康徳 | 日本ハムファイターズ | 1462 |
| 3 | *山崎武司 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 1660 | 13 | *小久保裕紀 | 福岡ソフトバンクホークス | 1449 |
| 4 | *谷繁元信 | 中日ドラゴンズ | 1656 | 14 | 池山隆寛 | ヤクルトスワローズ | 1440 |
| 5 | タフィ・ローズ | オリックス・バファローズ | 1655 | 15 | 田中幸雄 | 北海道日本ハムファイターズ | 1416 |
| 6 | *金本知憲 | 阪神タイガース | 1649 | 16 | 王貞治 | 読売ジャイアンツ | 1319 |
| 7 | 衣笠祥雄 | 広島東洋カープ | 1587 | 17 | 宇野勝 | 千葉ロッテマリーンズ | 1306 |
| 8 | *中村紀洋 | 横浜ベイスターズ | 1543 | 18 | 堀幸一 | 千葉ロッテマリーンズ | 1295 |
| 9 | 広澤克実 | 阪神タイガース | 1529 | 19 | 山崎裕之 | 西武ライオンズ | 1267 |
| 10 | 門田博光 | 福岡ダイエーホークス | 1520 | 20 | *石井琢朗 | 広島東洋カープ | 1237 |
*は現役選手、所属は現役最終所属球団(現役選手は現所属球団)
[編集] シーズン記録
| 順位 | 名前 | 所属 | 三振 | 記録年 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ラルフ・ブライアント | 近鉄バファローズ | 204 | 1993 |
| 2 | ラルフ・ブライアント | 近鉄バファローズ | 198 | 1990 |
| 3 | ラルフ・ブライアント | 近鉄バファローズ | 187 | 1989 |
| 4 | ラルフ・ブライアント | 近鉄バファローズ | 176 | 1992 |
| 5 | 岩村明憲 | ヤクルトスワローズ | 173 | 2004 |
| 6 | オレステス・デストラーデ | 西武ライオンズ | 165 | 1990 |
| 7 | 中村剛也 | 西武ライオンズ | 162 | 2008 |
| 8 | ボビー・ミッチェル | 日本ハムファイターズ | 158 | 1977 |
| トニ・ブランコ | 中日ドラゴンズ | 2010 | ||
| 10 | トニ・ブランコ | 中日ドラゴンズ | 157 | 2009 |
[編集] その他の記録
- チーム記録
| 記録 | 球団 | 三振数 | 年月日 | 対戦相手 |
|---|---|---|---|---|
| 1試合チーム最多三振 | 千葉ロッテマリーンズ | 19 | 1995年4月21日 | 対 オリックス・ブルーウェーブ |
| 中日ドラゴンズ | 2005年4月6日 | 対 ヤクルトスワローズ | ||
| 2006年6月19日 | 対 福岡ソフトバンクホークス | |||
| シーズンチーム最多三振 | 北海道日本ハムファイターズ | 1151 | 2005年 |
- 個人記録
| 記録 | 選手 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 1試合最多三振(5三振) | 若菜嘉晴 | トニー・ソレイタ | リチャード・ゲイル | 愛甲猛 | 鶴田泰 |
| 上原浩治 | マイク・グラン | 仁志敏久 | 渡辺俊介 | 里崎智也 | |
| ロブ・デューシー | 大豊泰昭 | 金子誠 | 谷繁元信 | 小久保裕紀 | |
| 的山哲也 | 館山昌平 | 筒香嘉智 | |||
| 1イニング最多三振(2三振) | 真田重蔵 | 穴吹義雄 | 備前喜夫 | 後藤修 | 鈴木隆 |
| 河津憲一 | 石井茂雄 | 菱川章 | 森昌彦 | 梅田邦三 | |
| 辻恭彦 | 清水透 | 金村義明 | クリス・ナイマン | 荒木大輔 | |
| 真弓明信 | 中尾孝義 | 酒井忠晴 | 佐々岡真司 | 石井一久 | |
| 橋本清 | 大豊泰昭 | ラルフ・ブライアント | 平尾博嗣 | 斎藤隆 | |
| 緒方孝市 | ネイサン・ミンチー | 野口寿浩 | 的山哲也 | 小宮山悟 | |
| 高山久 | 高橋建 | ジョージ・アリアス | 後藤光尊 | タフィ・ローズ | |
| 井上純 | 桧山進次郎 | 久保裕也 | 村田修一 | 相川亮二 | |
| 明石健志 | スコット・マクレーン | 細山田武史 | 永井怜 | サブロー | |
- 連続三振
- 連続打数三振
- ラルフ・ブライアント 14打数
- 開幕から連続打席三振
- ドミンゴ・グスマン 18打席
- 新入団選手の初打席から連続打席三振
- 金泰均 6打席
- シーズン最少三振(300打数以上)
- 連続無三振
[編集] アメリカメジャーリーグ
[編集] 通算記録
※2011年シーズン終了時点
| 順位 | 名前 | 所属 | 三振 | 順位 | 名前 | 所属 | 三振 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | レジー・ジャクソン | オークランド・アスレチックス | 2597 | 11 | トニー・ペレス | シンシナティ・レッズ | 1867 |
| 2 | *ジム・トーミ | ミネソタ・ツインズ | 2487 | 12 | デーブ・キングマン | オークランド・アスレチックス | 1816 |
| 3 | サミー・ソーサ | テキサス・レンジャーズ | 2306 | 13 | *マニー・ラミレス | タンパベイ・レイズ | 1813 |
| 4 | アンドレス・ガララーガ | アナハイム・エンゼルス | 2003 | 14 | *アダム・ダン | シカゴ・ホワイトソックス | 1809 |
| 5 | ホセ・カンセコ | シカゴ・ホワイトソックス | 1942 | 15 | ケン・グリフィー・ジュニア | シアトル・マリナーズ | 1779 |
| 6 | ウィリー・スタージェル | ピッツバーグ・パイレーツ | 1936 | 16 | ボビー・アブレイユ | ロサンゼルス・エンゼルス | 1763 |
| 7 | *アレックス・ロドリゲス | ニューヨーク・ヤンキース | 1916 | 17 | ボビー・ボンズ | シカゴ・カブス | 1757 |
| 8 | *マイク・キャメロン | ボストン・レッドソックス | 1901 | 18 | クレイグ・ビジオ | ヒューストン・アストロズ | 1753 |
| 9 | マイク・シュミット | フィラデルフィア・フィリーズ | 1883 | 19 | デール・マーフィー | コロラド・ロッキーズ | 1748 |
| 10 | フレッド・マグリフ | タンパベイ・レイズ | 1882 | 20 | カルロス・デルガド | ニューヨーク・メッツ | 1745 |
*は現役選手、所属は現役最終所属球団(現役選手は現所属球団)
[編集] シーズン記録
※2011年シーズン終了時点
| 順位 | 名前 | 所属 | 三振 | 記録年 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | マーク・レイノルズ | アリゾナ・ダイヤモンドバックス | 223 | 2009 |
| 2 | マーク・レイノルズ | アリゾナ・ダイヤモンドバックス | 211 | 2010 |
| 3 | ドリュー・スタッブス | シンシナティ・レッズ | 205 | 2011 |
| 4 | マーク・レイノルズ | アリゾナ・ダイヤモンドバックス | 204 | 2008 |
| 5 | アダム・ダン | ワシントン・ナショナルズ | 199 | 2010 |
| ライアン・ハワード | フィラデルフィア・フィリーズ | 2007 | ||
| ライアン・ハワード | フィラデルフィア・フィリーズ | 2008 | ||
| 8 | ジャック・カスト | オークランド・アスレチックス | 197 | 2008 |
| 9 | マーク・レイノルズ | アリゾナ・ダイヤモンドバックス | 196 | 2011 |
| 10 | アダム・ダン | シンシナティ・レッズ | 195 | 2004 |
[編集] その他の記録
- 連続無三振試合
- 115試合:ジョー・シーウェル(クリーブランド・インディアンス)- 1929年5月17日~9月19日
[編集] 奪三振に関する記録
[編集] 日本プロ野球
[編集] 通算記録
記録は2011年シーズン終了時点
| 順位 | 名前 | 所属 | 奪三振 | 順位 | 名前 | 所属 | 奪三振 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 金田正一 | 読売ジャイアンツ | 4490 | 11 | 小野正一 | 中日ドラゴンズ | 2244 |
| 2 | 米田哲也 | 近鉄バファローズ | 3388 | 12 | *山本昌 | 中日ドラゴンズ | 2220 |
| 3 | 小山正明 | 大洋ホエールズ | 3159 | 13 | *三浦大輔 | 横浜ベイスターズ | 2134 |
| 4 | 鈴木啓示 | 近鉄バファローズ | 3061 | 14 | 槙原寛己 | 読売ジャイアンツ | 2111 |
| 5 | 江夏豊 | 西武ライオンズ | 2987 | 15 | 川口和久 | 読売ジャイアンツ | 2092 |
| 6 | 梶本隆夫 | 阪急ブレーブス | 2945 | 16 | 山田久志 | 阪急ブレーブス | 2058 |
| 7 | 工藤公康 | 埼玉西武ライオンズ | 2859 | 17 | 平松政次 | 横浜大洋ホエールズ | 2045 |
| 8 | 稲尾和久 | 西鉄ライオンズ | 2574 | 18 | 星野伸之 | 阪神タイガース | 2041 |
| 9 | 村田兆治 | ロッテオリオンズ | 2363 | 19 | *石井一久 | 埼玉西武ライオンズ | 2036 |
| 10 | 村山実 | 阪神タイガース | 2271 | 20 | *西口文也 | 埼玉西武ライオンズ | 2016 |
*はNPBで現役の選手、所属は現役最終所属球団(現役選手は現所属球団)
なお、野茂英雄は日米通算で3122奪三振。
これら上位の記録は、まだ投手分業制が浸透しておらず、各球団のエースが2、3日連投し投球回数が多かった時代に達成されたものである。投手分業制が定着している近年では投球回数が減少しているため、これらの記録を更新することは容易ではない。その一方で、前述のように奪三振率が近年上昇傾向にあることもあり、これらの記録だけから過去の大投手と現代の投手の奪三振能力の比較を一概に行うことはできない。
[編集] シーズン記録
| 順位 | 名前 | 所属 | 奪三振 | 達成年 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 江夏豊 | 阪神タイガース | 401 | 1968 |
| 2 | 稲尾和久 | 西鉄ライオンズ | 353 | 1961 |
| 3 | 金田正一 | 国鉄スワローズ | 350 | 1955 |
| 4 | 江夏豊 | 阪神タイガース | 340 | 1970 |
| 5 | 杉浦忠 | 南海ホークス | 336 | 1959 |
| 6 | 稲尾和久 | 西鉄ライオンズ | 334 | 1958 |
| 7 | 梶本隆夫 | 阪急ブレーブス | 327 | 1956 |
| 8 | 稲尾和久 | 西鉄ライオンズ | 321 | 1959 |
| 9 | 杉浦忠 | 南海ホークス | 317 | 1960 |
| 10 | 金田正一 | 国鉄スワローズ | 316 | 1956 |
[編集] 1試合記録
| 順位 | 名前 | 所属 | 奪三振 | 達成年月日 | 対戦相手 | DH制 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 野田浩司 | オリックスブルーウェーブ | 19 | 1995年4月21日 | 千葉ロッテマリーンズ | 有 | 勝敗つかず。チームは敗退 |
| 2 | 田中将大 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 18 | 2011年8月27日 | 福岡ソフトバンクホークス | 有 | |
| 3 | 足立光宏 | 阪急ブレーブス | 17 | 1962年5月24日 | 南海ホークス | 無 | |
| 野茂英雄 | 近鉄バファローズ | 1990年4月29日 | オリックス・ブレーブス | 有 | プロ初勝利 | ||
| 野田浩司 | オリックスブルーウェーブ | 1994年8月12日 | 近鉄バファローズ | 有 |
- 1試合最多連続奪三振
1イニング4奪三振投手
※これとは別に、野口茂樹、遠藤政隆の継投での記録がある。
※なお、二軍では2010年に楽天の木谷寿巳が1イニング5奪三振を記録している。
全員奪三振
単独によるもの
| 名前 | 所属 | 達成年月日 | 対戦相手 | 奪三振数 |
|---|---|---|---|---|
| 松坂大輔 | 西武ライオンズ | 2004年4月9日 | 大阪近鉄バファローズ | 10 |
| 川上憲伸 | 中日ドラゴンズ | 2005年5月20日 | 千葉ロッテマリーンズ | 10 |
| 大場翔太 | 福岡ソフトバンクホークス | 2008年4月5日 | 千葉ロッテマリーンズ | 16 |
| 涌井秀章 | 埼玉西武ライオンズ | 2009年4月24日 | 千葉ロッテマリーンズ | 12 |
| 岩隈久志 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 2009年9月1日 | 埼玉西武ライオンズ | 11 |
継投によるもの
| 選手 | 球団 | 達成年月日 | 対戦相手 | 奪三振数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 荒巻-小野-若生 | 大毎オリオンズ | 1958年4月23日 | 東映フライヤーズ | 10 | * |
| 園川-荘-平沼-河本 | 千葉ロッテマリーンズ | 1992年4月8日 | 福岡ダイエーホークス | 11 | * |
| 今野-白武-河本 | 千葉ロッテマリーンズ | 1992年8月11日 | オリックスブルーウェーブ | 9 | |
| 工藤-岡本-吉田(修)-斉藤(貢) | 福岡ダイエーホークス | 1997年6月17日 | 日本ハムファイターズ | 16 | |
| 森-竹下-デニー | 西武ライオンズ | 1999年9月26日 | オリックスブルーウェーブ | 13 | |
| 宮本-高木-三澤 | 大阪近鉄バファローズ | 2002年8月25日 | 日本ハムファイターズ | 13 | |
| 岸-岩崎-星野-長田-三井-小野寺 | 西武ライオンズ | 2007年5月16日 | 千葉ロッテマリーンズ | 12 | |
| 永井-青山-有銘-松本-吉崎 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 2008年6月4日 | 阪神タイガース | 13 | * |
| 山本-大久保-菊地原-加藤 | オリックス・バファローズ | 2009年7月3日 | 千葉ロッテマリーンズ | 14 |
- ※*は、全員奪三振ながら試合に敗れたケース。
- ※「全員」の対象は、DH制で打席に立たなかった投手を除いた出場選手。そのため、代走や守備などで打席に立たなかった選手が生じた時点でこの記録は達成不可能。DH制を採用していないセ・リーグ主催試合ではまだ全員奪三振が記録されていないが、代打などで選手交代が頻繁に生じるため「全員」の対象が増えることが要因にある)。
- ※千葉ロッテマリーンズは2009年に史上初のシーズン2度の全員三振を喫した。
[編集] 通算1000奪三振スピード記録
| 順位 | 名前 | 所属 | 投球回 | 達成年 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 野茂英雄 | 近鉄バファローズ | 871 | 1993 |
| 2 | *石井一久 | ヤクルトスワローズ | 913 | 2000 |
| 3 | 江夏豊 | 阪神タイガース | 940 | 1970 |
| 4 | *杉内俊哉 | 福岡ソフトバンクホークス | 979 1/3 | 2009 |
| 5 | 伊良部秀輝 | 千葉ロッテマリーンズ | 997 1/3 | 1996 |
*は現役選手
[編集] アメリカメジャーリーグ
[編集] 通算記録
※2010年シーズン終了時点
| 順位 | 名前 | 所属 | 奪三振 | 順位 | 名前 | 所属 | 奪三振 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ノーラン・ライアン | テキサス・レンジャーズ | 5714 | 11 | フィル・ニークロ | アトランタ・ブレーブス | 3342 |
| 2 | ランディ・ジョンソン | サンフランシスコ・ジャイアンツ | 4875 | 12 | ファーガソン・ジェンキンス | シカゴ・カブス | 3192 |
| 3 | ロジャー・クレメンス | ニューヨーク・ヤンキース | 4672 | 13 | ペドロ・マルティネス | フィラデルフィア・フィリーズ | 3154 |
| 4 | スティーブ・カールトン | ミネソタ・ツインズ | 4136 | 14 | ボブ・ギブソン | セントルイス・カージナルス | 3117 |
| 5 | バート・ブライレブン | カリフォルニア・エンゼルス | 3701 | 15 | カート・シリング | ボストン・レッドソックス | 3116 |
| 6 | トム・シーバー | ボストン・レッドソックス | 3640 | 16 | ジョン・スモルツ | セントルイス・カージナルス | 3084 |
| 7 | ドン・サットン | ロサンゼルス・ドジャース | 3574 | 17 | ジム・バニング | フィラデルフィア・フィリーズ | 2855 |
| 8 | ゲイロード・ペリー | カンザスシティ・ロイヤルズ | 3534 | 18 | ミッキー・ロリッチ | サンディエゴ・パドレス | 2832 |
| 9 | ウォルター・ジョンソン | ワシントン・セネタース | 3504 | 19 | マイク・ムシーナ | ニューヨーク・ヤンキース | 2813 |
| 10 | グレッグ・マダックス | ロサンゼルス・ドジャース | 3371 | 20 | サイ・ヤング | ボストン・ラスラーズ | 2803 |
所属は現役最終所属球団
[編集] シーズン記録
| 順位 | 名前 | 所属 | 奪三振 | 達成年 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ノーラン・ライアン | カルフォルニア・エンゼルス | 383 | 1973 |
| 2 | サンディ・コーファックス | ロサンゼルス・ドジャース | 382 | 1965 |
| 3 | ランディ・ジョンソン | アリゾナ・ダイヤモンドバックス | 372 | 2001 |
| 4 | ノーラン・ライアン | カルフォルニア・エンゼルス | 367 | 1974 |
| 5 | ランディ・ジョンソン | アリゾナ・ダイヤモンドバックス | 364 | 1999 |
| 6 | ルーブ・ワッデル | フィラデルフィア・アスレチックス | 349 | 1904 |
| 7 | ボブ・フェラー | クリーブランド・インディアンス | 348 | 1946 |
| 8 | ランディ・ジョンソン | アリゾナ・ダイヤモンドバックス | 347 | 2000 |
| 9 | ノーラン・ライアン | カルフォルニア・エンゼルス | 341 | 1977 |
| 10 | ランディ・ジョンソン | アリゾナ・ダイヤモンドバックス | 334 | 2002 |
- 1900年以前の記録:
- ※400奪三振以上。以下は全て投手-本塁間50フィートのルール適用時のもの
-
- マット・キルロイ:511(1886年)
- トード・ラムジー:499(1886年)
- ヒュー・デイリー:483(1884年)
- デューピー・ショー:451(1884年)
- チャールズ・ラドボーン:441(1884年)
- チャーリー・バフィントン:417(1884年)
[編集] その他の記録
- 1試合最多奪三振(延長含む)
- 21:トム・チェニー(ワシントン・セネタース)(1962年、投球回16)
- 1試合最多奪三振(投球回9イニング以内)
- 20:ロジャー・クレメンス(1986年、1996年)
- 20:ケリー・ウッド(1998年)
- 20:ランディ・ジョンソン(2001年)
- 連続二桁奪三振試合
- 8:ペドロ・マルティネス(ボストン・レッドソックス:1999年8月19日~9月27日)
[編集] マイナーリーグ
マイナーリーグでは、1952年5月13日のブリストル・ツインズ対ウェルチ・マイナーズの試合で、ツインズのロン・ネッチアイ(Ron Necciai)投手が、9回27奪三振でノーヒットノーランを達成した記録がある。
[編集] 比喩
「三振」という語は、三度目の有罪判決で重い罪が課せられるという三振法や、新司法試験の3回しかない受験機会の全てで不合格だった者を指す三振博士のように、野球を離れて比喩的に用いられることがある。
[編集] 関連項目
- ストライク (野球)
- ストライクゾーン
- 振り逃げ
- キャッチボール、またはボール回し - 無死または一死、走者無で奪三振した場合には「2→3→4→6→5→1」、または「2→5→6→4→3→1」と回すのが通例である。(主に肩慣らし、送球ミスの予防、チームの引き締めのため)
- 最多奪三振
- 野球の各種記録
[編集] 脚注
- ^ “ナショナルリーグ全体の投手成績”. 2009年11月9日閲覧。
[編集] 外部リンク
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