藤浪晋太郎

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藤浪 晋太郎
阪神タイガース #19
HT-Shintaro-Fujinami20131012.jpg
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 大阪府堺市南区
生年月日 1994年4月12日(20歳)
身長
体重
197 cm
90 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2012年 ドラフト1位
初出場 2013年3月31日
年俸 4,500万円(2014年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

藤浪 晋太郎(ふじなみ しんたろう、1994年4月12日 - )は、阪神タイガースに所属するプロ野球選手投手)。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

大阪府堺市南区出身。小学校1年生から野球を始める。堺市立宮山台中学校時代は「大阪泉北ボーイズ」に所属。投手を務め、最速142km/hを記録していた。3年時にはAA世界野球選手権大会日本代表に選出され世界大会に出場。身長は小学校卒業時に180.2cm、中学校卒業時で194cmあったという[1]

中学卒業後、大阪桐蔭高校へ進学し、1年の夏からベンチ入り、2年春からエースとなった。3年春のセンバツでは史上初の全5試合で150km/h以上を計測し優勝[2][3]夏の甲子園準決勝明徳義塾戦を9回2安打無失点8奪三振、決勝光星学院戦では9回2安打無失点、決勝史上最多タイの14奪三振、決勝史上最速となる153km/hを記録する2日連続の2安打完封投球で勝利し、史上7校目の春夏連覇を達成[4][5]。準決勝、決勝の連続完封は実に20年ぶりの快挙であった[6]。甲子園での通算成績は76回、防御率1.07、90奪三振[7]

秋には第25回AAA世界野球選手権大会日本代表に選出される。大会では2次ラウンドの3連投を含む計4試合で24回1/3を投げて防御率1.11の成績を残し、べストナインに相当する「オールスターチーム」に選出される[8]。さらにこの大会での活躍などから、後に国際野球連盟の2012年18歳以下男子年間最優秀選手に選ばれた[9]。10月のぎふ清流国体でも優勝し[10]松坂大輔を擁した横浜高校以来となる史上3校目の「三冠」を達成した[11]

2012年のドラフト会議では阪神タイガースオリックス・バファローズ東京ヤクルトスワローズ千葉ロッテマリーンズの4球団から1位指名を受け、抽選の結果、阪神が交渉権を獲得[12]。阪神の担当スカウトは畑山俊二[13]。ドラフト翌日の10月26日に、阪神球団GM中村勝広、監督の和田豊から直接指名挨拶を受けた際に、「打倒巨人の意味を込め、(かつて巨人キラーと呼ばれた小林繁[注釈 1]が着用していた)背番号19を背負ってほしい」と背番号19」が提示され[14]11月15日に契約金1億円+出来高5000万円、年俸1500万円の最高条件で仮契約した[15]

プロ入り後[編集]

2013年

3月31日のヤクルト戦(神宮)でプロ初登板・初先発[16][17]。6回を3安打、2失点(自責点1)、7奪三振と好投するも打線が無得点と援護がなく敗戦投手となったが、高卒新人の開幕3戦目での先発登板は、ドラフト制施行以降では開幕4戦目に先発した松坂大輔涌井秀章(共に西武)を抜き史上最速となった[18]。4月7日の広島戦では、本来は先発予定だったが、雨の影響で前日先発予定だった岩田稔がスライド先発登板し[19]初のリリーフ登板を経験[20]。2度目の先発登板となった4月14日の横浜DeNA戦(甲子園)で6回を被安打5、4奪三振で無失点に抑えプロ初勝利[21][22][23][24]。4月は1962年尾崎行雄[注釈 2]と並ぶ高卒新人史上最多タイとなる3勝を挙げ、ドラフト制導入以降では史上初の記録となった[25][26]

5月11日には背中の張りで登録を抹消されるが[27]、復帰後の5月26日の日本ハム戦(甲子園)では、高校3年のセンバツ以来となる大谷翔平との対戦が実現[28][29]。この試合ではコラボレーショングッズが発売されるなど大きく盛り上がった[30]。5月末に4勝目を挙げた後、1カ月近く勝利から遠ざかっていたが[31]、その後復調し、7月14日の横浜DeNA戦(甲子園)で6勝目を挙げる[32]。ドラフト制施行以降で、高卒新人が球宴前に6勝を挙げたのは、2007年田中将大(7勝、楽天)以来史上5人目、セ・リーグでは1967年江夏豊(7勝、阪神)以来3人目[32][33]

監督推薦でオールスターに選出され[34]、第2戦でオールスター初登板。大阪桐蔭高校の先輩である中田翔の打席では、同じく高校の先輩でありチームメイトの西岡剛と、捕手の谷繁元信の指示で山なりのスローボールを2球連続で投じる場面もあったが、2回を2安打無失点に抑えた[35][36]。8月11日の中日戦(ナゴヤドーム)では9回2安打無失点で勝利を収め、セ・リーグでは1967年の江夏豊以来の快挙となる[37]高卒新人でのセリーグ5球団からの勝利を挙げる[38]。更に8月31日の対広島戦(甲子園)で、6回1失点で勝利投手となり、シーズン10勝を挙げた[39]。セ・リーグで高卒新人がシーズン10勝を挙げたのは、1967年の江夏豊以来46年ぶり5人目の快挙であった[39][40]

更に、8月には4勝・防御率1.09を挙げ月間MVPに選ばれた[41][42][43]。高卒新人が月間MVPを受賞するのは、セ・リーグでは、1987年8月の近藤真一(中日)以来、史上2人目の快挙であった[42][43]。更に、この藤浪の月間MVPの受賞で、阪神タイガースの投手が5月から月間MVPを4カ月連続[注釈 3]で受賞した[41][43]。同一球団の投手が月間MVPを4カ月連続で受賞するのは、同期間に4カ月連続で月間MVPを受賞した田中将大(楽天・パリーグ投手)と共に史上初であった[43]

9月7日の巨人戦(甲子園)で7回4失点で敗戦投手となり、高校時代を通じての「甲子園不敗神話」が14連勝(16戦無敗)で途切れるなど[44]、9月以降は不調で勝ち星を上乗せできず、またチーム方針による球数制限が敷かれ[45][46]、投球イニングも規定投球回数(144イニング)に6回1/3イニング達しなかった。それでもセ・リーグでは、1967年の江夏豊以来46年ぶりとなる5人目の高卒新人10勝の快挙を受けて、日本シリーズ後の記者投票で藤浪が新人王に選ばれなかった場合に連盟で特別表彰することを発表[47]

チームのシーズン2位によって進出したクライマックス・シリーズでは、シーズン中の広島戦での成績が2戦2勝(防御率0.75)だったことなどから、10月12日に甲子園で開かれた広島とのファーストステージ第1戦の先発投手に抜擢された。日本のプロ野球でポストシーズン初戦の先発を任された高卒新人投手は、パ・リーグを含めても、この試合の藤浪が初めてである[48]。ただし試合では、3回まで無失点に抑えながら、5回4失点で降板した[48]

シーズン終了後の11月23日には、甲子園球場で開かれたファン感謝デーで、ヤナセ・阪神タイガースMVP賞、フレッシュ大賞、阪神タイガース新人特別賞、敢闘賞を受賞。副賞として、賞金1000万円とベンツ車が贈られた[49][50]。同月25日には、ミキハウス・サンスポMVP表彰&ファン交歓会に出席、史上最年少でMVP大賞を受賞し、賞金100万円が贈られた[51]。同月26日には、プロ野球コンベンションに出席。新人投手ながらリーグ最多の16勝を挙げた小川泰弘(東京ヤクルト)が新人王に選ばれたため、前述の発表に沿って、セ・リーグから連盟特別表彰として菅野智之(巨人)と共に新人特別賞を受けた[52][53]。12月3日には契約を更改。この更改によって、2014年の年俸は、3倍増の4,500万円(推定金額)になった[54]

2014年

シーズンを通じて先発陣の一角を担うことへの期待から、前年に続いて、一軍の春季キャンプへ最初から参加。3月8日に甲子園で開かれた日本ハムとのオープン戦では、先発投手として登板した大谷と(前述のセンバツ以来)2年振りに投げ合ったが、5回5失点で敗戦投手になった(勝利投手は5回1失点の大谷)[55]。オープン戦を通じて左打者から痛打を浴びるシーンが多かったため、一軍が開幕する直前の同月25日には、調整の一環でプロ入り後初めてウエスタン・リーグの公式戦(ナゴヤ球場の中日戦)へ登板。ストレートで自己最速タイ記録の156km/hに達した[56]

先発ローテーションの関係で2年連続の開幕一軍登録はならず、シーズン最初の阪神主催公式戦(開幕4戦目)の中日戦(4月1日・京セラドーム大阪)で先発投手として初登板を果たしたものの、8回途中6失点で2年連続の黒星スタート[57]。甲子園球場ではシーズン最初の公式戦になったDeNA戦(4月8日)では、先発投手として10代最後の登板を果たした。しかし、7回表2死無走者からトニ・ブランコのバックスクリーン直撃満塁本塁打などで5点を失ったことによって、4点リードからの逆転負けで開幕2連敗を喫した[58]。その一方で、3試合目の先発登板になった同月15日の広島戦(マツダスタジアム)では、6回表の第3打席で九里亜蓮から右中間にプロ初本塁打(ソロ本塁打)。投げても7回2失点の好投で、20代最初の登板をシーズン初勝利で飾っている[59]

選手としての特徴[編集]

浪速のダルビッシュ”と呼ばれ[60]、197cmの長身から繰り出す平均球速約146km/h[61]、最速156km/h[62]ストレートと鋭いスライダーカットボールを武器とし、フォークカーブも投げ分ける[1]。ストレートはシュート回転がかかっており[63]、フォームはスリークォーターで、ボールに角度をつけることよりも、打者との距離の近さを意識しているという[1]

好投手の条件として修正能力の高さを挙げている[64]。また、球速よりも球質を重視しており[65]、「ストレート一本で抑えるのが究極の理想です。でも実は達成できるものではないとも思っています。だから試合では勝ちにこだわるピッチングをする」と語っている[66]

母校である大阪桐蔭の西谷浩一監督からは「ダルビッシュ君ほどの器用さは持ち合わせていない。藤浪は粗さが残る投手。でも、この粗さが彼の投手としての良さのひとつ」[67]「ダルビッシュ君よりもリッチ・ゲイル(元阪神投手)に似ている」と評された[64]

人物[編集]

大阪府出身だが、幼少時代は父の影響で巨人ファンだった[68]

読書が好きで、野球関係の本以外にも東野圭吾山田悠介の小説を好んでいる[67]

大阪桐蔭高校進学時に有名進学校でもある同校の進学コースを受験しようとしたが、野球部員は全員Ⅲ類(体育芸能コース)に在籍する必要があったため、やむなく進路変更したというエピソードを持つ。

得意科目は英語で、小さい頃から英語教室に通い、中学3年で英語検定準2級を取得した[69]

また2歳から中学3年まで続けた水泳では泳力検定1級を取得している[70]

ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で2004年から連載中の野球漫画ラストイニング」で作画を担当する中原裕は、作品中に登場する「大阪の強豪校・難波南洋高校のエース藤村」のモデルが藤浪であることを公言。2014年の阪神春季キャンプ中には、同誌への掲載を前提に、藤浪への直撃インタビューを実施した[71]。また、野球漫画「ROOKIES」の作者で阪神ファンの森田まさのりは、同作品と阪神球団のコラボレーションによる2014年のキャンペーン向けに「藤浪がホームゲームで時速155kmのストレートを投げる姿」をイラストで描き下ろしている[72]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2013 阪神 24 23 0 0 0 10 6 0 0 .625 563 137.2 119 10 44 0 2 126 8 0 48 42 2.75 1.18
通算:1年 24 23 0 0 0 10 6 0 0 .625 563 137.2 119 10 44 0 2 126 8 0 48 42 2.75 1.18
  • 2013年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰[編集]

アマチュア時代
  • U-18男子年間最優秀選手(2012年)
  • 第25回AAA世界野球選手権大会 オールスターチーム (2012年)
プロ時代
  • 月間MVP:1回 (2013年8月)
  • 新人特別賞 (2013年)

記録[編集]

投手記録
打撃記録
その他の記録
  • オールスターゲーム出場:1回 (2013年)
  • 高卒新人でセ5球団に勝利 - プロ1年目の2013年8月11日に達成。阪神を除くセリーグ所属の5球団すべてに勝利した[75]

背番号[編集]

  • 19 (2013年 - )

登場曲[編集]

  • PADDLEMr.Children(登板時、2013年 - )
  • everyGReeeeN(打席時、2013年)
  • 「Worlds end」Mr.Children(打席時、2014年)

出演CM[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 江川卓の巨人入団に関する入団をめぐる騒動により、小林は江川との交換トレードで阪神に移籍し、エース投手として巨人戦で活躍した。
  2. ^ 正確には尾崎は高校中退であり、尾崎の場合は、年齢的には高校3年生と同年齢での記録である。
  3. ^ 5月・6月:能見篤史、7月:ランディ・メッセンジャー、8月:藤浪。

出典[編集]

  1. ^ a b c 『アマチュア野球 vol.33』 日刊スポーツ出版社、2012年、4-8頁。ISBN 978-4-8172-5526-6
  2. ^ “大阪桐蔭・藤浪が春の頂点に/足跡”. nikkansports.com (日刊スポーツ新聞社). (2012年4月4日). http://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/f-bb-tp3-20120404-928575.html 
  3. ^ “藤浪史上初全試合150キロ台/センバツ”. nikkansports.com (日刊スポーツ新聞社). (2012年4月5日). http://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/p-bb-tp3-20120405-928952.html 
  4. ^ “大阪桐蔭が春夏連覇/甲子園決勝戦詳細”. nikkansports.com (日刊スポーツ新聞社). (2012年8月23日). http://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/f-bb-tp3-20120823-1004869.html 
  5. ^ “大阪桐蔭春夏連覇 藤浪14K完封/甲子園”. nikkansports.com (日刊スポーツ新聞社). (2012年8月24日). http://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/p-bb-tp3-20120824-1005340.html 
  6. ^ “「真のエース」だ藤浪2日連続完封!春夏連覇達成”. スポーツニッポン新聞社. (2012年8月24日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/08/24/kiji/K20120824003964000.html 
  7. ^ “藤浪 松坂以上の奪三振率、「伝説の左腕」に匹敵”. スポーツニッポン新聞社. (2012年8月24日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/08/24/kiji/K20120824003962680.html 
  8. ^ “藤浪と森が「オールスターチーム」に選出”. スポーツニッポン新聞社. (2012年9月8日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/09/08/kiji/K20120908004075270.html 
  9. ^ “阪神・藤浪が年間最優秀選手 国際野球連盟表彰”. サンケイスポーツ. (2012年4月14日). http://www.sanspo.com/baseball/news/20130414/tig13041415000011-n1.html 2013年4月14日閲覧。 
  10. ^ 日程順延のため仙台育英高校と同時優勝となった
  11. ^ “藤浪3冠!松坂以来14年ぶり/高校野球”. 日刊スポーツ新聞社. (2012年10月4日). http://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/p-bb-tp3-20121004-1027265.html 
  12. ^ “虎の藤浪「入りそうな気がしていた」”. 日刊スポーツ新聞社. (2012年10月26日). http://www.nikkansports.com/baseball/professional/draft/2012/news/p-bb-tp0-20121026-1037781.html 
  13. ^ “虎・畑山スカウト、藤浪と毎試合後反省会”. サンケイスポーツ. (2013年7月15日). http://www.sanspo.com/baseball/news/20130715/tig13071505030010-n1.html 2013年7月15日閲覧。 
  14. ^ “藤浪、背番19もう発表「いい番号」”. 日刊スポーツ新聞社. (2012年10月27日). http://www.nikkansports.com/baseball/professional/draft/2012/news/p-bb-tp0-20121027-1038290.html 
  15. ^ “藤浪にダル給!阪神初の高卒最高額”. 日刊スポーツ新聞社. (2012年11月16日). http://www.nikkansports.com/baseball/professional/draft/2012/news/p-bb-tp0-20121116-1047438.html 
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  17. ^ “藤浪初黒星もやっぱり怪物!6回自責1”. 日刊スポーツ新聞社. (2013年4月1日). http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20130401-1105885.html 
  18. ^ “阪神・藤浪、史上最速デビューへ!予告先発発表”. サンケイスポーツ. (2012年3月30日). http://www.sanspo.com/baseball/news/20130330/tig13033015220014-n1.html 2013年3月31日閲覧。 
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関連項目[編集]